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経営危機から明暗を分けるシャープとパナソニック その差は経営判断ミス以外にも理由が…

パナソニック7650億円、シャープ4500億円、ソニー401億円と日本が誇る電機大手が苦境に立たされています。優良企業とされていながら、一気に凋落した理由はどうも経営判断ミス以外にもあるようです。

更新日: 2016年06月24日

egawomsieteさん

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■シャープ株が一時16%安の大幅反落 東証2部降格を嫌気

24日午前の東京株式市場でシャープの株価が大幅反落し、一時、前日終値比で22円(16・5%)安の111円まで下落した。東証1部から2部に指定替えされると23日、正式に決まったことが嫌気された。

 23日提出の有価証券報告書で、2016年3月末時点で債務超過に陥っていると確認されたため、8月1日から2部に降格する。証券アナリストは「既定路線だったが、心理的にマイナスに捉える投資家が多かった」と指摘した。

 シャープは23日に開いた株主総会で鴻海精密工業の傘下に入ることを決議したが「経営再建策が十分説明されず、失望売りも出たようだ」と話した。

【シャープ株主総会】「全て鴻海任せか!」株主不満、経営陣は人員削減など再建策説明できず…〝新生シャープ〟に厳しい目

経営再建中のシャープが23日開いた株主総会で、鴻海(ホンハイ)精密工業からの3888億円の出資を受け入れ、鴻海の子会社として再スタートを切ることが正式に決まった。ただ、株主からは業績悪化を招いた経営陣への批判などが相次いだ。総会は過去最長に並ぶ3時間23分に及び、“新生シャープ”に対する厳しい視線が注がれた。

 大阪市内の株主総会会場には23日朝から千人超が集まった。総会が始まると、壇上に並ぶ高橋興三社長ら経営陣に対し、株主は「こんなざまになったのはあなたたちのせいだ」と厳しい言葉を浴びせた。

また、2月にシャープの債務問題が発覚した影響から、鴻海側が交渉途中に出資額を約1000億円減額したことに対し、株主からは「もっと上手に交渉できたはずだ」などと批判の声があがった。

 鴻海は独占禁止法に関する中国当局の認可が下り次第、月内にもシャープの第三者割当増資を引き受け、シャープ株の66%を取得、買収手続きを完了する方針だ。その後、シャープの新社長には鴻海グループの戴正呉副総裁が就任し、計6人の取締役を鴻海側が送り込む。シャープ出身の取締役は3人のみとなり、「鴻海色」の濃い新経営陣のもとで再建が進む。

■シャープ、8月1日付で東証2部に降格

東京証券取引所は23日、現在は東証1部に上場している経営再建中のシャープの株式が、8月1日付で東証2部に指定替えになると発表した。

 シャープが同日提出した有価証券報告書で、今年3月末時点でグループの債務が資産を上回る債務超過となったためだ。

 東証のルールでは1部の上場企業が債務超過に陥った場合は2部に指定替えになるとしており、シャープもこの定めに従い降格となる。1部から2部への降格は珍しく、昨年2月にパソコン向けチューナーなどを手掛けるピクセラ株が指定替えとなって以来となる。

 シャープが2部から1部に復帰するには、債務超過状態を解消した上で、シャープが1部への指定を東証に申請して審査を通過し、承認を得る必要がある。

 同時に東証は、シャープ株が上場廃止の猶予期間入りしたことも発表。来年3月末までに債務超過状態を解消できなければ、シャープ株は上場廃止になる。

■従業員に甘い SHARPに厳しい声

経営再建中のシャープの定時株主総会が23日、大阪市内で始まった。

 台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業から合計3888億円の出資を受け入れる特別決議を行う。平成28年3月期連結決算で2期連続の赤字に陥り、鴻海に経営再建を委ねて退任する高橋興三社長は冒頭、役員全員を起立させ「厳しい業績、4年間無配当となったことは誠に申し訳なく、おわび申し上げます。鴻海精密工業などの出資を受け、再生を図ります。ご支援よろしくお願いします」と陳謝した。

総会では6議案が上程され、鴻海からの出資を受け入れるための新株発行の議案や、出資完了後に社長に就く鴻海の戴正呉副総裁ら取締役10人の選任議案などを決議する。

 現経営陣がほぼ退陣する節目の総会とあって株主の関心も高く、午前8時半の開場前には行列ができた。10年前からシャープ株を保有した川西市の無職の男性(62)「高橋さんはリストラが全く不十分。1万人規模の削減をやるべきだった。従業員には甘く、株主を見ていない、いかにも『日本の経営』だ。毎年何千億も赤字出すなんて、大阪の商売人のやることではない」と厳しい口調で話した。40年来シャープ株をもつという西宮市の無職男性(70)は「鴻海は受託製造販売のEMS企業だが、シャープのブランド価値を理解していない。4月の買収契約から、約束が二転三転している。これでは、従業員のモチベーションも下がり、シャープブランドを消費者が信頼できなくなる」と疑問を呈した。

一方、海外事業も手がけたシャープOBの男性(80)は「現経営陣はもっと結論を早く出すべきだった。グローバル化が進む中で、鴻海が買収してくれたことはありがたい。シャープブランドを選んでいただいたと思っている」と話した。

 同日午後には、金融機関向けの種類株主総会を開き、新株発行のための定款変更議案を諮る。

■鴻海傘下入り承認、新経営陣も選任へ…7千人削減は?

経営再建中のシャープは23日、大阪市内で株主総会を開く。鴻海(ホンハイ)精密工業の子会社となる議案が賛成多数で承認される見通し。鴻海は月内にも3888億円を出資し、シャープ株の66%を取得する。国内大手電機メーカーが初めて外資の傘下に入り、立て直しを図ることになる。新経営陣の選任や本社の大阪市から堺市への移転なども決議する。

 鴻海は最短2年程度でシャープを黒字化する方針だが、優秀な人材の流出が止まらず、液晶事業の不振も続いており、順調に再建が進むかは不透明だ。

鴻海の出資完了後に高橋興三社長らが退任。鴻海グループの戴正呉副総裁が新社長に就き、ソニーやパナソニックグループ出身者など計6人の取締役を鴻海側が送り込む。シャープ出身の取締役は3人のみとなる。

 シャープは、液晶事業の不振で平成27年3月期に2千億円を超える赤字に転落、単独での生き残りが困難となった。産業革新機構と鴻海が支援に名乗りを上げ、激しい争奪戦を繰り広げたが、今年4月、鴻海傘下に入る契約を結んだ。

 鴻海は当初、シャープ社員の雇用を維持すると説明していたが、22日にシャープの人員を7千人削減する可能性があると表明。今後の焦点となりそうだ。

■シャープ離れ深刻 消費者調査で「買いたくない」3割超

台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業傘下で経営再建を目指すシャープが、鴻海との資本提携に調印した直後に実施した消費者モニター調査で、「今後商品を購入したいと思わない」との回答が3割超に上っていたことが17日、わかった。

 長引く経営危機と買収劇の裏で、消費者のシャープ離れが進んだとみられる。今月中にも鴻海から社長を迎えて新体制に移行するシャープにとって、消費者の信頼とブランドイメージの回復が急務だ。

調査は4月初旬、外部機関に委託し、関東と関西で20代~60代の男女計300人に同社のブランドイメージについて聞いた。その結果、経営再建について「がんばってほしい」とする回答が約7割に上った。

 しかし「今後も製品を購入したいか」との設問には、「そう思わない」と「あまり思わない」が計約31%となり、「そう思う」「やや思う」の計約25%を上回った。「わからない」は約43%を占め、消費者の信頼の揺らぎが浮き彫りになった。

 同社は営業現場で聞いた顧客の声も含め「社名、製品の製造国、品質が変わるのではないかと不安が広がっている可能性がある」と分析。経営危機以降は広告宣伝費をピーク時の半分以下に削減していたが、企業広告を再開するなどして消費者の不安払拭に取り組み始めた。

「シャープは、これからも、シャープです。」

モニター調査の結果を深刻に受け止めた同社は、こんな見出しの全面広告を5月下旬、新聞の全国紙5紙と地方紙46紙に掲載した。同月12日に発表した平成28年3月期決算で債務超過を明らかにし、ブランドイメージは崩壊寸前だった。

 6月には、フジテレビから今年独立したフリーアナウンサー「カトパン」こと加藤綾子さんを初起用し、スマートフォンのテレビCMを全国展開。ブランド再構築を本格化させている。

 シャープの西野正彦・ブランド戦略部長は「不安の声が寄せられているのは事実。安心して購入できる品質とサービスを約束し、シャープの方向性を示していきたい」と話している。

■シャープ倒産を視野に銀行が「破綻懸念先」区分に…鴻海との提携失敗との判断か

シャープの2016年3月期連結決算は最終損益が2559億円の赤字(前期は2223億円の赤字)だった。主力の液晶パネル事業でスマートフォン(スマホ)向けの中小型パネルが苦戦、在庫の評価損など特別損失が膨らみ、312億円の債務超過に陥った。

東証1部企業が債務超過になった場合は2部に降格するというルールに従い、8月1日付で2部に指定替えになる。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業による3888億円の出資が完了すれば債務超過は解消できるので、17年には東証1部への復帰も考えられる。

 シャープ向けの融資の引き当てをめぐり、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行の主力2行の間で対応が大きく分かれた。両行のシャープ向け貸出金は15年3月末でみずほが3246億円、三菱UFJ が3183億円だった。貸出額に大きな差はないが、メインがみずほで、サブが三菱UFJである。

5月19日付日本経済新聞は、両行の債務者区分の変更を次のように報じた。

「関係者の話を総合すると、自己査定結果はみずほが『要管理先』、三菱UFJは債務返済の可能性をより低く見る『破綻懸念先』に引き下げたもよう。これに伴い(三菱UFJは)1千億円弱の不良債権処理費用を計上した。一方、みずほは15年3月期までに前倒しでシャープ関連の貸倒引当金を積み、16年3月期は追加費用を計上しないで済ませた」

 銀行は融資先企業ごとに、財務状況や融資の返済状況を勘案して区分を変えている。債務者区分は、次の6つの段階に分かれる。

1.正常先、2.要注意先、3.要管理先、4.破綻懸念先、5.実質破綻先、6.破綻先

 要管理先以下がいわゆる「不良債権」に該当する。破綻懸念先とは「経営難で改善が見られず、長期延滞の融資がある企業」のことだ。

●「要管理先」から「破綻懸念先」に格下げ

三菱UFJはシャープを「破綻懸念先」に格下げした。この区分だと、新規融資は困難となる。さらに、できるだけ早く融資を回収しようとするのが通常だ。

 三菱UFJの債務者区分の引き下げは今回が初めてではない。シャープは15年3月期の最終損益が従来予想の黒字から一転、2223億円の赤字に転落した。「1年以内の黒字化は難しく、債務超過に陥りかねない」と判断し、債務者区分を「要管理先」に引き下げた。

 三菱UFJはそれまではシャープの債務者区分を「要注意先」として、貸倒引当金は貸出金の2%(80億円程度)を積んでいただけだったが、「要管理先」に引き下げたことにより、貸倒引当金を従来比10倍強の1000億円程度(貸出金の28%)にまで積み増した。

この時、シャープの再建に向けて貸出金の一部を株式に振り替える「債務の株式化(DES)」によって1000億円規模の金融支援が行われた。DESを実施した場合、銀行は格付けを強制的に「要管理先」に引き下げることになっているため、みずほもそのようにした。

 シャープはDESによって借入金が軽減され、バランスシート上の負債を大幅に減らすことに成功したが、それでも再建できなかった。

 今回、債務超過に転落したため、三菱UFJは「破綻懸念先」に債務者区分を引き下げ、1000億円程度の不良債権処理を行った。

 前出の日経新聞記事では、「三菱UFJの16年3月期決算の純利益は前の年から約8%減って9514億円と1兆円を割った。仮にシャープの追加費用がなければ、過去最高だった15年3月期の1兆337億円を超える可能性があった」として、シャープの不良債権が三菱UFJの業績にも影響を及ぼしたことを示した。

●鴻海を推したみずほ、距離を置く三菱東京UFJ

シャープは債務超過に転落したのだから、みずほも「破綻懸念先」とするのがセオリーだが、「要管理先」に据え置いた。

 シャープと鴻海の資本提携の先行きをどう見るかで2つの銀行の判断は分かれた。みずほは鴻海との提携でシャープの再生は可能と判断し、対する三菱UFJは提携失敗の可能性を債務者区分に織り込んだといえる。

三菱UFJが「破綻懸念先」に格下げしたのは、シャープと資本提携を約束しながら13年春に白紙に戻した鴻海への不信感があるためといわれている。

 一方、みずほは鴻海と親密な関係にある。みずほと鴻海が取引を始めたのは2000年。みずほの前身の1つである第一勧業銀行が融資した。規模は小さかった鴻海が成長するにつれ、みずほが主幹事となってシンジケートローン(国際協調融資団)を組成したりもした。その後もみずほは鴻海と親密な関係を維持しており、さらにシャープのメインバンクでもある。

 シャープは官民ファンドの産業革新機構と鴻海が激しい争奪戦を演じた。一時は革新機構が有力とみられていたが逆転した。形勢が逆転したのは、16年に入りメインのみずほが鴻海案を支持する姿勢を鮮明にしたからである。これで革新機構から鴻海に流れが大きく変わったといわれている。シャープの再建で、鴻海とみずほがタッグを組むかたちになった。

三菱UFJは、鴻海とは一定の距離を置いているが、しっかりソロバンを弾いている。もし、鴻海の支援によってシャープの業績が回復すれば、債務者区分をプラスの方向に変更できる。そうすれば、すでに処理したシャープの貸倒引当金が戻入金となり、利益として計上できる。「破綻懸念先」は債権の7割を貸倒引当とする。そのため、シャープが「要管理先」に格上げになれば、引き当てた1000億円を利益として計上できるわけだ。日本銀行のマイナス金利の導入でメガバンクの経営環境は一段と厳しくなっている。1000億円の“隠し利益”があれば、もしもの時には業績の有力な下支えになる。

 はたして、シャープは死に体なのか。それとも蘇生できるのか。メイン、サブの大手両行のシャープに対する見解の違いは示唆に富んでいる。

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