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nofrillsさん

【誤情報】蔓延する「ニート」=「和製英語」説

最近,メディアではフリーターやニート(これは和製英語ですから,英語の会話では使わないでください(笑))を例に,……

英語圏で使っても通じない、和製英語 らしい。

ともかくニート(NEET)は Not in Education, Employment or Training の略で ありながら和製英語なんですね。

※3点いずれも検索結果から、典型的なものを抽出。

「フリーター」が「和製英語」であることとの混同、「~らしい」という曖昧な伝聞情報が典型的です。

さらに、現地では「専門用語」なので「一般」には通じないという場合であっても、「通じない」のだから「和製英語」と飛躍して断定する錯誤も見られます。

極端な場合には、「英語圏」と言いつつ「アメリカ」しか見ておらず、「アメリカでは通じない」=「和製英語」と断定する錯誤すら頻繁です。

「ニート」は「英語」です。(アメリカでは使わないかもしれませんし、一般にはあまり使われないかもしれませんが。)

NEET is a government acronym for people currently not in education, employment, or training. It was first used in the United Kingdom but its use has spread to other countries, including Japan, China, and South Korea. People under the designation are called NEETs (or Neets).

つまり、英国のお役所が造語した頭文字略語です。

Etymology

Originally British Government jargon, first attested in the late 1990s. Now spread to Japan and other countries, albeit with different technical definitions.

1990年代の終わりに、英国で、行政分野の「ジャーゴン」(専門用語)として使い始められたものが、日本を含むほかの国に広まった、ということです。むろん行政制度は国により大きく異なりますので、厳密な定義はさまざまです。

A person not in employment, education, or training

定義そのもの。

Neetということばが、実際に用いられている例。

出典kwout.com

行政側から支援のありかたを話し合う会議。NEETと、全部大文字の表記が採用されている(NATOなどと同じく、頭文字略語の扱い)。

See also:
http://nofrills.seesaa.net/article/260673208.html

出典kwout.com

これも学問的な会議。NEETという全部大文字の表記は上と同じ。

See also:
http://nofrills.seesaa.net/article/260673208.html

Too many young people lack the social skills needed to get their first job, says a report on the issue of 'Neets'.

2012年5月23日のBBC記事では、文中の初出箇所にクオーテーション・マーク(引用符)が使われています。つまり、ジャーゴン(専門用語)であることが明示されています。書き手が、引用符なしで通じるほど浸透していることばではないと認識し判断しているのだと思います。

BBC記事に掲載されている記事。Neet levelという表現がなされていることが確認できる。

Being out of work early on in a career has a lasting impact: young men aged between 16 and 18 who are not in education, employment or training (Neets) are four times more likely to be unemployed later in life, five times more likely to have a criminal record and three times more likely to suffer depression than their peers.

これも、お役所の造語時の定義が示され(引用符こそありませんが)、Neetsということばはジャーゴンであるということがはっきりわかるようになっています。

Latest figures show the numbers of so-called Neets — young people like George not in employment, education or training — has soared in some areas of the UK. Experts are already warning the number will continue to rise as Britain struggles through the recession.

'so-called Neets' と、やはりジャーゴンであることが明示され、直後にダッシュで囲んで、語義の説明が付け加えられています。

... youngsters in the 'Neet' category - not in education, employment or training.

これも「ダッシュで定義を書き添える」パターンですね。さらに、Neetという語には引用符が用いられています。

Curtis left school at the early age of 15 and was classed as a NEET – or Not in Employment, Education or Training.

これも同じ、これも「ダッシュで定義を書き添える」パターン。NEETは、これ以上明確にはなりようがないほど明確に、頭文字略語であることが示されています。

All but one of Wales’ 22 local education authorities reported a fall in Year 11 Neets – young people not in education, employment or training – in the year ending October 31, 2011.

同じく、「ダッシュで定義を書き添える」パターンです。(なお、'young people' のyoungも具体的な定義があります。)

[The scheme] is intended to help reduce the number of youngsters not in education, employment or training (NEET).

There are currently 700 teenagers between 16 and 17 classified as NEET.

用語の定義を書いておいて、カッコでNEETという用語を示す、というパターン。上で見たガーディアンの表記と基本的には同じですが、より明確にジャーゴンであることが示されています。(日本語での「原子力安全・保安院(保安院)」、「ソーシャルネットワーキングサービス (SNS)」のような表記に相当。)

... Newcastle – one of the UK’s worst towns for young people classified as Neets: Not in Education, Employment or Training.

More than a quarter of Newcastle’s young people are now Neet. ...

ある程度、この分野に関心があるとかこの分野が専門だという人々の間で読まれる文章だと思いますが、書き手がNeetsというジャーゴンにかなりなじみがあるような雰囲気です。

第2文のNeetは、これ形容詞でしょうかね。定義の 'not in education, employment or training' はそのままbe動詞につながるので、Neetsと複数形にしない、というのは理屈通りですが、「名詞」感が強い語なら、ここはNeetsにするはず。

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このまとめへのコメント2

  • nofrillsさん|2012.05.23

    枠を全部使い切ってなければ……あっ、1つ余ってますね。入れておきます。多謝です。> ozero_rgfxさん
    (あの本の「言うな!」は「和製英語」云々とはまた別の概念での「言うな!」ですが)

  • ozero_rgfxさん|2012.05.23

    書籍「ニートって言うな!」も付け加えるべきところ?

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