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「和ロリ」に続くは中華ロリ!チャイナドレスイメージのロリィタファッション「Qi Lolita」

アジアンテイスト・ロリィタは「和ロリ」だけじゃない。とてつもないコスプレ人口を擁する中国でも、民族衣装とロリィタを融合させた服飾文化が発達しつつある。

更新日: 2015年02月19日

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詰め襟、襟から脇にかけて飾りボタンで留める大襟のデザイン、腰から入ったスリット。

 チャイナドレスの特徴を取り入れつつ、フリルや膨らんだスカートなどが少女的で可愛らしい雰囲気。

このチャイナドレスとロリィタの融合したファッション、ロリィタ界では「Qi lolita」の呼称で呼ばれている。 Qiは「チーパオ(旗袍:いわゆるチャイナ服)」の「チー」。
 (表記揺れとして、「Ci lolita」もみられる)




今日はこの「中華風ロリィタファッション」を紹介したい。

この中華風ロリィタ、日本ではまだ定着した呼称はないようだ。

 少なくとも「チーロリ」「チロリ」はおすすめしない。Qi Loriのqiは「チーパオ(qi pao)」のqiだが、日本ではチーパオは一般に「チャイナドレス」「チャイナ服」と呼ばれているので、「チーロリ」と聞いても「チーパオのチー」と連想しにくい。

また、「チロリ」は「釣りえさ用のうじょうじょした虫」を指すので、もし「チロリ」で定着してしまうと検索が地獄絵図と化す。


 チャイニーズロリィタ、中華ロリ、様々な呼び方が考えうるが、ひとまずここでは「和ロリ」「和ゴス」との対比を考慮し、「華ロリ」「華ゴス」と呼ぶことにする。

※「和ロリってなんぞ」と言う方は参考までにこちらを


「和服+ロリィタ」から生まれるカワイイスタイル 「和ロリ」「和ゴス」の世界
http://matome.naver.jp/odai/2140695303533715101

■ チャイナドレスとロリィタの親和性

着物とロリィタのギャップに比べると、チャイナドレスとロリィタの間にはそこまで強烈なギャップはない。

 チャイナドレス自体が「旗袍を西洋的価値観に合わせて改造」したものなので、チャイナドレスは既に半分洋装、半分中華的な要素を持っている。
 
 そのため、チャイナドレスと洋装はそもそもとても親和性が高い。

 和ロリが「異質なもの同士の和洋折衷から新たなカワイイを生む」ものであるのに対し、華ロリは「チャイナドレスを更に洋装化し、カワイイ路線を進んだ」ものだと言えるかもしれない。

一瞬どのへんが「中華風」なのかわからないくらいナチュラルな華ロリ。


 詰襟(スタンドカラー)はチャイナ服の特徴であると同時に、ヴィクトリアン風のブラウスにもよく見られるデザイン。
 ヨーロッパのブラウスと旗袍が、「寒さをしのぐ」ためによく似た襟にたどり着いたのは本当に興味深いこと。

 ビスチェ風の切り替え部分にチャイナっぽい柄が使われているが、非常によく調和している。

■ 中国 経済発展と自国意識 サブカルと伝統回帰

中国は反日感情の強い国として知られているが、民間、特に若者世代における日本文化への関心は決して低くない。



 その一つがコスプレ等の「異装文化」である。
 コスプレ衣装の生産だけではなく、中国は今やとてつもないコスプレイヤー人口を擁する国となっている。


 昨今の中国では、発展を背景に自国への肯定的感情が強まり、「自国文化の再評価」が高まりつつある。
 また、中国の台頭は世界に対し中国の存在感をアピールし、中国文化への関心も引き寄せ得る。

これらの時代的背景の中で、中国や世界のロリィタ達が「中国の伝統、中国的アイデンティティ」の表現として「チーパオ」をロリィタに融合させたのは、当然の流れと言えるかもしれない。

■ チャイナドレスがベースになっている意味

既に述べたとおり、華ロリの基盤となる服飾文化はチャイナドレス(新式旗袍)である。

これは中国の大多数を占める漢民族にとって、「異民族の服装」にルーツを持つ衣装である。

漢民族の本来の伝統的な民族衣装は「漢服」である。
 しかし、漢服ベースの華ロリはなかなか見当たらない。(もちろん、素材や装飾の面で現代的に改良された漢服はあるが、「ロリ」のジャンルではあまりない。)

 これはひとえに、漢服文化そのものが中国において廃れてしまったことが原因であろう。
 


 現在、中国において「漢服復興運動」として漢服そのものを復興・愛好する動きはあるが、もっぱら「王朝的雰囲気の追求・再現」が主流で、漢服の改造はあまり見られない。

参考:断絶した装束文化:漢民族の伝統衣装「漢服」の現在
    http://matome.naver.jp/odai/2135290553997080601

 一旦廃れてしまったため、現在、漢服には「中国をイメージさせる」力はあまりない。

 そのため、ロリィタと融合させても「中国的雰囲気とロリィタの融合」は実現しにくい。
 「かろうじてわかる人にはわかる中国の王朝時代の装い」に異質な要素を組み合わせても仕方ないのだ。

 というか、漢服の中には着物によく似たものもあるので、ヘタすると和ロリとかぶる。

これは若干、漢服っぽいかもしれない。

■ チャイナドレスへの微妙な心情 華ロリが打ち出す「新中華風」

チャイナドレスは、ロリィタ化せずとも、そのままでも十分美しく、またセクシーな服として知られている。
 何の偏見も予備知識もなくチャイナドレスを見れば、ストイックなスタンドカラーの衿元と、ボディラインを美しく見せる細身の作り、豪華な布地と華やかな色彩、色っぽいスリット…と、魅力的な服である。



 だがしかし、チャイナドレスはそもそも伝統的な漢民族の衣装ですらないし、中国の伝統に則ったものですらない。
 漢民族の民族衣装「漢服」は、歴史の中で廃れてしまった。

今日「チャイナドレス」と呼ばれ中国の伝統衣装のように扱われているものは、中国最後の王朝「清」を支配した女真族の衣装の一種を、西洋的価値観に合わせて作り替えたものである。

 もともとの旗袍は大陸的な貴族感の漂う、豪華な布をふんだんに用いてゆったりと作り身体が大きく見えるようなものだった。

19世紀以降の中国は、基本、欧米列強と日本にフルボッコにされ支配された屈辱の歴史をたどっている。


 その時代の中で「伝統的な装いと西洋文化の折衷」として成立したのは、東洋趣味を残しつつセクシーな、つまりある意味「媚びる」「色気を売る」「食い物にされる」装いだった。


 「民族の歴史」「伝統」をチャイナドレスに求める場合、「西洋価値の流入」「侵略され抑圧される」「媚び」を含む衣装であることが無視できなくなってしまう。


 以下の論文は、映画の中で「チャイナドレスを纏い性的視線にさらされる女性」が「侵略される上海」の表象として描かれていることを指摘している。

チャイナドレスは中国では正装としても用いられるため、品格を保つよう、更にデザインが改良されている。

 しかし残念ながら、チャイナドレスのイメージからセクシーさが切り離せない以上、チャイナドレスは「性的アピール」のイメージから逃れられない。




 特にそれを身に纏う中国人女性にとっては、「自国らしい、伝統的な雰囲気の衣装を着たい」だけであっても無駄にセクシーな恰好をするはめになり、「性的な目で見られてしまう」可能性がある。

 望まぬ性的アピールをせずに、「自国らしさ」を表現することが、チャイナドレスでは難しいのだ。

さて、ロリィタには、「色気より美しさ・上品さ・可愛さを追求する」本能のようなものがある。それは中国でも同じことだ。

 多くの中国のロリィタが、チャイナドレスから「スリットから生脚を見せる」「ボディラインをくっきりと浮かび上がらせる」姿を消し去っているのは興味深い。

 パニエを兼ねたスカートを中に入れるなどして下半身のボディラインが浮き出るのを防ぎ、スリットもスカートで塞ぐ。
 更にロリィタらしくソックス・タイツで脚を覆い、チャイナドレスの性的な」要素を見事に排除している。

華ロリは、「チャイナドレス」に付随する官能性や媚びのイメージを取り払い、

「性的に食い物にされることなく中国の伝統をほうふつさせる何かを纏う」
「現代の若者の価値観に適合した形で伝統的な雰囲気を取り入れる」

ことを可能にしたと言える。

華ロリ達は上品で、清楚で、優雅。まるで新時代の民族衣装のように完成度の高い美しさである。


 チャイナドレスが象徴した「(ことによると惨めな)媚び」などそこにはない。


 純粋に自国の伝統要素を追求し自分の身に纏って、己のアイデンティティを楽しむ思いと、それを良きものとして讃える誇りという、現代中国の若者が到達しつつある自国観のようなものが垣間見える。

■ 華ロリの世界

華ロリについてあれこれ語ってみたけど、とりあえず実物を見よう。

 何がどうあれ可愛いものは可愛い!

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seni_seviyorumさん

自分が今興味あることを手当たり次第にまとめていきたい。ですので、個性を要求されるらしい奨励者はもう目指しません(・ω・´)

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