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著作権法改正案と海外の著作権の実態とネットや新聞の反応と今後の展望

CDやDVDが売れると思っている人はほとんどいないようです。これらがマルチデバイスへ向かっていることは誰もが認めているようです。6/24追記:youtubeなどの視聴が違法かどうかの意見・反応/スマートフォンにおける著作権

更新日: 2012年06月24日

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yamakiyoさん

著作権法改正に関して、波紋が広がっているようです。国内のいくつかの反応と外国の現状、コンテンツサービスの現状をまとめました。

著作権法改正法案とはどういうものか?

要するに……

政府が文部科学委員会に提出した改正案は、

デジタル化・ネットワーク化の進展にともない著作物の利用態様が多様化していることや、

著作物の違法利用・流通に対応したもので、

(1) いわゆる「写り込み」等、実害のない著作物の無許諾利用の許容

(2) 国立国会図書館によるデジタル化資料の自動公衆送信に係る規定

(3)公文書等の管理に関する法律に基づく利用に係る規定

(4)いわゆる「リッピング違法化」等、技術的保護手段に係る規定の整備

などを含んでおり、同委員会で全会一致で採択された。

さらに、同委員会には、自公両党から、先の2009年の著作権法改正(2010年1月施行)で違法化されたが罰則適用はなかった、「違法著作物のダウンロード」に、刑事罰を導入するとの修正案が提出され、賛成多数で可決された。そして、午後の本会議では、修正案も含めたかたちで、著作権法改正案が賛成多数で可決された。

マジコンも規制されます。

1)暗号によるアクセスコントロール技術が施された市販DVDやゲームソフトを、PCのDVDリッピングソフトやマジコンを使ってリッピング・吸い出す行為が私的複製の範囲外になり、規制の対象になった。

2)アクセスコントロール技術を解除する「マジコン」やDVDリッピングソフトの販売などが禁止された。

3)違法にアップロードされた音楽ファイルなどを違法と知りながらダウンロードする行為が刑罰の対象になった。

著作物と著作権者

著作物の定義を改めて↓

第十条 この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
二 音楽の著作物
三 舞踊又は無言劇の著作物
四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
五 建築の著作物
六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
七 映画の著作物
八 写真の著作物
九 プログラムの著作物

2 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない。
3 第一項第九号に掲げる著作物に対するこの法律による保護は、その著作物を作成するために用いるプログラム言語、規約及び解法に及ばない。この場合において、これらの用語の意義は、次の各号に定めるところによる。

一 プログラム言語
プログラムを表現する手段としての文字その他の記号及びその体系をいう。
二 規約
特定のプログラムにおける前号のプログラム言語の用法についての特別の約束をいう。
三 解法
プログラムにおける電子計算機に対する指令の組合せの方法をいう。

文部科学省:著作権法の一部を改正する法律案(参照条文) (PDF:256KB) http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/detail/1318798.htm

我が国の著作権法においては、二つの場合について、知的労働を行った創作者本人ではなく、その雇用者あるいは制作指揮者に権利が発生することになっています。それは、雇用関係の下における職務著作の場合*15と、映画の著作物の制作に関わる場合です*16。

*15 著作権法第15条
法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、(中略)その法人等とする。
二 法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、(中略)その法人等とする。

*16 著作権法第16条
映画の著作物の著作者は、その映画の著作物において翻案され、又は複製された小説、脚本、音楽その他の著作物の著作者を除き、制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者とする。ただし、前条(著者注 第15条)の規定の適用がある場合は、この限りでない。

第29条
映画の著作物(第15条第1項、次項又は第3項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権は、その著作者が映画製作者に対し当該映画の著作物の製作に参加することを約束しているときは、当該映画製作者に帰属する。

世間の反応

一般社団法人 日本レコード協会 広報部

2010年の当協会の調査では43.6億ファイルもの音楽や映像が動画共有サイトやP2Pファイル共有ソフト等を介して、不正にダウンロードされていると推定されており(*1)、このような実態が音楽創造のサイクルに重大な影響を及ぼしているため、他の音楽関係団体とともに今回の法改正の必要性を訴えて参りました。
今般、著作権法の一部を改正する法律案が可決、成立したことを歓迎すると共に、これまでの関係各位のご支援に深く感謝申し上げます。
今後は、今年10月1日の改正法施行(*2)に向けて、改正の趣旨を十分に周知するための広報活動等に積極的に取り組んで参ります。

*;1 2011年3月9日に公表した「違法配信に関する利用実態調査」結果参照
   (http://www.riaj.or.jp/release/2011/pr110309.html

*;2 今回成立した著作権法の一部を改正する法律案のうち、「私的違法ダウンロード
   の罰則化」と「著作権等の技術的保護手段に係る規定の整備」は今年10月1日
   が施行期日です(それ以外の改正法の施行期日は来年1月1日です)。

MIAU(インターネットユーザー協会)の反応

MIAUは、以下の4つの論点から反対を表明している。

1)摘発されるのは理解していない子どもたちである。
2)違法・合法の区別がつけられない。
3)捜査権の濫用を招く恐れがある。
4)慎重な議論が必要である。

1)については、権利者側が違法ダウンロードの主体とみなしているのは中高生だが、その約半数が、いまだにダウンロード違法化を知らないと指摘。

2)については、ネット上のファイルは外見から適法・違法の区別がつかず、業界団体が合法ダウンロードサイトを区別するために設定した「Lマーク」の周知が十分でないこと、国外事業者が運営するダウンロードサイトでは、合法でもエルマークを付ける責務はなく、エルマークによる区別が機能しないとしている。

3)については、日本で参加の是非が議論されているTPPでは、著作権侵害の非親告罪化が要求項目に上がっていると指摘。その上で、すべての違法ダウンロード者摘発は非現実的で、「違法ダウンロードの疑い」によるでPC押収など、著作権法を口実にした別件捜査に利用される余地があり、著しく公平性を欠く運用や、ネット利用者のプライバシー侵害の恐れがあるとしている。

4)については、今回の著作権法改正はもともと、違法ダウンロード刑事罰化を含まない改正案に、野党が議員立法による修正案として提出すると指摘。

日本弁護士連合会の反応

当連合会は、昨年12月15日付けで「違法ダウンロードに対する刑事罰の導入に関する意見書」を取りまとめ、違法ダウンロードはコンテンツ産業の健全な成長を阻害するおそれのある由々しき問題であるとの認識を持ちつつも、直ちに刑事罰を導入することに対しては反対の意見を表明した。

違法ダウンロードに対する刑事罰の導入に関する意見書(PDF)
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/111215_5.pdf

ニュース・新聞の意見

一方海外では……

上記サイトの続き(細かいことは中を参照)

オランダ議会も、市場規模がどうこう言うより、ダウンロード違法化・犯罪化のようなやり方が自由でオープンなインターネットに反すること、プライバシーや表現の自由の観点から問題があること、告発・訴訟の乱発・濫用の懸念があることなどを正しく認識してダウンロード違法化・犯罪化をしないと決定している。

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