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あまり知られていないオスプレイの「魔の瞬間」

沖縄県宜野湾市の普天間基地に配備されることが決まった垂直離着陸輸送機オスプレイ。墜落事故が多く、日本での配備に反対を唱える人は多い。なぜこのような事故が多いのか。そこには操縦者の「人為的ミス」ではないオスプレイの「魔の瞬間」にあった?

更新日: 2012年07月09日

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▼ オスプレイの特徴

ヘリコプターの利点である垂直離着陸と固定翼機の利点である長い航続距離や速さを持ち合わせている

ヘリコプターのように垂直に離着陸することができ、飛行中は、固定翼航空機として高速で、したがって同じ燃料でより長距離を飛行することができる。
ヘリコプターとプロペラ機の両面を備えた「すぐれもの」で、海兵隊の多様な作戦ニーズにも適応している。

主翼の両端に大型の回転翼を装着したターボシャフトエンジンを装備し、このエンジンの角度を垂直にかえることによって垂直離着陸を可能としている

巡航時にはエンジンを完全に水平にすることによって通常の飛行機と同じように飛ぶことが可能である

ただしオスプレイの回転翼は大型のため完全に前方に向けてしまうと地面に擦ってしまう
そのため回転翼は幾分斜め上に向けて飛行する場合が多い

回転翼は広い面積を有し十分な揚力を得られるので、水平飛行時は通常の固定翼機に比べゆっくりな回転を示している

片方のエンジンが止まった場合でも、稼動している側のエンジンによって2つの回転翼を回すことが可能となっている。

垂直離着陸時に片方の回転翼が停止した際の墜落を防ぐために、左右の回転翼駆動軸間を連結シャフトでつないでいる

このため、離着陸時の墜落事故は回避できるように思われているが、実際は乗員が死亡する墜落事故が起きており、日本政府は事故の情報提供を要請している。

▼ 480m落下!?オスプレイの「魔の瞬間」とは

回転翼から固定翼へ、またはその逆の転移がスムーズにいくかどうか

特に、着陸時の速度コントロールは、どんな飛行機でも難しい。
早すぎれば着陸できないし、遅すぎれば失速して揚力を失う。
オスプレイの場合、そこに、回転翼の角度を水平から垂直に変える操作が加わるため、難しさが倍増する。

滑空して着陸することも可能だが、ヘリコプター・モードから固定翼機モードへの切り替えには12秒かかり、その間に機体は最低でも約480メートル落下する

2012年4月のモロッコでの墜落事故、同年6月のアメリカ合衆国フロリダ州での墜落事故は両方ともヘリコプター・モードから固定翼機モードへの切り替えの最中に起こったものであった。

このような事故は、マニュアル通りの操作をすれば防ぐことができる

だが、実際の飛行では、急な風向きの変化がある。編隊飛行では、僚機の予期しない姿勢変化への対応も必要となり、マニュアル通りの操作では済まない場合がある。

オスプレイが、固定翼から回転翼に転移する過程においては、理論上、固定翼機でも回転翼機でもなくなる「魔の瞬間」があるため、不意の操作に対する許容度は少ない

まして作戦行動となれば、天候や風向きを選ぶわけにはいかず、想定されない敵の銃撃など、通常の離着陸とはかけはなれた運用が要求されるため、「人為的ミス」の確率は大きい。

「専門家の軍人(パイロット)が操作しても事故を起こすなら、(それは、機体の設計自体に)問題がある」

機体に問題がないのであれば、安全性の説明は、「人がミスを起こさない」ことを証明しなければならず、理論上不可能だろう。

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