この犬が、かわいそうに、腸詰めを、誰がとってもいいえものがきたと思って、矢にわにひっつかんで、殺してしまったのです。
・・・(中略)・・・
こんなわけで、小鳥はお膳だてをしました。はつかねずみは食べものごしらえをはじめて、せんに腸づめがやっていたように、じぶんもお鍋へはいって、野菜シチューのなかをはいずりまわって、シチューに脂肪(ヘット)を入れようとしました。ところが、まんなかまで行かないうちに動けなくなって、俗にいう皮と毛どころか、かんじんかなめの命まで棄てることになりました。
・・・(中略)・・・
うっかりしているうちに、火が薪のなかへとんで、火事になりました。小鳥は、いそいで水をくみに行くと、手はずしをしたのか、釣瓶(つるべ)が井戸のなかへ落ちて、つるべといっしょに、自分も井戸へおちました。鳥はそれぎり息をふきかえさず、井戸のなかでおぼれ死んでしまいました。

出典『グリム童話集 (一)』 「はつかねずみと小鳥と腸づめの話」 (KHM 23) p252-253

小鳥がたきぎを取り、はつかねずみが厨房のしたくをして、腸詰めが料理をする…という役割分担を変えたばっかりに起こった悲劇。

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グリム童話の多彩なる死

グリム童話。登場人物の死ぬ場面がずいぶん多く、バリエーションも豊富だなと思い、逐一抜き出してみたら結構な数になりました。

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