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誰でも描ける!紙から飛び出すトリックアート、だまし絵(騙し絵)の描き方

紙から飛び出しているように見える奇妙なだまし絵のデッサン、これは一体どうやって描かれているか気になったので、誰でも描ける方法を編み出してみました。ちなみにだまし絵(騙し絵)やトリックアートの部類ではあるけど、実際はこの技術をなんて呼ぶのか分からないのですがとりあえず3Dデッサンで通しますね。

更新日: 2014年12月06日

sakuliteさん

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まずは3Dデッサンやってみよう!

今回はこちらの3Dデッサンの真似をしてみます。

なんでも良いので紙を折ります。厚めの紙をおすすめします(教訓)。

今回は45°の投影図で描きます。水平線は真っすぐ、垂直線は45°方向に引いていくと良いです。このとき垂直線の長さは水平線より短く描いて下さい。投影図法でそう決まってますので。

ここからが本題です。紙が折り曲がる境界線から歪みが生じてきます。建築パース理論で歪みを計算してもいいですが、ここでは手っ取り早く定規を使って印をつけます。

STEP 3では水平線の歪みを、STEP 4では垂直線の歪みを決める印をつけます。やり方は簡単で、水平「面」に描かれた水平線または垂直線と平行になる線を、垂直「面」に投影します。片目をつむって定規と重ねて、適当に点を描いて折り目の境界から直線で繋げばOKです。

紙が平な状態で見るとこうなっています。

STEP 5で描いた補助線と平行になるように、階段の垂直線と水平線を描き足していきます。ここで注意することは、今は垂直線と水平線どちらを描いているのか把握することです。階段の高さは幅より短く描くことを忘れないでください。

この時点ですでに3Dになっていますね。物足りないという人は次のSTEPへ。

完成品を平にするとこうなっています。楽しかった!

これで誰でも3Dデッサンができるはずです。このデッサンで利用した理論は一つだけです。本来は全て幾何学的に計算できると思うんですがほとんどは目測で済ませたので。では、その理論とは何かということを以下のサイトを参考に説明します。

このルールに従って、先ほどの3Dデッサンの階段の高さと幅の方向と長さの描き方を決めました。最初に決めた傾きの角度に平行な線で階段の線の方向を描いて、ナナメのアングルから見える線の長さは短くなります。だから階段の幅の長さに対して、階段の高さの長さは短くなっています。

ちなみにこの手法は「アイソメトリック投影法」といいます。ただしこの手法では立体感は表現できますが、遠近感は無視するという建築設計図に使用する方法です。

通常、遠近法というものは消失点に収束すると考えられています。ですがアイソメトリック投影法は全ての辺が平行に作図されるので、どこまでいっても交わることがないため消失点は存在しません。つまり立体的な図は描けるけど現実的でない、遠近感のない図となります。パッと見ではそのような違和感には気がつかないと思いますが、もっと応用的な3Dデッサンをするならちゃんと理解しておいた方がいいです。

では立体感だけでなく遠近感も表現するにはどうすればいいのか。アイソメトリック投影法以外の理論は何があるのか。それについては下記のサイトに解説があります。

建築パース理論で、もっと複雑な3Dデッサンをするための考え方

サイコロの1の目の面だと考えてください。当然ナナメから見ると円形は潰れて見えます。

もしナナメから見たときに円形が潰れてないとしたら、それはどういう状況なのか。それはサイコロの1の目が真円ではなく、もともと歪んだ円形ということになります。皆さん、これが3Dデッサンの神髄です。

(※ ちなみに図に書いてある「カメラマップ」というのは、最近話題の「プロジェクションマッピング」と同じ原理の技術のことです。プロジェクションマッピングと3Dデッサンの関係は深そうなのですが、長くなりそうなので今回は割愛します。)

現実の現象で分かりやすい例があります。まず紙を一枚斜めの角度に置いてください。その紙の前にボールをかざして影を落としてみてください。斜めに置いた紙の正面に回り込んで影の形を確認してみてください。上の図と全く同じ結果になっています。

これはボールに光を当てて紙に落ちた影は楕円になるということで、逆に言えば、紙に落ちた影を光源の位置から見るとボールになるということなんです。ピンときましたか? 3Dデッサンとは、自分の目が光源位置にあると仮定して、紙に影を落とすデッサンであるとも言えます。

下の動画を見ると一目瞭然です。ボールのモンスターが目の前にいるような3Dデッサンを描きたいなら、初めの段階で歪んだモンスターの形を歪ませておきます。

つまり、ナナメから見ている紙の上に歪んでいない絵をデッサンすることは、初めから歪んでいる絵をデッサンするから可能なのです。さきほどの階段の3Dデッサンでは実際に平にして見るとピカソの絵の様になってたはずです。

そして初めから歪んだ絵をデッサンするためには、人間の目がどのようにして物を見ているのか考える必要があります。物体の本来の形と人間の目に見えている形の関係、これを理解するには建築パース理論が役に立ちました。建築パース理論については以下のページで解説があります。

人間の目が三次元空間にある物体をとらえたときどのように見えるかということを、目の前に透明なスクリーンがあるものと仮定して考える方法です。

この図では3要素の関係から遠近感を描いてます。その3要素とは視点・スクリーン・物体の3つです。

上記の3要素の視点・スクリーン・物体をそれぞれ分かり易く言い換えてみます。

 ・視点    = 自分の位置
 ・スクリーン = 目に見える像
 ・物体    = 実際に三次元空間にある物体の形

さらに、さきほどのボールの影の画像を例に当てはめるとこうなります。

 ・視点    = 光源
 ・スクリーン = ボールの断面
 ・物体    = 影

総括

いろいろ考察した結果、3Dデッサンの基本は視点・スクリーン・物体の3要素ということになりました。3Dデッサンを描くときは、作者は何度も視点からの見た目と、物体の形状を交互に観察しながらスクリーンにデッサンしていくといいのではないでしょうか。その基本が理解できれば、あとは複雑な形状の面にデッサンしたり、紙に穴を開けて貫通させたり、デッサンの輪郭にそって切り取ってみたり、物を上に置いてみたりして新しい表現を編み出したりして楽しめます。

ところで普通の2Dデッサンを学ぶときによく言われるのが、モデルをよく観察して「平面視」しろということです。その「平面視」はどういう行為なのかというのも今回のまとめで理解できました。それは、自分の立ち位置(視点)から三次元空間に配置されているモデル(物体)を見たときの像を紙(スクリーン)に転写することです。3Dデッサンと2Dデッサンはちゃんと相互関係になってました。

まとめ
・2Dデッサン:目で見た像を二次元に転写する
・3Dデッサン:二次元の像を三次元に投影する


では最後に決めポーズ!

ありがとうございました。

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sakuliteさん

 結構ガッツリまとめます。いろいろなジャンルに手を出しますが、初心者でもすぐに実践出来るくらい分かりやすい入門講座のような記事を心がけています。文章が長めですが、代わりに面白くなるように気をつけます。

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