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最多37回目の優勝も…横綱白鵬の悩みは、「ダメ押しぐせ」と「帰化せず親方」

大相撲夏場所は紆余曲折だった横綱白鵬。ピークを過ぎての限界説から休養まで促されながら、踏ん張り優勝争いにまで加わった頑張りは改めて評価されるべき。ただ力の衰えは隠しきれず。

更新日: 2016年08月02日

egawomsieteさん

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■白鵬「話したかった」=九重親方の眼力を再認識

大相撲の横綱白鵬は2日、元横綱千代の富士の九重親方が7月31日に死去したことを受け、「二人で、一回話してみたかった。それが悔いに残っている」とその早すぎる死を悔やんだ。巡業先の福井市体育館で語った。

 白鵬は入門当初の体重が62キロだった。なかなか大きくなれずにいた頃に見たのが、千代の富士のビデオ。体重差をもろともせず大型力士を倒す雄姿を胸に刻み、まねながら稽古に励んだ。「今でも、そのスタイルを身に付けてやっている」と取り口への影響を明かした。

 忘れられないのは「もう少し体をつくったら良いところまでいくよ」と激励を受けたこと。「当時はそうなのかなと思ったが、やっぱり大横綱の目は間違っていなかった」と話した。

■モンゴル帰郷 母国アマ相撲主管団体のトップ就任へ

名古屋場所で10勝5敗に終わった白鵬も成田空港からモンゴルに帰郷した。30日から首都ウランバートルで行われるアマ相撲の世界選手権への出席が最大目的。「相撲がますます世界に広まるよう仕事として帰ります」と話し、母国のアマ相撲を主管する団体のトップの座を元幕内・旭鷲山から引き継ぐことも明かした。

 場所中に痛めた右足親指の状況については「骨に異常はないが、(筋)繊維に多少損傷があるみたい」と説明した。

■白鵬、横綱皆勤場所ではワーストタイ5敗 通算1000勝先送り

白鵬は日馬富士に最後は力なく寄り切られ、横綱皆勤場所では12年夏場所に並ぶ自己ワーストの10勝5敗。立ち合いで得意の右が入り「安心した。攻め続ければ良かった」と動きが止まったことを反省した。

 場所後には母国モンゴルで開催されるアマチュア相撲の世界選手権に顔を出す予定。本来なら通算1000勝(残り3勝)と38度目の優勝を手土産に凱旋するはずだったが、どちらもかなわず言葉少なのまま会場を引き揚げた。

■4敗V消滅…“行司待った”にイラッ「もういいやと思った」

白鵬は最初の立ち合いで左手を出して立ったが、予想外の“行司待った”でリズムを崩した。2度目は「もういいやと思った」とがむしゃらに前に出たが、稀勢の里の突き落としにバタリ。12日目も“行司待った”で止められ整理できず敗れ「(立ち合いは)合ってるのに…」と納得できない様子。

 ただ、そこは横綱。38度目Vは消滅したが「あれで負けたら仕方ない。相撲に勝って勝負に負けた」と素直に敗戦を認め、千秋楽へ「今日みたいに前に出られれば」と切り替えた。

■白鵬、不満あらわに「相撲に勝って勝負に負けた はい、終わり」

逆転負けの白鵬は、最初の立ち合いを止めた行司への不満をあらわにした。呼吸が合わなかったかと問われ「合っているだろう。何回やるんだ」と強い口調。同じ展開だった12日目の照ノ富士戦のことにも触れた。

 2度目は立ち合いから一気の出足で攻めたが、土俵際で稀勢の里の左突き落としを食った。速攻の作戦について「最初はそう思っていなかった。もういいやと思って」と投げやりな言い方で悔しさをにじませた。

 3連覇が消え、千秋楽の日馬富士戦はどこまで気力を奮い立たせられるか。「きょうは相撲に勝って勝負に負けた。はい、終わり」と険しい表情で取材を打ち切った。

■白鵬、今場所1000勝消えた…右足負傷だけじゃない!食べ過ぎも敗因に

東横綱・白鵬の名古屋場所での通算1000勝が消えた。西大関・照ノ富士に立ち合い不成立の末に、左上手を許して寄り切られて3敗目。場所前から目標に掲げていた史上3人目の大記録は秋場所(9月11日初日・両国国技館)以降に持ち越しとなった。2敗で東横綱・日馬富士と東大関・稀勢の里がトップ。この日、敗れた白鵬、西小結・高安と西前頭2枚目・宝富士、東前頭10枚目・貴ノ岩が3敗で続く。

白鵬が結びで1日に2回も“負けた”。1度目の立ち合いで左四つに組み合ったが立ち合い不成立。行司の「待った」の声が飛ぶ中で寄り切られると、2度目は左前みつを許して横向きにされて向こう正面に落とされた。通算1000勝に向けてラストスパートに入ったはずの最強横綱の失態。支度部屋では質問に答えず「まあ」「ふー」を繰り返した。

 9日目の勢戦で右足親指を負傷。その影響で右足を蹴って踏み込めず両足で突っ込む中途半端な形でしか立てなかった。「右足を引くと痛みが出る。ピリッときた」。帰り際に歯がゆい現状を口にしたが、敗因はそれだけではない。食べ過ぎだ。

場所中は後援者と会食に出かけ、名古屋の食事を堪能した後に夜食も口にしているという。猛暑で衰えたスタミナを食事で補おうとしたが逆効果。前日は「徐々に体調も良くなってきた」と好調を口にしたが胃の痛みを感じていた。体重もベストの155キロから5キロ以上増えた。小さな歯車の狂いは2012年夏場所以来の12日目までの3敗(休場は除く)という数字になって表れた。

 プランも狂った。千秋楽翌日にモンゴルに帰省。母国で開催されるアマチュア相撲の世界大会に主賓として出席予定だが、1000勝を“持ち帰る”もくろみは崩れた。この日の朝稽古後、「(優勝争いは)どうなってもおかしくない。対応していくしかない」と語った通りの展開。2敗の2人との対戦を残しており3場所連続38度目の優勝の望みはあるものの、追う立場となった横綱は逆転のシナリオを描くしかない。

■わずか3秒、らしくない完敗の白鵬 優勝争いから後退する3敗目

呼吸が合わず、行司がすでに組み合っていた白鵬と照ノ富士を止めた。立ち合い不成立。館内のどよめきが鎮まる前に、仕切り直しで一気に横綱が寄り切られた。優勝争いから後退する3敗目。結びの波乱に無数の座布団が舞った。

 白鵬は「(不成立の相撲で)右足を引いたときにぴりっときた」と言った。相手は大関とはいえ、両膝に不安を抱えている。らしくない完敗だ。照ノ富士に早々と左上手を与え、出し投げで横向きにされて寄られると力なく土俵を割った。勝負に要した時間はわずか3秒だった。

けがの影響を引きずっているようだ。今場所2つ目の金星を配給した9日目。右足親指を負傷した。以降は立ち合いの踏み込みに鋭さを欠く。師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)は「場所前の調整でやり過ぎた面がある」と体調面にも懸念を示していた。

 「年に一度の名古屋場所で」と達成を目指していた史上3人目の千勝も、この黒星で今場所中の達成が不可能となった。12日目までに3敗を喫するのは途中休場した昨年秋場所をのぞけば、平成24年夏場所以来だ。

 残り3日の終盤戦で対戦を残すのは、豪栄道、稀勢の里、日馬富士と難敵ぞろい。横綱10年目に突入した今場所。38度目の優勝を狙う第一人者が劣勢に立たされた。

■栃ノ心に23戦全勝 右足親指に不安も48秒かけ寄り切る

白鵬は過去22戦全勝の栃ノ心との力相撲を制し、2敗を守った。土俵上でつまずき敗れた前日の相撲で右足親指に不安が生じ、この日は長い距離を歩かず済む裏口から入場。それでも「万全の態勢で治療し臨んだ」と48秒をかけ慎重に寄り切った。

 つられて足をばたつかせるなど万全ではなく、取組後は「疲れもある」と右太腿を手で叩く場面も。通算1000勝と38度目Vの同時達成には残り全勝が求められるだけに「これからが早いような感じになる」と表情を引き締めた。

■勢が初金星「それはもう…真っ白」白鵬をはたき込み

<大相撲名古屋場所>◇9日目◇18日◇愛知県体育館

 西前頭4枚目の勢(29=伊勢ノ海)が、初の金星を獲得した。過去の対戦成績が9戦全敗だった横綱白鵬(31=宮城野)をはたき込みで破った。

殊勲の白星でインタビュー室に呼ばれると「もう全く、必死で当たっていったので、はっきり覚えてないんですけど…。今日はいつもと違う立ち合いで当たっていきました」と打ち明けた。

 立ち合いの場面。仕切り線の右ギリギリに手を付き、白鵬の正面からずれる形で立ち合った。自動的に、白鵬得意の右かち上げから体を遠ざけた。

勢は右を差し、左はがっちり固めて、白鵬の右差しを許さない。すると、白鵬がこれを嫌って離れ、見合う形になった。直後、白鵬が右足親指を土俵に引っかけて転倒。気づくと座布団が舞っていた。

 「それはもう…、(頭が)真っ白。何が起こったか分からなかった。横綱ですから、簡単に勝たせてもらえないですし…。頭がぼやーっとしている」と勢。5月の夏場所は、かち上げをまともに食らい、1発で尻もちをついた。以来、白鵬対策を考え続け、右にずれる立ち合いで結果につなげた。

 「うれしい。横綱に勝てたことはうれしいです。でも、頭が動かない。初めて勝てたわけですから、そうなって当然だと思います」。最後までぼうぜんとしていた。

■幕内900勝!中国「荘子」名料理人の境地

3場所連続38度目の優勝を狙う横綱・白鵬は平幕の松鳳山を冷静に送り出し、1敗を守った。5日目の宝富士戦での黒星の反省を大いに生かし、相手を巧みにさばく相撲で史上1位の幕内勝利数を節目の900に伸ばした。トップを走る1敗は白鵬、日馬富士、稀勢の里、高安の4人で、宝富士ら平幕の4人が2敗で続いている。

その場で相手の隙を見つけ、さばく。それを平然とやるのが今の白鵬だ。闘志と瞬発力が自慢の松鳳山に対して、立ち合いでしっかり当たってから左手を前に差し出して様子見。じっくりお手並み拝見してから最後は相手が前に出てきたところに乗じ、「左が深く入ったから」と土俵上を時計回りに動いて送り出した。

 5日目の宝富士戦では攻め急いで不覚を取ったが、その後3日は負けない相撲を取り続けて、史上1位の幕内勝利数は節目の900に到達した。そのうち横綱での白星だけで706を記録していることが最強の証だろう。取組後の支度部屋では「こうなったら幕内1000勝でしょう」と宣言した。残り6勝に迫る史上3人目の通算1000勝を飛び越え、さらに大きなモチベーションの材料を脳内に追加した。

相手をさばいて料理する6日目からの相撲は、5年前に白鵬自身が口にした理想の横綱像にぴったりだ。中国の「荘子」に登場する名料理人「包丁(ほうてい)」という人物。包丁は王の前で牛1頭を刀で難なくさばき「ただ技や力でやろうとは思っていません。自然の摂理に従って骨、筋、肉の間にある隙間を見いだしたのです。だから私の刀は19年使っていても砥石(といし)に当てたばかりのように輝いている」と言ったとされる。当時の白鵬は「まだ深く感じられない…」と模索していたが、現在のスタイルはまさにその境地だ。

 この日、NHK放送のゲスト解説を務めた元中日投手の山本昌氏は打ち出し後に白鵬を「イチローや武豊に共通するオーラがある」と評した。10年目に突入した横綱の立場で磨き上げた白鵬の刀は、勝負の後半戦でどんな切れ味を発揮するのだろうか

■ヒヤリと思いきや余裕たっぷり「そこを残すのが横綱」    大相撲名古屋場所7日目 (7月16日 愛知県体育館)

1敗の白鵬は妙義龍の攻めを止めきれず右からはたいて呼び込んだが、土俵際で巧みに左に動きながらかわして下手投げ。ヒヤリとしたかと思いきや、流れで左を差していたこともあり「多少見た分、押されたかも。そこを残すのが横綱」と冷静だった。

 これで通算1000勝まで残り7勝。支度部屋では水を一気飲みし「ボルヴィックうまい!他の水もおいしいけど一番柔らかくて喉越しがいい。CM来ないかな?」とアピールするなど38度目Vへ余裕たっぷりだ。

■1敗堅守 琴勇輝に苦言「巡業でかわいがってあげようかな」

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