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AppStoreの招待ID制リジェクトをめぐるやりとりとiOS6でのAppStore変更のまとめ

招待IDを導入したアプリがリジェクトされ、その異議申し立てとAppleとのやりとりを1ヵ月ほど行いました。その経緯と、そのやりとりの中から見えてきたAppleの今後の方針への考察、その界隈のニュースのまとめです。

更新日: 2012年09月16日

pts-goさん

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初めに

最近、AppleのReview Teamから招待IDを導入したアプリが却下されているようです。私たちも招待IDを導入したアプリがリジェクトされ、その異議申し立てとAppleとのやりとりを1ヵ月ほど行いました。その経緯と、そのやりとりの中から見えてきたAppleの今後の方針への考察、その界隈のニュースのまとめです。せっかく開発したアプリがリジェクトされるつらさは開発者はみな同じだと思うので、情報共有のために公開します。

最後に、iOS6のAppStoreの変更点の噂と、それに対して開発者ができることをまとめてみました。

※ご注意:Appleの審査基準は変更されたり、基準の適用が厳しくなったりしますので、あくまで参考程度にお願いします。また、英語の翻訳は意訳ですので、ご注意ください。

忙しい人のための結論

Appleの担当者から直接電話を頂いたのですが、その時に聞いてはっきりとわかったのは次の結論です。

招待制そのものを却下しているわけではない
 招待IDを入力して何かをunlockするのはGuideline 11.1に反するからreject
 招待された側に何らかの報酬を与える仕組みはGuideline 3.10に反するからreject
 招待する側に報酬を与える仕組みは問題ない

以下、この結論に至った経緯を記載します。

Appleとやりとりしたアプリ

最初の仕様

・既存ユーザーに招待IDを発行
・招待IDを配布(twitter,SMS,メール)してもらう
・新規ユーザーにアプリの最初の画面で招待IDを入力してもらう
・新規ユーザーに招待IDを発行(UUID-アプリ毎インストールIDを利用)し、サーバー上でアプリ内ポイントをあげる
・招待してくれた人の招待IDもサーバー側に送信し、既存ユーザーにもアプリ内ポイントをあげる

最初のreject理由

11.1: App Store以外で、ロックを解除したり機能などを追加できるようなアプリはリジェクトされます

アプリがユーザーにゲームアイテムをunlockするために招待コードを入力させています。
アプリからその機能を削除してください。

最初のreject理由への反論

招待IDを入力して与えているアイテムは、単にゲームを早く進めるためのゲーム内アイテムなので、ガイドラインが言う【additional features or functionality】とは言えないのではないでしょうか?
そのことを考慮して、unlockしないと先に進めないゲーム内アイテムはAppStore経由のみでしか購入できないようになっています。

また、すでに招待ID制を導入している似たようなアプリはなぜ良いのでしょうか?
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この後、Resolution Center では同じようなやりとりが続いたので、App Review Boardにアピールを送りました。コンタクト方法はResolution Centerの最下部にありますね。そこには、他の許可されているアプリがあるように見えてもそれは理由にならないというようなことが書かれていました。あくまで、ガイドラインの解釈についてアピールする必要があるようです。

そうすると、App Review Boardで評価中ですのでしばらくお待ちくださいとのことでした。

二回目のreject理由

最初のreject理由が適切でないと判断しましたが、次のガイドラインに反しています。

3.10:レビューやチャートランキングを不正に操作する開発者はiOS Developer Programから削除されます。

特に、アプリが新規ダウンロードユーザーに報酬を与えているので、それを削除する必要があります。

二回目のreject理由への反論

招待ID制が、3.10のいう【inappropriate methods】に該当するというのは納得できません。

招待IDの入力によりゲーム内アイテムをあげているのであって、それはアプリ内以外ではつかえません。アプリ自体に魅力がなければダウンロードを促進することにはならないのではないでしょうか?

確かに招待ID制によりレビューが荒れることが多いのは知っています。私たちもユーザーからのレビューは非常に参考になったり、開発の励みになったりしているのでそれらが埋もれてしまうのはいやです。それなので、招待IDをtwitterやSNS,メールでワンタップで送れるようにして、レビュー欄が荒れない工夫をしました。

リワード広告などは良くて招待ID制を却下するというのは、結局お金のあるところが広告やCMによりランキング上位に行く仕組みに他ならないと思います。Appleが開発者の努力を助けてくれるよう望んでいます。もちろん、できる限り公平なマーケットにするための努力が十分払われていることと思います。
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ちょっと、感情論もいれてしまったかと後悔しています。このころは、不公平な感じを強く受けていたのでそのように書いてしまいました。

その後の反応

わたしたちは、あなたの懸念事項について議論するために、Apple representative と電話するようスケジュールしました。

Apple Review Team → Apple Review Board → Apple representative なので、確実に上に挙がっている??ようです。1週間後、「どうなりましたか?」と催促すると、

Apple representativeがその件について話し合うために電話をかけます。今しばらくお待ちください。

電話にて・・・

ついに電話がかかってきました。英語かなーと心配しましたが、日本語でした。これで、Apple Review Teamの担当者と電話するのは二回目です。アメリカからの国際電話です。しかも、多分、前回(一年前)と同じ方で、日本語が大変流暢になっておられました。

結論は、「忙しい人のための結論」にまとめた通りなのですが、招待された側に何らかの報酬を与える仕組みになっているとランキングの不正操作に当たる(3.10違反)というのは、なんとなく理解できるのですが、「招待IDの入力欄を削除するように」(11.1違反)というのが電話をいただくまで理解できませんでした。

アップルの収益にならないようなことはしないようにという気もしたのですが、それならリワード広告のほうが収益をそいでいるし…。
電話のニュアンスでは、どうやら、他のアプリで、IDを入力させて特定の機能をunlockし規約をバリバリに破った「裏アプリ」化してしまうことを防ぐためというのもあるような感じがしました。
確かに、それは、防がないといけないですね…。

規約変更なのですか?と聞いたら、そういうことはなくて厳しくなっただけですとのこと。今すでに招待IDがあるアプリはどうなるのですか?と聞いたらアップデートの時にその部分を外すよう言われるでしょうとのことでした。

これで初めて納得。

確かに、初めから全てを想定してガイドラインを作るなんてことも不可能ですし、アップデートの時に修正をされるなら公平でもあります。

とはいうものの・・・。招待IDの入力欄なしで、どうやって招待者を特定したらよいのでしょう?
それもついでに聞きました。すると、今まで審査通った事例でいうと、ログインID/パスワードを入力してログインしたら招待者に報酬を上げるパターンだと大丈夫だったとのことでした。恐らく、サーバー上で招待者と招待された側を紐づけているのでしょうとのこと。

いや・・・。それって、事前に会員を持っている会社しかできないのではないでしょうか…。例えば、ソーシャルゲーム会社の会員間で、アプリを紹介すれば、事前に「誰が誰にどのアプリを招待した」という情報をサーバー上に残し、招待された側が、ログインした時に招待者にゲームコインなどの報酬を与えるはできます。しかし、そのパターンだと既存会員を持たない場合には全く使えません。

しばらく悩んで後…、この招待ID制そのものをAppleがやればいいんじゃぁ?と思い、「Game Centerにぜひ招待IDの仕組みを入れてください!そうすればもっと盛り上がると思います!」と最後にお伝えしたら、「iOS6にどんな機能が入るか詳細には分からないけど、あったらいいですね~」との返事でした。気さくないい方でした。

散々悩んだ挙句、「裏アプリ化」を防ぐために11.1違反があるのなら招待IDの入力欄なしで招待者を特定できる仕組みがあればよいのだから・・・と、変形的な招待制を導入しました。

仕組みはあまり公にしない方がよいかもしれないので、ここでは控えます。アプリを見れば開発者ならすぐにわかると思います。
ただ、この仕組みも招待された側にもう一つ操作をしてもらわないといけないので、招待された側に報酬を与えられないので、かなり使いにくいのは否めません。

一日も早く、AppleがGame Centerで招待IDシステム化をしてくれることを願うばかりです。

Apple Review Teamとやりとりするには?

もちろん、英語は必須ですが、Google 翻訳が一番翻訳の精度がいいのでは?と思います。
短い分かりやすい文を打ち込んで翻訳して、手直しで大体意味が通ります。(と思います。ただ、たまに自動翻訳だと主語を省いた場合など、主語を勝手に推測して挿入され全く意味が違う場合があるので要注意です)

すでにAppStoreにあるアプリと比較して「うちのアプリはいいはずだ!」という主張は通りません。ガイドラインの解釈を争点として主張する必要があります。

アプリの審査に10日間、2回目のrejectで1週間、Appleの内部決定待ちで1週間、電話もらうまでに3日ぐらい…で、計1ヵ月ぐらいかかりました。
最初に招待コードの入力部分があるのでと言われ時に、入力部分だけ取り去ればすぐに審査が通っていたのか、それとも、3.10違反でもう一度却下されていたのか分かりませんが、Appleの方針がわかったので、良かったです。

多分、過渡期だったのではないかな?と思います。その証拠に実は、上記修正を行って後に再審査をお願いした後、一度rejectされてしまいました。理由は、3.10違反。招待ポイントが表示されてるためとのこと。この時は、テンプレート的な言い方でした。すぐに、「電話での指示通りに変更してあります。招待した側にポイントがありますが、招待された側にはポイントがあたえられません」と主張すると翌日に無事審査通りました。

iOS6で変わるAppStoreについて

私たちもiOS6のbeta版を入れてみましたが、相当変わります。「今までのPC版iTunesをアプリに表現した」というのが感想です。iPhone版のAppStoreではカテゴリ別の人気作品など見にくすぎましたが、結構見やすく表現されています。

恐らく、今後開発者が対応しないといけないだろうことを最後にまとめてみます。

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pts-goさん

「コンビニ情報声優ナビプラス」を運用しているProject The Sun開発部の中の人です。iPhone, 関連の情報をまとめます。みんなでアプリ市場を良いものに盛り上げていきましょう!



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