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「1mSvでも、死亡。」矢ヶ崎克馬教授 インタビューまとめ

「1mSvで十分発がんの確率があって、人を死に至らせるもの。」20mSvまで?100mSvまで???ふざけんなぁ。スーパーサイヤ人でも、キツイぞ。大体法律で、1mSvですから!!!

更新日: 2011年10月15日

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hisutaminさん

岩上氏:バスで何台も駆け付け、文科省前で抗議をしたが、
 政務三役が一人も会おうとすらしなかった。
 やはり既存メディア等の報道は、こういう問題を丁寧に扱ってこなかったが、
 抗議の声が拡がり、今朝の文部科学大臣の会見で、
 年間1mSvに限りなく近付けるように努力をする、と努力目標を掲げた。
 それから、除染などを始めるよう、予算措置を講じるという事を発表した。
 これは、悪い方向ではないのでは、と思うが、
 いかがでしょうか。

矢ヶ崎氏:これは大変嬉しい事である。
 どういう意味で嬉しいかと言うと、住民の声がやっと政治を動かす所まで
 届いたという意味。

 私が3月末に福島に行って非常に驚いたのは、
 原子炉の破局という具体的なものが、行政にも学校の運営指針にも、
 何も反映されていない事。
 例えば福島市内の小学校の原発(事故)の時の避難マニュアルが、
 率直に言えば、地震の時の避難マニュアルと左程変わらない。
 放射性の埃が飛んで来ているにも関わらず、
 マスクも子供たちに与えない、帽子もビニールカッパも、
 そういう事は何一つ用意せず、
 ただ先生の指示に従って行動しなさい、とそういうもの。
 放射線の被曝を問題にするのに、
 自治体に放射線の計測機自体がないという状況も加え、
 安全神話は本当に住民無視である。
 福島の皆さんが先頭になって声を上げない限り、
 永久に被曝をさせられる、棄民の措置を受ける。
 そういう所で、とにかく今の状態を変えるには、
 住民が要求を出して、キチっと突き付ける事が、
 まず第一ではないか、と話をした。

 それが、1mSvに近付けるという基本的な、
 住民の命を守るという所が基準になって、
 除染がされるという方針が出たというのは、
 住民の力として、まず第一歩で嬉しいと思う。

岩上氏:もちろん第一歩に過ぎないと言わなければいけないし、
 現実にどの程度実行されるのか、
 そして多くの子供達が救われるのか、
 まだ未知数の所が多いと思う。
 福島県は、県のトップが、わざわざ20mSvどころか、
 100mSv以下でも大丈夫だ、と、
 低線量の世界での被曝の影響というものは解らない所が多いので、
 解らないから無くても良いという、物凄い考え方をする
 山下俊一さんという長崎大学の先生が県の顧問になっている。
 そして、かなりの回数県内で講演などをして、
 住民たちは不安でしようがないから安全だと言ってくれる人達を探しているから、
 山下さんのような人の声を聞く。

 更に驚いた事には、
 海外などはこれまで非常に厳しい評価を(行い)、
 事故に対しても被曝に対しても日本に警告をして来た。
 事故直後も様々な学者たちが表に表れているデータから計算をして、
 セキュリティコード、シミュレーションコードからメルトダウンは起こっていると
 断言して来た。
 現実にその通りだった。
 2カ月余りも隠蔽が行われて来た。
 本当に酷い話だと思うが、こうした状況下、
 海外からの警告を無視する事は出来ないが、
 山下さんは、海外から言って来る事には耳を塞げ、
 と福島の住民に向かって言っている。

 こうした一種の情報の閉域を作っているのは、カルトみたいなもので、
 それを行政(県政)のトップが公費で顧問として雇っている状況というのは、
 大変由々しきものがあると思うが、
 この辺りから論駁を加えて行って頂けたらと思う。

ICRP基準について

矢ヶ崎氏:ひとつは、100mSvまでは大丈夫だという、
 こういう事を言っている基盤に当たるICRPの基準そのものについて、
 一言申し上げなければいけないと思う。

 ICRPの基準そのものが、ふたつの特徴を持っている。
 ひとつは、内部被曝が見えなくなっている基準で、被曝を論議する、
 そういう根本計画がある。
 それから、要約の14番目と言われているが、
 彼らが自ら宣言しているのに、
 「社会的経済的要因を考慮して、出来る限り防護していく」
 という項目があり、
 このふたつがICRPの性格を決定的に特徴付けている。

岩上氏:これは、条約の14番目という・・・

矢ヶ崎氏:要約、サマリーの14番目。
 この14番目の「社会的経済的・・・」という事が、
 物凄く大きな悪い役割を果たしている。
 言葉を変えて言えば、原子力発電所を運営していくために、
 防護基準を厳しくしすぎると、とてもやっていけない。
 だから、適当な所で手を打って、その基準で運営させていくが、
 犠牲になった人は個人責任で我慢してくれ、と。
 功利主義と言われて、住民は我慢を共用する、という
 そういうもの。
 ここの所で、1mSvという値そのものが、
 こういうバランスで定められたものである。
 更に緊急事態には20mSv~100mSvまで云々という既定があるが、
 これも徹底的に原子力発電所の都合によって、
 住民に被曝を強制するというもので、
 考え方からして、主権在民のこの世の中が、国民が、
 それを容認する訳にはいかない中身を持っている。

放射線の基礎知識

岩上氏:まず、1mSvあるいは20mSvというこの値は、
 それぞれどういう理屈で出来たものなのか、
 そしてその値というものが現実に安全な基準と言えるのか。
 一般の人達にも解りやすく、基本的事実をおさらいして頂きたい。

矢ヶ崎氏:今から話をする事は、1mSvという、この量について、
 少し説明したい。

 まず放射線が体にどのような作用をするかという事から説明したい。
 放射線を詳しく言う時には、電離放射線と(言う)。
 電離放射線の中身は、放射線が当たると外側に回っている電子を
 原子から弾き飛ばす、これが基本作用で、
 だから、電離放射線と言われる。

 私たちの体や地球上のあらゆる物質は、
 原子がひとつひとつ孤立している訳ではなく、
 分子という構造を持っている。
 分子というのは、やはり外回りの電子が相手の電子と一体となって
 ペアを作ると言う事で、その事が強力な結合力を出すというメカニズム。

 そこで、分子に放射線が当たるという事を考察しなければいけない。
 放射線が当たると、ペアを組んでいる電子のひとつを電離してしまう。
 電離というのは、弾き飛ばす事。
 ペアで初めて原子と原子が結びついて分子になっていた、
 その分子がそこで切断されてしまう。
 この作用というのは、放射線何種類もあるが、
 殆ど100%近く電離という行為を行う。

 この電離が作用するのは、人間の体で言えばあらゆる細胞に作用する訳で、
 その中で一番健康と密接な関わりがあるのは、
 DNA(遺伝子)に作用した時。
 例えば、一個だけ切断された場所があって、
 その周囲には切断された場所がない時には、
 生物の修復作用で再結合が、かなり安全な意味でなされる。

 所が、内部被曝という事で、放射性物質を体に入れてしまって、
 体内から放射線が出る場合に、
 短い距離しか飛べない、アルファ線やベータ線も全部、
 分子切断をしてしまう。

 そういう意味で、切断が密に行われるほど、危険度が高い。
 密に行われると、すぐ近くに切断されたものが複数あるため、
 (修復時)繋ぎ間違えてしまう。
 繋ぎ間違った時に、「DNAが変成される」という言葉を使う。

 DNAが2本鎖があるのは確実に同じ遺伝子をコピーして
 細胞分裂をさせて行く力がある訳だが、
 そうして細胞が生き残ってしまった場合に、
 変成された遺伝子がコピーされて拡がるという事になる。
 それで、人の体の中では40回も50回も変成が繰り返されて、
 ガンになると言われている。
 これが、変成から変成に時間がかかるから、
 子供だと早くて5年、大人だと10年20年、
 被爆者の体験からすると、60年も過ぎてからガンになる事もある。

ここの所の関わりで、1mSvとはどれ程の被曝量を与えるかというと、
 人間の体に細胞が全部合わせて80兆位あると言われている。
 1mSvという量は、人間の体の細胞のひとつひとつに1個ずつ、
 分子切断を与える、そういう量になっている。
 だから、1mSvで大変軽くてそこまでは良いという事自体、
 まるきり言えない、非常に危険な量。

岩上氏:全身の細胞を少なくとも一度は切断を行ってしまう位の
 それ程の影響力を、1mSvの放射線というのは有していると。
 恐ろしい事ですね。

矢ヶ崎氏:はい。
 1mSvで十分発がんの確率があって、人を死に至らせるもの。
 これを、20mSvまで100mSvまで安全だと言う事は、
 物理的な根拠が全く当てはまらない。

矢ヶ崎氏の辿った道

岩上氏:こういった問題にコミットされる学者・知識人の方、
 それぞれの専門の立場があると思うが、
 放射線防護医学という医学の一分野があるが、
 先生はもともと物理学者である。
 物理でこうした放射能、放射線のメカニズムの研究から、
 人体への影響を調べて行った、
 こういう道筋で理解されたというのでよろしいのか。

矢ヶ崎氏:少し違いがある。
 私自身の大学でずっとやって来た狭い意味での専門は、
 物性物理学と言って、超電導とか半導体とか磁石とか
 そういうものの機能がどういうふうに起こるのか、
 基礎研究をして来た。

参照:物性物理学 from Wikipedia

 今この被曝問題にタッチしているのは、もちろん物理学の基礎にも当たるが、
 一般科学 General Science の立場から、いろいろ考察を進めている。
 General Science というのは、平和の問題とか、現象と本質の問題、
 それとその背後にある問題、科学的な倫理の問題、
 こういった事を取り扱うような、沢山の科学の基礎に当たる所。

 こういう分野で、私も平和の問題も被曝の問題も、
 今まで携わって来たというのが現実。

 私が一番最初に被曝問題に入ったのが、
 私が沖縄に住んで二十数年目、1996年と97年に
 鳥島という小さな島、
 これがアメリカの演習場になっている無人島だが、
 ここに劣化ウラン弾が撃ち込まれた(事がきっかけである)。
 劣化ウラン弾が撃ち込まれたという時に、
 アメリカ軍のメッセンジャーが沖縄県民向けに何を言ったかというと、
 劣化ウランは放射能ではありません、と発言した。

岩上氏:放射能を出さないと。

矢ヶ崎氏:放射能ではない、放射線は出さない、と。
 それで沖縄県民舐められてたまるか、という事で、
 被曝問題は事実上これが初めてだった。

岩上氏:先生のもともとのご出身は沖縄ではないですよね。

矢ヶ崎氏:長野県の松本。

岩上氏:縁があって、今から数十年前に移り住んだ。

矢ヶ崎氏:大学院で物理の道に入り込んだが、
 広島大学の物性学科という所で、物性の勉強を始めた。
 ドクターコースの時に、大きな出来事として、
 沖縄県の祖国復帰が勝ち取られた。
 1972年だった。
 この祖国復帰で示された沖縄県民の団結力に凄く感激し、
 就職先を探すプロセスにあった時に、
 沖縄県の皆さんのお役に立つ事が出来るだろうかと、
 物性物理学の基盤整備、
 沖縄にいても近代的な物理教育や研究が出来るようにしていく
 というのが目的だった。
 これなら何とかお役に立てるかもしれない、というのが、
 基本的な発想のひとつにあり、1974年に沖縄へ行った。
 私の沖縄行きは、やはり祖国復帰の戦いに誘因された。

岩上氏:話を少し戻し、74年に行かれ、そして劣化ウラン弾の問題に90年に・・・

矢ヶ崎氏:96年、97年に打ちこまれたものが問題になったのは、
 98年になってから。
 それで、劣化ウラン弾の内部被曝の問題をキャンペーンを張るような形で、
 イラクに大量に劣化ウラン弾が使われたという背景を受けて、
 国際的にも大きな運動として撤去運動が始まり、
 そういう運動の渦中に立ったというのが、1998年の事。

 2003年には、原爆症認定集団訴訟があった。
 私はそれまで被曝者の内部被曝という事を研究した事がなかった。
 だが、劣化ウラン弾の経験もあるという事で、
 熊本の板井優という弁護士が私に目を付けて、
 内部被曝を証言してくれ、という誘いを受けた。

岩上氏:板井優さんという弁護士の方が。

矢ヶ崎氏:この人は、水俣病の裁判を勝訴に導いた凄く組織力のある弁護士。
 この人に依頼されて、私も向こう見ずに、やりましょう、と言って、
 その時初めて被曝文献を沢山読み始めた。
 真っ先にDS86という、これは1986年に被曝線量を評価した体系という、
 そういう意味だが、これを見た途端に、
 もう科学的にはデタラメな事が記述されており・・・

岩上氏:すみません、DS86というのはどこが出した、科学団体が出した所ですよね。

矢ヶ崎氏:アメリカの政府筋でずっと原爆の被曝を
 コントロールしているような、エネルギー省が関わって、
 その時はまだエネルギー省ではなく、原子力委員会だった、
 これが、アメリカと日本の科学者にそういう操作をさせた。

 原爆が投下されてから約1カ月、9月17日に、
 長崎にも広島にも枕崎台風というのがやって来た。
 これは激烈な台風で長崎には3カ月で1200mmも雨を降らせた。
 広島は、それに加えて被曝地一円が床上50cmから1mの
 大洪水に洗われた。
 市民が考えれば誰でも放射能の埃なんかはなくなってしまっている、
 そう思う状態で、アメリカのDS86、原爆被曝線量評価体系を計画したチームが
 洗い流されてかろうじて土の中にわずか残っていた放射線量を、
 複雑な計算をするように見せて、初めからこれだけしかなかったという言い方をして、
 記録上原爆が落とされた現地周辺に、
 放射能の埃は人体を被曝させるに足るような量は全く落ちなかった、とし
 こういう嘘の世界を作った。

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