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抑うつリアリズム理論とは?

従来の心理学では、うつや悲観的な捉え方を止めることができないのは考え方に問題があるからだとしている。例えば、うつ状態の人は将来について過度に心配し、否定的な見方で事実を歪めたり、どんなときでも物事を悲観したりすることがある。

抑うつリアリズム理論(1979,Alloy&Abromson)とは「抑うつではない人の認知はポジティブに歪んでいるのであり,抑うつの人の認知は正確だ」という仮説である。

健康な時の認知が楽観的な方向に傾いているのに対し,抑うつ状態の時にはより現実的な認知を行なうことから,「抑うつリアリズム」という言葉が生まれました。

この仮説は「抑うつでない人の認知が正しくて,抑うつの人の認知はネガティブに歪んでいる」という認知療法などでおなじみの仮説(1967,Beck)とするどく対立する。

鬱時の方が冷静で正確

この実験では288人の被験者に緑のライトの前でボタンを押すように指示し、何度ライトを点灯させることができたか質問した(ちなみに、このボタンとライトは全く関係がない)。この実験は4回実施されたが、どの実験でも、うつ傾向の被験者は、非うつ傾向の被験者と比べ、驚くほど点灯の回数を正確に把握することができた。

実験参加者には、2〜65秒の間で提示される複数の時間間隔についての評価が求められました。また実験参加者は、同様の時間間隔を自ら報告する課題にも取り組みました。結果、健常群では、示される時間経過を「速い」と答え、現実の時間経過よりも「遅い」時間経過の報告をする傾向があったのに対し、弱い抑うつ状態にある群は、2つの課題に対し、より正確な時間感覚を示したとのことでした。

さらに別の実験では、被験者にさまざま作業を課し、その出来を自己評価してもらった。結果は同様に、うつ傾向の被験者の評価は、甘く評価しがちな非うつ傾向の被験者より正確であった。

最後の実験では、被験者はいくつかの社会状況について評価し、その原因が内部からのものか、外部からものか判断するよう求められた。ここでも非うつ傾向の被験者が良い結果は内的要因に帰属させ、悪い結果は外的要因に帰属させがちだったのに対し、うつ傾向の被験者は因果関係をより的確に判断している。

非うつ傾向の人は過信する

健康な者は世の中を「バラ色の眼鏡」を通して見ており、無意識に自分の才能、影響力、能力などを過大評価しているという。

どのように操作しても必ず勝つようにプログラムされたコンピュータゲームを抑うつ群と非抑うつ群の被験者に行なってもらい,終了後「ゲームの結果をどの程度自分でコントロールできたか」評定してもらいます。その結果,非抑うつ群では「自分の能力によって勝つことができた」と見なす傾向が見られました。必ず勝つようにプログラムされたゲームに自分が影響を及ぼしているように感じるこの現象は,「コントロールの錯覚」(illusion of control)と呼ばれます。

非抑うつ者の認知には自分の能力を高く見積もる楽観的バイアスがかかっているとも言えます。これに対し,抑うつ群ではこのようなバイアスは認められませんでした。

ポジティビティ・バイアス(バラ色のメガネ)

自分が平均的な人間よりも有能かどうかを尋ねてみれば、多くの人が平均以上であると回答します。
この傾向は「ポジティビティ・バイアス」と呼ばれ、控えめと言われる日本人にですら、この傾向が見られる事が分かっています。

抑うつ気分と抑うつの被験者(d=.14)と非抑うつ気分と非抑うつの被験者(d=.29)両方で強固なポジティブバイアスが示されて、このバイアスは非抑うつ気分と非抑うつの被験者でより大きかった。

潜在的な媒介変数の検討からは客観的なリアリティの基準が欠如している研究(d=-.15:基準のあるものではd=-.04)と抑うつ症上の測定を自己報告式にしている研究(d=.16:構造面接を用いているものではd=-.04)はより抑うつリアリズムが顕著に現れた。

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sjapanさん



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