1. まとめトップ
  2. 雑学

世界一危険! 猛毒の鳥ピトフーイと中国の毒鳥伝説

中国の古文書には「鴆」という猛毒を持つ鳥がたびたび登場しますが、近年ニューギニアの鳥「ピトフーイ」に猛毒があることが発見されました。暗殺にも使われたという鴆の伝説は、果たして事実だったのでしょうか。

更新日: 2016年01月14日

93 お気に入り 73508 view
お気に入り追加

南国に棲む猛毒を持つ鳥「ピトフーイ」

インドネシア、パプアニューギニアなどに生息するスズメ目カラス科の鳥。雑食性で、鮮やかな色をしている。
1990年、その羽毛などに猛毒を有していることがわかった。

「毒鳥ピトフーイ」。いかにもUMA (未確認生物) 的な響きを持ち、またオカルト系フィギュアシリーズ「大神秘博物館」でフィギュア化されるなど、架空の鳥類を彷彿させますが、正真正銘、実在する鳥です。

この地上には、“毒を持った鳥” が存在しています。

ピトフーイはパプアニューギニア固有の有毒鳥類の総称で、画像の種であるフーディド・ピトフーイが代表的です。和名はズグロモリモズといいます。

「ピトフーイ (Pitohui) 」とは、ニューギニア固有の有毒鳥類6種(ただし1種は無毒)の総称。

いくつかの種、特にカワリモリモズとズグロモリモズの筋肉や羽毛には強力な神経毒ステロイド系アルカロイドのホモバトラコトキシンが含まれている。

この毒はピトフーイから発見される以前は、ヤドクガエル科フキヤガエル属の皮膚からのみ見つかっていました。

ピットフーイという二音節に近い鳴き声から、Pitohui(モリモズ)属と命名された鳴き鳥が報告されたのは1830年のこと。それから160年、シカゴ大学のダンバッチャー氏らが偶然その羽に中毒し、毒性に気付いたのは1990年のことである。

それまで、毒を持つ鳥類は存在しないと信じられていました。
この事実は1992年に科学誌『サイエンス』に掲載、広く知られるようになります。

猛毒がある…なんていうからどんなおどろおどろしい見た目なのかと思いきや、意外にも愛らしい姿をしていますね。体長は20〜25センチほど

ピトフーイの毒は人をも殺す

唯一の有毒な鳥類として知られるピトフーイは心毒性、神経毒性を持つホモバトラコトキシンをもっている。

ピトフーイの羽毛に含まれる毒は、南米コロンビアの毒ガエル「モウドクフキヤガエル」等が持つ「バトラコトキシン」と同属の神経毒。

ピトフーイの持つ毒はバトラコトキシンとよく似たホモバトラコトキシンというもので、毒性もモウドクフキヤガエルに負けず劣らず超強力。

Dumbacher氏らはこの鳥に噛まれた傷口をなめて口中が痛み痺れ、羽毛を舌にのせただけで全身に麻痺と灼熱感を覚えている。

シカゴ大のJohn Dumbacher氏らは、この鳥の毒性に偶然気づいたのだそうです。

毒性最強のズグロモリモズの皮膚のエタノール抽出エキス(皮膚10ミリグラム相当)をマウスに皮下注射すると、痙攣して18分から19分で死亡。羽毛25ミリグラム相当のエキスでも15分から19分で死に至らしめる。

この毒性はズグロモリモズの胸の骨格筋にも弱く存在していますが、内臓には含まれていないそうです。

地域によっては毒性が確認されない場合や親鳥より幼鳥の方が毒性が低いなどから、この毒鳥は自らの体で毒を生成するのではなく、甲虫の食餌に、この毒成分が由来するといわれています。

毒を持った甲虫を食べる事で、その毒が体に蓄積されるとされています。

自ら毒を外敵に対して注入する事はなく、あくまで他の捕食ターゲットから外される為の護身毒である。

黒とオレンジ色の鮮やかな体色も、捕食者への危険信号(警告色)だと考えられています。

中国につたわる毒鳥「鴆」の伝説

中国の伝説上の毒鳥。
図は明の王圻(おうき)の編による中国の類書『三才図会』に描かれた鴆。

中国明朝の時代、王圻によって編纂された『三才図会』に一羽の奇妙な鳥が紹介されている。
その鳥の名前は「鴆(ちん)」だ。

中国の古書にしばしば登場する「鴆」。
なんと、ピトフーイ同様にその羽毛に毒を持っているのだそうです。

鴆とは、中国に棲むという、毒をもつ鳥。その羽を浸した酒を飲めば死ぬとされる。

中国の古い文献には、よくこの鴆(ちん)と呼ばれる鳥の毒による毒殺事件が記されているのです。

鴆鳥の毒性は紀元前の『国語』『韓非子』『史記』などに記述があり、漢代字書の『説文』や『爾雅』にも掲載されている。

鴆酒・鴆醴・鴆毒・酖という、羽毛を漬けた酒による毒殺記録は『漢書』『後漢書』『晋書』に数多い。

その毒気のあまりの威力から毒の代名詞とされ、「鴆殺」と言えば毒殺、「鴆を市する」と言えば毒物の闇取引、「鴆杯」と言えば毒を自ら呷る事を指した。

医薬書の初出は、二世紀頃の『神農本草経』で、犀角条に鴆羽の毒性を記す。五世紀末以前成立の『名医別録』から本草の正条品となり、「鳩鳥毛。大毒あり。五蔵に入れば爛して人を殺す。その口は蝮蛇の毒を殺(け)す」と記載されている。
659年の『新修本草』以降、ついに本草の正条品から除外され、存否不詳の鳥となってしまった。

医薬書にも記載されるほどでしたが、徐々に伝聞に基づいた記載になっていったと見られ、7世紀頃にはその存在は怪しげになっているようです。

「鴆」は伝説ではなく、実在したのかもしれない

古書に描かれた「鴆」の容姿は、ピトフーイとはあまり似ていないけど…

有毒の生物は数多く知られている。しかし、こと鳥類についてだけは、毒性を示す鳥の存在が報告されていなかった。それゆえ中国の本草書や古典に記される鴆鳥も、『山海経』の珍奇な動物と同様に空想上の産物、と考えられていた。

ピトフーイの羽から毒が発見されるまで、有毒な鳥は存在しないと考えられていたため、古書に見られる毒鳥「鴆」も空想上の動物だと考えられていました。

だが1992年になって、ニューギニアに生息し、原住民の猟師たちが昔から食べられない鳥として嫌っていたピトフーイという鳥が羽毛に毒を有していることがわかり、かつて鴆が実在していた可能性が現実味を帯びることとなってきた。

ピトフーイが実在しているなら、もしかしたら中国にも鴆という毒鳥が存在し、そして今は絶滅してしまった…というのも現実味があります。

「ピトフーイが鴆の由来」であると考えている人がいます。もちろん格好などに関しては大きく違い(少なくとも足は長くなく、クジャクの様な鳥ではない)ますし、鴆の特徴である黒い頚と赤い嘴は一致しません。

鴆はピトフーイの話が基になっている、という可能性も。

が、ピトフーイはオレンジと黒が特徴ですし、また古書に記載された「南方の国で」と言うのはニューギニアという土地から「中国の南方」である点で一致します。そして、「毒を持つ」のは確かですし、羽や肉、皮に毒がある。
もしかしたら、と言う可能性は十分にあるのかもしれません。

1





質を大事に、自分なりの視点でまとめを発信していきます。

【得意分野】
IT
スマートフォン
音楽
雑学
子育て
レッサーパンダ

よろしくお願いいたします!



  • 話題の動画をまとめよう