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元SMBC日興証券執行役員はなぜ懲戒解雇されたのか

SMBC日興証券の元執行役員によるインサイダー事件で、 昨年9月に行われた証券取引等監視委員会の強制調査をきっかけに実施した社内調査で判明。吉岡容疑者が流出の事実を認めたため、今年5月23日付で懲戒解雇したという。なぜ解雇されたのかまとめてみた。

更新日: 2012年06月26日

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july701さん

SMBC日興証券(旧日興コーディアル証券)の執行役員も関与した疑い

ワイン商社の株式をめぐり、横浜市の不動産会社社長がインサイダー取引をした疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が社長宅などを強制調査していたことが6日、分かった。SMBC日興証券(旧日興コーディアル証券)の執行役員も関与した疑いがあるとして、証取委は同社と役員宅も強制調査した。

 市場関係者によると、東証2部に上場していたワイン商社「エノテカ」がことし2月に経営陣による自社買収を発表。旧日興コーディアル証券が担当したことから、執行役員は発表前にこの情報を不動産会社社長に伝え、社長は本人名義の証券口座を通じてエノテカ株を買い付けた疑いが持たれている。

株取引は約30銘柄に上り、その大半について吉岡容疑者が内部情報を把握できる立場だった

SMBC日興証券(旧日興コーディアル証券)元執行役員らによるインサイダー取引事件で、吉岡宏芳容疑者(50)の執行役員就任後、逮捕された金融会社社長が行った株取引は約30銘柄に上り、その大半について吉岡容疑者が内部情報を把握できる立場だったことが26日、捜査関係者の話で分かった。
 横浜地検と証券取引等監視委員会は、吉岡容疑者が逮捕容疑以外にも、多数の銘柄について常習的に情報を漏らしていた疑いがあるとみて、全容解明を進めている。
 吉岡容疑者は三井住友銀行出身で、同行の子会社となった旧日興コーディアル証券の執行役員に、2009年10月に就任した。

市場の透明性を高め、投資家保護を強化するため金融商品取引法が成立。インサイダー取引などを禁じている。

日興は公開買付代理人として関与

10月6日の日経新聞ニュースによりますと、SMBC日興証券の社員(執行役員)が、今年2月、エノテカ社のMBOに関する情報を、公表前に知人金融会社役員に伝え、当該金融会社役員がエノテカ株式を購入、公表後に売却したとして、当該金融会社役員とともにインサイダー疑惑で強制捜査の対象となっているとのこと。ちなみに日興さんは公開買付代理人として関与していたものです。

疑惑の値動きが調査の対象

SESCさんが、すべてのインサイダー事件を摘発できるかどうかは別にして、リスク・アプローチによる調査手法からすれば、賛同意見表明型のMBO事案(関係者が未公表情報を共有する範囲が広い)、しかも株主から相当に批判の出た事案(上場から廃止までの期間が非常に短い)において、疑惑の値動きが調査の対象になることはむしろ当然のことではないかと思われます(元々、取引所の審査にひっかかったのか、SESC独自の調査によるのかはわかりませんが)。

チャイニーズウォールが機能しなかった、とすれば一大事

気になるのは、日興証券側のチャイニーズウォールですが、上記の日経ニュースによると、疑惑の執行役員さんは投資銀行部門を統括されておられるようですから、もともとM&A事案については情報が集約されてくる立場にあるのでしょうね。したがってneed to knowのルールが破られた、というわけではないようです。(チャイニーズウォールが機能しなかった、とすれば一大事ですね(^^; )ただ2009年ころから、当該金融会社役員の方が未公表情報によって売買を繰り返していた、と報じられているところは気になりますが。。。

証券会社の場合は、単なる個人の犯罪では済まない

他の案件の主幹事証券たる地位に影響する等、証券会社の場合は、単なる個人の犯罪では済まないと思いますので、今後のSESCさんの調査が気になるところです。そういえば、特別調査案件といえば、3が月前ころに、あの経産省幹部のインサイダー疑惑がありましたが、その後、どうなったんでしょうね。西友インサイダー事件のように、結構「落としどころ」がしんどい状況になっているのでしょうかね?

吉岡容疑者は日興の執行役員投資銀行副本部長として、株価に影響を与えるMBOやTOB(株式公開買い付け)などの重要情報を公表前に把握できる立場にあった。

吉岡容疑者は日興出向前の三井住友銀行にいたころに金容疑者と知り合い、行員当時も顧客情報を流出させるなど親密な交際を続けていた。

SMBC日興証券の元執行役員らによるインサイダー取引事件で、逮捕された元執行役員、吉岡宏芳容疑者(50)は物流会社「バンテック」の株式公開買い付け(TOB)に関する公表前の内部情報を得た当日に、横浜市の金融会社社長、金次成容疑者(66)らに情報を電話で伝えていたことが25日、捜査関係者への取材で分かった。吉岡容疑者は日興出向前の三井住友銀行にいたころに金容疑者と知り合い、行員当時も顧客情報を流出させるなど親密な交際を続けていた。

吉岡容疑者は昭和59年に旧住友銀行(現三井住友銀行)に入行。主に企業融資を行う法人営業部門に在籍し、東京都港区内の支店で法人営業部長を務めるなど出世街道を歩む“エリート行員”だった。

関係者によると、吉岡容疑者が銀行員時代から金容疑者との付き合いがあり、金容疑者らとの間に融資トラブルが発生していたという。融資トラブルをめぐり、金容疑者が損失をかぶったとされ、その損失を穴埋めするために吉岡容疑者が金容疑者らに対して繰り返し内部情報を漏洩(ろうえい)していたとみられる。

昨年9月に行われた証券取引等監視委員会の強制調査をきっかけに実施した社内調査で判明。吉岡容疑者が流出の事実を認めたため、今年5月23日付で懲戒解雇

三井住友銀行によると、吉岡容疑者は同行法人企業統括部副部長だった平成15年から19年までの間、顧客の企業情報1件を金容疑者に漏洩させていた。昨年9月に行われた証券取引等監視委員会の強制調査をきっかけに実施した社内調査で判明。吉岡容疑者が流出の事実を認めたため、今年5月23日付で懲戒解雇したという。

同行は「インサイダー情報でないとまでは言い切れず、就業規則上の懲戒解雇事由にあたるために処分した」としている。

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