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アイラ島のシングルモルトウイスキー(スコッチウイスキー)

アイラ島はスコットランドの西南にある「ウイスキーの聖地」とも呼ばれている島です。個性豊かで世界的にも人気のある、島内のシングルモルトウイスキー蒸留所を紹介します。同じ蒸留所でも種類によって味や香りの違うボトルもありますので一概には言えませんが、星の数(★)でざっくりとクセの有り無しをつけてみました。

更新日: 2015年06月12日

spiralslopeさん

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ボウモア(Bowmore) ★★~★★★

アイラ島の西中央部にある、島では最古(1779年創業)の蒸留所。別名「アイラモルトの女王」。80~90年代にサントリーが資本参加し、現在は子会社化。サントリーが販売元でもあるため、新ラベルの現行ボトルは日本のバーでも見つけやすく気軽に飲める。ボトルの底に出っ張りの無い旧ボトルも流通量が多かったため、今なら見つけるのは易しい。味の比較をしてみるのも面白いだろう。

60年代ビンテージのオールドボトルはマンゴーなどの果物に例えられるトロピカルな味と香りが楽しめカルト的な人気がある。ただし、値段も一気に上がり、ショットバーでもワンショットで5000~10000円が最低ライン。特に、ボウモアの中でも最高峰と言われる黒いラベルの「Black Bowmore」はオークションでもボトル1本で30~40万円。なお、1993年蒸留のボウモアが、この60年代の古い味を再現していると言われ、ここ数年人気化している。

キルホーマン(Kilchoman) ★★★★

2005年の年末に蒸留を開始した(アイラ島では124年ぶり)スコットランド最西端の蒸留所。スコットランドの法律で「熟成3年以上」がウイスキーの条件となるため、シングルモルトウイスキーとしての販売は2008年から。それまでは単なるスピリッツとして少数のボトルが流通していた。地理的にはアイラ島の他の蒸留所が全て海に面しているのに対し、キルホーマンは唯一内陸部にある。蒸留所の規模や生産量は他の蒸留所に比べて小さく、ここ数年は小ロットの限定生産ボトルを小刻みにリリースすることが多い。

アイラ島の蒸留所のウイスキーは、一部の例外を除き「ピート」と呼ばれる泥炭で麦芽を乾燥させるので、ウイスキー自体にも独特のスモーク臭が付くが、キルホーマンはその中でもヘビーピートなものが多いのも特徴。日本のウイスキーバー(モルトバー)ではおおよそ2軒に1軒の割合で普通に見かけるが、カクテルメインのバーでは扱っていない事もある。

ブルイックラディ(Bruichladdich) ★★

ブルイックラディは1881年に創業した蒸留所で、1994年に一旦閉鎖されたが2001年に復活。キルホーマンが創業するまではアイラ島最西端(=スコットランド最西端)の蒸留所であった。生産からボトリングまで、すべての作業をこの蒸留所内で行っているアイラ島唯一の独立蒸溜所であったが、2012年の夏、レミー・コアントロー社により買収。

元ボウモア蒸留所のジム・マッキュアン氏が責任者を務めており、この人は業界でもカリスマ的な人。伝統的な製法を下敷きにしつつ、革新的な製法や熟成法で、ここ数年話題を集めたボトルをいくつも世に出している。超ヘビーピートの「オクトモア」や「ポートシャーロット」などは、この蒸留所のブランド。

日本での販売元は国分株式会社で、モルトバーでも扱っている店は多く見つけ易いが、いかんせんボトルの種類が多く、味も香りも幅広いので、ブルイックラディがどんな味であるかを1本のボトルだけで表現するのは困難かもしれない。一番よく目にするアクアブルーのオフィシャルボトルは、アイラ島のウイスキーにしては癖のないクリーミーな味が特徴。

ラガヴーリン(Lagavulin) ★★★★★

別名「アイラの巨人」。スコッチウイスキー「ホワイトホース」の原酒として有名。Lagavulinとは「水車小屋のあるくぼ地」の意味で、1816年にアイラ島南岸にて創業したが、それ以前にも密造所として稼働していたと言われる。現在はディアジオ社傘下で、タリスカー蒸留所のブランドマネジャーをしていた女性が蒸溜所所長を務めている。

味と香りは一言でいえば「強烈」。スモーキーでヘビーなピート香とシェリー樽熟成特有の甘い香りと個性的な味が多くのファンを魅了し、ウイスキーフリークが最後に行き着く「銘酒中の銘酒」であろう。現在、バーで一番みかけるのは16年熟成のオフィシャルボトルだが、よく似たラベルで「12年カスクストレングス」も流通している。今となっては非常に高価であるが、80年代に流通していた白いラベル(ホワイトホース表記)の12年オールドボトルも名酒。

アードベッグ(Ardbeg) ★★★★★

1815年創業の、古典的かつ伝統的なアイラモルトで、スコッチウイスキー「バランタイン」の原酒。80年代の前半に生産をストップしたが、97年にグレンモーレンジ社が買収して再開。現在の親会社はLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)。現行品は全般的に非常にクセのあるピート臭で、飲む人を選ぶが、一度クセになると抜けられない魅力を持っている。

蒸留所公式のボトルは、数年前までは17年や30年などが有名であったが、ここ数年は10年物と、ビンテージ年数を大きく謳わない個別名(ウーガダール、コリーヴレッカン、ガリレオ等)がついたボトルのいくつかがバーで飲める。ただし、小ロット生産体制でもあるため、10年物以外は入れ替わりの頻度も激しい。モルト専門バーでは、70年代ビンテージのボトルも置いてあるが生産量が少なく、全体的に高価。マッカラン等と同様にコレクターも多い。

ブナハーブン(Bunnahabhain) ★

1881年創業のアイラ島北部の蒸留所。カティーサークなどの原酒に使われている。「Bunnahabhain」は「河口」の意。アイラ島のウイスキーの中では珍しく、ほとんどピートで麦芽を乾燥させない製法で作られているので、口当たりは軽く香りもライトである。ピートの強さは一般にフェノール値(ppm)で表されるが、アードベッグが50ppm前後、ボウモアが20ppm強に対し、ブナハーブンは2~5ppmと言われる。

日本での販売元はアサヒビール。アイラにしては特徴がそれほど無いため(逆に言えば、ブナハーブン以外のモルトウイスキーの特徴があり過ぎるため)扱っていないバーも結構あるが、仮に置いてあれば色の濃さが特徴の12年物が多い。ラベルに描かれた水夫の絵と、ラベルに書かれた「Westering Home」が西部への望郷の想いを掻き立てるのであろうか、アメリカでのセールスが高いといわれる。

なお、この蒸留所では「ブラックボトル」というウイスキーを手掛けており、これは、アイラ島を代表する七つの蒸溜所のモルトをブレンドしたウイスキーである。

カリラ(Caol Ila) ★★★~★★★★

ブナハーブンからやや南に下りた海岸に1846年に蒸留所が設立。現在の親会社はディアジオ。「カオルイーラ」(=アイラ海峡)とも読まれ、ジョニーウォーカーなど多くのブレンドに使われる原酒で、生産量もアイラ島では最大のシングルモルトである。(アイラモルトとしては)強烈さは控え目だが、辛口でクセもあり、アイラモルトの入門として飲んでみるのも面白いだろう。

日本のバーでは白ラベルの12年を置いている店が多いが、オレンジ色のラベルの18年も時々みかける。2002年以前まで流通していたアザラシの絵が描かれたボトル(15年物)がたまにある。ボトラーズ物(蒸留所が公式に出しているのではないボトル)も非常に豊富で、味も香りも幅広い。

ラフロイグ(Laphroaig) ★★★★★★★

1815年設立。経営権が何度か移動したが、現在の体制が出来上がったのは、女性初の蒸留所所長であったベッシー・ウイリアムソン女史が指揮を執った1960~70年の頃である。一部の例外を除き、熟成にはバーボン樽(バーボンウイスキーを熟成させた後の空き樽)のみを使用する伝統がある。親会社はフォーチュン・ブランズ社(バーボンのジン・ビームで有名)。日本の販売元はサントリーなので、日本での流通量も多い。

個性豊かなアイラの中でも、飛びぬけて独特かつ強烈なフレーバーを持つウイスキーであり、味を形容する語句として「薬品(正露丸?)」「硫黄」「ヨード」「消毒液」など様々に言われ、アイラモルトが好きな人でも苦手な人がいる半面、このモルトにはまって戻れない人もいる。

ラフロイグはチャールズ皇太子御用達のウイスキーで、ラベル上部の真ん中にそれを証明する「プリンス・オブ・ウェールズ」のマークが描かれているのは有名である。ただしチャールズ皇太子が実際に愛飲しているのはこの10年物ではなく15年物と言われる。もちろん15年物のボトルにも「プリンス・オブ・ウェールズ」のマークが同じく描かれているが、マークは表ラベルではなく裏ラベルに描かれており、それはチャールズ皇太子の謙遜の念ではないか、という話もある。

バーで飲めるのは、この10年物以外にボトラーズ物がメインとなる。上記の15年物は生産終了のようで、現在コレクターアイテム化しつつあり、気軽な値段で飲めるのはここ1~2年のうちかもしれない。

ポートエレン(Port Ellen) ★★ ※現在閉鎖

「ポートエレン」とはアイラ島の港(または村)の名前。蒸留所は1825年に創業したが1983年に創業停止し、現在に至っている。現在店舗やネットショップに出回っているボトルは1983年までに蒸留された原酒のみである。親会社はUDV(現ディアジオ社)であった。

ファンも多く「幻のモルト」とも言われているが、80年代前半に蒸留された原酒のストックがわりと多く、今でも2~3万円程度で新ボトルとしてリリースされる。無論、83年より後のビンテージは存在せず、既に蒸留のためのポットスチルは取り外されているので、再開される見込みもない。現在は当地にモルトスターとして製麦部門だけが稼働し、他の蒸留所に供給している。

蒸留所公式ボトルにはUDV時代のレアモルトシリーズの数本の他に、ビンテージ違いの8種類のリリースがあるが、オークション価格でも1本5~8万円なので、気楽に飲める部類のウイスキーではないだろう。ポートエレンはボトラーズ物が多数リリースされており、若干高価だがそれなりのバーであれば普通に扱っているので探してみたい。

味の特徴は、年代や熟成樽の違いによって千差万別で、一言で表現するのは難しい。ただ、状態のよい古酒に共通するのは、アイラっぽいピート感はありつつも、甘みの中に塩辛さが含有されている。

ガートブレック(Gartbreck)  ※2014年新規蒸溜所

2014年着工/2015年蒸留開始予定のアイラ島9番目となる新蒸溜所。場所はボウモアより南西に約2.5キロほど離れた湾岸沿い。オーナーはフランスに本拠を置くケルティック・ウィスキー社のオーナー、ジャン・ドネイ氏。典型的なマイクロ蒸溜所であり、規模はキルホーマンよりもさらに小さいらしい。ウェブサイト(www.gartbreck.com)があるが、より詳細な情報はFacebookページで随時公開されている。スコットランド法で「熟成3年以上」がウイスキーの条件となるため、2018年以降の販売を目指している。

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