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【厳選】死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?【まとめ】

「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」シリーズから、特に怖いと思った話をまとめてみた。

更新日: 2014年02月25日

escape33さん

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ヒサルキ

114 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/02/13 13:06
最近、保育園で保母さんをやってる友達に聞いた話。
その子が行ってる保育園ってお寺がやってるとこで、すぐ近くにお墓があったりする。
お墓に子供が入っていたずらしないように、周りに柵がしてあるんだけど、柵の杭の尖った先っちょに、虫やトカゲなんかが串刺しになってることが良くあるらしい。
園児のイタズラかもしれないけど、お寺も兼ねてる保育園だから、けっこう人の出入りは多くて、広場で小学生なんかがしょっちゅう遊んでるから、誰がやってるのかわからない。
まぁ鳥のせいかもしれないし~って感じで、誰もたいして気にはしてなかった。

ところがある日、その柵にモグラが刺さっていた。さすがに哺乳類はグロいんで、すぐに園長先生(=寺のお坊さん)が片づけてくれた。
で、しばらくすると、今度はネコが突き刺さってた。
これはさすがに酷か ったんで、保母さんやお坊さんが集まって、誰の仕業か?どうしたらいいのか?って話をした。
でも、犯人はわからないし、再発防止の名案も出なかった。
結局、どーするんだろうね~ってムードでダラダラと時が過ぎて、ある日、ウサギが突き刺さってた。保育園で飼っていたウサギだった。
これは、友達が見つけたらしい。早朝に、お坊さんがお墓の掃除に行った時には無かったのに。

その日は、たまたま友達より早く来ていた子供がいたんで、その子に何か見た?って聞いてみた。
その子は一言「『ヒサルキ』だよ。」って言った。
「『ヒサルキ』ってなあに?」と聞いても上手く説明できないみたいだった。あとで、ほかの子に『ヒサルキ』の事を聞いてみた。
みんな知ってい た。でも、誰も『ヒサルキ』がどんなモノなのか説明できなかった。
子供達は、ウサギが死んだのを、あまりかわいそうだと思っていないようだった。
何となく、しょうがない、みたいな感じで醒めていた。

116 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/02/13 13:08

変だと思ったのは、『ヒサルキ』のことは、園児の親も知らなかったこと。
子供がそんな言葉を使っているところも、誰一人覚えていなかった。
テレビや本のキャラでもなかった。
すると、保母さんの一人が、昔そんな名前の絵を見たことがある、と言い出した。
子供が描いた絵は返してあげるので保育園には残っていない。ただ、絵を描いた子がその保母さんの近所の子だったので名前を覚えていた。
「その子に聞いたら・・・」と友達が言うと、その保母さんは「引っ越した。」と答えた。そして、「その引っ越しが変だったんで、覚えてる。」とも言った。
なんでも挨拶もなく、急に引っ越していったらしい。さらに不思議だったのは、引っ越す時にチラッと見たらしいんだけど、その絵を描いた子が両目に眼帯をして車の中に座っていたんだって。それで、どこへ行ったのかはわからずじまい。
それからニワトリが串刺しになったのが最後で、『ヒサルキ』騒動は終了。
結局、犯人も『ヒサルキ』の正体もわからずじまい。前みたいに虫なんかは突き刺さってるみたいだけど。

終わりです。

昼休みに急いで書いたから、文章荒れてる?洒落になってるし。スマソ。
で、誰か『ヒサルキ』って知ってます?

サブリミナル

140 名前:   投稿日:03/02/13 16:46
友人が駅前のビデオ店からダビングのできる昔のビデオを借りてきて
(たしかゴッド・ファーザーの1だったと思う)、
それをデジタル・ビデオ・カメラにダビング、それをハードディスクに
とりこんで、ビデオの編集ソフトで5分に1回くらいの割合で、首吊り死体
の映像を1/24秒間くらい挿入して、借りてきたビデオに上から再録画して
ビデオ店に返した。
(元ネタは有栖川有栖の「海のある奈良に死す」、私がその友人に貸した)
 そうしたら本当に去年の11月の今年の2月にかけて友人の家の近辺で自殺
が相次いだそうです。
 
 私はロルフ・デーケンの「フロイト先生のウソ」(文春文庫)を読んでいま
したので、サブリミナルはインチキだと思っていますが、それ以来、レンタル
で昔のビデオは借りなくなりました。

消えた友人

476 名前:暁 投稿日:02/09/02 16:02
私が中学生だった頃の話です。

ある夏の日、学校で友達のAに「肝試しに行かないか」と誘われました。
私は特に断る理由もなく、面白そうだったので行ってみることにしました。
放課後、部活も終え、家に帰って私服に着替えた後、私はその目的地に行きました。
その場所は、町外れにある墓地の側の森林でした。なかなか嫌な場所だな・・・
そう思っていましたが、後で思うとこの時の私はなんて軽率だったのかと感じます。

墓地にはAと、彼に誘われたBとCが既に来ていました。私はそのメンバーを見て
来なきゃよかった、と思いました。私はAとCとは付き合いも長く、日頃から
慣れ親しんでいるので問題は無かったのですが、Bは違いました。
過去に一度、私はBにとても嫌な思いをさせられたことがあるのです。それ以来、
私はBを避けていました。AとCは、当然私がBを嫌って避けている事は知っていた。
何故Bを誘ったのかをこっそりAに訊くと、本人がどうしても行きたいとしつこかった
から仕方なく誘った、との事でした。来てしまったものに今更文句を言っても
どうしようもないので、私は前向きに考えることにしました。

477 名前:暁 投稿日:02/09/02 16:03
私達は墓地を歩き、目的地である森林に着きました。辺りはもう真っ暗です。
それぞれ用意してきた懐中電灯を点け、Aを先頭に私達は森林の中を歩き始めました。
虫の鳴き声が四方八方から絶え間なく聞こえていました。このくらい深い森で、
しかも夏だから尚更のことです。時折腕に止まる蚊を払い、ザッ、ザッ、と草を
踏みつける音と、虫の音を聞きながら私達は無言で歩いていた。
・・・なんか気味が悪い。早く帰りたい。そう思っていた時、隣で歩いていた
Bが突然足を止めてAの方を見ました。「どうした?」Aが訊くと、Bは頭を少し振って
「何でもない」とだけ言った。「何だよ、驚かせやがって・・・」Aはそう言って
再び歩きだしましたが、その時Bがものすごい形相でAを睨んでいたのを私は見逃さなかった。

AはBと話をしながら先頭を進み、私はCと話をしながら歩いていました。
それからしばらく歩き、だいぶ森の奥までやってきたかと思った頃です。
Cが私に小声で言いました。「Bのやつ、おかしくねぇ?」
私は訊き返した。「おかしいって、何が?」「あいつ、さっきからずっと口をパクパク
してんぞ・・・」
彼を見ると、Bは確かに口を動かしている。が、何か声を出して喋っている訳ではなく、
いわゆる『口パク』みたいなことをしていた。
何でそれを今、こんな森の中でやっているのかは分からないが・・・。
「やっぱりあいつ異常だ」私が言うと、Cは辺りを見回して「あれ?Aは?」と言った。
言われてみるとAがいない。さっきまでBと先頭を歩いていたはずなのに・・・。

478 名前:暁 投稿日:02/09/02 16:04
きっと先に行ってしまったんだろうと思い、私達は歩くペースを速めた。
すると、Bがなかなかついて来ない。歩いてはいるのだが、全然私達のペースに
合っていなかった。私達は気にせず、そのまま歩き続けた。もう一度後ろを振り返ると、
Bは見えなくなっていた。いい加減Aに追いついてもおかしくないくらいのペースで
歩いているのに、Aの姿は見当たらない。まさか迷ったのか・・・?背筋に嫌な汗が流れる。
ずっと真っ直ぐに歩いていたつもりだが、周りの暗さもあり、もしかすると出口とは
全然違う方向に進んでいたのかもしれない。(後で知った事ですが、この森はかなり広く、
下手に迷うとそのまま遭難してしまう可能性も十分にあるほどだったそうです)

私は先ほどBがAと何やら話をしていたのを思い出した。BはAがどこに行ったのか
知っているのではないかと思い、Bのところに引き返すことにした。しかし、戻ってみると
今度はBが見つからない。いよいよ私達は怖くなってきた。たった少しの間に、
2人も消えてしまった。もしかするとAとBはこっそり計画して、どこかに隠れて、
2人で私達を脅かそうとしているのかも・・・でなければ、先に帰ってしまった
可能性だってある・・・
出来るだけプラス思考に考えて、最悪の事態を想像しないようにしていた。
仕方なく、私とCは森の出口を目指して歩くことにした。その間も周りを懐中電灯で
照らし、AとBを探しながら歩いていたが、結局2人とも見つかることなく、私とCは
森から出てしまった。やっと薄気味悪い森を出て、私は内心ほっとしていたが、
夜の暗闇の中でそびえ立つ不気味な森を見て、この中にまだAとBがいるのかと思うと
恐ろしくなった。私はCと相談し、このまま森に探しに行っても視界も悪く、
また迷ってしまうかもしれないし、必ずしも2人が森の中にいるとは限らないと思い、
それぞれ家に帰ることにした。

479 名前:暁 投稿日:02/09/02 16:05
家に帰ってしばらく経った後、私はAの家に電話をしてみました。
するとAの親が出て、Aはまだ帰ってきていないと言った。Bの家に電話するのは
ためらわれたので、Cに頼んで電話してもらった。やはりBも家に戻ってはいないそうだ。
大変なことになったと、私はこの時点でようやく認識しました。警察に連絡し、
墓地の近くの森林で肝試しをして、友人と森の中ではぐれて見失ってしまったことを説明し、
森や墓地の付近を捜索してもらう事になりました。しかし、警察の必死の捜索にも関わらず、
AとBは見つかりませんでした。

それから2ヶ月ほど経った頃、例の森でAの死体が見つかりました。発見したのは
地元の人で、死体の状態はかなり酷かったらしい。
警察によると、最低でも死後6週間は経過していて、だいぶ腐敗が進んでいたが
目立った外傷はなく、解剖した結果では何の異常も見つからなかったとの事だった。
結局、Aの死因は遭難による事故死とされました。
しかしBの方はそれからも見つかることはなく、私は月日が経過するにつれ事件のことを
忘れていきました。

481 名前:暁 投稿日:02/09/02 16:07
あれから5年が経ち、大学生になったある日、私は地元の本屋で偶然Cと再開しました。
懐かしさのあまり、しばらく互いの近況などを話し合ったりしましたが、
話に一段落がついたとき、彼は少し深刻な表情をして黙り込みました。
そして彼の口から信じられない話を聞きました。なんと行方不明になっていたBが
去年見つかったというのです。
それも、あの忌まわしい出来事があった森林の近くにある墓地で・・・。

更に驚くことに、彼は今、県内のとある精神病院に入れられているとの事でした。
私はBを一目見てみたいと思いましたが、Cから話の続きを聞いてその気は完全に失せました。
Bを発見したのはあの墓地へ御参りにやってきた人達だったそうですが、なんとBは
そこで墓荒らしをしていたと言うのです。スコップを手に持って、一心不乱に土を掘り、
Aの名前を大声で何度も叫び続けていたそうです。掘り荒らされた墓は20以上にも及び、
中には叩き壊された墓石もあり、元の状態に戻すのは困難を極めたとの事でした。
しかし、そんな事が本当にあるのだろうか。何年もの間、行方不明になり、誰にも知られず、
突然現れた場所があの墓地だなんて。Bは、墓荒らしをする前までは、一体どこで何をして
いたのだろうか?そもそも、何故墓荒らしなんて事を・・・?
あれこれ考えていたが、Cは私にゆっくりと語り始めた。
「俺な、去年一度Bに会いに行ったんだ。精神病院にな。警察はあの事件以来Bのことを
疑っていたし、俺だってもしかするとあいつがAをやったのかもしれないって思った。
それでBの親友ということで特別に会わせてもらったんだ。そしてBに聞いた。
『お前がAを殺したのか?今まで捕まるのが怖くてどこかに隠れていたのか?』ってな。」

482 名前:暁 投稿日:02/09/02 16:08
「Bは言った。『逆だ!Aが俺を殺そうとしたんだ!!あの時森を出ていなかったら
お前等も俺もみんなAに殺されていたんだよ!!』と。
まともに話したのはこれだけ。あとは全部悲鳴とか、わめき声ばかりだった」

私はただ俯くしかなかった。

そしてその後、Bは精神病院を出てから、例の森で自殺をしました。
私はこれを聞いた時は驚愕しましたが、もうこれ以上は関わるまいと心に誓いました。
後悔は十分にしました。軽い気持ちで森に入ってしまった事、AやBを見失ってしまった
事、その結果、私達だけが助かってしまった事。
Aは森へ残された恨みで私達を殺そうとしていたのか。全てはBの狂気によるものなのか。
あるいは、別の「何か」の仕業だったのか。
私は今でも分からないままでいる。

分からない方がいい

212 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/07/07(土) 01:28

わたしの弟から聞いた本当の話です。
弟の友達のA君の実体験だそうです。

 A君が、子供の頃A君のお兄さんとお母さんの田舎へ遊びに
行きました。
外は、晴れていて田んぼが緑に生い茂っている頃でした。

せっかくの良い天気なのに、なぜか2人は外で遊ぶ気がしなくて、
家の中で遊んでいました。
ふと、お兄さんが立ち上がり窓のところへ行きました。
A君も続いて、窓へ進みました。
お兄さんの視線の方向を追いかけてみると、人が見えました。

真っ白な服を着た人、
(男なのか女なのか、その窓からの距離ではよく分からなかった
そうです)
が1人立っています。
(あんな所で何をしているのかな)と思い、続けて見るとその
白い服の人は、くねくねと動き始めました。
(踊りかな?)そう思ったのもつかの間、その白い人は不自然な
方向に体を曲げるのです。
とても、人間とは思えない間接の曲げ方をするそうです。
くねくねくねくねと。
A君は、気味が悪くなり、お兄さんに話しかけました。
「ねえ。あれ、何だろ?お兄ちゃん、見える?」
すると、お兄さんも「分からない。」と答えたそうです。
ですが、答えた直後、お兄さんはあの白い人が何なのか、
分かったようです。
「お兄ちゃん、分かったの?教えて?」とA君が、聞いたのですが、
お兄さんは「分かった。でも、分からない方がいい。」と、
答えてくれませんでした。

 あれは、一体なんだったのでしょうか?
今でも、A君は、分からないそうです。
 「お兄さんに、もう一度聞けばいいじゃない?」と、
私は弟に言ってみました。
これだけでは、私も何だか消化不良ですから。
すると、弟がこう言ったのです。
 「A君のお兄さん、今、知的障害になっちゃってるんだよ。」

南京錠

874 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/07/30(月) 15:36
 私の家の廊下の突き当りが袋小路になっていたのを定年になったばかりでヒマ
を持て余している父が「スペースがもったいないので物置にする。」と言い出して
一人で工事しはじめました。
 何かに取りつかれたように父は作業をしわずか一日で上下二段で扉つきの物入
れが出来ました。
 翌日家に帰るといるはずの父が見当たらなく、また物入れの作業中かと思い
廊下へ出てみると物入れの扉には新たに南京錠が取りつけてありました。
 結局その日父は帰ってこず翌日の晩になりました。不安になった母に物入れ
のカギを壊して中を見てくれとせがまれ私も父がカギをつけてまでしまいこんだ物
が気になり丁寧に南京錠の掛っている金具ごと取りはずしました。
 中には薄ら笑いでうつろな目をしている父が体育座りでこちらを向いてました。
なぜ外から鍵が掛っていたのかなぜ父が中にいたのか?残念ながらその日以来
ボケてしまった父から答を聞くことが出来てません。
 今日も父は物入れの下段に入りこんで楽しそうに宙を見ながら笑っています。

彼女の手

441 1 sage 2009/09/09(水) 07:56:39 ID:e09YeYTQO
20代前半で地方から上京して仕事をしていた時、間もなくして、同僚の女性と仲良くなった。
これは、その子との話。名前は、仮にK子。

明るい子で、実家が大富豪だったが、社会勉強も兼ねて職に就いたらしい。
何度かデートをするうちに親密になり、運命の女性にすら思えた。まだお互いの親には面識がなかったが、将来の結婚も約束していた。

しかし、そんな幸せな日々も長くは続かず、交際から半年後、K子は白血病で入院することになった。
俺は毎日病院に足を運んだ。病状はかなり深刻らしく、休憩所でK子の母親が泣いている光景も、何度となく目にしていた。
ある日、いつものように病室に二人でいると、K子が「もうお見舞いにこないで」と言った。
驚いたが、細かく話を聞いてみると、これから先は、髪も全て抜け落ちるだろうし、ミイラのように痩せ細り醜く変貌する。そんな姿を俺には見られたくないし、綺麗なまま、ずっと覚えていてほしい。そんな内容だった。
しばらくの言い合いの後に、分かった。と返事をした。
正直、俺もK子のそんな姿を見たくなかったのかも知れない。
何より、愛した人が刻々と死に向かう有り様を、黙って見ているしかない現状に耐えられなかった。完全なノイローゼだった。


442 2 sage 2009/09/09(水) 07:59:08 ID:e09YeYTQO
しばらくして、仕事を辞めて、逃げるように引っ越した。
苦痛から解放されるためにK子のことを忘れてしまいたかったが、内心、恋しくて胸が張り裂けそうだった。

それから数ヶ月経った、ある晩の出来事。
俺は何かの気配を感じて、真夜中に、ふと目を覚ました。
誰かがいる。生きた人間じゃない。
俺は目を閉じたまま、身動きひとつ取れずにいた。
すると、その何者かは、ゴソゴソと布団をまさぐった後に、俺の手を握ってきた。
K子だ。

手を握られた瞬間に思った。
その掌は、氷のように冷たく、枯れ木のように痩せ細っていた。
俺は目をあけて、K子を抱きしめようと思った。
しかしK子と話した最後の会話が脳裏をよぎる。
醜く変貌した自分を見られたくない。綺麗なまま覚えていてほしい。
それが彼女の最後の意志だった。
俺は、閉じてある目を、さらにぐっと閉じながら彼女を抱きしめた。そして彼女の手を握ったまま眠った。

444 3 sage 2009/09/09(水) 08:02:44 ID:e09YeYTQO
彼女の霊は定期的に現れた。深夜、目が覚める時は、つまり彼女が来た時だった。
そしていつも俺の手を握った。俺も目を閉じたまま、冷たく痩せ細った手を握り返し、時には抱きしめた。
俺が起きている時は決して現れない。やはり自分の姿を見られたくないのだろう。
数年経っても、まだK子の霊は現れ続けていた。それ故、俺は恋人も作らず、人間関係も薄く、周りからは暗い奴と遠ざけられる存在になっていた。

ある日、電車でK子と出会った街を通る機会があった。辛くて逃げ出した街。
しかし数年ぶりに見ると妙になつかしくなり、思い切って、電車から降りてみた。
しばらく街を徘徊。
K子とよく訪れた公園の前を通りかかった時、K子の母親が、大きな犬を連れて、前方から歩いてきていることに気付いた。
俺は即座に自分の顔を手で隠した。
K子の死に目にも会わずに逃げ出した男だ。恨まれているに違いない。そう思った。
俺はうつむき加減に歩いた。あと少しですれ違う。そのくらいの距離になって、K子の母親は俺に気付いてしまった。
「あら、久しぶりじゃないの」
「あ、はい…」
ぼそりと返事をした。そして続ける。
「あの、すみませんでした」俺のその言葉から、会話の内容は彼女の思い出話になった。
俺とK子の母親は公園のベンチに座って、K子の思い出を語り合った。
どのくらい話していただろう、K子の母親は俺のことを恨んでいる様子もなく、犬を撫でながら色んな話を聞かせてくれた。
「あの、K子のお墓はどこにあるんですか?今度お墓参りに行かせてください」
俺がそう言うと、K子の母親は怪訝な表情を浮かべた。
「K子、まだ生きてるわよ」
俺は一瞬固まった。

K子は完治して退院。そして数年前に恋愛結婚、子供もいるらしい。
その事実を知って以来、俺は眠れなくなり、今では重度の不眠症だ。

あの手は誰なんだ?

帰省

110 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:02
少し書き込みをしにくい雰囲気ですが、こういった場で書き込みをすることで、
何か自分の中にある心の痞えが少しでもなくなる気がするので、
板汚しとは思いますが、去年の夏に約十年ぶりに実家へ帰省したときのことを書きます。
長くなると思いますので、少し読んでみて興味のわかない方は、どうぞ飛ばしてください。

私は現在二十八歳で、二十歳までに霊体験をしなければ、
その先そういったことを経験することはないなんて言われていますが、
今まで霊を見たりなにか霊的な体験をしたりということはありませんでした。
そして、これからお話することも、霊とは無縁のことなのかもしれません。
ただ、私の人生の中でもっとも怖い、何か得体の知れない恐れを感じた出来事で、
いまなお、ときおり私の心を悩ますきっかけとなっているのです。


111 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:06
私の実家は新潟にあり、代々農家を営んできた旧家です。
本家を継ぐのは必ず長男なのですが、私の父は三男にもかかわらず本家を継ぎました。
なぜそのようになったかというと、父の兄が二人とも、痴れものというのでしょうか、
知恵遅れだったのです。
長男は、言葉はまともに話すことができるのですが、
頭のほうが子供のまま一向に成長せず、成すこともキチガイじみたことばかりだったようです。
次男にいたっては、頭だけでなく身体も弱く幼いうちに病気で亡くなったとききました。
そのとき、私の曽祖父にあたる人は幼くして死んだ孫に向けて
「この子は良い子だ、ほんとうに親孝行な子だ」と言ったそうです。
そういったわけで、父が本家を継ぐことになりました。
私も一人っ子なので、いずれ本家を継がなければいけないのではないかと思っていたのですが、
不思議と父はそういったことをまったく私に対して言いません。

112 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:10
早くに亡くなった祖父は、名と家を守るために私に本家を継がせるよう言っていたようですが、
祖父の死後、家云々の話は誰も言わなくなりました。
それどころか、父は私を家から離したがっているようにも思えるのです。
私は中学卒業を期に東京の高校へと入学させられました。
寮に入って高校に通い、そのまま大学も東京の学校に入りました。
その間一度も実家には帰りませんでした。
なにかあると必ず両親が東京にきて、用を済ませたのです。
大学卒業後、私はそれほど名の知れていない電気製品のメーカに就職しました。
それからも、盆にも正月にも帰省することなくあっという間に五年の月日が経ちました。
私が実家に帰ろうかと、電話で告げると、そのたびに父が、
「いや、帰ってこなくて良い、おまえは自分のことをしっかりやっておけば良い」と言うのです。
変に思いながらも、私自身東京での生活が忙しく、
父の言葉に甘えて十年近く実家に帰らぬままになっていました。


113 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:14
それがなぜ、突然去年の夏帰省することになったかというと、
二年ほど付き合っていた彼女が、そろそろちゃんと両親に会って、
挨拶をしておきたいと言ったのです。
私のほうはすでに彼女の両親に会って、
真剣にお嬢さんと付き合いをさせてもらっていると、挨拶を済ませていました。
彼女との結婚も考えていた私は、この際良い機会だし、
いろいろ具体的な話が進む前に両親に紹介しておくのが筋だと思い、
彼女をつれて実家に帰ることを決めました。
電話で父にその旨を告げると、
明らかに戸惑いを感じる口調ながらも分かったと言ってくれました。
会社が盆休みに入るとすぐに、私は彼女と共に実家へ向かいました

114 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:16
電車に乗っている間、彼女は私にいろいろなことを尋ねてきました。
実家がどんなところにあるのか、私の家族についてなど、
私は彼女の質問に答えていくうちに、ずっと昔に忘れていた、
実家で暮らしていた記憶がぼんやりとながら蘇ってくるのを感じました。
そしてそれは電車の揺れと呼応するように私の中で揺らいでいるようで、
何かあまり心地の良い感覚ではありませんでした。

私が実家に住んでいたときの思い出で、ひとつこんなことがあります。
今はもう亡くなっているのですが、
父の兄で長男の、つまり私にとって伯父にあたる人のことです。
伯父さんは成人する前から分家にやられ、
あまり本家のほうには顔を出さなかったのですが、
ある日なにか機嫌の良さそうな様子でふらりと本家にやってきました。


115 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:18
挨拶も適当に、伯父さんはまっすぐ私の部屋にきて、
将棋をやろうと小脇に抱えていた将棋盤を広げました。
断る雰囲気でもなく、良いよ、と言って将棋をはじめました。
すると、当時私は小学校の高学年でしたが、
あっさりと伯父さんに勝ってしまったのです。
それで終わればよかったのですが、小学生の私は何を思ったのか、
おそらく幼かった所為でしょう、あまりに伯父さんが弱かったので、
伯父さんのことを馬鹿にして笑ってしまったのです。
具体的に何を言ったのかは覚えていません。
みるみる目の前の伯父さんの顔色が変わっていき、
ウーと唸りながらすっと立ち上がったかと思うと、
どこかへと走りだして行ってしまいました。

116 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:21
伯父さんの尋常ではない様子に怖くなった私は両親がいる部屋まで行き、
様子を伺っていました。どうやら伯父さんは納屋のほうに行ったようで、
がたがたと物音がした後、庭先から玄関のほうへと伯父さんが駆け抜けていくのがわかりました。
恐る恐る玄関のほうを見ると、伯父さんは農耕機用のガソリンが入った一斗缶を
家の前のアスファルトの道路の上にばら撒いているのです。
そこへ火を放って、興奮してなにか叫んでいると、
私の父が駆けつけて「おまえなにやってるんだ」
そう言いながらボコボコに伯父さんを殴りつけていました。
それ以来、少なくとも私が実家にいる間、伯父さんが本家へやってくることはなくなりました。


117 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:24
電車の中でそういった昔の記憶を思い出しながら、
彼女と話しているうちに実家のある駅に着きました。
開発から取り残されたようで、まったく昔と変わりない風景が広がっています。
駅から一歩一歩実家に近づいていくと共に、
私の中で何か懐かしさ以外の感情が生まれるのがわかりました。
口の中が乾いて、鼓動も早くなっていくのです。
身体が拒否反応を示しているかのようで、
私は漠然とした恐怖をこの時点で感じました。
しかし、久しぶりの実家で緊張しているだけだと自分に言い聞かせ、
彼女の手を引いて足を速めました。
このとき彼女の手もなぜか汗でびっしょりと濡れていました。
家の門を前にして、
それまでの漠然とした恐怖がまったくのリアルなものへと変わりました。

118 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:25
空気がおかしいのです。家を包む空気が澱んでいるようで、
自分がかつてこのようなところに暮らしていたのかと思うほどでした。
迎えに出てくれた父の顔も暗くどんよりとしたもので、
私の心にあった父のイメージとかけ離れていました。
家の中に入っても、澱んだような空気は変わらず、
むしろより強くなっているようです。
古井戸の底の空気というのはこういったものなのかもしれません。
彼女を両親に紹介したのですが、なんだかお互い口数も少なく、
ほんとうに形だけのやり取りのように済まされました。
私以上に、彼女のほうが何かを強く感じているようで、
いつもの明るい彼女とは別人のようでした。
しきりにこめかみを押さえたり、周囲を気にしたり、落ち着きの無い様子で、
私が話しかけても俯いたまま聞き取れないような小さな声で何事かつぶやくだけなのです。


119 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:28
私自身、家の中の何か異様でただならぬ空気を感じていたので、
彼女に対してもう少し明るく振舞ってくれなど言えませんでした。
ただ、これ以上気まずい雰囲気にならなければと思っていました。
夕食のときも、お互い積もる話があるはずなのに、
誰の口からも言葉が出ることなく、
食べ物を咀嚼する音だけが静かな部屋に響いていました。
食後、私の母が彼女にお風呂を勧めたのですが、
彼女は体調が優れないのでと断り、私が入ろうとしたときも、
一人で部屋に残るのが心細いのか、早く戻ってきてと言いました。
その様子があまりに真剣なので、私も不安になり、
いやな予感もしたので風呂に入るのをやめて、
そのまま母が敷いてくれた蒲団につき、早々と寝ることにしました。

120 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:33
電車に長時間乗っていた疲れもあってか、
彼女は明かりを消すとすぐに寝ついたようで、
安らかな寝息が私の傍らから聞こえはじめました。
普段から寝つきの悪い私はいつもと違う枕と蒲団の中で、
さまざまな事柄が頭の中でちらついてなかなか眠れませんでした。
この家全体に満ちている澱んだ空気、断片的に思い出される記憶、
私は落ち着き無く寝返りを繰り返し、いろいろなことを考えていました。
家の前にガソリンをばら撒いて火を放った伯父さん、
あれから一度も姿をみせず、何年後かに亡くなったと聞かされたが実感が無かった、
葬式も無く、ただ死んだときかされた。
幼いうちに死んだもう一人の伯父さんはちゃんとお葬式をしてもらえたのだろうか、
そんなことを考えているうちに、
私はこの家に漂う澱んだ空気を吸うことさえ厭な気がしてきました。


121 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:35
家の外、庭先で鳴く虫の声に混じって聞こえる木々のあいだを縫う風の音は、
何か人の呻き声のようにも聞こえます。
その音にじっと耳を傾けると、
それが外からではなく家の中から聞こえるようにさえ感じました。
不安感と共に、私は蒲団のなかで身体から滲む汗に不快感を抱きながら
いつのまにか眠りに落ちていました。
夢を見ました。恐ろしい夢でした。夢の中には私がいました。
幼いころの私です。その私の首を父が絞めているのです。
その後ろには祖父もいました。
私は恐怖を感じましたが、不思議と苦しくはありませんでした。

122 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:38
翌朝目覚めると、隣で真っ青な顔した彼女が蒲団をきちんとたたんで、
帰り支度をしていました。
寝汗を吸い込んだTシャツを脱ぎながら、
私は彼女にどうしたのとか尋ねました。
彼女はただ、帰る、とだけ言いました。
昨日きたばかりなのに……と言葉を濁していると、
あなたが残るなら、それは仕方がないわ、でもわたしは一人でも帰る、
そう青ざめた顔のまま言いました。
はっきり言って私もそれ以上実家にいたいとは思っていませんでした。
しかし、両親になんと言えばいいのか分からないです。
なんと説明すれば良いのか、そんなことを考えていると、
昨夜の夢が脳裏にちらつきました。幼い私の首を絞める父。
とにかく私も蒲団をたたみ、着替えを済ませてから、居間に向かいました。


123 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:42
大きなテーブルの上座に腰掛けた父は新聞を広げていました。
再び悪夢が脳裏を掠めます。わずかな時間に私はいろいろと考えてから、
口を開いて、彼女の体調があまり優れないし、今日、もう帰ろうと思うんだ、
そう言いました。言ってから何かおかしなことを言っているなと思いました。
体調が悪いのにまた電車に乗って長いあいだ移動するなんて。
しかし、父は深く一度ため息をついてから、
そうか、そうしなさい、あのお嬢さんをつれて東京に戻りなさい、
そう言ったのです。なにか呆然となりました。
自分のわからない事柄が自分の知らないところで勝手に起こって進んでいる、
そして自分はその周りでわずかな何かを感じているに過ぎない、そんな気持ちです。
居間を後にして、部屋に戻ると彼女はもう帰り支度をすべて終えて、
今にも部屋から出ようとしているところでした。

124 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:44
私は彼女に少しだけ待ってくれと言い、自分も急いで帰り支度をして、
彼女といっしょに両親のもとへ行きました。
父も母も元気でとだけ言い、それ以上何も言いませんでした。
私は何かを言わなければ、何か訊いておかなければいけないことがある、
そう思いましたが、それが何かわからない、そんな状態でした。
彼女の一刻も早くこの家から離れたいというのが、
その様子から見て取れたので、私はお決まりの別れ言葉を残し、家を出ました。
家から出ただけで、あの澱んだ空気から開放された感があり、
私はずいぶんと気が楽になりました。
しかし、彼女は駅に着き電車に乗るまで、何一つしゃべりませんでした。
一度も振り返ることなく足早に歩いて、少しでも家から遠くに、そんな感じです。


125 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:45
電車に乗ってから、私は彼女の様子が落ち着くのを見計らって、
大丈夫、どうかしたのか、尋ねました。
彼女はしばらくのあいだ下を向いて、なにやら考え込むようなしぐさを見せ、
それから話し始めました。
「ごめんなさいね、本当に悪いことをしたと思ってるわ、
せっかく久しぶりの帰省なのにね、
それにわたしから挨拶しておきたいなんて言っておいて、
ほんとうにごめんなさい、ちゃんと説明してほしいって思ってるでしょ、
でもね、できないと思うの、
わたしがあの家にいるあいだに感じたことや経験したことを、
わたしからあなたに伝えることが、わたしにはできないの、ごめんなさい」
彼女はそう言って、溢れ出しそうになる涙を手の甲でおさえました。

126 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:49
私も泣き出しそうでした。
何か分からない、彼女がなにを言っているのかよくわからない、
でも、私自身あの家にいるあいだに、確かに澱んだ何かを感じたのを覚えています。
だから、私には彼女を責めることはできませんでした。
涙をおさえながら彼女はもう一度「ごめんね」と言い、
私の名をその後に付け加えました。
そのときです。私は、あることに気がつきました。
どうして、今まで一度もそのことを疑問に思わなかったのでしょう、
信じられないくらいです、いまま何度となく、
いろいろな場でペンを手にとり書いたこともあり、
自分の声で言葉に出したこともあるのに、
なぜ一度も疑問に思わなかったのでしょうか、
私は一人っ子であるにもかかわらず、
なぜ「勇二」という名前なのだろう。


127 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:50
もちろんそれだけで、何かが変わるわけではないでしょう。
しかし、私はよみがえって来たさまざまな記憶と、
あの家で感じた空気、そして彼女の怯えたような様子、
そして何より、私があの夜に見た悪夢、
幼い私が首を絞められていると思っていましたが、
よく思いだしてみると、微妙に幼いころの私と違うような気がするのです。

あれから一年近く経ちました。
彼女とは、東京に戻ってから、時と共に疎遠になってしまいました。
どちらからというわけでもないのです。
お互い、何か避けるように、自然と会わなくなってしまったのです。


128 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:52
私は彼女を愛していましたが、
自分が、もう決して幸せというものに近づくことができないような気がしています、
それで彼女と面と向かうことができません。
今でもたまに、電話がかかってくることがありますが、
彼女はあれからも、あの家でのことを話してはくれませんし、
私からも何もいえません。
話はこれで終わりです。よくわからないと思われるかもしれませんが、
私は自分の思っていることすべてを書くことができませんでした、
怖いのです、彼女があの家であったことを話すことができないように、
私も、自分の家、自分の生について思っていることすべてを語ることはできません。

最後まで読んでくださった方にはこの場でお礼を申し上げておきます。

竹林で

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escape33さん

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