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経営危機から明暗を分けるシャープとパナソニック その差は経営判断ミス以外にも理由が…

パナソニック7650億円、シャープ4500億円、ソニー401億円と日本が誇る電機大手が苦境に立たされています。優良企業とされていながら、一気に凋落した理由はどうも経営判断ミス以外にもあるようです。

更新日: 2016年05月29日

egawomsieteさん

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■シャープの新体制 鴻海支配が鮮明になる「バランス型人事」 -

台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入るシャープは、6月23日に大阪市内で株主総会を開き、取締役の人事案を諮る。

 鴻海グループの戴正呉副総裁が社長に就き、取締役は4人減らして9人にする内容で、シャープ色は薄まり鴻海支配が鮮明になる。一方で日本の電機業界出身者も起用。求心力維持のため「外資による買収」の印象を薄める狙いがうかがえるバランス人事だ。

「鴻海の徳川家康」。シャープ社長に就く戴氏を、一部の台湾メディアはこう表現する。

 戴氏は、交渉や調整能力にたけ日本語が堪能。ソニーとの取引をまとめるなど日系企業との窓口として実績を重ね、2004年にグループ副総裁に就任した。4年がかりのシャープ買収を実現させた立役者でもあり、鴻海の郭台銘会長が寄せる信頼は厚いという。

戴氏を知る複数の関係者は「郭会長の指示を忠実に守る実行役」と口をそろえる。鴻海社内では郭会長の指示を達成するため「冷徹で厳しい」幹部として知られ、シャープ社長就任後も「決定権は郭会長が握る」とみる向きは多い。

 鴻海からシャープの取締役に送り込まれるのは、戴氏を含め4人。6月末をめどとする鴻海からシャープへの出資完了後に就任する予定だ。一方、シャープ出身者は4人就任するが、出資完了後は高橋興三社長が退任し、3人となる。

 人数では鴻海出身者、関係者がシャープ生え抜きを上回るがその差は1人。鴻海側には、同社の技術顧問で東大名誉教授の中川威雄・ファインテック会長もおり、数だけを見ればパワーバランスは微妙だ。

残る2人は、社外取締役として日本の電機業界から起用される。パナソニックヘルスケアで最高技術責任者を務めた経験をもつ中矢一也氏、ソニーとエリクソンの合弁会社が前身のソニーモバイルコミュニケーションズで取締役を務めた石田佳久氏だ。

 ただシャープ出身者を除く6人は鴻海の指名による。その意図を、ソニー出身で早稲田大ビジネススクールの長内厚教授は「意思決定が迅速な台湾人トップの元に、日本のビジネスを熟知する人を配置したバランス型人事」と分析する。

 これまで戴氏は、日本の産業界にある外資への抵抗感に配慮し、「買収ではなく戦略的投資だ」と強調。一方で、買収交渉中は否定していた人員削減を示唆するなど厳しい面もみせ始め、シャープ社内は動揺している。新体制には外資・鴻海のこわもてイメージを薄める意図もありそうだ。

■業績不振で責任…シャープの役員報酬、前年度比18%減 自社株購入権付与で意欲向上狙う

経営再建中で、台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業傘下での経営再建を決めたシャープが、平成27年度に新旧取締役に払った報酬は計2億5600万円で、26年度に払った額に比べて5700万円(18・2%)減少していたことが、シャープが6月23日に開く株主総会の招集通知で明らかになった。業績不振の責任を取り、高橋興三社長が月額報酬を55~70%減らすなど、全役員の報酬を減額したことが影響した。

27年度の取締役は、途中退任も含めて16人。26年度は13人で、報酬総額は3億1300万円だった。

 株主総会では、取締役らに対して報酬としてストックオプション(自社株購入権)を付与する新制度を決議する。シャープの株価と報酬額を連動させ、業績改善に向け、経営陣の意欲を引き出すのが狙いだ。

また、米通信技術大手のクアルコムがシャープ株を大量処分していたことも、シャープの株主総会招集通知で明らかになった。ほぼ全株式を売却したとみられる。両社は資本提携を通じて新型ディスプレーを共同開発していたが、量産の見込みが立っていなかった。

■シャープに慰謝料3700万円求め提訴、解雇のフィリピン人派遣労働者37人 津地裁

三重県のシャープの工場で働き、昨年8月に解雇されたフィリピン人派遣労働者37人が24日までに、シャープと人材派遣会社の計4社に計3700万円の慰謝料を求め津地裁に提訴した。人材派遣会社には地位保全や判決確定までの未払い賃金支払いも求めている。

シャープは24日、「提訴の内容を精査した上で適切に対応する」とのコメントを出した。

 原告が加入する労働組合によると、37人は三重県松阪市の人材派遣会社2社のいずれかに雇用され、同県多気町にあるシャープや下請け会社の工場に派遣された。工場の業績が悪化したなどとして昨年7月に全員が解雇通知を受け、翌8月に解雇されたとしている。

 津地裁は今年3月、原告のうち3人が派遣会社に地位保全などを求めた仮処分申し立てに対し、解雇を無効とする決定を出していた。会社側は異議を申し立てている。

■シャープ、太陽光事業を継続へ 鴻海傘下で黒字化めど

経営再建中のシャープが、不振で売却や縮小を検討していた太陽光パネル事業を、今後も継続させる方針を固めたことが24日、分かった。鴻海精密工業の傘下で事業を立て直す見通しがついたため。シャープの高橋興三社長と、次期社長で鴻海副総裁の戴正呉氏が23日、社員向け文書で明らかにした。

 文書は社内向けサイトに掲載され、「太陽電池事業の再建について種々の方策を検討しており、黒字化の手応えを得ている」と伝えた。

 また、鴻海による出資金の払い込み手続きは、予定通り6月末までに完了する見通しであることも、文書で明らかにした。

 太陽光パネル事業は販売価格の下落などを受け、2016年3月期の営業損益が大幅な赤字となっていた。シャープは鴻海主導で人員削減などを進める方針で、経営改善を急ぐ。

■シャープ「雇用維持」の方針一転…大規模リストラも視野

シャープの経営再建のためとして、同社の買収を決めた台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業が、シャープ従業員の削減に踏み切る可能性が出ている。支援交渉の過程では、鴻海は雇用に配慮する方針を強調していたにもかかわらず、今では大規模リストラを視野に入れているもよう。6月末までに買収を完了して鴻海傘下で再出発するシャープだが、従業員の雇用不安は消えていない。

今月12日、鴻海の郭台銘会長とシャープ次期社長、戴正呉副総裁から、シャープ従業員向けに社内LANを通じて、人員削減の必要性を訴えるメッセージが送られた。ロイター通信によると「コスト削減なしに再建は実現できないことが明確になった。残念なことだが、コスト削減には従業員の削減を伴う必要がある」とし、慎重な表現ながら、人員削減の可能性を示唆していた。

 郭会長は、支援交渉時の2月に「40歳以下の雇用を維持する」と語り、買収決定後に開かれた4月2日の会見でも「日本では最善を尽くして、全員(雇用を)維持できるようにしたい」と述べていただけに、波紋が広がっている

■シャープから相次ぐ人材転出

経営再建中のシャープの前副社長、大西徹夫氏(61)が1日付で日本電産に移った。

 顧問に迎えられ、株主総会を経て要職に就くとみられる。大西氏はシャープで経理畑を歩み、金庫番として銀行との交渉窓口にもなってきた人物で、転出は業界でも大きな話題となった。日本電産にはシャープから多くの人材が続々と移籍している。元社長の片山幹雄氏も副会長へと転身した。こうした動きは、単に日本電産側が受け入れを表明しているためだけではない。“やりがい”を求めて積極的に出たという面もある。このままではシャープ社員の“再生工場”になりかねない

「もうシャープでやれることはない」

 「そんなん言われへんて。迷惑もかかるし。まだ何をやるかも決まってない」。今月初め、大西氏は産経新聞の取材に応じたものの、日本電産への移籍理由についてはほとんど語らなかった。

 昭和54年にシャープに入社した大西氏は経理畑出身で、平成15年に取締役経理本部長に就いた。その後、太陽電池事業の統轄や欧州・中東欧本部の副本部長を務めた。副社長には26年に就任。シャープは25年に策定した中期経営計画(後に断念)で銀行傘下での再建を目指したが、財務を含め社内事情に詳しい大西氏が実質的な窓口だった。

昨年6月の株主総会後に取締役を退き、副社長執行役員として液晶事業の構造改革を担当。官民ファンドの産業革新機構からの出資受け入れの協議を進める“革新機構派”の1人だった。だが台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下入りが3月末に正式決定したため、顧問に退いていた。周囲には4月のうちに辞意を伝えていたという。

 24年に鴻海とシャープが行なった出資交渉がシャープの株価の変動をめぐり破談となった経緯から、生え抜き役員には鴻海への不信感が根強く、大西氏もその1人だったようだ。以前の取材で「交渉は信頼関係を積み重ねてやっている。それなのに、ここまで積み上げてきた、というところでひっくり返されては…」と苦言を呈していた。

一方、革新機構傘下のジャパンディスプレイ(JDI)との統合には前向きで、機構入りが決まれば引き続き、JDIとの交渉で主要メンバーとしてシャープに残った可能性がある。

 シャープの液晶を含めた構造改革は、鴻海主導で行われることとなった。大西氏は「もうシャープでやれることはない。残念なことやけどな」とこぼした。

“引き抜き”否定も、部長級採用100人超え

 大西氏とは対照的に、4月25日に行われた日本電産の決算記者会見で、永守重信会長兼社長は饒舌だった。

大西氏の顧問就任について、「グローバル展開をしていく上で必要な人材。次の株主総会に新しい役職につく。この人はシャープでCFO(最高財務責任者)を務めたから、そういう関係でしょう」と強調した。経理・財務部門で要職を任されそうだ。

 日本電産は、26年に元シャープ社長の片山幹雄氏を副会長で招いたのを皮切りに、続々と“大物”を採用してきた。5月1日付人事では、シャープのテレビ部門のトップを経験した、毛利雅之氏(汎用モータ事業本部営業統轄部長)が執行役員に就くなど厚遇している。

 ただ、シャープは日本電産のモーター部品の納入先の1つであり「大切なお客さん」(永守氏)だ。このため、引き抜きや、片山氏らを通じてのスカウトについては強く否定。退職者に声をかけるスタンスを貫いているという。しかし、部長級以上の採用はすでに100人を超えた。

 シャープ、鴻海傘下で「やりがい」作れるか?

 なぜ、シャープ出身者は日本電産の戸を叩くのか。答えのひとつは仕事へのやりがいかもしれない。

片山氏は26年の副会長就任時、取材に対し「私はシャープへの思いはたぶん誰よりもあるでしょうね。でも私がシャープにいてもこれ以上幅はないでしょう。辛気くさい顔してディスプレー作っていても仕方がない」と語っている。

 そのうえで「日本電産で、皆さんが予想できないようなものを作っていく。その事業にわくわくしているんです。人間を幸せにする快適な生活ができるものが作りたい」と述べた。特にあらゆるものをインターネット接続するIoT時代における、駆動装置としてのモーターに関心を示していた。

 一方で、永守氏の目には、有能な人物のシャープでの失敗経験は大きな「武器」として映っているようだ。「人は同じ失敗はしない。挫折や失敗の経験のある人にこそ来てもらいたい」と力説する。

 仕事にやりがいを求める元シャープマンと、人材を求める日本電産の需要と供給は一致している。シャープは再建に向けた人材の確保には、鴻海傘下で「やりがい」を作ることがカギかもしれない。

■シャープが東証1部から降格へ

シャープが同日発表した2016年3月期連結決算は、主力の液晶事業の採算悪化などで、税引き後利益が2559億円の赤字(前期は2223億円の赤字)になった。

 この結果、シャープは資産を全て売却しても負債を返せない債務超過に陥った。債務超過額は312億円に達するが、鴻海からの出資が完了すれば債務超過は解消される。ただ、東京証券取引所のルールに基づき、東証1部上場のシャープ株は8月1日、2部に降格する。

■<シャープ>7000人削減検討…鴻海、雇用維持困難と判断

経営再建中のシャープを買収する台湾の電子機器受託製造大手、鴻海(ホンハイ)精密工業が、シャープの国内外グループ従業員約4万3000人のうち、最大7000人を削減する検討に入ったことが12日、分かった。中国の拠点で抱える1万人以上の従業員などが対象になる見通し。シャープが早期に黒字回復するには大胆な固定費削減が必要と判断したとみられるが、雇用確保を重視するシャープや主力取引銀行は大規模な人員削減に慎重姿勢で、曲折も予想される。

人員削減は、鴻海と重複する海外拠点や不振の太陽電池事業、本社の管理部門が対象になるとみられ、今年度中の実施を検討している。シャープは経営危機が表面化して以降、2012年度に国内社員約3000人、15年度に同約3200人が、それぞれ希望退職に応じた。今回検討されている国内外7000人はグループ全体の約16%に相当する大規模な削減になる。

 4月2日の買収契約締結後の記者会見では、鴻海の郭台銘会長は買収後のシャープでの雇用について、「最善を尽くして維持し、残ってもらえるようにしたい」と話していた。だが、シャープの主力事業である液晶パネルを巡る環境は激変しており、確実に早期に再建を果たすには、大規模な人員削減は避けられないとの判断に傾いているとみられる。

一方、シャープが12日発表した16年3月期連結決算は、液晶事業などの不振が響き、2559億円の最終(当期)赤字(前期は2223億円の赤字)だった。大幅赤字により、借金などの負債が資産の総額を上回る債務超過に陥った。鴻海が新経営陣9人のうち6人を推薦し、その1人である鴻海グループの戴正呉副総裁(64)が買収完了後に社長に就任することも正式発表した。6月末にも買収は完了する見通しだ。

 東京都内で記者会見した高橋興三社長は「2年連続赤字の責任がある。大変申し訳ない。自主再建は無理となり、新しい道筋を付けることが責任と考えている」と述べ、買収手続きが完了し次第、退任する意向を表明した。

 連結売上高は前期比11.7%減の2兆4615億円。太陽電池事業も不振で、本業のもうけを示す営業損益は1619億円の赤字(前期は480億円の赤字)だった。不採算設備や在庫について大規模な損失処理をしたため、312億円の債務超過になった。

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