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これが「食べログ文学」--“レビュー”という名の極上ポエムと私小説を堪能せよ

レストランの評価をユーザーが行うクチコミサイト「食べログ」。実際にお店で食べた人のレビューをもとにお店選びができるため、大変重宝しています。しかし、なかには“レビュー”と呼ぶにはあまりに実用性度外視の名文、美文の作品も散見されます。そんな「食べログ文学」をいくつかノミネートしてみました。

更新日: 2013年12月07日

narumiさん

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食べログのレビューで私小説風な文章書く人、ある意味すごい。

「うちのワイフが疲れた、とのことで、外でごはんを食べることに」みたいな書き出し食べログで読めるのすごいわw

これはもはや「食べログ文学」

食べログレビュー文学賞とかできる気がしてきたぞ。

「この口コミは、◯◯さんの主観的なご意見・ご感想であり、お店の価値を客観的に評価するものではありません。」

食べログにもこう記載してある通り、食べログのレビューは客観的な評価ではなく、主観オンリーの私小説、あるいはポエムなのです。

とういうわけで、勝手にノミネート作品を選んでみた。

どんな文学作品があるでしょうか。

食べログ文学、いいねぇ。

今回、作品の発掘にご協力いただいた食べログ文学評論家の @raf00さん。

◆エントリー作品1「あふれる」

あふれる声にならない声
 あふれる涙
 あふれる汗
 あふれる滴

 それを乗り越えたところに
 まだみえない
 あふれる歓びがあると信じて

 もう少し
 止めないで

 そのリズミカルな動きを
 もう少し
 あと少し…


 もう少し
 なにかが足りない
 丼のなか

 炙られたチャーシュー

 水菜とたまごと海苔

 大人しくお行儀のよい麺

 美しく透明なスープ


 なにが足りないのかよくわからない
 箸を止めないで
 一気に一定のスピードでいただいてみるけれど
 最後までわからない

 食べ終えたときの
 歓びがつかめないまま


 ハンカチで額の汗をおさえ、
 ティッシュで鼻をかんで
 口元をぬぐい

 私はずっと考えている


 疑問は塩ラーメンの丼からあふれだす


 …AFURI…

まず、うまいんだか、まずいんだかもわからないという意味で、かなり上級者向けのポエム。
塩ラーメンの丼から疑問があふれだしてしまうってすごいですね。

猛烈にAFURIに行ってみたくなりました。素晴らしい作品です。
http://u.tabelog.com/000743312/r/rvwdtl/5019430/

◆エントリー作品2「スロウな恋。」

ゆっくり、あなたに、近づいていく。
 すると、あなたも、ゆっくり、近づいてくれた。

 あなたの時間がある。
 ぼくの時間がある。
 ふたりの時間はないのかもしれない。
 けれども、あなたがぼくにゆっくり近づいてくれた、
 あなたの時間。

 ぼくがあなたにゆっくり近づいていった、ぼくの時間。
 それは、たしかにあったのではないだろうか。

 そんなふうに思えるビーフシチューだった。

これも味についてはまったく不明。
途中まではビーフシチューについて描写していることすらわかりませんが、
グリルエフには行きたくなるという意味では大変な名作です。

この作品にはまだ続きがありますので、ぜひ全文を食べログで。
http://tabelog.com/tokyo/A1316/A131603/13001552/dtlrvwlst/4192805/

◆エントリー作品3「インド料理大好き男に『どこの店が好き?』と訊ねられたとき、女はどう答えたらいいの?」

「わたしは、銀座のグルガオンが好き。
 ランチでよく食べるの、カレーはいつもおいしいし、
 チーズクルチャも、大好き♪」

 もしも貴女がそう答えたならば、
 その瞬間、カレー大好き男の目はきらりと輝き、
 かれの貴女への恋心は、
 20%増量になるでしょう。

 なぜって、銀座グルガオンは、
 ちょっぴりお洒落な地下のダイニングで、
 テラスから自然光が差し込んで、
 席間は狭いながらも、そこがまた
 ちょっぴりヨーロッパの気さくなお店みたいなふんいきを
 かもしだしていて。

 しかもグルガオンがランチでふるまっているセットは、
 日本のインド料理のスタンダードを、
 質高くふるまっていて、なおかつ、
 チーズクルチャを売りこんだ功績もあって。
 したがって銀座グルガオンこそは、
 本来なんの接点もないまったく縁もゆかりもない
 別々の世界に生きている、
 岸本セシル似の綺麗系OLと、玉もあれば石も混じっている、
 そんなカレー大好き男たちが、
 この世界で唯一(いいえ、系列店ダバ・インデイア、カイバルと並 んで唯三)遭遇しうる場所です。

「カレーはいつもおいしい」。味について言及があるだけでホッとしますが、これもポエムの類と言えそうです。そしてこのお店では「岸本セシル似の綺麗系OLと、玉もあれば石も混じっている、そんなカレー大好き男たち」が遭遇するらしいですが、どんな人たちなのか想像がつきませんね。
とうてい真似できそうもない不思議な文体で書かれた名作です。

これもかなり長い作品なので、続きは食べログで。
http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13002457/dtlrvwlst/3464106/

◆エントリー作品4「渋谷 ひの家 (ひのや)」

おやおや、センター街に松屋クリソツな店ができたのかと外のメニューを見ていたところ

制服を着た高校生カップルがこれ以上ヒッツキようがないくらい最大限の面積を両者に合わせながら歩いてきた。

男は180cm位あるんじゃなかろうかスラリとして相当イケメン。
女は制服のスカートが異様に短かかったので顔に目が行くことはなかった。

11:30からセンター街をブラつくイケメンカップル。確実に不良である。

先に券売機で「あぶり牛丼」なる得体の知れないものを購入するもこのカップルが気になる。

学校をサボってセンター街をベタベタしながら闊歩しとりあえずメシ。ミニスカートに興奮した男子高校生は間違いなく獣になる。絶対だ。

円山町に行くに決まってる。この二人は絶対に行くのだ。
そして白昼堂々と・・・うらやましいいやらしい!!なんていやらしいんだ!

許せない!こんな乱れた世の中でいいのか!
親は学校で勉強してると思ってるんだぞ!それでいいのか!?

「あぶり牛丼」の食券を買うだけでこの情景描写。只者ではありません。

この作家が、イケメンxスカートの短い女の子のカップルとどのように交わるのか、衝撃の展開が気になる方はぜひ食べログで。素晴らしいオチのある青春小説です。
http://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13054201/dtlrvwlst/1257137/

◆エントリー作品5「耐えられません!!」

これまで125作品を書いてきたゆきんこよっちゃんの作品。

作者のページ
http://u.tabelog.com/000059472/

この日、上野にある東京文化会館にてボリショイバレエを観に、
夫に連れて行ってもらいました。半年以上も前から楽しみにしていた公演。

「おもいっきりおめかししたらいいよ。」と夫が言うので、
私なりにおもいっきりおめかしして出かけました。

バレエ公演終了後、「最高だったね!!チケットの価値以上だったね!!」と興奮しながら会場を後にし、みはしであんみつを食べたり、お買い物をしたりした後、軽く食事して帰ろうということになりました。

我が家はNHK大河ドラマを1週間の楽しみにしており、篤姫の放送に間に合うように帰りたかったのです。

上野で寿司かとんかつでも食べようということになったのですが、私が携帯で食べログを検索し「ここ駅から近いよ~。」と他店を勧めるも、夫は行きたいお店があったようで、かなり歩き回って探しました。

やっかいなことに店名を覚えていないんだとか。。。

結局、目的のとんかつ屋を発見しきれず、くったくたとなって、
「あそこにとんかつ屋があったから、あそこに入ろう。」
と言い出した夫は私を置いてさっさと古ぼけた店内の奥に入って行ってしまいました。

半年前からボリショイ・バレエを楽しみにしていたところから物語は始まり、レビュー対象のお店に入るだけでこの長さです。「NHK大河ドラマを1週間の楽しみにしている」という一見、なんの意味もなさそうな情報が、あとになって大きな伏線であると気づいた時、読者はすでにこの最高のミステリー小説にハマっているのです。

衝撃の結末は、食べログでどうぞ
http://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13003592/dtlrvwlst/772026/

◆エントリー作品6「ちょっとひどくないですか?」

何処へ行っても暑い。風は40度近いトパーズ色した街の中心部の低いところを凪いでいる。まるでハロゲンヒーターでも当てられてるかのようだ。

宵闇のあとさき、坂道を急ぐ人もいない。
我々KOBAちゃんを交えた男3人、宇田川町のど真ん中にいた。

メガストアが立ち並ぶ一角から一本入る。そこには小さな古着屋やフォルクローレショップ、そして昨夏に東京在住編集者が薦めてくれた焼肉の繁盛店[ゆうじ]の看板が見えてくる。

きっと夏なのでしょう。渋谷を「40度近いトパーズ色した街」と喩えるあたり、ハードボイルド小説家としての成功を感じさせます。「宵闇のあとさき、坂道を急ぐ人もいない」ってところもかっこいいです。

KOBAちゃん一行は人気店「ゆうじ」をどう描写するのか。続きは食べログで。
http://u.tabelog.com/000056388/r/rvwdtl/1931359/

◆ここで「食べログ文学賞」のノミネート条件を確認

1.味への言及が極端に少ない

2.もしくは言及なし

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