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TPPと砂糖(製糖業界)まとめ

TPPに参加すると、日本の製糖業界は大打撃を受ける?動向を国内外のニュースで追跡継続情報収集中

更新日: 2013年05月24日

tokikabuさん

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自民党はコメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物(砂糖になるサトウキビやテンサイ)等を関税撤廃の例外とする「重要品目」と定め、これらの「聖域」を守れない場合は交渉から離脱するよう安倍政権に求めている。

砂糖の関税を守れるかどうかがTPPのひとつの焦点となっている。

自民党が関税死守を目指す農産品の重要5品目のうち砂糖は、米国が関税撤廃に慎重

製糖産業はオーストラリアが優位のため、関税撤廃はアメリカの製糖業界にも打撃があるとされる。

米国はオーストラリアとのFTAで砂糖を関税撤廃の例外としており、TPPでも同様だとした。

ただ、FTAを結んでいない日本との間で砂糖を例外扱いにするかどうかについてはコメントを避けました。

FTAはアメリカとオーストラリアの2国間の取り決めであって、日本の砂糖の関税が保護される理由はない。

“The nation may have to give up products excluding rice and sugar.”

「日本はコメと砂糖を除く製品については(聖域を)あきらめなくてはならないかもしれない」との意見も出ている。逆説的に考えれば、たとえ牛肉や小麦で譲歩しても、コメと砂糖については死守するだろう、と認識されている。

Australia may have greater access to export sugar to Japan as they comes closer to joining the Trans-Pacific Partnership (TPP).

当然のことながら、オーストラリアの製糖業界は日本のTPP参加を大歓迎してくれている。自由化するのであれば、の話だが。

サトウキビの関税がすべて撤廃された場合、「生産農家約1万7千戸、工場従事者約1300人の雇用、産業は失われる」

論点まとめ
1.そもそも日本はTPPに参加できるのか
2.参加したとして、砂糖の関税は守れるのか
3.砂糖の関税を撤廃したとして、製糖業界はどの程度の損失を被るのか
(製糖メーカーとしては、関税撤廃で海外から安価で粗糖やさとうきびなどの原料を輸入できるため、製糖コストは下げられるだろう。その場合、日本メーカーの砂糖も海外メーカーの砂糖と同じくらいの価格になるかもしれない。しかし砂糖の資産価値が下がること自体が企業にとっては痛手という考えもある)

The signal that Japan would be willing to liberalize beef and wheat to protect rice, sugar and milk was attributed to Shinichi Shogeni, an ag professor who has been a key adviser to the prime minister on food security.

日本は、コメ、砂糖、乳製品を守るために、牛肉と小麦を譲歩するかもしれない。
「コメは国民の主食であるし、砂糖には沖縄がある。牛乳は子どもたちが飲むものだ」(だからこの三品目は譲れないのでは?)
記事中、インタビューに答えているのは東大農学部長の生源寺眞一氏だと思われる。この記事に該当する日本語版のニュースは見つからなかった。

コメについては、食料自給率が4割しかない日本にとっては「栄養価が高く、食糧安保政策上、大きな意味を持つ」と指摘し、関税撤廃品目の例外扱いになる可能性が高いとの見方を示した。

生源寺眞一氏のインタビューを取り上げた日本の記事。

損失「3・4兆円」

農林水産省の発表した、TPP参加による国内農業(主要19品目)の経済的損失試算。ただし、この数字は大げさで、実際は1兆円も超えないのでは、との意見もある。
記事内では、「TPP参加→砂糖関税撤廃」といった前提条件のもとストーリーが展開しているが、TPPに参加したとして、砂糖の関税がなくなることはないのでは(政府は砂糖を譲らないのでは)との見方も強い。

TPPに参加すると、輸入品と品質格差がない国産の小麦、砂糖、でんぷんなどは輸入品に置き換わり、品質格差のある国産品は安価な輸入品の流通で価格が低下するという前提で試算している。

つまり、農林水産省の試算は、この前提条件に問題があるのではないか、ということである。
実際、内閣府、農林水産省、経済産業省との間では、TPPの経済的影響の見通しが大きく食い違っている。と、記事中では述べられている。

自民や全国農業協同組合中央会(JA全中)はコメ、砂糖、麦、乳製品、牛肉の5分野の農産品を関税撤廃の例外とするよう政府に提案済み。

ただし、5分野すべてを死守するのはかなり困難との見通し。TPP加盟国で、「97%以上は自由化しましょう」といった感じで決まる場合、日本はこの自由化率を守れなくなってしまうため。
したがって、上記5分野のうち、犠牲にするならば「麦」と「牛肉」の2分野だろうと推測もされている。

「バターや砂糖の関税は300%以上。あなたの好きなケーキの値段は、砂糖の関税がなくなったら半分ぐらいになるでしょう。サトウキビをつくる農家は困るかも知れないが、砂糖を使うケーキ屋さんはもうかるし、海外に輸出もできる。農家とケーキ屋のどっちが付加価値が高いか、明らかでしょう」

経済学者である池田信夫氏のブログより引用。
これはもっともな話で、砂糖の自由化で一番得をするのは消費者だろう。
日本の製糖メーカーに投資している人が困る。

Indeed, if American agricultural protectionism itself triumphs it will likely permit Japanese agricultural exceptionalism to prevail, especially if the pressure is to do a TPP deal quickly.

アメリカが自国の農業保護政策のために砂糖などの聖域を主張し、その意見が通るならば、当然日本からも関税撤廃の例外品目を認めてほしいとの声は大きくなるはずで、砂糖の聖域保護はオーストラリアの製糖業界にとっては面白くない話。
記事中では日本の反TPPデモの写真が用いられている。

政権幹部は「オーストラリア、ニュージーランドなどの同意はほぼ得られた。カナダからの同意も現地で得られるのではないか」と述べ、19日中にすべての参加国から同意が得られるという見方を示しました。

ここからが修羅場

宮腰光寛衆院議員は「サトウキビを手放すことは絶対にあり得ない。沖縄のサトウキビは何としてもしっかり守っていく」と応じた。

米国は、砂糖を関税撤廃の「例外」にするよう主張し、ベトナムも国内農業への保護姿勢が強い。

「日本にとって、自動車分野でアメリカの要求を丸のみした形になったことは致命的。日本は農産物のうちコメ、麦、乳製品、牛肉・豚肉、甘味資源作物(砂糖の原材料)の重要5品目を関税撤廃の例外にするよう今後の交渉で求めなければならないのに、それを確保するための最大の交渉カードを“交渉入り前”に失ったのです」

元レバノン特命全権大使である天木直人氏の言葉。
なるほど、そういう見方もある。
自動車で妥協したことにより、砂糖の聖域保護はより困難になったかもしれない。

TPPという外交敗北。 守れなかった農業の聖域|山田厚史 diamond.jp/articles/-/351… 安倍首相は「コメ、小麦、砂糖、乳製品、牛豚肉の農産品5項目と国民皆保険制度」を国益として列挙し、守ることを約束した。それがもう危うくなっている。

日本がTPPに加盟し農産物の関税が撤廃された場合の国産農産物の値下がり幅について、農水省は「新潟産コシヒカリ約3割」「バター、チーズなどの乳製品や砂糖は約6~7割」「小麦は約5割」と試算している。要するに、農業も製造業と同じような生産性の向上が必要条件となる。

安い輸入品に対抗するため値下げしないと太刀打ちできないため、生産者への打撃は大きく、農水省はTPPで「コメの国内生産は約3割減り、牛肉は8割、乳製品と小麦、砂糖の国内生産はほぼ消滅する」と予想している。だから、今から競争力を付ける為の農業政策をしなければいけない。交渉より重要。

TPPで、コメは安いカリフォルニア米やオーストラリア米が大量に輸入され、砂糖は3分の1の価格のオーストラリア産にすべて置き換わる。生き残ると予想されるのは新潟産コシヒカリや有機栽培米、松阪牛など品質が高くブランド力のある産品に限られる。

日本は砂糖の80%~90%を輸入に頼っている。その割に砂糖の関税は米並みに高い。 2010年データだけどタイからの輸入が70%で、タイもTPPに参加するから恩恵を受けるはずと思って、楽天証券で見てみるもタイの製糖メーカーの株が買えない。

製糖企業に投資する者としては、結局のところ砂糖の関税が守れるか否かが気になるところ。小麦と牛肉で譲歩すれば残り三品目は聖域保護できるのでは?……と考えているが、甘い見通しだろうか。

TPP関連では、農林水産分野の重要5品目としてコメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖を挙げ「聖域を確保する」と強調した。

自民党 夏の参院選公約
TPPに関しては断言せずに濁しておいた方が良い気も……。
すべての聖域保護は極めて困難を伴う。

米国もオーストラリアとの自由貿易協定(FTA)で関税を守った砂糖に関しては、TPPでも保護する姿勢を変えていない。外務省幹部は「守る品目が同じ場合は協力できる」と期待を寄せる。

2013/05/19
だと良いが……。

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tokikabuさん



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