殺人詩篇 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 100‐1))

殺人詩篇 (ウィル・ハリス)

ある殺人と希少な活字印刷本をめぐって、テンポよく進むミステリ。

主人公はベトナム帰りの大学教授。…ダニング作品もそうですが、マッチョ寄りな主人公をあしらうのは、古書のイメージとは逆を狙ってのことなんでしょうかね。しかし、ストーリーの方はその割に静かな展開で、バイオレンスっぽいトッピングはあるものの、それがかえって無駄になっている感も。

一方、書物好きの視点から見ると、鑑定の描写が予想以上にしっかりしており、実に読み応えがあります。図らずも勉強になりました。犯人捜しよりは、捜査過程や鑑定のあれこれを楽しむタイプの作品です。西洋の文学や書誌学に興味がある方はぜひ。

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