1. まとめトップ

美しい星空は誰のもの?ニュージーランド、星空を世界遺産に。

これまで選ばれてきた世界遺産の中に「星空」は存在しません。住民たちはこの環境がユネスコ世界遺産に登録されるよう願っており、実現すれば星空の景観として初の快挙となる。

更新日: 2012年07月02日

127 お気に入り 37021 view
お気に入り追加

この記事は私がまとめました

TicTacさん

ニュージーランド南島、 人口400人のテカポ。世界一美しい星空の見える村

テカポは、ニュージーランドでも指折りの星空観察に適した土地です。湖を見下ろす小高い山、マウント・ジョンの頂上には、1965年に天文台が置かれました。このマウント・ジョン天文台は世界最南端の天文台です。

晴天率も高く、乾燥していて空気が澄み、大きな都市が近くにないために街明かりも少ない。それでいて、何千メートルもの高地に登ったりすることなく、誰でも簡単に満天の星を眺めることができる場所なのです。

テカポが世界初の「スターライト・リザーブ(星空保護区)」として指定されることで、ニュージーランドに限らず世界の人々、とりわけ子どもたちの星空への科学的な関心、さらには、科学全般への関心が高まることが期待できる。

湖と教会の景観で知られるテカポに、「星空の美しい村」という評判を新たに生み出した人がいます。この村で15年ほど前に星空ガイドを始めた日本人、小澤英之さんです。

テカポでスターウォッチング・ツアーを始めた小澤英之さん。最初は奥さんと2人きりで始めたが、いまでは15人のスタッフを抱えるまでに........

マウント・ジョン頂上の「アストロ・カフェ」。「テカポの星空を見たい」と国内外からたくさんの人が訪れる。

北半球で暮らす私たちには見られない星も多く、その代表が南十字星。季節によっては天の川が頭の真上を横切り、天文ファンならずとも夢中で夜空を見上げてしまいます。

息を呑むような星空が広がります。星空を見上げているというより、星のなかに放り込まれたような気分です。

世界遺産条約では、「歴史」や「芸術」や「自然保護」の観点からだけでなく、「科学」の観点からも世界遺産に値するかどうかを検討すると謳っているのに、科学を軸にした世界遺産はこれまでにないのです。

世界遺産化は、僕たちのやっている、天文という科学の分野と旅という娯楽の分野が融合した『アストロ・ツーリズム』を強く後押ししてくれるだろう。

マウント・ジョンには5基の天体望遠鏡があり、MOA-II望遠鏡と呼ばれるニュージーランド国内最大の望遠鏡は、名古屋大学が運用しています。ここでは、北半球では見られない「銀河の中心」とマゼラン星雲をターゲットにして、太陽系の外にある惑星や暗黒物質を探しています。

ニュージーランドは、ポリネシアから船でやってきたマオリの人々が発見した土地。マオリにとって星は、航海の際には船の行き先を示し、陸では暦となって農耕の時期を教えてくれる、きわめて重要な存在です。白人で最初にここへ到達したクック船長も星に導かれてやってきました。この国を作った星は、まさに私たちニュージーランド人の遺産です。

夜のマウント・ジョン頂上。天の川をバックに南十字星が輝く。建物の床に寝転がって星を眺めることもできる

1