「ゆとり世代」は本当に仕事ができないのか?

「ゆとり世代」とは「ゆとり教育」を受けてきた世代のこと。この世代の新人は仕事ができないと一般的に言われるが、本当のところはどうなのだろうか。

更新日: 2011年12月20日RSS

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ゆとり教育のせいでダメになったと「言い訳する」大人たち

「ゆとり教育」を受けたいわゆる「ゆとり世代」が社会人になった。企業の新人育成を担当する教育担当者は口々に「仕事ができない」「育成できない」「意識が高まってくれない」と悩みをこぼす。果たして「ゆとり世代」は、今日の日本の企業社会においてどのように評価され、育成されてきているのだろうか。

本当に彼ら彼女らは仕事ができない人たちなのであろうか? それとも、日本の企業社会が、新しい価値観を持つ新世代の若者たちに適用できないでいるのではないだろうか?

過去最悪水準の就職氷河期を生き抜いて就職してきた「ゆとり世代」の実態に迫る。

ゆとり世代の新社会人の特徴は・・・

ゆとり世代の特徴としては、いろいろな意見があげられている。しかし、ここであげられている視点は、社会人になりたての人には必ずある課題ではないだろうか?

1.他者視点が育っていない
2.深く考える習慣が育っていない
3.楽して、きれいに成果を上げたい
4.チャレンジする「心」が育っていない
5.年長者と話そうという意識が育っていない

皆が「ゆとり世代」の課題としてあげているものは、どうやら学生から社会人に転換する際の一般的な課題のように思えてくる。これらは決して、「ゆとり教育」がもたらした新しい課題ではない。本当の課題は、「ゆとり教育」のせいにして、社会人としての基礎教育をしなくなった企業側にあるのではないだろうか?

そもそも「ゆとり教育」のせいにしても何も始まらない

安易に原因を「ゆとり教育」に求め、彼らにレッテルを貼るだけでは、真の課題を見失ってしまいます。大切なのは、彼らと今後どう向き合っていくかということです。彼らは、ITリテラシーの高さや理解力の高さなど、非常に優秀な要素もたくさんあります。企業の発展のために、彼らの強みを最大限に活かし、立派な戦力として成長させるための教育施策が必要です。

新卒入社する社会人は皆「ゆとり世代」なのだから育てるしかない

1.じっくり育てるが大前提
2.早期戦力化には考え方を変える
3.模倣から学ばせる
4.他者視点の判断軸を教える

「学校教育は創造性を殺してしまっている」ケン・ロビンソンの主張

一方で、そもそも既存の学校教育の仕組み自体が古すぎて社会に適合していないという主張もある。サー・ケン・ロビンソンは、人間の創造性を(弱めてしまうのではなく)育てていくための教育システムを構築している。彼のやり方はエンターテイメント性に溢れると同時に、我々の心の奥底に何かを強く訴えかけてくる。下記はTedに掲載された講演映像だが、彼の主張に従えば、19世紀につくられた教育のシステムでは、複雑で創造性を必要とする今の社会においては、「ゆとり教育」か「脱ゆとり教育」かという議論すら意味がなく、教育システム自体のパラダイムを転換すべき時期がきたとも言えるだろう。

「ゆとり世代」のライバルは時空を超えて広がっている

「ゆとり世代」のライバルは同じ「ゆとり世代」同士ではない。「ゆとり世代」は、大人達のレッテルを乗り越えるだけではなく、時空を超えて広がる厳しい戦いを勝ち抜かなければならない。

就活戦線における子どもたちのライバルは日本人だけでなく、海外にも広がっているのだ。海外の優秀な学生は非常に熱心に勉強する。チャレンジ精神旺盛で主体的だ。自立的でどんな環境でも生き抜ぬくタフさがある。いわば肉食系だ。それにひきかえ、日本の学生は、草食系で安定志向でおとなしい。いまだに就職ではなく「就社意識」が強い――どれも海外事情にも精通する人事担当者たちの言葉ではある。そんなパワフルな外国人の学生と同じ土俵に上がったとき、果たして子どもたちは勝てるのだろうか。

外国人学生だけではなく、もうひとつ新たなライバルが出現している。それは既卒生だ。大学生の就職環境が厳しいことを踏まえ、厚生労働省では、卒業後3年以内の既卒者を新卒扱いとして正規雇用で雇い入れた企業に奨励金を支給する制度を創設した。また成長戦略としてダイバーシティ(多様性)を重視するため、大学卒業後○カ月までを新卒として扱うという取り決めがある企業もある。つまり同じ学部3年(修士1年)だけがライバルなのではなく、自分たちの2、3年上の先輩たちも同じ新卒扱いになり、就職戦線に参加することになる。我が子のライバルは時空を超えて広がっているのだ。

このような厳しい環境を勝ち抜いてきたいわゆる「ゆとり世代」を採用した企業は、この貴重な人材を活かす方法をもっとじっくりと考えなければならないだろう。

入社前に「ゆとり世代」の新人を強化する取り組みが続々と・・・

「ゆとり世代」の社員を活用していく企業は上記を踏まえた上で人材育成をしていかなければならない。新入社員や内定者に対する、これまでにはないプログラムが多くでてきているようだ。

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グローバル組織人事戦略コンサルタントとして日本企業を支援!
株式会社JIN-G 代表取締役
ビジネス・ブレークスルー大学 経営学部 准教授

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