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生と死について考えさせられる…。ヤノマミ族の風習『赤子の精霊返し』

南米、隔離された環境で暮らす原住民「ヤノマミ族」。1万年もの間、独自の文化を守っている彼らの死生観は、私達とはまったく異なるものでした。生と死についての価値観を根底から揺るがされる、彼らの『精霊返し』という風習についてまとめます。

更新日: 2016年08月05日

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▷ ヤノマミ族は、南米に暮らす先住民族。文化として独自の死生観をもつ。

1万年の文化を守る原住民、ヤノマミ族とは

▷ ヤノマミ族はブラジルとベネズエラにまたがり居住しており、両国の国策により保護されている。

ブラジルとベネズエラにまたがる広大なジャングルに分散して暮らしている

アマゾンの熱帯雨林からオリノコ川にかけてひろく居住している南米の先住民族の一部族で、現在人口は200ほどの集落に分かれ、2万人〜3万人が暮らしているそうです。

1万年以上に渡る伝統と習俗を保持し続けている

かつてアメリカ大陸に1000万〜5000万人いたとされる先住民ですが、コロンブスの渡来以降、虐殺や渡来人によって持ち込まれた病原菌により、人口は全盛期の1%以下まで激減してしまっています。そんな中、ヤノマミ族は貴重な文化を現在も保っています。

狩猟と採集を主な生活手段にしている

動物の肉、魚、昆虫、キャッサバなどを主食としています。塩分をほとんど摂取せず、世界でもっとも低血圧な部族としても有名

▷ 「シャボノ」と呼ばれる彼らの住居。50〜200人程で集団生活を営む。

ヤノマミ族のヤマノミとは「人間」という意味

部族は自分たちのことを「ヤノマミ」といい、外部に人間のことを「ナプ」と呼び、ヤノマミより下の存在として区別しているとのことです。

小さな子どもには4,5歳まで名前がない。男の子はモシ、女の子はナ・バタを呼ばれる

「モシ」と「バタ」は性器を表す言葉。女には“偉大な”という意味の「ナ」という言葉が付く。
そんな彼らは「雨」に対して50を超える名前を持っています。アルマジロの雨、チョウの雨、木のにおいの雨…

生まれた赤子は母親が「人間として育てるか」「精霊のまま返すか」を決める

▷ ヤノマミの子供たち。

女子は平均14歳で妊娠・出産する。出産は森の中で行われ、へその緒がついた状態(=精霊)のまま返すか、人間の子供として育てるかの選択を迫られる

生まれたばかりの、まだ臍の緒がついた赤ん坊は、人間ではなく「精霊」であると考えられています。

ヤノマミには‘避妊’‘中絶’という概念も、医療技術も当然ない

アマゾンの奥地で原始的な生活を営む彼らには、避妊や中絶といった概念がありません。

人間として迎え入れた子どもは、母親が生涯をかけて育てます。
家族も、男は狩りの数を増やすなど、みんなで助け合います

母親が抱くことで、“精霊”であった赤ん坊が初めて人間として受け入れられます。
しかし、抱き上げられなかった赤ん坊は…

精霊返しをする場合、赤子はへその緒がついた状態でバナナの葉にくるみ、大きなアリ塚に放り込む

蟻塚には数百万匹の白アリがいます。赤ん坊を食べつくすのには、それほど時間はかかりません。
後日、母親は赤ん坊が食べられたのを確認すると、その蟻塚を焼いてしまいます。
これが「精霊返し」の儀式です。

その儀式は男たちを締め出した空間であり、その赤子(精霊)を生んだ少女を取り囲むようにして一族の女たちが成り行きを見守っている

判断をするのは母親自身ですが、おそらくは食料問題等々、一族の意向も関与しているものと思われます。

男達は、出産の場や、その行為に一切係わりません。女性が赤ちゃんを連れて帰ってきても、一人で帰ってきても、何も言わないし、何も聞きません

「人間として迎え入れるか」「精霊のまま返すか」…全ては母親の判断に委ねられており、森で一緒に出産に立ち会った20〜30人の女性たちからも理由を尋ねられることはありません。

生きるとは何か、死とは何か…

▷ 自らボディペイントを施すヤノマミの少女。

思えば、僕たちの社会は死を遠ざける。死骸はすぐに片付けられるし、殺す者と食べる者とが別人だから何を食べても心が痛むことがない。だが、彼らは違う。生きるために自分で殺し、感謝を捧げたのちに土に還す

彼らにとって人間を含むあらゆる動物の死は身近なものであり、それが生を支えるものになっているのです。

「人間も死ねば天に上り、精霊になる。地上の死は死ではない。魂は死なず精霊となる」

ヤノマミ族のシャーマンの言葉:
「ジャガー、ワニ、バク、サル、・・・天は精霊の家だ 人間も死ねば天に上り、精霊になる。地上の死は死ではない。魂は死なず精霊となる。精霊もやがて死ぬ 最後に男はハエやアリとなって地上に戻り、死骸に群がり肉を運ぶ。女は最後にノミやダニとなる。
地上で生き、天で生き、虫となって消える。
ナプも知らねばならない 誰もが同じ定めを生きる。」

▷ 狩猟をするヤノマミの少年。

ヤノマミのルール(掟と言うより習慣・風習に近い)では死者のことは忘れねばならないのに、女たちは忘れられない

生まれた子供のうち、半数は前述のように「精霊返し」によって天に送られるといいます。
文化・慣習とはいえ、出産した母親たちにとっても辛いことで、天に送った子どもたちを思って母親は一人の夜に「夢を見たと言っては泣き、声を聞いたと言っては泣き、陣痛を思い出したと言っては泣く」そうです。

ヤノマミにとっての子ども、自然、精霊、アリ、生活、全てが何を意味するのかを知って初めて、一つの行為の本当の意味がわかる

異文化理解のために、精霊返しという儀式の裏にある背景なども含めて知ろうとする姿勢を持っておきたいものです。

異なる文化に触れることは、「考えるきっかけ」を与えてくれる

天に返す精霊(赤ちゃん)はバナナの葉に包んでシロアリの巣に置かれアリに食べさせる。その後、巣を火葬にして天に送るらしい。 ヤノマミ族に中絶という概念は無く、赤ちゃんを抱くか天に返すかは、母親に委ねられるそうだ。私のみた母親は14歳の未婚の少女だった。

どちらの文化が良いか。①アマゾンのヤノマミ族は、人口が増えすぎ森の中での狩猟生活が困難になると、生まれる子供の半分以上を(白蟻の巣に放り込み)間引きをして森の精霊に祈る。②欧米社会は、世界人口増加を放置し、市場のグローバル化で世界の全ての資源を喰いつくした所で、一気に絶滅の危機へ

【感想】連続講座で国分拓さんが「ヤノマミ」撮影中、TVでは放映しなかた母親が数分前に自分が生んだ赤子の首を絞めて殺める光景を細かく語って下さった。あの時の会場の空気と国分さんが言葉を絞るようにして語る光景がすごく印象に残っている。

生命倫理について、もう少し。僕は少なからず罪悪感は感じるけれど、「ダウン症だからという理由で中絶することは悪いことだ」という倫理観は、別に普遍的なものじゃない。例えば、ヤノマミ族の行為は悪なのか。では女子割礼は?僕は「なんだろうが産むべきだ」という道徳だって、十分にエゴだと思う。

「ヤノマミ」 僕らの社会で言えば、「妊娠21週までは、胎児は人間ではないから中絶できる」という論理に似ているだろう。別に、ヤノマミが特別なことをしているわけではない。僕らは、僕らの考え方に慣れているし、ヤノマミはヤノマミの考え方に慣れているというだけのことだ。

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