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ある日突然、音楽がわからなくなる…『失音楽症』の恐怖

音楽を音楽と認識できなくなる「失音楽症」という病気があります。失語症と同じく高次脳機能障害のひとつであり、脳卒中や脳梗塞の後遺症として誰にでもなりうる症状でありながら、あまり研究の進んでいない「失音楽症」と、人間と音楽とのかかわりについて紹介します。

更新日: 2016年07月22日

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「失音楽症」という病気

この世の音楽が音楽でなくなる…

「失音楽症」という病気をご存知ですか?

失音楽症という病気がある。
失語症はわりと一般的だが、失音楽症など聞いたことがないという人が大半だろうと思う。

高次脳機能障害のひとつである「失語症」と同様、音楽に関する機能が失われた症状を「失音楽症」と呼びます。

失音楽症(amusia) とは,脳の障害によって生じた音楽機能に関連したさまざまな障害を示す包括的な名称

失音楽症とは、後天的な脳の障害によって様々な音楽の能力が障害された状態。
歌えない、演奏できない、楽譜が読めない・書けないなど多様な症状を表します。

認知症などの脳変性疾患や脳血管障害を原因として、歌唱、演奏、リズム、楽譜の読みなどが障害される

失音楽症発症のきっかけは、脳の疾患。つまり、後天的に誰にでもなりうる可能性がある病気なのです。

失音楽症というのは、失語症の人が相手の言っていることばや文章の意味がわからないのと同様、音楽の音がわからない、音楽というもの自体がわからないという状態であるらしい(もちろん、自分で楽器をやったり歌ったりすることもできない)。

この症状の発見は、失語症の発見と同時期の1866年にまで遡ることができます。

この「音楽というものがこの世に存在すること自体が認識できない病気」をかかえている人(失音楽症の患者さんたち)にとっては、ショパンの『ノクターン』も自動車のクラクションも「同じレベルの音」にしか過ぎない。

音楽を音楽と認知できなくなった失音楽症の患者にとって、世界にあふれるあらゆる音楽は「ただの音」以外の意味がなくなってしまうようです。

音楽家を失意のどん底に突き落とすのは目が見えないとか耳が聞こえないとかではない。音楽がわからなくなることだとおもう。(失音楽症という脳疾患があるんだよ)

音楽=言語という仮説を根本から覆す失音楽症。しかも先天性すらある。

失音楽症を発症するきっかけとは?

音楽を認知したり、歌ったりできない症状を「失音楽症」と呼んでいるが、患者により様々な症状を見せる。

これらの症状と患者の脳内での損傷部位との対応関係を調べることによって、音楽の知覚や表現のための様々な機能と脳内の部位との関係が調べられてきた。

音楽の情報処理は右脳優位であることがわかっていますが、左脳のみを損傷した場合でも失音楽症の症状が見られることがあることから、右脳のみではない複雑な処理がされているらしいことが分かっています。

症例:
両側側頭葉の前部に脳梗塞を生じた結果、失音楽症を来した患者の脳MRI画像。

患者は無症状で退院しましたが、自宅に帰るとなじみの音楽が分からなくなっていることに気付きました。何度も聞いていたレコードを聞いても何の曲か分からず、ケースを見て初めて慣れ親しんだ曲であることを知りました。

脳卒中を起こし、回復して退院後に自身が「失音楽症」になってしまったと気付いた事例。

音楽能力の検査を評価したところ、なじみのメロディーが分からなくなっている他に、和音の響きも分からなくなっていました。

どうやら失音楽症の人はごく初期の情報処理のレベルでは音の違いをしっかり知覚しているものの、それを認識するための高次脳機能に問題がある

つまり、失音楽症は失語症と同じように、高次脳機能障害であると考えられています。

失音楽症は、右脳に損傷を持つ場合に症状が重く、さらに右脳の聴覚野も損傷していると回復はもっと遅くなる。

聴覚野へのダメージの有無に関わらず、失音楽症の患者は、記憶、注意力、認知機能が弱くなることがわかった

音楽が脳内でどのように処理されるかを示した図。

左脳が言語、右脳が音楽と言ってしまうのは浅はかです。
言語処理や音楽処理の全容はまだ解明されていません。
まだまだこれからの技術の進歩や実験研究が必要です。

そもそも、人間にとっての音楽の役割とは?

人間にとって音楽が大切な理由、ちゃんとあるんです。

音楽の‘‘音’’は分析すると、最小単位は音の三要素の、①高低、②強弱、③音色のほかに持続時間と、音楽の三要素の、①旋律、②リズム、③和声からなる。
これらを基礎に作曲されると、楽しい、悲しい、軽快、などの情緒が生まれる。

音楽を聴いて感情が動かされた経験は、ほとんどの方にあるのではないでしょうか。

言語はコミュニケーションと思考の道具である。
音楽もコミュニケーションの役割をもつが、大きな役割は情緒や心を伝える道具でもあることである。

音楽は、ピッチ、持続時間、音色、音の強さなどの単なる音の物理的特徴の知覚だけでなく、音の連続的な響き、メロディー、和音、ハーモニー、拍子、リズムなど音と音との関係の理解を要求します。

失音楽症は結構古くから存在が認められてるけど、まあ音楽が聴こえないからって何だよ知るかよって医学的にはかなり優先度が低い話題の一つやね。そのわりには意外とお遊び的に研究してる人もいるけど……

言語は「音楽」から生まれた。音楽が人間にとって大切な理由

失語症と比べると、失音楽症の研究は遅れているのも事実です。
音楽は、本当にそんなに重要ではないものなのでしょうか…?

音楽は、会話や言語よりも古いものであるという理論が存在しています。研究者の中には、言葉は音楽が進化して生まれたものだという人もいます

ジョージタウン大学・統合神経科学・認知科学研究所のJosef Rauschecker博士による言葉。

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