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「あらすじ300文字」で味わう日本の名作文学

知ってるようで意外と知らない日本の名作のあらすじをまとめました。あらすじに触れるだけでも、あなたの生活は豊かになるはずです。ぜひ、お楽しみください。

更新日: 2015年05月20日

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この記事は私がまとめました

one_for_allさん

生まれて間もなく捨てられた名もない吾輩(猫)が、苦沙弥先生の家に転がり込む。

人間は不徳なものだと車屋の”黒”から教えられた吾輩は、人間観察を鋭くする。主人の門下生・寒月、美学者の迷亭、詩人の東風などがやって来ては太平楽や俗世間に対する攻撃などを並べて語り、さまざまな人間模様が垣間見える。

最後に吾輩は水がめに落ち、南無阿弥陀仏を唱えながら死んでいく。

大学を卒業して帰省した私のもとに、先生からの痛切な遺書が届く。先生は学生時代、未亡人と美しい御嬢さんのいる自分の下宿に、困窮していた親友のKを同居させた。

あるとき、Kから、御嬢さんへの恋慕の思いを打ち明けられて驚き、Kを出し抜いて奥さんに自分と御嬢さんとの結婚の許しを得る。恋人を奪われたことを知ったKは自殺してしまう。

先生は結婚した後もKの幻影に苦しみ、罪と恥の意識が孤独感となり、Kの心情を深く理解して自殺を遂げる。

熊本の高等学校を出て、大学へ入るために上京した小川三四郎。彼にとって、見るもの聞くものすべてが驚きの連続だった。

彼の前に、同郷の先輩・野々宮、友人の佐々木、”偉大なる暗闇”と呼ばれる広田先生、里見美禰子らが現れる。

三四郎は、美禰子に心ひかれるが、彼女は「無意識の偽善者(アンコンシアス・ヒポクリット)」という女性の”謎”を感じさせ、三四郎は迷わされ、傷つけられてしまう。結局、彼女は平凡で常識的な結婚に踏み切っていく。三四郎は、彼女から聞いた「迷羊(ストレイ・シープ)」という言葉を繰り返す。

長井代助は、かつて恋人の三千代を、義侠心から友人の平岡に譲った。しかし、その後も彼女への愛はますます深まるばかりで、そうした無意識の偽善に悔いた。そして、あくまで自己の自然に従って生きるのを第一と考えるようになり、”高等遊民”の生活を過ごしていた。

平岡夫妻は大阪で失敗し、3年を経て帰京、しかも夫婦の間には亀裂さえ生じているのを知った代助。あらためて三千代への愛を自覚した彼は、三千代に胸の思いを告白、三千代は泣いてそれを受け入れる。しかし、自己の自然に従うこの行為は、周囲の常識や道徳への真っ向からの対立を意味し、不安にかられた代助は職を求めて炎天下の街頭に飛び出していく。

俗世間から逃避して非人情の旅に遊ぶことを念願する青年画家が、春の山路を越えて那古井の温泉にたどり着く。その宿の那美という才知ある美しい女性と知り合い、彼女の顔に絵心を練ようとする。

閑寂な舞台を破るかのような、奔放な那美の言動。ある日、出征兵士を見送る駅頭で、零落した先夫に出会った瞬間の那美の表情の”憐れ”に、青年は一枚の絵を胸中に完成させる。

戦争が激しさを増すなか、30歳半ばになった”私”は、ふるさとを見ておきたいとの思いから、ある年の春、津軽半島1周の旅をする。

あちらこちらの土地で、旧友・恩人をはじめ多くの津軽の人々との心温まる出会いがあった。

とりわけこの旅の最終地・小泊(こどまり)で、昔の子守りだった”たけ”と再会する。

そして昔と変わらない「強くて不遠慮な愛情」を示す”たけ”に対し、「ああ、私はたけに似ている」と実感する。

伊豆の旅に出た一高生の私は、天城峠で出会った踊り子の清純な姿にひかれ、その旅芸人の一行と下田まで道づれとなる。

瞳の美しい薫(かおる)という名の踊り子は14歳、おとなびて見えるため、私は踊り子の今夜が汚れてしまうのではないかと、眠れぬ夜を過ごす。

しかし、翌朝、湯から裸で飛び出して手を振る踊り子の子供っぽさに、私は心に清水を感じて微笑する。孤児根性で歪んだ私も、踊り子に「いい人ね」と言われて、心が澄み渡る。

旅費の尽きた私は、下田で踊り子と別れて船に乗り、別離の感傷に浸りぽろぽろと涙をこぼす。

九州熊本の藩主・細川忠利の病死に際し、恩を受けた18人の藩士が殉死する。
しかし、当然殉死するはずの阿部弥一右衛門だけは殉死の許可を得ることができず、生き残って新しい藩主に奉公している。

しかし、周囲の武士たちからの露骨な批判に堪えきれず、自分の死後、自分の行動や残されたものへの非難を覚悟の上で弥一右衛門は追腹を切る。長男・権兵衛は禄高を減らされ侮蔑を受けたので、忠利の一周忌のとき、まげを切って武士を捨てる覚悟を見せた。

藩主はその無礼を怒って彼を縛り首にしてしまう。安部一族は武士の意地をかけて権兵衛の屋敷にたてこもり反抗するが、討っ手によって全滅させられる。

主人公・時任謙作は、祖父と母のあやまちによって自分が生まれたことを知り打ちのめされる。

やがてそれを克服し、直子という女性と幸福な結婚をする。しかし、彼が旅行中の妻と従兄との過失を知り、それを許そうとしながら許すことができずに苦しみ、鳥取県の大山(だいせん)に向かう。

そこで一夏を過ごすうちに自然と調和する広い心境に達し、謙作の急病の枕もとに駆けつけた直子を許す。直子もまた、夫にどこまでも従おうと心に期する。

母一人子一人の内海文三は、静岡から上京して某学校を優秀な成績で卒業、叔母のお政の家に寄寓して官員生活に入る。

しかし文三は自意識に行動をはばまれる性格で、同僚の軽薄な才子本田昇が昇級するのと対照的に、人員整理で失職してしまう。お政にはお勢という娘がいて、文三に好意をよせ文三を弁護してくれたが、しだいに本田へ傾斜していくのを不安と焦燥で見守る。

そして、文三は叔母の家のなかで孤立していく。

若侍・市九郎は旗本である主人の愛妾お弓と通じ、それを知った主人に斬りつけられ反対に主殺しの大罪を犯してしまう。
しかし、市九郎はお弓の強欲さに嫌気がさし身一つで逃げ去り美濃の浄願寺に駆け込みひたすら仏道修行をし名も了海と改める。
得道した彼は、諸国遍歴のおり九州耶馬溪の難所を見て、この200間あまりの絶壁をくりぬいて道を通じようと発願し独力でこの大業にあたろうと決心し19年間洞門をうがちつづけた。
一方、父の仇を捜して8年、主人の遺児がこの地にたどり着く。
仇討ちはせめて貫通の後でと押しとどめ、二人が並んでのみをふるうこと1年半ついに洞門は貫通、二人はすべてを忘れ手を取りあって涙にむせんだ。

京都に住む56歳の大学教授と、45歳の妻・郁子。お互いに相手が盗み読みするのを承知しながら、夫は性生活での妻に対する注文や期待を、妻はそれに応じたい気持ちを書きしるす。

夫はより強い刺激を求め妻を放恣な女とするため、娘・敏子の恋人・木村に近づかせる。妻はしだいに木村に心を寄せ彼と関係する。

夫はこの刺激に興奮し、変態化した房事の楽しみにふけり、ついには血圧が上がって命を落としてしまう。

夏の高原にはすでに秋を思わせる涼風が立ち始めていた。「私」は節子という少女と知り合い、愛し合う。ヴァレリーの「風立ちぬ いざ生きめやも」という詩句をつぶやきながら、それが私の心だと思った。

 二年後の春、「私」は節子と婚約した。彼女はすでに肺結核で病床にあったが、「私、なんだか急に生きたくなったのね・・・」、「あなたのおかげで・・・」とつぶやく。しかし、看病のかいなく、彼女は死ぬ。

交通事故で怪我をし、兵庫県の城の崎温泉に養生にきた自分は、死について考える。ある朝、蜂の死体を見る。

そしてある日、小川で首に串を刺されてあがき回る鼠(ねずみ)を見る。またある夕べ、小川のいもりを驚かすつもりで投げた石が偶然に当たって殺してしまう。

これら三様の死を目撃して、生と死は両極にあるのではなく、それほどの差が感じられない心境になる。

私は、生来の吃音で、自分自身をうまく表現することができず、いつも疎外感に悩んでいた。体も弱くて、ますます引っ込み思案になるばかりだった。その分、空想を楽しむというところがあった。

父に金閣の美しさを聞かされ、見たこともない金閣を現実以上に偉大で美しいものととらえていた。
 
 やがて金閣の徒弟となった私は、金閣と同じ世界に住むことを願い、もろい私の肉体と同様に金閣の美も滅びる、金閣が空襲の火に焼け滅ぼされるという幻想を抱いた。しかし、戦争が終わり、私は金閣との関係を絶たれたと思い絶望する。金閣の幻影に苦しみ、ついに金閣を支配するために放火することを決意する。

上方の大商人の息子・浮世之介(略して世之介)は7歳で恋を知り、少年時代から腰元・遊女・人妻など数多くの女性に戯れ、恋文を送ったり交渉を持ったりする。

19歳になって江戸の店の支配人を任されるが、乱行が親にばれて勘当される。その後、諸国を渡り歩き色道修業を重ね、34歳のとき父の死によって遺産を相続、以後20数年、京、大阪や江戸の遊里を舞台に好色生活を送る。

60歳になって浮世の好色を尽くしたとして、好色丸という船で女護(にょごが)が島に船出する。

5話からなる恋愛小説集。

第1話は姫路での”お夏清十郎の事件”で、姫路但馬屋の娘お夏と手代の清十郎が恋に落ち駆け落ちをするが捕えられてしまう。清十郎は殺されお夏は発狂し、のち尼になる。
 
第2話は大阪天満での”樽屋おせんの事件”、第3話は京都での”おさん茂兵衛の事件”。いずれも人妻の不義と悲劇的な末路を描いている。
 
第4話は江戸での”八百屋お七の事件”で、恋しい男に逢いたい一心から放火した話。
 
第5話は鹿児島での”おまん源五兵衛の事件”で、この話だけはおまんの親が男との仲を許して巨額の富を贈るというハッピーな結末になっている。

技量は抜群世渡りが下手の大工「のっそり十兵衛」が主人公。
江戸・谷中の感応寺に五重塔を建立を十兵衛の親方・源太が仕事を引き受ける。
十兵衛は名を残す好機と考え「ぜひ私の手で」と住職に懇願。源太は二人で協同でと申し出たが、源太が辞退したのを受け独力で始める。
十兵衛の忘恩を憎んだ源太の弟子たちに襲われ片耳を失うが、それでも仕事まず続け五重塔は立派に完成する。
落成式の前夜、大暴風に襲われるが、十兵衛は自らの技を信じて動揺しない。が、最後は「塔の倒れるときが自分の死ぬとき」と心に決めて、塔に上る。

夜が明けると江戸じゅう大きな被害を受けていたが、十兵衛の建てた五重塔は無傷ですっくとそびえていた。

高等中学の生徒、間寛一は、お金のために許婚者の鴫沢宮をうばわれたことを知り、絶望の果てに冷酷な高利貸となって、カネの力で宮や世間に復讐しようとする。

宮は資産家と結婚後、はじめて自分への寛一の強い愛を知り、悔悟にくれ、寛一に許しを請う手紙を書きつづる。一方、寛一もさまざまな体験を経て、また親友の忠告も受けいれ、塩原で情死しようとしていたお静らの純愛にも胸を打たれる。こうして、寛一の心にもようやく宮への同情がめばえ、宮の手紙を読むようになった。

※作者が病死したため、この小説はここで終わっており、後に小栗風葉が『終編金色夜叉』を完結させた

時代は昭和11~16年。大阪・船場の豪商・蒔岡(まきおか)家の四人姉妹、鶴子・幸子・雪子・妙子の生活と運命の物語。
 
 貞之助夫妻は、無口で縁遠い雪子をひきとってたびたび見合いをさせるが、みな不調に終わって年を経ていく。その間に、ちょっと不良っぽい妙子がひき起こす奔放な恋愛事件がある。

世相は日中戦争など険しいなか、貞之助一家は、音楽会・舞の会・芝居・料理屋・春の花見・夏の蛍狩り・秋の月見と明るく華やかな生活を享楽する。昭和16年、35歳になってもなお若く美しい雪子が、華族出身の御牧(みまき)という男との縁談がまとまり、上京するところで物語は終わる。

ある山椒魚が岩屋の中でうっかり2年を過ごし、体が大きくなって出られなくなる。

はじめのうちは外を眺め、急流を懸命に泳ぐメダカたちの不自由さを嘲り笑っていたが、岩屋が永遠の棲家(すみか)になったと知って狼狽し、悲嘆に暮れる。やがて1匹のカエルが岩屋の中に紛れ込む。

すっかり性質の悪くなった山椒魚は、岩屋の出口をふさいでカエルを閉じ込めてしまう。

山椒魚は、閉じ込めたカエルと1年間口論を続け、さらに1年経った今、2匹は岩屋の中で息をひそめて黙り込んでいる。

伊勢湾にある歌島は、人口1400、周囲が一里に満たない小さな島だ。18歳の漁師・新治は、ある日、浜で見知らぬ少女に出会った。彼女は船主・宮田照吉の末娘で、名前を初江といった。照吉の一人息子が昨年夭折したため、養女に出した娘を呼び戻し、島で婿取りをさせるという。それから4、5日した強風の日、山の観的哨跡で、新治は道に迷った初江と出会った。

観的哨跡から見える景色を彼女に説明しているだけで幸福を感じた。しかしその後、村いちばんの家の息子・安夫が初江の入婿になるという噂を聞き落胆するが、初江は笑い飛ばす。彼らは初めて唇を交わす。二人が逢えるのは休漁の日、場所は観的哨跡。待ちわびたその日、早めに着いた新治は烈しい風と遠い潮騒の音の中で眠ってしまう。

目を覚ました彼の前に、上半身あらわな初江がいた。観的哨跡から出て、寄り添う二人の姿が目撃され、村中に噂が広がり、新治と初江の仲は引き裂かれていった。そんなある日、照吉の船に新治は甲板見習として安夫とともに乗り込む。

しかし台風に巻き込まれ、船とブイを結ぶワイヤーが切れてしまう。新治は危険を顧みず海に飛び込む。島に帰ると、照吉は娘の婿を新治と決めていた。安夫と新治を同じ船に乗せたのも、どちらが見所のある男かを見極めるためだった。

江戸の刺青(ほりもの)師・清吉は、美しい女の肌に自分の魂を彫りこむことを念願していた。

ある夏の夕方、駕籠の簾からこぼれ出た、まっ白な女の足に魅せられた。そして、その娘が姉芸者の使いで清吉宅を訪れたとき、清吉は中国・殷の暴君・紂王の寵妃が処刑される男を喜び眺めている絵などを見せる。

娘の瞳は輝き、彼女の心中にひそむサディズムと悪魔性を知る。清吉は娘に麻酔薬をかがせて、その背にみごとな女郎蜘蛛を彫った。

刺青が完成したとき、娘は、男を肥やしにして肉体を誇ろうとする妖婦の心になっていた。

大阪・道修町の薬種商・鵙屋(もずや)の娘・琴は、9歳の時に失明したが、音曲の才にめぐまれ端麗な美女だった。

4つ年上の奉公人・佐助は、琴が師匠のもとに通う際の手引き役を献身的に勤めるうち、みずからも琴から三弦の手ほどきを受け、琴にとってはなくてはならない相手となる。

琴はやがて佐助と瓜二つの子を産んだが、佐助との関係を両親には強く否定する。子は里子に出され、琴は春琴と名乗って佐助と同棲し、音曲師匠としての生活に入る。

佐助は春琴の弟子・使用人・恋人となり春琴のすべてに仕える。さる放蕩息子の求婚を強くはねつけた春琴は、ある夜、何者かに熱湯を浴びせられ、顔に火傷を負う。

傷心の春琴をおもう佐助は、自分の眼を針で突き、再び春琴を視覚でとらえようとはしなかった。

清兵衛は12歳の小学生。

瓢箪が大好きで、持っている瓢箪をしきりに磨いては、飽きずに眺めている。父は、「子供のくせに」と苦々しく思っていた。

ある日、いつも見られない場所に、20ばかりの瓢箪が下げてあるのを発見し、その中に5寸ほどの、彼には震いつきたいほどいいのがあった。彼はそれを10銭で買う。それからはその瓢箪に夢中になり、授業中も磨いていて、とうとう担任の教員に見つかってしまう。

教員は瓢箪を取りあげ、家へも注意をしに来る。父は清兵衛をさんざん殴り、瓢箪を一つ残らず割ってしまった。取りあげられた瓢箪は、教員から小使いの手に渡り、骨董屋で5円の値で売れた。

小使いはそれを誰にも口外しなかったが、骨董屋がその瓢箪をさる豪家に600円で売ったことを知る由もない。清兵衛は今、絵を描くことに熱中している。父はしだいに絵にも小言を言い出してきている。

舞台は京・大阪・江戸などの主要な経済都市。

副題に「大晦日(おおみそか)は一日千金」とある通り、全20章すべてが大晦日の設定になっている。大晦日は江戸時代で最大の収支決算日で、売り手も買い手もこの一日を乗り切るために狂奔する日だった。

代金を取り立てようとする側と、何とかこの日を逃れようとする側の、あの手この手の秘策や悪戦苦闘ぶりを描いたもの。

弟殺しの罪で高瀬舟に乗せられて島流しにされる喜助は、なぜか晴ればれとしている。護送の役目の同心・羽田庄兵衛はそれを不思議に思い、彼の心持ちを問うてみる。喜助は、島送りになったら食べさせてもらえる上に鳥目200文を頂戴して有難いと言う。

聞けば、彼が犯した弟殺しというのは、自殺を図って死にきれず苦しんでいる弟に手を貸し死なせてやったということだった。庄兵衛は、喜助の安心立命の境地に感嘆し、いわゆる”安楽死”の問題に大きな疑問を持つ。

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