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nanapiが人力でやっている細かすぎるが効果的なグロースハック #on_lab

5月25日に開催されたGrowth Hackers Conference。nanapi社長の古川健介氏がハウツーサイト「nanapi」で実施してきた施策を紹介。記事のディスクリプションやタイトルなどの調整を、ユーザーの気持ちにフィットさせるため、手間がかかっても人力でやりきるとか。

更新日: 2013年05月27日

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世界規模でのグロースハックを手がけたスペシャリスト達が、
 それぞれのユーザー獲得の経験・事例を公開し
 ディスカッションを行います。

◆古川健介氏がnanapiのグロース戦略について語った

古川健介氏
株式会社nanapi代表取締役

そもそもグロースハックとは何かというと、サイトのいろいろなものを改善して会員数を増やすこと。ABテストをやっていいものを選択するとか。

我々はユーザーが何を求めているかを中心にしている。グロースハックは自社サイト内だけで考えてはいけない。ユーザーはサイトを使っていない時間の方が長い。どういう気持でサイトに来ているかが大事と考えている。グロースハックについていろんな人が話しているが、サイト内の話が多いと思う。サイトに来る以前のグロースハックを中心に話す。

グロースハックをやる上で一番大事なのはKPIの設定。これは難しい問題。我々も悩んだ。ユーザー数か。会員数か。いろいろあるが、シンプルに「PV」にした。これはのちほど説明する。

PVを伸ばすには要点は3つある。1つは「ユニークユーザー」、何人が来ているか。2つ目は「月の訪問回数」。そして「1回あたりの閲覧PV」、何ページ見ているか。それらの掛け算になる。PVがKPIにふさわしいのは、この3つが全部重要だから。掛け算の結果が大事になるPVを、重要な指標とした。

ユニークユーザー(UU)
  X
月間訪問回数
  X
1回あたりの閲覧PV

がPVだから。

UUについてまず話す。これを伸ばすのはSEO。普通のSEOの話をしてもしょうがないのでどうやっているか。要点は2つある。検索順位を上位にするだけではなく、もう1つ。検索結果ページのCTRも大事。検索結果の一番上でもクリックされないとゼロになる。

いろいろな施策をやったが、例えばテーマページを作った。これは去年やった。もともとnanapiは7つしかカテゴリがなかった。大雑把にわけていたが、それを5000個に増やした。かなり階層に分かれて構造化された設計にした。それの何がいいか。ユーザーが探しやすくなる。

「恋愛」カテゴリの中に「モテる方法」という項目がある。いろんなモテる方法がある。女性だったら「男心を理解する」というのがある。

そこまで細分化しているのが特徴。独自に作成したハウツーに特化した構造化がされている。

「恋愛>カップル>浮気対策>浮気をされない努力をする>女性向け」など。恋愛は自分でやったけど大変だった。大変で会社辞めようかと思った。手がかりがほとんどない。ハウツーの構造化データがない。検索ワードをひたすら調べて、あとは本の目次を調査してデータに入れて、割り出した。

なんでこんなことをやったか。いろいろな観点で構造化できるので、図書館学、編集学、検索の流入観点などやり方が多い。どれかに統一するのは非効率なので、すべてやる。ネット企業なので検索ワードは重視している。どんなキーワードで探そうとしているかは非常に重要。「モテる方法」の中に「小悪魔女子」っていうワードがある。分類としては気持ち悪いが、モテようとしている子が小悪魔女子という言葉で検索しているので作った。

どんな言葉が検索上位にくるか。「結婚」とか「Facebook」とか大きなキーワードで来る。「Facebook 退会」とかで上位を狙いがちだけど、目的が顕在化している人は意外と少ない。「Facebookで何をやったらいいかわからない」という人が多い。記事が集まったテーマページがあることで、潜在ワード、ビッグワードでも上位にくる。いまは1万9000個くらいに分かれている。

テーマページそのものも非常に重要。たとえばLINEというページだったら、一覧で記事を出しがち。でもLINEが流行っているらしいと検索してきた人に、新着記事一覧を見せてもしょうがない。テキストで説明を入れたりしている。

CTRが重要といったが解説する。ウェブマスターツールというものがある。そのなかのトラフィックの中の「検索クエリ」は宝の山。

Facebookというキーワードでどれだけ検索結果に表示されているか。そのキーワードで検索した人が我々のページをどれだけクリックしているか、Facebookというキーワードでの検索順位などがわかる。HTMLのタイトルが適切かどうかがわかる

たとえば「アマゾン 退会」で検索すると250回検索されて、200回クリックされていることがわかる。80%がクリックしている。これは検索結果の一番上に表示されている。

「ホワイトデー 義理 お返し」は一番上なのに28%しかクリックされていない。なぜか。「ホワイトデーの義理のお返しを本命と誤解されないために…」という記事が表示される。これはおそらくユーザーが求めているものではないのかもしれない。ユーザーは「何を返したらいいか」を期待している。多分ニーズとずれている。

まさにお返しの内容を知りたいのではという仮説をたて、本来必要なページを探す。テーマページにはそれがある。管理シートに追加し、記事から内部リンクを多くつけ、検索結果にヒットするページを変更する。内部施策を打つ。

SEOに詳しくない人のために解説すると、Googleはたくさんリンクが集まっているページのランクを上げる。サイトの外だけでなく、中でも同じ。ホワイトデーに関する記事は何百件もある記事があるが、これが重要と教えるために、ちゃんと結果を返せるようにする工夫をしている。

それをCTR改善シートを作ってやっている。「LINE 使い方」で検索すると1位をとっている。流入数は月に9万。CTRは67%。だいたい1位をとると46%がクリックするのがnanapiの平均。

「LINEとは」で検索すると4番目だが、CTRは40%。悪くはないが、良くもない。改善したい。そうすると我々のサイト内に「LINEとは」というページがあるが、そこにカタカナの「ライン」が入っていない。英語とカタカナで、検索するときの気持ちが違う。「LINEって何?」っていう人はカタカナで検索する。ローマ字だとクリックしないでスルーする。そういった場合に「LINE(ライン)」と表記することでCTRがぐっと上がる。上位のワードを1000件くらい、毎月タイトルを変えている。

そもそもHTMLのタイトルはいろいろな場所で使われる。サイト内、パンくず、ソーシャルサイト、検索エンジン。全部分けるべき。全部同じにしがちだが、サイト内でみるときはどんなサイトか知っているので説明不要。

パンくずはより短くしないと可読性が悪い。逆にソーシャルサイトは引きがないとクリックしてくれない。さきほどのように検索したときは情報を探しているので、「うちにその情報有りますよ」という内容にしないといけない。

だから記事タイトルを4つ作っている。これは誰でもできる。ただ手間がかかって面倒くさい。でもやらないと数字が変わってくるのでやる。ユーザーが自分のサイトに来るときにどういう気持ちなのか考えてやっているのがナナピ。来てからのことを考えてもサイト改善しかできない。どういう気持ちで検索しているかを意識している。

ディスクリプションには、「テーマページはこういうページですよ」と書いてる。これが1万以上あるとシステムで作っちゃえとなりがちだが、とうぜんわかりにくい。我々はディスクリプションを1件1件全部手でやっている。ユーザーはわかりやすいので見てくれる。

「ハート 折り方」で検索したときにヒットするnanapiのテーマページのディスクリプションを見ると、「ハートの折り紙が作れる」「折り方がある」「11件もある」ことがわかる。パンくずも出ているので、「あ、折り紙のことだ」とわかる。

パンくずも出ているので、「あ、折り紙のことだ」とわかる。グーグルが出す文言も完全にコントロールして文末が綺麗に切れるようにしている。検索でクリックされる回数が多くなるので細かくやっている。

さらにめんどくさいが、スマホだとまた違う。ディスクリプションの文字数が違う。省略されると何言ってるかわからない。50文字で1回文章が切れるようにしている。すごい面倒くさいがこのへんを丁寧にするだけで競合を上回れる。

「ユーザーとの心理戦」である

「男心」で検索する人は何を求めているのか? だいたいモテたい女性。男心を理解してモテる方法みたいなディスクリプションをつける。女性って男からそれっぽいことを言われるとすごい意識して、「それ脈ありなの?」ってすごい調べる。だから「それって脈ありなの?」的な文言を入れるとすごい読まれる。ユーザーとの心理戦みたいなことをやっている。

UUが増えてきたら月の訪問回数。いまのところ、nanapiはここがすごい弱い。月に1.5回くらい。去年まではUUをとにかく増やした。これからは訪問回数と閲覧数を増やす。

月の訪問数を増やすにはどうしたらいいか。ほとんどのユーザーがnanapiを知らないで見ている。困ったときにたどり着いたサイトがどこのサイトか、なんていうサイトかなんて、あまり意識していない。

nanapiの訪問者は平均月1.5回訪問している。ハウツーについて検索するのが1人1.5回〜2回くらいというデータがあるらしいが、要はたまたま検索したときにたどり着いただけ。これをどうにかしないといけない。

だからnanapiというサイトを意識してもらえると訪問回数が増えるのでは、と考えた。「nanapi」とはというアバウトページを作ればいいと考えた。ややこしいことを考えず、こんなサイトですと紹介するページ。nanapiユーザーのうち、nanapiを知っているらしい人は70万人。月に10回以上、nanapiに来ている。そういう人たちは40ページくらい見てた。普通の人達は1〜2ページなのに。知ってる人はたくさんのページを見てくれる。

「nanapiとは」のページを見せようと頑張った。スマホとかPCでも初回来た時にめちゃくちゃうざく、オーバーレイでバナーを見せた。初回訪問中心にやった。それを1回でも見たユーザーは月に3回くらいきた。単純に2倍になった。「nanapiとは」を意識させただけで倍増した。

他にも施策を取った。3回目に来た人に、「3回めの訪問ですよ」と表示した。「3回もきているってことは良いサイトなんじゃないか?」みたいな。でも一番良かったのは「nanapiとは」のページだった。3月くらいから開始して改善中。けっこうグロースハックでいうと会員登録、フォームを改善するとコンバージョンが増えるという話が多いが、nanapiのように会員登録が要らないサイトでは使えない。どうすればいいか。先ほどのようにクッキーの情報をデータベースに入れて解析して改善した。

まとめると、UUはSEOとかソーシャルを中心にパッと目についたとき、どうやって来てもらうかを考えた。いまは2段階目で、月の訪問回数を改善している。ひたすらユーザー観点で、どうやったらもう1回来てくれるかを考えながらやっている。これが数字で出づらいので色々考えながらやっている。

nanapiに来て「Facebook 退会」の記事を読んですごく満足した人はどんな人なのか、データではわからない。すぐに離脱した人なのか、ずっと読んでた人なのか。

マウスカーソルをこれだけ動かした人か、スクロールを3分の2以上した人か。仮設を立ててやっている。

今後の課題もある。サイト内で何らかのアクションをした人は訪問回数が上がっている。「参考になったボタン」を押した人とか。スマホ版で「まるばつnanapi」というのを始めた。「付き合う前に手をつないでもいい? Yes or No」みたいな簡単なアンケート。3日前からやった。1日2〜3万件くらい回答がある。下品な例で恐縮だが、「1回デートした子は次から口説きやすい」のと同じ。心理的なハードルが下がり、フレンドリーになってくれる。

質疑応答

Q:これだけ細かい作業を何名でやっているのか?

古川氏:社員は20数名。アルバイトが50人くらいいて、ひたすら人海戦術。あとクラウドソーシングでライターさんが20人くらい。最初はシステムでやってたが、人がやったほうが数字がよかった。文章の場合はひたすらきめ細かく、他のサイトができないくらいやりきったほうが効果がよかった。

Q:7カテゴリを1万9000に一気に拡大したときに、もともとあった記事にテーマを振ったのか。そのときに方法論、課題はあったか?

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