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「和服+ロリィタ」から生まれるカワイイスタイル 「和ロリ」「和ゴス」の世界

和洋折衷から新たな価値を生み出すのは日本のお家芸。和装とロリィタの融合から生まれ、国内外で進化し続ける「和ロリ」スタイル、どんどん洗練されてきたました。調和のとれた和ロリとは。洋服ベースの服飾文化にどんな要素を取り入れて「和」を表現するのか。和ロリの美をじっくり堪能してみましょう。

更新日: 2016年06月19日

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振袖のような袖、帯らしき意匠、白い靴下は足袋デザイン。赤い鼻緒の下駄を履いている。

 着物ではない。しかし和風の可愛らしさに溢れている。

 これが、「和ロリ」などと呼ばれているファッションである。


 

 

 前回、「アジアンテイストロリィタは和ロリだけじゃない、中華風もある」という趣旨でまとめを作成したところ、「そもそも和ロリってなんぞ」という反響があった。

 そこで今回は、「和ロリ」についてまとめようと思う。

1.和ロリとは (p.1)
   
2.和ロリの美
    ・伝統的衣装と現代的価値
    ・着物とロリィタの親和性
         
3.「和ロリへの不思議な違和感」の正体
               (p.2)
    ・民族衣装であるがゆえの戸惑い
     ・和洋折衷の難しさ
       チャイナドレスとの違い
    ・和ロリの美的完成度
  
4.いろんな和ロリ・和ゴス etc (p.3)

1.和ロリとは

和ロリとは、「和風ロリィタファッション」、及びその着用者のこと。

 和装の中でも小紋や振袖、浴衣などの形をベースにしたものが多い。羽織や女袴の着姿をベースとするものも見られる。


 特にゴスロリ要素が強ければ和ゴスロリ、ロリ要素よりゴス要素が強ければ和ゴスなどと呼ばれるものもある。


 和ロリでは、ロリィタに
 
 「着物風の袖」
 「帯(帯締め・帯揚げの意匠含む)」
 「着物風の衿(えり)」
 「和柄」
 「草履、下駄風の履物」
 「組紐、つまみ細工など和風の飾り」
    
などを取り込むことによって「和」が表現される。

2.和ロリの美

■ 伝統的衣装と現代的価値

東アジアに西洋文明が押し寄せたとき、日本と中国の服飾文化は異なる選択をした。

 中国は、旗袍を「西洋的価値観を取り入れ色っぽく、美しく」見えるよう作り替え、チャイナドレスを作った。

 日本は、それまでしどけなく緩く着付けていた着物を「西洋人が見ても恥ずかしくないよう端正に」見えるようかっちり着付けることにした。現代「正統」とされる着付け方の成立である。
着物は、柄や素材に西洋の影響を取り入れはしたが、形態や着姿がドレスに近づくことはなかった。


 文明開化の時代、和装は、西洋的価値観(後の日本人の価値観)にそぐう装い方に変化する選択肢をこのとき捨てたのである。

言わずもがな着物は日本の民族衣装である。
 しかし普段着として着物を着る人は少ない。一般には正装として、あるいはお祭りの装いなどとして着られる程度である。
 この原因の一つには、着物が現代のファッション価値観や日本人の平均体格にそぐわないものとなっているせいもあるだろう。
 

 現代の日本人は洋服を着て日常生活を送り、体型に関する美の基準も欧米的なものになっている。

 豊かな胸元、鎖骨の浮いた美しいデコルテ、くびれた腰、長い脚で颯爽と歩く姿。これらの美的価値観と着物は、残念ながら相容れない。

 胸の大きな女性が着物を着ると着太りし、帯はウエストを寸胴にしてしまう。

着物は美しい。ただし、この美は絶対的なものではない。 
 洋装的価値観で日常生活を送る人にとっては、着物は、日常における理想の自己像をデザインするために着る服には向いていないのだ。

 
 かつて和服は日常であり、人々の生活着だったからこそ、人々の生活様式の変化に合わせて進化し続けてきた。
 洋服の広まりとともに、和服は日常着から「伝統文化」となる。そして日常服でなく伝統美として「正統な形」が言われるようになった時点で、着物は進化しづらくなってしまった。

だからこそ、「和風を纏いたい欲求」と「現代的美的価値観を満足させる服を着たい欲求」を共に叶えるものが、正統から道を外れたところで批判を浴びながらも生まれる。

 それが和ロリであり、和ゴスであり、花魁風であり、といった新興和装文化である。


 新興和装を身に纏う人々は、和服文化を破壊するために着物を改造しているのではない。

 むしろ、和風を愛しつつ現代的審美眼を満足させる道を模索する、進化を止めた服飾文化に進化の派生ルートを与えるパイオニアであると思う。

出典ameblo.jp

私にとって左の画像はとても美しい。


 私には、和ロリが和装文化の破壊とは思えない。

■ 着物とロリィタの親和性 補完しあう和洋

日本では、「和洋」は対立概念のように捉えられている。
確かに和と洋はだいぶ異なるものだが、しかしただひたすら対極にあり反発しあうもの、というわけではない。

ある点では似通って親和性が高く、ある点では互いの欠点を補完しあう。
和洋の服飾は、うまく融合させればとても美しいものを生む。完成度の高い和ロリではそれが表現されている。

パニエで膨らませたスカートのラインは、着物風の衿にもよく似合う。
 これは、このシルエットが「正座」を想起させるためだろう。

 もともと着物は「正座」の美しさを映えさせるデザインをしている。(というか、和装で美しく見える所作として洗練されたのが正座)

 帯の下から膝に向かって角度が変わるシルエットは、着物的なデザインとそもそも相性が良い。



 和ロリドレスでパニエを着用する場合、その服装はきっと普通のロリィタ以上に「背筋の伸びた端正な姿勢」で美しく映えるであろうことを意識しておきたい。

明治以降の着物は、かっちりと直線的なボディラインを作る。身体のメリハリは目立ちにくい。

それによって和の慎み深い上品さが表れるが、洋装の「露出はしないがボディラインを綺麗に見せる」ことで生まれる独特のエレガンスは表現できない。

和ロリでは、洋装のエレガントなボディラインを纏うこともできる。
広がるスカート、バッスルスタイル、プリンセスライン…着物ではなしえなかったあらゆるシルエットをデザインできる。

現代では女子大生の卒業式スタイルとして知られる「女学生風の女袴」スタイル。
個人的に、このままでもかなり好きな和装のひとつである。

しかし、「着物+袴」が「女学生らしく、活動的で、見苦しくなく、礼節ある装い」を目指すだけでなく、もしも「着物と洋装の融合」を実現しようとしていたら。

下の形こそが完成形だと思う。

ロリィタファッションでは、コルセットやハイウエストスカートなど、胸下や腹部を覆って締める装いも珍しくない。

女性着物の帯はこのコルセットの形に応用しやすい。
 
 帯の部分をコルセットデザインにすることで、和装ならではの「寸胴なボディライン」を回避できる。
 また、明るい上衣を着るとき特有の「着太り」を押さえこんでくれる。

 そして、写真のような絢爛な和柄を自然に取り入れることができる。

そして、着物はそもそも背に「魅せる結び」を背負う服装である。


 バックスタイルに大きなリボンを背負うようなデザインも、和風としてごく自然に取り入れられる。

左の、末広がりな形の袖。

ロリィタの中でも、特に甘ロリ・姫ロリなどのジャンルでよく見られる袖である。 ロリィタ界では「姫袖」、アパレル用語としては「パゴダスリーブ」「フレアスリーブ」「ベルスリーブ」などと呼ばれる。


姫袖は着物の袖と印象が似ている。

和ロリでは、「姫袖のついた着物風ワンピ」「フリルのついた着物袖」といった形で、うまく融合している作品も多い。

着物姿の上半身には、「ちょっと布が見えている」部分が多い。
 衿元を飾る半衿や伊達衿、帯周りを飾る帯揚げやしごき(画像にはないが、帯の下を飾る)、帯下に除く着物の折り返しである「おはしょり」。

 重ね着ファッション同様、この「ちょっと見える布部分」で色を添えるのが和装コーディネートのポイントである。


 この部分は、ロリィタ的なフリルや縁取りと融合させやすい。

ちょっとごちゃごちゃしているが、例としてわかりやすいので参照する。

左の写真の和ロリでは、帯風のコルセットの中央に着物の柄と同じ布が一筋入れられている。帯締めのように、帯の中央を横切ることで「胴部分をのっぺり長く見せない」効果がある。

また、帯の上下、帯揚げやからげ紐の来る位置に薄ピンクのフリルを添えている。

そして、帯の下、ピンクのバイアステープで縁取られた着物地が何層か重なっている。
おはしょり(着物の折り返し部分。上の写真で、帯の下の着物を折っている部分)に似た意匠となっている。

着物は美しい直線のラインで構成されている。衿、袖、裾など。


 だが、着物だけでは、柄によってはその直線の美しさが際立たないことがある、という妙なジレンマを抱えている。

 絵に描くとどんな柄でも美しいが、実物ではそうもいかない。柄によっては、着物の輪郭がぼけて、衿のyの字が見えなかったり、袖が胴に同化してしまったりする。(無地より、やや大ぶりで一様な柄物にありがちな見え方である)
 


 半衿や伊達衿を使って衿のyの字を強調することもできる。しかし、浴衣など比較的気軽な和装ではあまり取り入れられていない。

和ロリでは、着物の輪郭に合わせてバイアステープやレース、フリル、パニエのチラ見せ等、「地の布とは異なった色」を配置することで、着物を構成する美しい直線ラインを強調することができる。

左の和ロリを見てほしい。

 くすんだ色味で多色・大柄の、大正ロマンっぽい雰囲気の和柄である。着物として着るにしても、着こなしが難しそうな柄。



 この和ロリでは、半衿のような白フリルと、掛衿を思わせる紅色の衿でyの字を強調。袖にも縁取りとフリルを配し、袖と胴の同化を防いでいる。

 地の柄を考慮すると、この縁取りがなければ衿のyの字が目立たない。遠目には「着物をベースにしている」ことすら伝わらなかっただろう。

江戸時代にも、「着物の衿を縁取る」美意識はあった。


江戸時代、着物の衿に黒繻子をかけるのが流行した。(黒掛襟)
これは「着物の汚れ・傷みを防ぐ」実用的な用途以外に、「着姿が粋だから」と好まれたらしい。

 今でも、時代劇での町娘や、芸妓さんの装いにその名残をとどめている。



 今より緩く着物を着つけていた江戸時代だが、着物の衿元にくっきりした輪郭を持ってくると美しく見えるのは変わりない。

 左図の天海祐希に似た美人も、黒掛襟で着姿をぐっと引き締めている。

ゴシック・クラシックなど典型的なロリィタは、どこか「令嬢っぽさ」「貴族的な雰囲気」を想起させるコーディネイトが多い。
中途半端でないロリィタは皆、人形のように可愛らしいだけでなく上品である。
 
 その上品さを醸しだす要素の一つが、ロリィタならではの「肌をあまり露出しない」装い方だろう。
 アニメキャラとは異なり、ロリィタは積極的に肌を露出しない。

 スカートの丈が短ければハイソックス等を履き、半袖ドレスを着るときは長手袋で腕を覆う。胸の谷間を露出するロリィタは(パンク系やカメコ狙いはともかく)あまりいない。各社ブランドのロリィタ向けドレスも、露出を想定しないものが多い。

肌を露出しないロリィタ価値観は、着物を洋服化したとき、ちょうど良い気品の保ち方を提案してくれる。 

 和ロリにおいてスカート丈が膝丈になる場合、大抵靴下やロングブーツと合わせられる。
 着物風の袖であることが多いため、腕もあまり露出しない。 
 「着物風の衿」を見せることで和を表現するため、和風の新興服飾文化としては衿元の着崩しも少ない。

 和ロリは、ものによっては本当に上品な仕上がりになっている。
ロリィタにも和装にも、もともと「あまり肌見せしない」価値観があり、「着物を洋服化したときにうっかり肌見せしてしまいそうな部分を、ロリィタ流にカバーしてくれている」からだろう。

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seni_seviyorumさん

自分が今興味あることを手当たり次第にまとめていきたい。ですので、個性を要求されるらしい奨励者はもう目指しません(・ω・´)

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