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出版業界関連での暗黙のルールまとめ

書籍における定価表示のことや芸能人の呼び捨て表記や新聞の広告など、新聞や雑誌などの出版業界における暗黙のルールをまとめます。

更新日: 2013年03月12日

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qvarieさん

書籍は事実上総額表示対象外

再販制度で保護されている書籍は、後述の再販制度が適用されていない著作物や商品が付録となっているものや特別な状況を除いて定価以外の販売は禁止されています。

1989年に3%の消費税が導入されたとき、再販制度が適用されている書籍・雑誌・新聞・CD等の音楽商品は総額表示になることになりました。ビデオ等の映像商品や一部ゲームソフトも総額表示になっていた商品もありました。
このころから書籍の奥付に定価表示を加えることが減っていき、定価表示はブックカバーやケースに表示されるだけになった出版社が多くなりました。

’97年に消費税が5%に上がったとき、雑誌・新聞・CD等の音楽商品はそのまま総額表示が継続されたのですが、書籍の場合は、3%消費税導入時に総額表示のシールを旧定価表示に貼る作業で負担がかかったため大多数の出版社が総額表示に猛反対しました。ISBNコードの定価表示では、総額表示を示す《P》から外税表示を示す《Ұ》(OCR-Bフォントでの《¥》マーク表示)に変更されました。
ISBNコードと雑誌コードの両方が記載されているコミックスとムック本のケースは複雑な状況で、コミックスは総額表示を継続した出版社が多くあったのですが、ムック本は書籍同様の扱いとして総額表示を廃止した出版社が過半数となり、一部の出版社は総額表示を継続するなど分かれました。
しばらくしてからコミックスも総額表示が撤廃されるようになり、コンビニ売り専用の漫画総集編がブームになった頃から、背表紙にでかでかと総額表示としない定価表示を載せるのが暗黙のルールとなっていることにより、出版社の考えが変わり、ムック本を総額表示していた出版社も総額表示を廃止したことがエポックメイキングとなりました。

2004年に全ての商品に総額表示が義務づけられることになったのですが、書籍のケースでは書籍関連の団体や出版社が圧倒的大多数が反対し、書籍に挟まれている売り上げカードに小さい字に総額表示が記載されているため、あまり気づかない方式で通すことになりました。

総額表記拒否

一般社団法人日本出版者協議会のモットーで、消費税が今後も増税することになっても、総額表記をかたくなに拒否する出版業界の総意が伝わってきているようで、総額表示が義務づけられることになっても事実上書籍の総額表記拒否に成功できたのも出版関係業界の強い絆があるように思うようです。

再販制度が適用されていない付録付き雑誌・書籍・CDは再販制度の対象外で、定価表記は違法

再販制度が適用されているジャンルは新聞・雑誌・書籍の出版物、そしてCDなどの音楽商品があります。
しかし、DVDなどの映像商品やパソコンソフトやTVゲーム、電子書籍などのプログラム商品などは著作物でありながら再販制度の対象外とされています。

1990年代中頃~末期あたりからデアゴスティーニなどが付録付き雑誌・ムック本を積極的に販売するようになったり、雑誌の付録に玩具などが付加されるようになりました。

以前はCD-ROMやDVDが付録になっていても再販制度の対象となっていたのですが、2004年に公正取引委員会が再販制度の対象外となっているものを付録とした再販制度対象物は除外されることとなりました。そのため、値引き販売が可能となったのですが、大半の書店で値引きされているものは稀で、ネット通販サイトでよく値引きされ、CDの場合はDVDが付いているおかげでCDのみの定価より安く購入できるようになりました。

再販制度対象外のものが付録に付いた雑誌の“定価”が“価格”に変化するのも、定価と表示することが違法となったためであります。

10年代になってから、宝島社が再販制度対象外の商品を付録に付けたムック本を大ヒットさせてから、各出版社がそれに便乗して類似のコンセプトに乗ることができたため、この改革を利用した価格破壊革命を利用したことが大きいようです。

芸能人はなぜ呼び捨て表記でなければならないのか

芸能ニュースでは芸能人が必ず呼び捨てで書かれることが暗黙のルールとなっています。
スポーツ選手は呼び捨ての場合か“○○選手”のように敬称に該当する肩書きを付ける場合の2つがありますが、芸能人は故人や一部の引退した人を除いては老若男女問わず呼び捨て表記となっています。
“○○さん”や“○○さま”という愛称を持つ芸能人も呼び捨てで表記しなければならないようです。

呼び捨て表記は表記の見た目や雰囲気で人権侵害マイナスイメージがあるのですが、出版業界では慣例になっているようです。
芸能人が引退した場合は、元芸能人が一斉にさん付け表記になるのも慣例になっています。

ある男性タレントが女性雑誌で敬称付けで表記したことが気に入らないという理由で、それを記事にしたネットニュースに対して、人権侵害のクレームが出たこともありました。

『毎日新聞』のように芸能ニュースでも芸能人に“さん”付けする芸能ニュースは少数派のようです。

芸能人以外の有名人には“○○さん”か“○○氏”のいずれかの敬称が付くのですが、英語では同じ〈Mr.〉の意味でありながら氏付けの方が格上のイメージを与えるようです。氏は本来男性に対する敬称ですが、女性の敬称にも使用されるようになりました。

敬意を払うということよりも、親しみを持っているということを表現することが優先されると考えられる。

一般人が芸能人を呼び捨てにしてもいいという理由で、芸能人の名前が商品の名前と同じ感覚で呼び捨てで呼ぶことから芸能ニュースでも芸能人の呼び捨てが慣例化されている理由のように思います。
ファンによっては“○○さん”や“○○君”などで呼ばないと失礼のように感じる人がいたり、呼び捨て表記に不快感がある人がいたりするのも難しい問題であります。
芸能界入りした場合や放送局関係者になった場合は常識を守って芸能人をさん付けで呼ぶことが大切です。

芸能人は良いニュースでも悪いニュースでも「呼び捨て」のようです。

放送局では芸能人の不祥事があった場合にさん付けか聞き慣れない呼称を使用する例があるのですが、スポーツ新聞の芸能ニュースでは不祥事の有無に関係なく一律呼び捨てにすることが暗黙のルールとなっていることが伝わってきます。
個人的に事故に遭った芸能人の呼び捨て表記はかわいそうに思ってしまいます。

一般新聞紙朝刊の第一面は必ず書籍の広告でなければならない

一般的な新聞紙の朝刊の第一面の一番下にある“三八広告”と呼ばれる広告欄では、必ず書籍か雑誌の広告ではなければならない暗黙のルールがあり、ほとんどの新聞でこのルールを守っています。
第二面と第三面も必ず書籍・雑誌の広告であることが暗黙のルールとなっていて、こちらは大手出版社の広告で独占されている場合があり、一部の新聞では第一面が三八広告ではなく、2社の書籍広告が掲載されることがあります。

スポーツ新聞でも書籍・雑誌の広告が第一面の一番下を飾ることがたまに見られますが、TV番組の広告の場合もあります。

夕刊紙の第一面の一番下は、『北海道新聞』のケースでは通販の広告が多く見られ、月末には必ず岩波書店の広告を載せる取り決めになっているようです。

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