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池上彰も教えなかった!生活保護はアリ地獄。自立出来ない仕組みは行政にあり!【河本準一】

河本準一さんの報道で、生活保護がクローズアップされつつある昨今。「マジメに働くより生活保護を受給した方がマシだ」という、あたかもメリットであるかのように聞こえる部分のみを強調した報道の中、誰も教えない「自立できない本当の理由」を暴く!

更新日: 2012年06月28日

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まず、皆さんの批判の矛先を推察する!

近年、歯止めの掛からない不景気の連鎖に雇用の不安定さ。
こうしたストレスから、自分自身で精一杯の方は非常に多いと思います。

そんな時、生活保護の不正受給者の話題を耳にした途端、「生活保護なんか廃止しろ!」という感情的な議論が、この先どのような影響を及ぼすのかを考えないまま本当に廃止になってしまったら…

廃止後、もしあなた自身が困窮した途端、そこには「死」しかありません。

日本国憲法では、そのように困窮した方たちを、25条により法律で守っています。

そこで、皆さんの不満点である、「不正受給」と「不公平感」この2つを中心に、あの「池上彰」でさえも、一切教えなかった真実を今からまとめたいと思います。

【重要】河本準一は、不正受給ではない!

報道では、「河本準一、生活保護不正受給問題」という記事が世間の注目を集めましたが、批判するしない以前に、まず「法律違反ではない」ということを頭に入れる必要があります。

根拠として、河本本人は、「役場の担当者と話し合いをしたうえで許可を得た」という点。

つまり、「許可を得た」ということは法律違反には当たらないのです。
法律違反であれば、受給は既に打ち切られているはずです。

世間やマスコミは、河本の5,000万円という年収に目をつけて、道徳的観点から扶養義務違反を主張していますが、上記のように、担当者と話し合ったうえで現在の結論に至っているわけなので、皆さんが批判すべき点は「制度」そのものであり、河本本人では全くないのです。

例えるなら、もしもあなたが信号無視をしたとしても、警察に見られさえしなければ法律的には罰せられませんが、法律違反には変わりありませんよね?

ですが、周りに「信号無視見たぞ!法律違反だろ!」と言われた場合、あなたはどう思いますか?

少なくとも、警察に見られていないということは、法律的な観点から見れば法律違反にはあたらないのです。

つまり法律とは、言い方は悪いですが、「バレさえしなければ何をやってもよい」という結論になります。道徳的な観点は、法律の場面では全く関係性はありません。

最近の身近なケースで言えば、「パワハラ」がこれに該当します。

被害に遭った方に証拠がなければ、例えパワハラの事実があったとしても、証明できない=法的には何も問うことはできなのです。

よって、河本自身が、「不正受給」という理由で批判を浴びる理由は、担当者から制度上許可を得ている時点でどこにも見当たらないのです。(法律的観点からみて)

不正受給者の割合は、全体のわずか「0.4%」

マスコミは、不正受給額を伝える際に、このような報道の仕方でした。

「過去最悪。不正受給額129億円!」

これだけを見て、「全体のいくら何だろう?」という発想を皆さんには持って頂きたいのです。

現在、政府から公表されているデータとして…

「2010年度の生活保護費は総額3兆3300億円で、不正受給分はこの約0.4%にあたる129億円である。」としています。

つまり、政府が把握している、この0.4%を見ただけで、残りの99.6%の受給者が非難される現状にあるのです。

この数字だけを見れば、この制度がどれだけ真っ当に運営されているのかが伺えます。

「例え0.4%だったとしても不正は不正。私たちの129億円もの無駄な税金を返して!」と叫びたくなる気持ちもあるでしょう。

実は、不正受給を行った場合には、きちんと返還すべき対処法が「生活保護法」の中に明記されているのです。

とりあえず、こちらを見て怒りを静めましょう。

生活保護世帯のうち、働けない世帯に該当するのは、約「75%」

「昨年(平成23年)11月に保護を受けた類型別世帯数は、

高齢者世帯=637,584
母子世帯=114,909
障害者世帯=170,948
傷病者世帯=321,905

その他の世帯=256,218となっている。このうち、高齢者・障害者・傷病者は「働けない」と推定されるので、割合を算出すると(637584+170948+321905)/1507940×100=約75.0%。4分の3が働けない世帯と推定される。」

という政府のデータを下に算出した結果がまとめてあります。

最新のデータでも、20代~50代の中で、「働ける世代」とされる部分も、全体の16.1%ということは、やはり「働けない」と状態の方々が受給をしている以上、「生活保護廃止論」は絶対にあってはならないと言えます。

マスコミの煽る、「不正受給者」の報道だけを鵜呑みにするのは、とりあえず止めましょう。

生活保護の捕捉率は20%程度とされ、他の先進諸国と比べて低水準

「捕捉率」とは、本当に必要な人にお金が行き届いているかを判断する率

驚くことに、日本は、この「捕捉率」を調べていない。

これだけでも、河本本人ではなく、制度そのものに問題があることが分かるだろう。

朝日新聞が報じた内容によると、

「複数の研究者が独自に試算した結果、日本はいずれも10~20%程度。これに対し、日本弁護士連合会が各国の似た制度を調べたところ、英国が87%、ドイツが85~90%などと高かった。」

つまり、日本の捕捉率が2割ということは、残り8割の本来制度によって救われるべき人が見落とされてしまっている。という現状こそ、皆さんが目を向けるべき本当の部分なのではないでしょうか?

「本当に必要な人」に行き渡っているならいいけど…

よく、生活保護の問題の中で、テレビやネット上で多くの方が口にするこの言葉。

しかし、「本当に必要な人」を見極める方法は一体何があるでしょうか?
答えられる人は絶対にいないでしょう。

以前、北九州市で発生した、最近の報道で皆さんの記憶にも新しいであろう「餓死事件」

これは、「本来必要な人」であったはずの受給者が、国によって保護を打ち切られてしまったために起こった悲惨な事件ですが、亡くなったという結果だけを見て、「この人には必要だったのに、必要でない人たちに行き渡っている」と解釈するのは間違っています。

なぜなら、行政そのものが、「必要な人である」という判断を誤った、というより出来なかったのです。

生活保護はアリ地獄!!

それでは、これまでのことを簡単にまとめると…

■:報道されている「不正受給者」の割合は、全体の約0.4%。
■:不正受給と判断されれば、返還命令がなされ、返金を求められる法律がある。
■:本当に働けない受給者が75%であり、いわゆる「働ける世代」も、全体の約16.1%である。
■:それでいて、本当に必要な人へ行き届いているかを調査する機関が国にはない。

以上のことを理解して頂けたと思います。

このように、生活保護へ対する誤解を解いたうえで、ようやく本題に入ります。

生活保護の受給者は年々増していますが、その背景には、皆さんも感じている不景気、そして雇用の不安定が受給者率を後押ししてしまっている現状があります。

これは、受給者が増えてしまう構図に世の中がなっているからだと言えます。

「年々増えるのは、怠け者が申請しまくっているからだろ!」と言いたい気持ちを抑えて、どうか冷静にこちらを見て頂きたいと思います。

生活保護は、抜け出すことが非常に困難な「アリ地獄」なのです…。

我々には、生存権の他に、「納税の義務」があります。

まず、生存権に関しては今回のテーマである「生活保護」

生活保護は、受給者の「自立」を目的とした制度ですから、当然に、自立できると認められると、「納税ができる」という見方になります。納税が出来ないと国家は破綻してしまうからです。

しかし!受給者が後を絶たない背景、逆に言えば、”なぜ減らないのか?”ということもまた考えなければなりません。

受給者がだらしない?いえいえ、政府は0.4%と言っています。

ここでひとつ言いたい。

「生活保護は、自立出来ないシステムになっている!」と…

働いたお金は保護費から全額没収!結果的に、生活費は常に同じである。【超重要】

例えば、両親2人に高校1年生の子供一人の計3人、生活費として20万円受給していたとしよう。

両親は働けないが、子供はまだ高校1年。本来ならば、学問に励んでもらいたいところだが、役所の担当者(以下、ケースワーカー)は、最低でも月1で自宅を訪問し、「まだ働けませんか?」という確認にやって来る。

そこで、両親が働けないと分かると、次に、「息子さんはバイトぐらいはできないでしょうか?」と尋ねてくる。

簡単に言うと、保護費の回収は、誰かが働けば回収できると考えているわけで、どうにか働かせたいのである。

結果、仮に、息子がバイトで10万円稼いだとしよう。

すると、20万円ー10万円=10万円を保護費として支給することになる。

もうお分かり頂けただろう。
つまり、生活費は以前と同じ20万円のまま、息子が働くことで勉強に励むことはできず、基本的には、生活保護受給者の中に大学へ進学する人はいないそうだ。

そして、先ほどの話に戻る。

今の日本は、大学卒が溢れ、未だに「就職氷河期」と言われる中、必至になって働き口を探している。

大卒でも仕事がない時代に、高卒、あるいは中卒に、果たして納税が出来るほどの働き口があるのだろうか?

先の親子の例で行くと、息子は例え勉強がしたくてもケースワーカーはバイトを勧める。

それでいて、お金は全額引かれ、勉強はできない。

ここからが恐ろしいのだが、とにかくこれを読めば、いかに制度に問題があるのかが理解できるだろう。

18歳になった子供は、扶養義務から外れ保護費は停止!世帯分離を求められる!

子供は、18歳になると、親の扶養義務から外れ、息子の分だけ保護費は打ち切られる。
いわゆる、「強制自立」だ。

18歳では、当然に自立したと解釈されるので、この時点で大学進学などは諦め、9割方「バイト」という道しか残されていない。

さらに追い討ちをかけるのが、この「世帯分離」だ。

自立をした人間が、両親のもとで生活をするとなると、両親の保護費で、自立したはずの息子が生活を送っていることになります。

「これでは不正と言われても仕方がない」というのが、役所の見方。

両親と分離、つまり、「家から出て一人立ちしなさい」ということになるのだが、保護を受けた両親は、身内に頼ることが出来ずに、最後にセーフティーネットとして保護を受給している。

それなのに、一人で家を出る息子の賃貸契約の保証人になってくれると思いますか?ってことです。

家をただ出るのではなく、生活するためには住居が必要です。
バイト代月10万円の子供に、保証人なしで賃貸をする業者がどこにあるでしょうか?

結果的に息子は、「保証人も探せず、住む家もないので、実家に居させてください」と、こうなります。

18歳を過ぎた時点で保護費は打ち切られていますので、息子の保護費が月5万円と仮定した場合、3人が15万円で生活することになります。以前は20万円もらっていましたので、当然生活は苦しくなります。

そこで息子は、「もっと稼ぎのある職に就きたい!」と思ったとしても、高卒、もしくは中卒の学歴で働かせてくれる仕事はバイト程度ですし、さらに車の所有を制度によって禁止されているため、仕事の幅は大きく狭まることになります。

結局、月10万円のバイトをすることによって、15万円ー10万円=5万円の保護費しか支給されず、永遠に15万円で3人が生活をせざるを得ないという悪循環が生まれます。

ここまで理解したうえで、どれだけの人が受給者を非難してきたでしょうか?

この現実を見て、それでもまだ、「生活保護は廃止しろ!」と言えますか?

ここからがようやく、生活保護という制度が、どれだけアリ地獄のように抜け出せないのかがお分かり頂けると思う。

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おまかせくんさん

時事ネタを主にまとめつつ、法律に関する知識をお届けし、少しでも有益な情報を皆さんが得られるよう努めて参ります。それでは皆さん、宜しくお願い致します♪