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静かなブーム、海外マンガ『バンド・デシネ』の魅力【メビウス】

近年、邦訳ラッシュが続く海外のマンガ「バンド・デシネ」とは何か?その基本を解説したまとめです。

更新日: 2014年11月29日

空中庭園さん

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【基礎知識】バンド・デシネとは?

バンド・デシネ(Bande Dessinée)とは、フランス語圏のマンガのこと。

略して「BD」と表記することが多く、その際は「ベーデー」または「ベデ」と読む。

アートとしても価値が高い。

BDの特徴の一つに、美しいフルカラーの作品が挙げられる。技巧を凝らしてカラーリングされた美しい作品はアートとしても価値が高いとされていて、原画が高値で販売されたり、美術館に展示されることも多い。(もちろん、白黒の作品もある。)

フランスでは、プレゼント用の需要も多いある種の“豪華本”である。

出典2008年12月03日 東京新聞

出典imgur.com

画像はメビウスのアート
(2回クリックで更に拡大できます。)

市場規模はヨーロッパ随一。ベルギーやスイスのフランス語圏で出版されるマンガも「バンド・デシネ」と呼ばれる。

近隣のイタリアやスペインの作家がフランスで作品を出版することも少なくない。今やアジアの作家がBDを出版することも。

フランスでは、アメコミや日本の漫画のことも全部ひっくるめて「BD」と呼んでいる。

つまり使い方は日本の「漫画」と同じである。

日本のマンガとの違い&特徴

画像は『ムチャチョ―ある少年の革命』(エマニュエル・ルパージュ作)より。

透明水彩で描かれた美しい絵が特徴のこの作品は、邦訳版も出版されており、第16回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門優秀賞を受賞している。

日本のマンガと違い、左開きで、フキダシが横書きである。

つまりコマも「左から右」へと読んでいく事になる。また概して日本のマンガより版型が大きく、ページ数が少ない。

一コマの情報量が多く、コマごとの間の取り方が日本とは違う。

フランスで人気がある漫画家の谷口ジローさんは、「日本は物語性を追求するが、BDはメッセージ性が強い。読むのも時間がかかる」という。藤原カムイさんは「コマの間を想像で埋める必要がある」と指摘。

画像はショーン・タン『アライバル』より。

この作品は、フランス最大のBDフェスティバルである『アングレーム国際漫画祭』で2008年の最優秀作品賞を受賞しているほか、世界各国で多数の賞を受賞している。台詞のない作品だが、邦訳版もある。

作家はほとんどアシスタントを使わず、一人で描いている。

たいていのBD作家は一人で作品を描いている。

制作のペースが緩やかで、時間をかけてじっくりと作られる。

シリーズ作品の場合は大体1年に1冊くらいのペースで刊行されるが、中には1つの作品を完成させるのに5年以上かける作家もいる。

ただしその分、自分の作品の著作権だけで生活している人は一部だけで、そうでない人は別の仕事を持ちながら…というのが実情のようだ。

作品が連載できるような雑誌はほとんど廃刊してしまった。

1980年代後半に、作品の連載媒体としての雑誌が衰退してほとんど無くなってしまったため、現在では描き下ろしでアルバム(単行本)が出版されるようになっている。

【参考知識】戦後BDの“3つ”の大きな世代の流れ

第二次世界大戦後のBDの流れを3つの世代にわけて分類すると、以下のようになる。(左図はクリックで拡大可能)

【1】子供向け作品が主流の世代 (1950~1980年代)
・・・『タンタンの冒険』『スマーフ』など

【2】ビジュアル面の優れた大人向けの作品の世代 (1970~1990年代)
・・・メビウス、エンキ・ビラル作品など

【3】BD多様化の世代 (1990年代~現在まで)
・・・作家性の強いオルタナ系、娯楽色の強い大手出版社作品など

※日本におけるBDのイメージは、【2】の圧倒的なビジュアルをもった作品群と言っても過言ではない。

【参考知識】早すぎた、雑誌「モーニング」の挑戦

左画像はモーニングで連載されていた「太陽高速」(バル作)。日本では不評であったが、フランスでは好評を博し、1996年アングレーム国際漫画祭で最優秀作品賞を受賞している。

海外作家にオリジナル作品を書かせた「モーニング」

80年代末から90年代後半にかけ、日本の週刊漫画誌「モーニング」は海外作家を積極的に起用した。海外作品が日本の漫画誌に載ることは以前からあったが、モーニングは海外作家にオリジナル作品を書かせた点が画期的であった。そこにはかなりの手間、苦労があったようだ。

早すぎた試み、商業的に失敗。

メビウスなどの大物作家も参加したが、単行本化された作品は9冊。商業的な成功はひとつもなかったと言われている。その後、井上雄彦の『バガボンド』が始まった事が象徴するように、海外作家の作品は掲載されなくなってしまった。

しかし、「モーニング」での経験が、その後の作品の執筆に大いに役立ったと語る作家もいた。

【日本語で読めます】邦訳版が出版されている作品&作家

※近年、BD作品は急激に邦訳されるようになりました。その中から一部の作家と作品を紹介。ここで紹介するのはほんのごく一部です。

R級ライセンスを持つさえない私立探偵ジョン・ディフールは、ひょんなことから宇宙全体の命運を司ると言われる謎の生命体”アンカル”を手に入れる。

アンカルをめぐって、政府、ゲリラ組織、宇宙征服をたくらむ異星人……さまざまな人間たちの思惑が交錯し、ジョンは図らずも光と闇をめぐる大規模な宇宙抗争に巻き込まれていく。

やがて彼は、アンカルと仲間たちの助けを借りて、混沌とした宇宙の救世主として徐々に覚醒していくことになるのだが……?

本名:ジャン・アンリ・ガストン・ジロー。1938年フランス生まれ。多くの日本の漫画家に影響を与えただけでなく、世界中のクリエイターから尊敬を集めたBD界の巨匠。

『アルザック』などの幻想的なSF作品を生み出し、世界的なビジュアルSFブームを巻き起こしながら、アメリカン・コミックスやSF映画にも多大な影響を与えた。

大友克洋氏や谷口ジロー氏、藤原カムイ氏、浦沢直樹氏、松本大洋氏など、日本の名だたる漫画家が影響を公言しているが、特にアニメ監督である宮崎駿氏へ与えた影響、および交流が有名である。

2012年逝去。

1929年、チリ生まれの映画監督。1970年、のちに「カルト映画で最も重要な1本」と呼ばれる『エル・トポ』を発表し、1973年には『ホーリー・マウンテン』を発表、世界的名声を勝ち得る。

一方で、BD界随一の人気を誇る原作者としても有名で、メビウスと共に『猫の目』『アンカル』などの作品を発表。なかでも『アンカル』は一代センセーションを巻き起こし、『メタ・バロンの一族』をはじめとする複数のスピンオフ作品を生み出した。現在も精力的に作品を発表し続けている。

『アルザック』より

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空中庭園さん

我ながらすごい名前をつけてしまった…。世界が面白く見えるまとめを目指しています。

間違った情報はなるべく流さないよう心がけています。ゆっくり作ってます。



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