1. まとめトップ

経営危機から明暗を分けるシャープとパナソニック その差は経営判断ミス以外にも理由が…

パナソニック7650億円、シャープ4500億円、ソニー401億円と日本が誇る電機大手が苦境に立たされています。優良企業とされていながら、一気に凋落した理由はどうも経営判断ミス以外にもあるようです。

更新日: 2016年07月19日

egawomsieteさん

  • このまとめをはてなブックマークに追加
33 お気に入り 484706 view
お気に入り追加

■シャープ本社 不便な場所に憶測

「わし2200円の時にシャープの株、買うたんや。130円ではどうもならんがな」

 6月23日、大阪市のオリックス劇場で開かれたシャープの第122期定時株主総会に出席した初老の株主は、会場前の公園でマスコミに囲まれて憤懣をぶちまけた。

「(シャープの創業者)早川徳次さんを信用してシャープの株主になったのに、ワシの退職金パーですわ。どないしてくれますの」

この株主は、総会の議長を務めた高橋興三社長にも容赦なく怒りをぶつけた。しかしシャープが倒産してしまったのでは株が紙くずになってしまう。シャープが台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入る議案は可決され、創業から104年に及ぶ独立経営に幕が降ろされた。

 リーマン・ショック前夜、液晶テレビ「アクオス」の大ヒットで、シャープの株価は2000円を超えていた。2445円に達したこともあり、経営陣は「パナソニック、ソニーを追い越せ」と本気で「株価5000円」を狙っていた。それがたったの10年で100円台。時価総額にして3兆円以上が吹き飛んだのだから、株主が怒るのも無理はない。

総会翌日には英国のEU離脱で株式相場が大崩れ。東証2部落ちが決まったシャープ株は嫌気され100円を割った。これでは損切りもままならない。

 たまらないのは従業員も同じ。すでに2度の希望退職で6000人の仲間が会社を去った。出資交渉がまとまった4月の時点でホンハイは「人員削減はしない」と言っていたが、その後、前言を撤回。「国内2000人、海外5000人規模の削減が必要」と言い始めた。

 しかし現場は意外に冷静だ。「みんな『就活』に必死で、100人近くが自己都合で辞める月もあります。放っておいても、すぐに2000人くらい減るんじゃないですか」(シャープ社員)。

社員への求心力が落ちている大きな要因の一つが本社移転である。株主総会の少し前、大阪・西田辺のシャープ本社1階のロビーにあった早川徳次像が姿を消した。近く新本社になる堺市の工場に移されたのだ。

 工場といってもシャープのものではない。資金繰りに窮した2012年、ホンハイのテリー・ゴウ(郭台銘)会長が個人で600億円超を出資してシャープから買い上げた。現在の名称は「堺ディスプレイプロダクト(SDP)」だ。

2009年に稼働したこの工場は町田勝彦会長、片山幹雄社長の時代に約4000億円を投じて建てた巨大な液晶コンビナートである。堺港の埋め立て地に建つSDPは、最寄りの南海電鉄堺駅からバスで20分。事務職のサラリーマンが通勤するには適さない。マイカー通勤が認められるのは管理職以上で、平社員は駅からバスに乗るしかない。ある社員は毎朝の通勤風景を「護送車のようになる」と自虐的に予想する。

 工場の敷地は120万平方メートル。先端技術が外部に漏れないよう厳重にガードされた正門でバスを降りると、事務棟まで約1キロを歩く。雨の日は職場にたどり着くだけで一苦労だ。

「あまりに不便な場所なので、SDPが新本社と聞いた瞬間に退職した社員もいる」(現役のシャープ社員)。中には「わざと不便な場所にして、社員をふるい落とす作戦ではないか」と勘ぐる社員もいる。

■「世界の亀山」 買収後の“シャープの街”の今…さびれた地元に観光客殺到? ホテル満室の意外な理由

「世界の亀山」。そう呼ばれてきたシャープ亀山工場が目の前にあった。あまりにも巨大で、視界に収まらない。駐車場も広大だ。かつて最先端の液晶技術で世界に知られた工場は2004年に操業開始。最盛期には社員約3千人が働いていた。08年にリーマン・ショック、今年はシャープが台湾のホンハイ精密工業の傘下に入ることが決まった。かつて「最も予約の取れない」と言われた地元のビジネスホテルに「ある変化」が起きていた

工場がある「亀山ヒルズ」からJR亀山駅へ向かった。所要時間15分、タクシー代は2250円。駅で客待ちする運転手によると、シャープの次はまたシャープという状態だった乗客が、今はさっぱりで、「7割、いや半分かな」。

 最近は工場へ台湾人を乗せることも多くなった。先行きが不透明の中、工場では今も社員約2千人が働く。

 「まさかシャープが台湾企業の傘下に入る時代が来るとは思わなかったよね」

亀山の街は、シャープの浮き沈みとともに生きてきた。駅近くの不動産屋の男性に話を聞くと、「シャープ・バブル」の時代を語り出した。

 当時は入居希望者があふれ続け、アパート建設が間に合わず、しまいには山を削って谷を埋め、ワンルームアパートを増設したのだという。月6万円まで跳ね上がったという家賃は今、3万円台になった。

 「1週間前も単身の40代の社員さんが退去していきましたよ。早期退職に応じたとかで」。

 かつて3人が働いていた不動産屋で、男性は1人で仕事を続けている。

そんな中での参院選。どの候補者も経済発展や雇用確保を熱く訴えるが、この街ではこの5年、経済も雇用も上向いていない。

 空き店舗が目立つ駅前で戦前から商売を続ける「みつわ食堂」に入り、中華そば550円を頼んだ。戦前からずっとここにいる林きみ子さん(80)に話を聞くと、「シャープ? あかへんで」。

 食堂の傍らスナックを経営していた。「1500円の明朗会計」がモットーだった。ママとして4人を雇っていたこともある。シャープの衰退とともに客もひき、8年前にスナックを閉めた。

 「シャープなんて関係あらへん。今はなんの影響もない」。ご主人の彰さん(83)と、朝から晩まで食堂を切り盛りする毎日だ。

脱シャープの兆候を、工場近くの「リビングホテル亀山」で見つけた。

 フロントの女性従業員の話では、かつては「シャープさん」のおかげで「最も予約の取れないホテル」だったという。最近、お得意さんは中国人観光客になった。

 「昨日も大型バス2台で30人。ここは高速もすぐで便利でしょう。京都巡りが終わって伊勢観光の間に泊まるんです」。

 すでに8月末まで予約がいっぱいなのだそうだ。

■シャープ、1年前に退任した役員が複写機担当で異例の復帰

経営再建中のシャープは、元代表取締役専務の中山藤一氏(62)が1日付で同社に復帰し、専務執行役員に就任した。複写機などを担当する。中山氏は2014年6月に代表取締役専務に就き、白物家電など商品部門を統括していたが、経営悪化で15年6月に顧問に退き、同年11月に退社。電子部品メーカーに転職していた。

シャープは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入って早期再建を目指すことが決まっている。今回の人事について「再生と成長に向けて重要な人材と判断した」(広報部)と説明している。

 シャープは長びいた経営危機と大規模な希望退職などで人材流出が深刻な問題となっている。日本電産の永守重信会長兼社長はIoT関連事業について「シャープ出身の人間でやっている。シャープのおかげ」と話し、シャープ退職者を登用して新分野を開拓しているという。

 日本電産は14年にシャープ元社長の片山幹雄氏が入社して以降、100人以上のシャープ退職者を雇用したとされる。片山氏は代表取締役副会長執行役員最高技術責任者という要職に就き、6月17日の株主総会でも「日本電産で懸命に頑張る」と新天地での再起を誓っている。

5月にはシャープ財務トップで産業革新機構との交渉役を務めた大西徹夫元副社長執行役員も日本電産に移籍。6月17日付で副社長執行役員に就任した。取締役や幹部以下、優秀人材の流出に歯止めがきかない状況だ。

 衝撃が大きかったのは、ディスプレー事業の競合候補でもあったジャパンディスプレイ入りが決まった方志教和元専務だ。シャープのディスプレー事業を統括して手の内を知り抜いた方志氏の移籍に関係者は「親分肌で慕う人も多く、どれだけの人間が付いていくのかが心配」と漏らす。

 シャープはストックオプションなどの報酬制度導入で優秀人材を確保しようとする一方、追加人員策も検討している。従業員が再リストラの不安を感じず業務に打ち込める環境づくりは急務だ。

■シャープ本社 長年親しまれた大阪・阿倍野から堺へ移転

わかってても、なんか寂しい──。経営再建中のシャープは1日、本社を大阪市阿倍野区から大阪府堺市堺区へ移転した。6月30日、本社最後の営業日となった阿倍野区の旧本社前はいつもと変わらない様子だったが、時折、建物看板の写真を撮る人の姿も多くみられ、看板を撮っていた地元の男性は「子供の時から、シャープここにあって当たり前だった。わかってても寂しい」などと話していた。

同30日夕方、阿倍野区長池町の旧本社前を訪ねると、カメラを手に社名などが書かれた看板をカメラで撮影する人の姿が何人かみられた。ツイッターなどのSNSでも、本社最後の日の様子を伝えるものもいくつか見られた。

 会社帰りに同社の看板や旧本社を撮影していた大阪市東住吉区の40代の男性は「区は違いますが、歩いて数分の場所で育っている。大阪府外出身の大学の友人には『家はシャープ本社のそばやねん』と自慢げに話していた。何年か前に(近くを走るJR)阪和線が高架化して、シャープ前の『開かずの踏切』がなくなってうれしかったけど、まさかこうした形でシャープ本社が移転するとは思わなかった。移転はわかっていても、やっぱり寂しい」などと話していた。

■シャープ株価、ついに100円割る 台湾企業傘下入りや東証2部降格で

27日の東京株式市場で、シャープ株が急落し、株価が100円を割り込んだ。

 前週末の株暴落で大きく値を下げたうえ、この日も大きく続落した。シャープが現在の会社の形態になった1970年以降では100円割れは初めて。

 経営不振から台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下入りが決まったこと、8月1日付で東証2部に降格することが決まったことなどで、株を手放す投資家が増えている。

シャープは前身の早川電機時代には100円以下の株価だったことがあるが、1970年にシャープに社名変更して現在の会社形態に変えてからは、株価も上昇。1999年12月には2675円の上場来高値をつけたが、このところの経営不振で株価は加速度的に値下がりしていた。

 24日は英国の欧州連合(EU)離脱が決まったことで市場全体が暴落し、シャープ株も前日比22円安の111円と大きく値を下げて取引終了。16.5%下落した。

 27日も値下がりが続き、安値が17円安の94円。終値は16円安の95円で、14.4%値下がりした。この2営業日の下落幅は29%に及ぶ。

 2部に降格するのは、今月23日に提出した有価証券報告書で、2016年3月末時点で債務超過に陥っていると確認されたため。23日の株主総会でも鴻海精密工業傘下入りや今後の再建策について、会社側の説明に納得していない株主もおり、これも売りにつながった。

■シャープ株が一時16%安の大幅反落 東証2部降格を嫌気

24日午前の東京株式市場でシャープの株価が大幅反落し、一時、前日終値比で22円(16・5%)安の111円まで下落した。東証1部から2部に指定替えされると23日、正式に決まったことが嫌気された。

 23日提出の有価証券報告書で、2016年3月末時点で債務超過に陥っていると確認されたため、8月1日から2部に降格する。証券アナリストは「既定路線だったが、心理的にマイナスに捉える投資家が多かった」と指摘した。

 シャープは23日に開いた株主総会で鴻海精密工業の傘下に入ることを決議したが「経営再建策が十分説明されず、失望売りも出たようだ」と話した。

【シャープ株主総会】「全て鴻海任せか!」株主不満、経営陣は人員削減など再建策説明できず…〝新生シャープ〟に厳しい目

経営再建中のシャープが23日開いた株主総会で、鴻海(ホンハイ)精密工業からの3888億円の出資を受け入れ、鴻海の子会社として再スタートを切ることが正式に決まった。ただ、株主からは業績悪化を招いた経営陣への批判などが相次いだ。総会は過去最長に並ぶ3時間23分に及び、“新生シャープ”に対する厳しい視線が注がれた。

 大阪市内の株主総会会場には23日朝から千人超が集まった。総会が始まると、壇上に並ぶ高橋興三社長ら経営陣に対し、株主は「こんなざまになったのはあなたたちのせいだ」と厳しい言葉を浴びせた。

また、2月にシャープの債務問題が発覚した影響から、鴻海側が交渉途中に出資額を約1000億円減額したことに対し、株主からは「もっと上手に交渉できたはずだ」などと批判の声があがった。

 鴻海は独占禁止法に関する中国当局の認可が下り次第、月内にもシャープの第三者割当増資を引き受け、シャープ株の66%を取得、買収手続きを完了する方針だ。その後、シャープの新社長には鴻海グループの戴正呉副総裁が就任し、計6人の取締役を鴻海側が送り込む。シャープ出身の取締役は3人のみとなり、「鴻海色」の濃い新経営陣のもとで再建が進む。

■シャープ、8月1日付で東証2部に降格

東京証券取引所は23日、現在は東証1部に上場している経営再建中のシャープの株式が、8月1日付で東証2部に指定替えになると発表した。

 シャープが同日提出した有価証券報告書で、今年3月末時点でグループの債務が資産を上回る債務超過となったためだ。

 東証のルールでは1部の上場企業が債務超過に陥った場合は2部に指定替えになるとしており、シャープもこの定めに従い降格となる。1部から2部への降格は珍しく、昨年2月にパソコン向けチューナーなどを手掛けるピクセラ株が指定替えとなって以来となる。

 シャープが2部から1部に復帰するには、債務超過状態を解消した上で、シャープが1部への指定を東証に申請して審査を通過し、承認を得る必要がある。

 同時に東証は、シャープ株が上場廃止の猶予期間入りしたことも発表。来年3月末までに債務超過状態を解消できなければ、シャープ株は上場廃止になる。

■従業員に甘い SHARPに厳しい声

1 2 3 4 5 ... 47 48





時事系のメルマガを08年から配信しています(平日刊)。他に競馬(週3回)とマーケティング(サービス、お客)関連(週1)のメルマガも。他では自閉症の息子関連ブログなど

このまとめに参加する



  • 話題の動画をまとめよう