あかちゃんの洗礼がすむと、王さまが、
「人間でありながら、ほかの人間を寝どこからかつぎだして、川のなかへほうりこむようなものは、どんな目にあわせたらよかろ」と、おっしゃいました。すると、母親が、
「さようなだいそれた悪者は、樽づめにして、そのたるへ釘をたくさんうちこんで、山の上から川のなかへころがしこんでやるのが、いちばんよろしゅうございます」と、おこたえしました。そこで、王さまは、
「おまえは、じぶんの罪の判決(さばき)をいたしたのだぞ」とおっしゃって、釘のたくさんうちこんである樽をとりよせて、母親を娘といっしょにそのなかへ入れさせました。それから、ふたがげんじゅうに釘づけにされ、たるは、ごろごろ、ごろごろ、山からすべりおちて、とうとう川のなかへころげこんでしまいました。

出典『グリム童話集 (一)』 「森のなかの三人一寸ぼうし」 (KHM 13) p150-151

※ 底本では「娘といっしゃ」となっているが、「娘といっしょ」の誤植と判断した。

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グリム童話の多彩なる死

グリム童話。登場人物の死ぬ場面がずいぶん多く、バリエーションも豊富だなと思い、逐一抜き出してみたら結構な数になりました。

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