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謎の国シンガポール?! なぜアジアを狙う企業はみんな進出するか?

最近ニュースを見ていると、シンガポールを海外進出の拠点にしたり、あるいはシンガポールに本社機能を移転するケースがすごく増えているようです。なぜ、グローバルビジネスを展開する企業がアジアを攻めるとき、その進出拠点にシンガポールを選ぶのでしょうか?

更新日: 2015年04月11日

keitoyodaさん

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日本企業のグローバル展開が加速していますが、最近ニュースを見ていると、シンガポールを海外進出の拠点にしたり、あるいはシンガポールに本社機能を移転するケースがすごく増えているようです。実際、私の友人の何人かもシンガポール進出に向けて動いています。

シンガポールの法人税が安いのは確かですが、同じように法人税率が低い国は他にもあります。また、確かに地理的に見て、シンガポールは今まさに伸びているASEANマーケットの真ん中にありますが、国土の面積は東京23区と同じくらいの小さな都市国家ですから、シンガポールそのもののマーケットが大きいわけではないですよね。

では、なぜ日本企業はシンガポールへの進出を考えるのでしょうか?

そこには、金融、貿易、交通、物流、情報、教育など、あらゆる分野のハブ(活動の中心・中枢)を目指すシンガポールの戦略があります。

シンガポールは世界で最もビジネスに適した国

世界銀行発表「Doing Business 2012」によりますと、シンガポールは世界で最もビジネスを行いやすい国の1位に選ばれています。(ちなみに昨年も一昨年もシンガポールは1位です。)

日本もそうですが、市場が成熟し、内需拡大が見込めない先進諸国の企業は自国の外にマーケットを求めて打って出ようとします。そして、「どこの国でビジネスを展開するのがいいか?」と考えたとき、世界で最もビジネスを行いやすい国として1位のシンガポールがその候補になるのは当然と言えます。

世界183ヵ国・地域を対象にビジネスのしやすさを調査した年次報告......で、シンガポールが4年連続で1位を維持した。

ちなみに、日本は15位でした。。。。

企業にさまざまなメリット! シンガポールの「ハブ化」戦略

シンガポールに拠点を置く多国籍企業は約7,000社。多国籍企業がシンガポールを注目する最大の理由は「アジア事業のハブ」としての魅力です。実際、シンガポールに展開する多国籍企業の6割が地域(グローバル)統括拠点としてシンガポールを活用しているそうです。(シンガポール経済開発庁調査)

そして、その背景には下記の3つの理由があります。

1)東南アジアの中心に位置する「地の利」(空港の利便性、世界有数の取扱量を誇る港湾設備(2009年の海上コンテナ取扱量2,587万TEU)等)

2)優秀な英語人材、整ったビジネス・インフラ(金融・サービス機能、研究設備など)

3)各種政策(優遇税制、租税条約、FTA、贈収賄に対する厳格な取締りなど)

つまり、土地でも資源でもなく、ハブとしての「機能」がシンガポールの魅力の源泉のようです。

西村あさひ法律事務所 弁護士 久保 光太郎
法と経済のジャーナル Asahi Judiciaryより引用

シンガポールの地の利

まさにASEANの真ん中に位置しているシンガポール!

インドやベトナム、タイに出張するにも、日本国内を出張する感覚で行くことができそうです。

言ってみれば、ASEANはアジアのEUみたいなもんですね。国は違うけど、経済圏としては国内感覚みたいな。

DeNAも東南アジアのハブにシンガポールを選んだ!

今年9月1日に設立されたばかりのDeNA Asia Pacific Holdingsはシンガポールに拠点を置き、東南アジア、南アジアにおけるソーシャルゲーム事業(Mobage)の統括拠点と位置付けられています。

設立時のプレリリースでは、

シンガポールを含む東南アジア・南アジアのデベロッパーへの開発支援やゲームの調達、デベロッパーとの提携・買収などによるゲーム開発体制の構築を図っていく他、グローバル版「Mobage」の同地域向けローカライズを担う拠点として機能を拡大していきます。

と説明されていました。

アジア戦略のハブとなるのがシンガポールです。

シンガポールが果たす役割については、まず第一に開発コストの削減、そして次に市場を理解するという目的があるようです。

Mobageの世界展開を目指すDeNAはもちろん東南アジアでもいち早くサービスを開始したいと考えているそうです。しかし日本からでは各市場が分かりづらいのも確か。

だから、まずはアジアのハブであるシンガポールに拠点を置き、現地の通信会社やデベロッパーとの話し合いを重ねて理解を深めていると言います。東南アジアで最初にMobageを投入する国は決まっておらず「出だしで躓きたくない」ため慎重に検討をしているところだそうです。

シンガポールを拠点にする企業に対する数々の優遇措置

シンガポールを拠点として海外展開を目指す企業に対して、シンガポールでは法人税制をはじめとした多種多様な優遇措置と国際的に競争力を高めるビジネス環境が整備されています。
(以下、JETRO(ジェトロ)のウェブサイトから転記)

■法人税制度

1)低い税率
シンガポールは競争力を高めるため、法人税率を引き下げてきた。2009年度予算案では課税年度2010年(課税対象は2009年の利益)から法人税率を18%から17%に引き下げた。この引き下げによって、シンガポールの法人税率は、アジアでは香港の16.5%にほぼ並ぶ低いものになっている。課税所得のうち最初の30万Sドルに対しては部分免税制度が適用されるため、実効税率は17%未満になる。

2)キャピタルゲイン課税なし
シンガポールにはキャピタルゲイン課税がない。これは、企業が海外投資を計画する際に撤退戦略まで含めて考えると、重要なポイントとなる。事業再編目的で子会社を売却(投資有価証券を譲渡)する場合に生じるキャピタルゲインに課税が生じないため、その分だけ撤退コストを小さくできるからである。

3)多数の租税条約
シンガポールは約60カ国と租税条約を結んでいる。シンガポールに置かれた地域統括会社は、租税条約に盛り込まれている二重課税防止条項を利用して、配当や利息、ロイヤルティに係る源泉税の削減を行うことがでる。これによりクロスボーダー取引を頻繁に行う企業は、二重課税を最少にできる。

4)国外源泉所得の免税
シンガポールは国外所得免除方式の課税制度を採用している。国外源泉所得はシンガポールに送金した場合にのみ課税され、ある特定の所得はシンガポールに送金した場合でも免税になる。一つの例として、外国企業からシンガポールに還流された配当金は、その企業が所在する国の表面税率が15%以上の場合、その国で課税されている(源泉税や受取配当のもとの利益に課される所得税などを納付している)ことを条件に、非課税となる。そのほかにも免税措置が適用される場合があり、シンガポール税務当局は現実に即して柔軟に対応する姿勢をとっている。

5)ワン・ティア・システム
シンガポール政府はワン・ティア法人税制度を採用しており、シンガポールに置かれた持ち株会社や地域本社が本国に配当する際には一切課税が生じない。シンガポール企業が支払う法人税が最終の納税となる。したがって、シンガポール企業が国内の個人、法人に支払う配当金は、受け取る側では課税対象外であり、国外の企業に配当する場合は源泉税が課せられない。

6)タックスヘイブン税制や過小資本税制
他の多くの国と異なり、シンガポールには、CFCルール(controlled foreign corporation rules、いわゆるタックスヘイブン税制:在外子会社の利益に対する合算課税の制度)や過小資本税制はない。支払利息は、資金が課税所得を生み出すために使用されていることを明確に実証できる限り、損金に算入することができる。

7)対内投資促進税制
国際的な競争力を高めるための税制のほかに、企業は、海外からの直接投資を促すために設けられた優遇税制を利用することができる。


■優遇税制

シンガポールにおける外資導入や産業振興のための税制優遇措置は、 所得税法( Income Tax Act )および 経済拡大奨励法 ( Economic Expansion Incentives Act )を根拠法として、時代の政策に応じて整備が行われてきたが、そのうち、 製造・サービス業を対象とした優遇措置を所管する経済開発庁 ( EDB )は、 13 の投資優遇措置の適用を行う窓口となっている。

これらの優遇措置の適用にあたっては、優遇措置を受けられる投資の認可の条件として、相当規模の資本投資であることや、高度技術と製造技術に関連したプロジェクトであること、特殊技術や専門的サービスの提供を行うこと等が求められており、これを通じて、高付加価値産業への投資促進を誘導している。

優遇税制は、大きく分けて、1.地域統括企業向け、2.技術革新・製品開発企業向け、3.海運事業者向け、4.貿易・海外事業拡張・観光促進企業向け、5.金融サービス企業向けの 5 分野に分類され、シンガポールへの投資を検討している日本企業や既にシンガポールで操業している日本企業に利用できるものである。

シンガポール進出のメリット&デメリット

■シンガポール進出のメリット

1.政治が安定しており、政府が効率的かつクリーン(汚職などがない)
2.安定的かつ信用できるビジネスインフラ(法制度、港湾、空港、通信、交通網が整っている)
3.公用語の中でも英語が重視され、ビジネス言語となっている(国民の英語のレベルが高く、日本人も仕事が進めやすい)
4)法人税率が17%と低く、キャピタルゲインが非課税である
5)親日家が多く、日本・日本人に対して好意的でビジネスがやりやすい
6)労使関係が安定している
7)会社設立が容易で、100%独資(個人株主・会社株主)が認められている

■シンガポール進出のデメリット

1.ほかのASEAN諸国と比べて、全般的に物価がかなり高い(人件費、家賃(オフィス、駐在員の住居)、自動車の維持費(購入やレンタル費用、電子式道路課金<ERP>システムへの対応費用、駐車料金)、医療費など)
2.日本からの駐在予定者の就労ビザ取得と更新の基準が厳しくなりはじめた(多くの進出予定中小企業にとって、駐在予定日本人スタッフの就労ビザ取得は重要)

出典:中小機構HPより
http://www.smrj.go.jp/keiei/kokurepo/kaigai/063479.html

シンガポール進出をサポートするサービスも登場!

最近、グローバル人材育成の仕事でもシンガポールの話はよく出てきますが、こうして調べながら、自分でもシンガポールに進出してみようかななんて気になってしまいます。実は、、

でも、いくら地の利がいいとか、インフラや法が整備されているとか、優遇税制があると言われても、実際にどんなグローバル展開ができるのだろうか?不安になるのも事実。。。

同じような課題をもつ経営者も多いのか、シンガポールへの進出をサポートするサービスも現れています。

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スパイスアップ・ジャパン代表取締役。グローバル人材育成/新興国での海外研修/上智卒/アルゼンチン育ち。著書『とにかくすぐやる人の考え方・仕事のやり方』など全15冊。

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