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【東北観光博機械翻訳騒動】「啄木」は「きつつき」、では「カマクラ」は…えっ、「蚊枕」?

「東北観光博」のサイトの多言語化の大失敗事例についての報道と、Twitter→Togetterでの翻訳者の見解の一部抜粋。

更新日: 2012年12月31日

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nofrillsさん

翻訳も通訳も伝えることで、日本語と外国語を置き換えることでは、ありませぬ。「直訳でいいから」と言ったことがある方は、ぜひ、自動翻訳をお試しいただきたい。

「商品データを入力すれば商品紹介ウェブページを自動生成します」とかいうサービスがあったら、利用する人はいるでしょうか。それなのに、「日本語を入力すれば英語版ウェブページを自動生成します」というサービスを利用する人がいるというのが不思議。

何があったのか。

東北博は官民団体などでつくる実行委(委員長・前田武志国土交通相)の主催。会期は今年3月~来年3月。東北6県全体を「博覧会」の会場に見立て、3月18日に本格運用を始めたHP上で、主要観光地や催しを売り込んでいる。

HPでは大震災や原発事故で激しく落ち込んだ外国人旅行客を取り戻そうと、日本語の説明に対応する英語、韓国語、中国語による翻訳文を用意した。

 ところが、アクセス件数が増えた今月に入り、翻訳に多くの誤訳があることが外部からの指摘で発覚。……

どのような「誤訳」があったのか。(「誤訳」と呼べるレベルではないけれども。)

正)あきた千秋公園桜まつり
誤)Senshu park cherry tree Festival which we got tired of(飽きた千秋公園桜まつり)

「秋田」という表記ならAkitaと出力されていたであろうに……。また、「桜」がcherry blossomではなく、cherryでもなく、あえてcherry treeなのはなぜなのかという点、大文字の使い方のアナーキーさも味わい深い作例(え?)。

正)六郷のカマクラ行事
誤)Mosquito event to use as a pillow of six volost(六つの郷のまくらに使う蚊の行事)

「カマクラ」→「カ/マクラ」→「蚊枕」。これは、「機械翻訳」以前の問題です。これも「かまくら」の表記ならkamakuraと出力されているはず。

正)ヤッテマレ軽トラ市
誤)yattemare light tiger city(ヤッテマレ軽い虎市)

ほとんど「頓知が利いている」と言いたくなる域。個人的には大好きです。

正)啄木忌
誤)Woodpecker mourning(喪キツツキ)

ケネス・アンガーの 'Scorpio Rising' みたいな。(違)

どのような経緯で、このような「誤訳」がウェブで公開されるという事態が生じたのか。

実行委事務局の観光庁によると、東北博の運営全般は民間の2業者に委託しているほか、HPの管理運営業務は別業者に孫請けされている。

 翻訳を担当したのは、在京のIT関連の企業。「復興支援に一役買いたい」として、本来なら数百万円はかかるという各言語の自動翻訳を無償で引き受けたという。

同社によると、誤訳しやすい固有名詞を把握するため、実行委に一覧表の提示を求めたが、受け入れてもらえなかったという。

 観光庁や業者によると、人の目による二重チェックも十分に行われなかった。……

固有名詞の一覧表をくださいとお願いしたら断られた、と。うーん。それこそ「福島」が「フクシマ Fukushima」なのか、それとも「フクジマ Fukujima」なのか、「秋田」は「アキタ Akita」なのか「アキダ Akida」なのか、ということだって、文字からだけではわからない。固有名詞というのは、そういうものなのですが。

また、チェックについては、「十分に行われなかった」どころか、朝日新聞記事に掲載されている「例」を見るに、一度でも行われたとは思えません。あるいはチェックはされたが修正はなされなかった、ということでしょうか。

翻訳者のみなさんはどう思ったか。

ググるとまだ撤去された英語版ページのキャッシュか残ってる。何ページか見てみたけど、確かにこれ、グーグル翻訳にかけてそのまま使ったの?というレベルでひどすぎ。> 機械翻訳で誤訳多数 観光庁が東北観光博サイト閉鎖 sankei.jp.msn.com/affairs/news/1…

※「グーグル翻訳」は比喩です。(念のため、書き添え)

例: bit.ly/HIuoJ5 記事で言及されてる啄木忌もあれだけど、トップのスローガンもなかなか。「こころ、むすぶ。」→"We conclude heart." > ググるとまだキャッシュが残ってる。 > bit.ly/HIuoJ9

- @yunodさんが紹介されているブログ(ブログを書いている方は翻訳者ではありません)

- なぜPR(広報)で機械翻訳を使うのかという根本的な問題。

機械翻訳の悪さ以前に、お客様のための広報を機械翻訳でよしとする組織の問題 / “禿頭帽子屋の独語妄言 side A: # 機械翻訳のせいじゃない” htn.to/QX1WJP

visitjapan-tohoku.org/info/en.html 英語サイトを見てみたら誤訳が多すぎて閉鎖と書いてある。これでは外国人に準備できてないから来るなと言ってるようなもの。HP閉鎖の理由、もう少しましな表現はなかったものか。そもそも機械翻訳なんて論外。それを観光庁がやるとは。。。

日本企業もそうだけど、海外を相手にするときに絶対にけちってはいけないのは言語的正確さにかける費用だと思う。仕事しててもひどいのがある。機械翻訳はニュアンスの翻訳ができないので避けるべき。海外との取引は第一印象がすべて。それがアマチュアではだめ。中国企業を笑えない。

※余談ながら、「機械翻訳はニュアンスの翻訳ができない」どころではありません。私は日・英の間の問題についてしか把握していない上に、2007年とやや古いやりとりですが、「人力検索はてな」で翻訳者同士で盛り上がった話題:

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