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「向日葵の咲かない夏」のラストに隠された大オチに気づいた?

小説「向日葵の咲かない夏」のラストシーンのトリックがすごかったのでまとめてました。最後の最後まで読者を騙す素晴らしい作品でした。ネタバレ注意。自分なりの解釈というよりはこれが正解でしょう。

更新日: 2012年11月09日

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道尾秀介の書いた小説。ミステリ大賞候補作。
100万部を超えるベストセラー。

▼ラストシーンの解釈

ラストシーンや火事の場面の意味を理解できるかできないかで作品の評価が分かれると思います。

※火事は「ミチオが両親に助けられるシーン」の描写ではありません。「ミチオが両親を殺すシーン」の描写です。

これが読者をも巻き込む最後の壮大なオチです。

1.ミチオは生きています。両親のみが死にました。

火事後、両親が生きていればミチオは親戚に引き取られることはありません。
両親が死んでしまっているからこそミチオは引き取られることになりました。
P462の「アスファルトには長い影が1つ、伸びていた。」という描写からも明らかです。

2.ミチオは死ぬことは幸せであると思っている節があります。

冒頭(P6)に「考えようによっては、妹は幸せだったのかもしれない。こんな世界を、何十年も生き抜いていくよりは。」とミチオが述べています。

火事場面での「お父さんとお母さん、2人で逃げて」=死んで。「僕はここに残るから」=生きる。という意味だと理解できます。

P457、「僕は『早く行って』と言いながら、一歩後ろに下がった」
早く行って=あの世に行って、後ろに下がった=外に近づいた

3.火事後もミチオの妄想が健在しているということは・・・

火事後もミチオの妄想(死んだ人が動物や物に生まれ変わり、話をする)は明らかに存在しています。これは超重要です。

妄想がなくなっていたのならば、「ミチオは自分の妄想癖を捨てるために(自分が死ぬために)火事にした」という解釈ができ、ミチオの言うように火事の中で両親に助けられたと理解できます。

しかし、ミチオは妄想を依然として持ったままです。
ということは、火事にしたのは「S君の事件や両親についての耐えられない出来事だけをなかったことにする」ためであり、妄想自体を捨てようとしたのではありません。
なかったことにするために家を燃やし、両親を殺す必要があったのです。

4.ミチオは両親に助けられた?

ミチオは妄想癖を持ったままです。
ということは両親がミチオを助けたということすらもミチオの妄想であると解釈できます。
本当はミチオが火事で両親を殺したのです。

P458「お父さんとお母さんが両手を差し出すのが見えた。」=救い出すための両手ではなく、救いを求める両手。

▼追記:作者本人の「まとめ記事」への反応とヒントの提示

僕は作者なので何もコメントできないけど、これは「ほお…」と思った。未読の方はご注意。→NAVERまとめ matome.naver.jp/odai/213388967… 「向日葵の咲かない夏」のラストに隠された大オチに気づいた? ラストシーンや//の場面の意味を理解できるかできないかで作品の評価が//

@editor_of_SS でもあの作品は、タイトルの意味に言及している人が意外と少ないような気がします。それと、ラストシーンで一緒にいたのが「何」だったのかという点も、読者の方々がどんなふうに解釈しているのか知りたいところです。

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このまとめへのコメント1

  • na5h53hf4さん|2013.06.25

    火事後、ミチオの妄想は続いていませんよ。
    小説の一番最初のページが、時系列的には一番最後の部分です。つまり、火事で両親が死んだ1年後ですね。
    ここで、主人公は「ごっこ遊び」を止めているのが分かります。
    ミカ(トカゲ)の遺骨を見ながら、死んでしまったミカの事を思ってるんです。
    つまり、ミチオの中で、もうミカは生まれ変わってないんです。ミチオは卒業できたんです。

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