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新聞が「澤穂希」を「沢」と書き「長澤まさみ」を「長沢」と書かない理由

新聞で「澤穂希」が「沢穂希」と書かれていて違和感を持った方も多いのではないでしょうか。なぜ「沢」なのか?そして、「長澤まさみ」は、なぜ「長沢」とは書かれないのか。

更新日: 2018年07月05日

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rinqoo1976さん

テレビでは「澤」と表記されていますが、新聞では「沢」となっています。これは、どちらかが正しくてどちらかが誤りという、単純な話ではありません。

▼なぜ新聞は「澤穂希」を「沢穂希」と書くのか?

新聞で使う漢字は原則として内閣が示した常用漢字表の1945字

使えない字は澤のほかに壽、廣、眞などがあってそれぞれ寿、広、真を使う。ほかにも日常的に使用されているにもかかわらず使えない字がここに書き切れないほどたくさんあって閉口する

新聞などは、なるべく誰でも読めるように-という方針のもと、常用漢字以外の漢字の使用は原則として避けています。
そして、ひとつの漢字はひとつの字体で、というのが、大原則です。
したがって「澤」も、「沢」と表記するのです。

新聞各社では「用字の統一」という決まりがあって、それぞれ使用する漢字を限定しており、新旧字体の違いの場合は新字を使用することが多い。

▼常用漢字(当用漢字)とは

戦後、漢字の使用を制限する目的で「当用漢字」(常用漢字の前身)が制定されたとき、それまでの字体をかなり簡略化する措置がとられました。

「醫」が「医」に、「樂」が「楽」に、「榮」が「栄」に…などの例はよく知られていると思います。簡略化する前の字体を「正字」、簡略後の当用漢字の字体を「新字」といいます。このとき、「澤」も、当用漢字入りするにともない「沢」となりました。

▼「澤」と「沢」どちらも正しい

しかし、戸籍上は明治初期に書かれたものが原本であるため、この時に手書きで書かれた字体が今もって正式である。つまり、名字的には、この2つには違いはない。

▼芸能人は特別扱い?「長澤まさみ」は「長沢まさみ」と書かれない

これが芸能人では掌を返したかのように正式表記になる。
例えば女優の長澤まさみ。
産経新聞は彼女の名前を長沢とは略字表記しないで、長澤まさみと正式表記している。
これでは統一ルールから外れる。

※「長沢まさみ」と書いている新聞もある(ニッカンなど)

原則には例外がつきもので、たとえば「ぜひ正字で」という文化人、たとえば「倉本聰」などは、決して新聞各紙では「倉本聡」とはしません。「竜」と「龍」など、あまりに字体が異なるものも、別扱いを認めています。

▼常用漢字しか使わない新聞の裏事情

別の理由で新聞社が対応したくない理由が有るようにも感じます。
それは、「面倒である」という亊。
たとえば、「櫻」「濱」レベルであれば文字化けの虞は有りません。
しかし、浜田雅功さんの本名に使われる「濵」や、德永さん、德光和夫さんの正式な「德」となれば文字化けのリスクは大いに有りますし、德永さんの「草冠が+ +の英」、古舘さんの正式な「舎官」一文字の「舘」などは、外字を使わなければ対応できません。

スピードと正確性を求められる新聞は、できる限りルールを設けて間違いなく早く新聞を作る必要がある。そのためには「面倒である」ことは極力排除しなくてはならないのかもしれない。

▼このままで良いのか?

表記が難しいから使わないことにしよう―というのは、先人が営々と築いてきた日本文化の衰退につながるように思える

いくら固有名詞だからといって、本人が主張する字体を無原則に認めていくと、人工的な漢字がつくられるなどして、際限がなくなってしまう可能性もあります。

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