1. まとめトップ

【高速ツアーバス廃止】 新高速乗合バス制度が2013年8月開始

「高速ツアーバス」という業態は廃止され、いままでのツアーバス事業者は乗合バス事業者へ移行するか撤退。高速バスの規制は「高速乗合バス(高速路線バス)」の安全対策をさらに強化しつつ、「高速ツアーバス」のメリットを取り入れた新制度「新高速乗合バス」に一本化。関越道バス事故をきっかけに加速した制度改正。

更新日: 2014年01月25日

hounaviさん

  • このまとめをはてなブックマークに追加
40 お気に入り 158900 view
お気に入り追加

Photo by John Foxx / Stockbyte

○ 「高速ツアーバス」は、2013年7月末までに「新高速乗合バス」への移行することが必要となり、8月以降「高速ツアーバス」は運行できなくなりました。

○ 移行した事業者に対して、運輸安全マネジメントの実施義務付け等が行われ、移行後1年間を集中的なチェック期間として、安全管理体制や法令遵守状況等の確認を通じ、安全運行の徹底が図られます。

○ 上記確認結果に基づき、制度を検証し、必要に応じて改正が行われます。

高速ツアーバス廃止、新高速乗合バス制度が2013年8月開始

「高速ツアーバス」という業態は廃止。

いわゆる「高速ツアーバス」は、旅行代理店が貸切バスを借り上げて都市間の人員輸送を行う募集型企画旅行商品という形で運行されていましたが、この業態での運行はできなくなります。主に都市間夜行バス(深夜バス)として利用されていた高速バスを規制する制度が激変しました。

高速バス制度は、従来からの「高速乗合バス(高速路線バス)」の安全対策をさらに強化しつつ、料金やダイヤ設定の柔軟性など「高速ツアーバス」のメリットを取り入れた新制度「新高速乗合バス」に一本化。

「高速ツアーバス」から移行する事業者は、適用される法律が旅行業法から道路運送法に変わり、旅行会社や貸切バス事業者から乗合バス(路線バス)事業者へ移行し、バス停を設置したり、バスに行先表示装置をつけるなど、道路運送法上の規制を受けることになります。ツアーバスの路線バス化といった表現がされることもあります。

2013年7月30日時点でツアーバス事業者からの移行で許認可がでたのが、
・新高速乗合バス事業の許認可が49社(43都府県、197路線、721便/日)。
・高速乗合バスの管理の受委託の許可が30社(貸切バス事業者)

なお、高速ツアーバス事業者は、2012年9月時点で旅行会社などの企画側が58社・請負側の貸し切りバス事業者が228社の計286社、2013年5月末までに乗り合いバス事業の許可申請をしたのは111社でした。ということで、「高速ツアーバス、7割撤退」との見出しでの報道もあるようです。
--
8月の高速バスの予約がしづらい・できない状況が続いていたようです。前提として高速バス事業から撤退する事業者も多いうえに、許認可に時間がかかった事業者があったり(7月29日に許可がでた事業者もあった)、バス停の調整その他の問題で認められた路線数が少なかったりで、供給座席数が少ないということが要因です。

しかし、夏休み需要・利用者を無視して何故に政府・国土交通省は8月1日に制度を移行すると決めたのか…(7月1日とか9月1日でもよかったよねぇ…。)

利用者にとってどう変わるのか

安全性が高まることが期待される。

安全管理や各種規制も新制度の導入と共に強化されます。また、いままでの「ツアーバス」では旅行会社とバス会社の責任分担が曖昧だったものがすべて乗合バス事業者の責任となります。

関越自動車道における高速ツアーバス事故で顕在化し加速したツアーバスの規制問題。安全性向上の取り組みの最終的な着地点が新制度の導入となりました。

バス停が設置され乗り場がわかりやすくなる。

「ツアーバス」では、○○ビルの前といった集合場所が指定され、「集合時間」までに旅行会社の係員に受け付けてもらい、「出発時間」にバスに案内されて発車という形態でしたが、新制度では、基本的にはバス停の前で乗車を待ち「出発時刻」を待つ形になります(待合室等で受付てそこで待つのりばもあります)。

当日飛び込みで乗車するなど、利用の仕方が多様化する。

いままでの「ツアーバス」では旅行会社と予め契約し、事前の代金支払いが必要でしたが、新制度では従来の高速路線バスと同様に、予約制だけではなく、空席がある場合にはバス会社に当日直接運賃を支払えば乗車できる、という仕組みを導入できるようになります(※事業者の運用によります)。

全体ではバスの便数・路線数が減る。

新制度に移行せず高速ツアーバス事業から撤退する事業者も多いです。また、新制度に移行した事業者であっても、バス停の確保などの問題から、便数や路線を減らさざるを得ないケースもあるようです。

定時運行が基本なので、早出・早着や、遅れた乗客を待つといった運用はなくなる。

路線バスになるので、運行時刻に関してはツアーバスのような柔軟性はなくなります。特に出発時、バス停を使える時間(枠)は決まっていますので、出発時刻が来たら次のバスに場所を開ける必要があります。遅刻した予約客をちょっと待つといったことも(特に発車が連続する都市部の共用のバス停では)難しいでしょう。

「激安」が通常価格のバスは運行されなくなる。値上げも必至。

ツアーバスから移行する事業者全体の傾向としては、コスト増により運賃が上がることが予想されています。逆に、従来の高速乗合バス路線では、運賃設定の柔軟化により、時期や路線によっては以前よりも安い運賃が提示されることも出てきそうです。
キャンペーンや早期予約割引・直前割引など各社それぞれの割引運賃設定はありますので、上手く利用しましょう。

バスの設備改修やバス停の設置、運転手の数や労働時間規制、厳しい安全管理基準への対応など「ツアーバス」から移行した事業者には大幅なコスト増のうえに、運賃適正化の規制がかかるため、従来のツアーバスのような常に「激安」な運賃で運行することはできなくなります。

一方で、従来高速乗合バスとして運行していた事業者にとっては、新制度で、ツアーバスのメリットでもあった、需給動向に応じた曜日単位・便単位などのきめ細かな運賃設定が可能となります(運賃タイプ毎に「上限額と下限額(上限額の80%以上)の幅による届出が可能に)。

新高速乗合制度とは

新制度では、乗り合いバス事業の許可取得が義務付けられ、停留所と乗車時の受け付け担当要員の確保、車両6台以上の自社保有、運行計画の事前届け出などが必要。

出典:「バス事業のあり方検討会報告書」(平成24年3月30日)

従来、乗合バス事業者は自社ですべて運行する必要があったが、一定の条件を満たせば、貸切バス事業者と運行委託契約を結んだ他社のバスを路線に投入することができる。便数の届け出の柔軟化と併せ、需要によって増便等が容易になった。(従来のツアーバスの企画旅行会社が需要に応じて契約台数を柔軟に変えていたのに対応)

1人の運転手が1日に走行できる上限距離を昼間は500キロ、夜間(午前2〜4時)は400キロに厳格化した。従来は上限670キロを「目安」としていた。

高速バス事業に関わる事業者数は大幅減

7月30日時点で許認可がでたのが、
・新高速乗合バス事業の許認可が49社(43都府県、197路線、721便/日)。
・高速乗合バスの管理の受委託の許可が30社(貸切バス事業者)
※ 高速ツアーバス事業者は2012年9月時点で旅行会社などの企画側が58社・請負側の貸し切りバス事業者が228社の計286社、2013年5月末までに乗り合いバス事業の許可申請をしたのは111社

申請して許可が出ていない32社が、不許可なのか継続審査中なのかは発表に書かれておらず、不明です。

新制度に基づいて、高速バスの運行に必要な「乗り合いバス」の許可を新たに取得するのは、従来のツアーバス業者の2割に当たる57社にとどまることが17日、同省の5月末時点のまとめで分かった。

 国交省によると、昨年9月時点のツアーバス業者は、企画・発注していた旅行会社が58社、運行を請け負っていた貸し切りバス会社が228社あった。

 乗り合いバス許可を得る57社の内訳は、旅行会社からの移行が42社、貸し切りバス会社が15社。このほかに運行を請け負う形で事業を続ける業者が54社ある。

2013.6.17
「国交省は「全体の便数が減るかもしれない」と指摘。夏休みや年末年始などに影響が出るかどうかは現時点で予想できないという。」
---
国土交通省は、審査が3か月程度かかるため、8月から新制度で営業する場合には4月末までに申請をするようにアナウンスしていたので、この発表の数字が8月からの事業者数をある程度表していると考えられます。
ってか、利用者の多い時期に制度移行するとか、国交省バカじゃないの。

ツアーバスから新制度に移行した会社では

8月以降、ツアーバスから新制度に移行した会社では、バス停を利用することになるため、従来と「乗り場」や「降り場」の位置が大きく変更されている場合が多いので注意。また、以前の便とは発車・到着時間の大幅な変更がある場合も。

バスターミナル(バスプール)の従来のバス停を利用していたり、複数の会社で共同のバス停を設置したり、大手は独自のバス停を設置したりしている。「○○周辺高速バス停留所調整協議会」が各地で立ち上げられて調整が行われた。バス停を確保できなかった事業者は、乗合バス事業者に移行しても便の運行ができなくなってしまう。

例えば、横浜駅の場合、西口の天理ビル前から東口のYCATのバス停に変更された事業者が多い。この場合、仮に間違えると移動には10分以上かかることになる。

YCAT(横浜シティエアターミナル、横浜駅東口)にある時刻表。従来の高速路線バス事業者とツアーバスから路線バスに移行した事業者が並んでいる。

表に載っている元ツアーバス事業者だけでも、ツアーバス時代には横浜発のバスがこの倍以上はあったので、便と路線の激減ぶりがわかる。

※ 新制度に移行する会社でも、すべての条件を整えて8月に運行を開始することができた路線は限られており、7月までの路線で継続されないものが相当数あるようです。大手などでは、バス停の発着枠の確保がネックになったようです。(バス停自体は確保できても発車できる便数が限られる[一つのバス停では15分ごとに1便しか発車できない]ので路線や便数を減らさざるを得ない)

先ほども書いた気がしますがもう一度。利用者の多い時期に制度移行するとか、国交省バカじゃないの。

1 2 3





法律関連情報、法令検索サイト等を運営する「法なび」の運営スタッフ。法律関連に限らず、一般的な話題も、いや練習と称し個人的趣味の投稿の方が多いか…、ま、とにかく、気軽にまとめてみたいと思っています。



  • 話題の動画をまとめよう