1. まとめトップ

大谷選手でなくともグッとくる!日本ハム交渉資料の中身【すごいプレゼン】

北海道日本ハムファイターズがメジャーリーグ挑戦を表明していた花巻東・大谷翔平投手を説得、ついに入団へとこぎつけました。入団交渉で提示した資料が公開されネットで話題になっています。独自の育成理論を持つ球団ならではの理路整然としたプレゼン資料は一見の価値あり。ビジネスパーソンも見逃せません。

更新日: 2016年10月01日

39 お気に入り 146033 view
お気に入り追加

この記事は私がまとめました

3nekoさん

■12月13日に日本ハムファイターズが大谷翔平選手との入団交渉で提示した球団資料を公開。

公開されたのは全26ページのスライドと、別紙資料が5ページ分。

資料公開後、日本ハムファイターズHPにアクセスが殺到。パンクする事態に。

「イチローは18歳から渡米してイチローになれたか」など高卒でのメジャー挑戦を翻意させる決め手となった“虎の巻”だ。これにファンも興味津々。アクセスが殺到し一時、ホームページに接続できない状態になった。

■日本ハムファイターズへの入団が決まった花巻東・大谷翔平投手(18)とは

“みちのくのダルビッシュ”

193cmの恵まれた体とスリークォーターから最速160km/hのストレートを投げ込む本格派右腕で、スライダーと100km/h前後のカーブ、数種類のチェンジアップ、フォークも投げ分ける。

メジャー挑戦を表明していたが「エース兼4番」での育成方針など、球団側の将来性を加味した提案に翻意。謝罪を繰り返しながらも、将来的なメジャーを目指すと宣言した。

12月9日、入団することを正式に表明。

■日本ハムファイターズの何がすごいかって

日本ハム入団の可能性を「ゼロ」と言い切っていた

メジャーリーグ挑戦を大谷選手が表明したことから多くの球団が指名を見送った中で、日本ハムだけは果敢にアプローチを続けドラフト1位指名。それでも大谷選手から「入団の可能性をゼロ」と言われながらも交渉を続け、ついに入団契約にまでこぎつけてしまった。

■大谷選手を動かした資料の全貌

(1)まず初めに大谷翔平の「夢」とは何か?を確認している。

大谷投手の希望は「MLBトップの実力をつけたい」「トップで長く活躍したい」「パイオニアになりたい」の3つ。このうち、「パイオニアになりたい」を除くと、日本のプロ野球(NPB)から挑戦するのと、いきなりメジャーリーグ(MLB)へ行くのとは、どちらも「△」、いろいろ条件が付くことになります。

「大谷君は、実力をつけてトップクラスの選手になりたいんだよね?別にアメリカに行きたいわけじゃないよね?」
「高校からMLBに行きたいのは、パイオニアになりたいからじゃないよね、MLBがトップクラスだから行きたいんだよね」
という形で、大谷の願望を整理している。

(2)次に、メジャーリーグでトップになるための道のりを比較

日本プロ野球から入って、海外FAを取得してメジャーリーグに行くケースと、はじめからメジャーリーグに直接行くケースの2つで比較しています。

(3)ここで、日本人メジャーリーガーのキャリアを分析。

最初に結論を掲げて、以降のページで詳細に説明しています。

結論としては、
・MLBで活躍している9選手は即戦力としての実力を兼ね備えていた
・即戦力はNPBで身に付ける方が可能性を高める
・30歳前後で渡米しても長く活躍できる
・早期渡米がトップレベル到達、長期活躍には今のところ結びついていない

高卒でNPBに所属、海外FAを取得してメジャーリーグに移籍するとだいたい30歳前ぐらいになりますが、それでも活躍は可能。一方、早期に渡米しても「MLBトップへの到達」「長く活躍」には、今のところ結びついていません。

韓国野球版のデータ。韓国プロ野球を経由せずにMLBトップで活躍した選手はいますが、全員が野手で、活躍期間も長くありません。また、大谷選手の目指す「高卒メジャー」というのは、日本国内ではパイオニアとなっても、世界から見ると初めてのことではない、と念を押しています。

日本プロ野球は「選手を引き上げる仕組み」だが、メジャーリーグは「選手を淘汰する仕組み」だと定義しています。また、日本人が韓国人よりもはるかに多くメジャーで成功しているのは、日本プロ野球に選手を育成するシステムがあるからだ、と言うのです。

(4)さらに他競技とも比較し、野球の若年期海外進出における適正を説明

自らに都合が良いことだけを示すだけではなく、「海外に行く方が有利なスポーツもある」と視野を広げさせる資料も提示しています。
卓球、テニス、スノーボード、スキーなどは若くから海外に拠点を置く方が良いと見ることができます。

競技力では日本プロ野球はメジャーリーグにやや劣るが、人気では互角、競技環境、生活環境では日本プロ野球の方がかなり上、年俸はかなり下、と見ることができます。

たとえば、卓球は若いうちから海外に出て行く種目の1つですが、条件などを見てみると、野球には若年期から海外に進出する必要性は大きくないことがこの資料からわかります。

(5)一度ここで整理。

「国内で確実な力」をつけるには
・日本人には世界と勝負するまでにすべき準備がある とし
・国内で実績を上げる中で、日本スタイルで世界に通用する戦い方を身に付けることが必要だとしています。

パワーなど、民族的に追いつかない部分もある。そこで、日本は日本の良さを生かして、世界で勝負していこうという考え。「イチローは、18歳から渡米してもイチローになれただろうか?」

(6)結論

日本プロ野球で実績を積む中で野球技術の確立と人として自立していくことが、メジャーリーグでの即戦力・長期活躍につながると結んでいます。

1 2