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シルク・ドゥ・ソレイユのShowに出演するまで フローチャートまとめ

カナダはケベック州、モントリオール発祥の芸術サーカス集団【Cirque du Soleil(シルクドゥソレイユ)】 極限の技で人々を魅了する出演者(=アーティスト)が、ステージに立つまでの流れを紹介します。

更新日: 2013年05月22日

nawatobiさん

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Cirque du Soleil(※)日本記名:シルクドゥソレイユ、以下シルク 

シルクでは年間を通じて多くのShowを公演しており、出演者を様々な形で探している。中でも有名なのがオーディションを経由してShowに出演する流れだ。以前、Corteoの日本公演で出演していた日本人アーティストの奥澤秀人さんはオーディションからトレーニング、熾烈な競争を勝ち残って出演にこぎつけたというのは有名な話である。
ここでは奥澤さんをはじめ、Showに出演するアーティストがどのような経緯を経てステージに立つのかを紹介したいと思う。

【オーディションまで】

オーディションが開催されるのは年に数回で、しかも募集するアーティストが細かく限定される。たとえば体操系、シンガー、ダンサーなどのジャンルに分けられてる。オーディション受験者は各専門に合わせてオーディションを受験することになる。

 ただ、オーディションには誰でも参加できるわけではない。就職活動のようなエントリーがあり、そこでの書類選考に通過した候補者のみがオーディションに召集されるのだ。例外的に”トライアウト”と呼ばれる飛び込みのみのオーディションもあるが、こちらも受け付けの段階で簡単な書類審査を行い、実際の試験に移る前に門前払いされる場合もある。最近のエントリーはWebページから行うことが多くなっており、自己PR動画や履歴書もWeb上にアップして審査してもらうシステムになっている。もちろん手紙やDVDを郵送する形式の書類選考も行っているが、あまり数は多くないという。

 オーディションに呼ばれるかはいくつかの理由が挙げられるが


* 専門分野で世界レベルの技術があること
* 踊れること(※)
* オープンマインドであること
* シルクが欲しい人材であるか

などがあげられる。なお踊れるかというのはダンサーの場合は別であるが、上手に踊れるかが問題なのではなく、人前に出ても怖気ずに身体を動かせるかという意味である。また世界レベルの技術といえどその基準は明確ではないので、シルクのスカウトが欲しいと思える候補者、たとえばその人にしかできない技や演技なども考慮される。

 またシルクはスポーツ団体とも提携していて、各種競技選手権にはスカウトマンが訪問してオーディションに呼ぶ候補者に声をかけて回っている。体操競技以外にもトランポリンやアクロ体操、ジャグリング、なわとびなど、その範囲は幅広い。このような競技の第一線を退いた有能な人材の二次活用は、シルクがここまで多くのアーティストを育成し、成功できた大きな要因の一つでもある。

【オーディション】

エントリーでスカウトの目に留まりオーディションに呼ばれると、実地試験を受けることになる。ここでは専門に合わせて様々な課題が出される。有名なのは、


* いきなり歌わされる
* 振り付けをその場で与えられて踊る
* 専門分野の演技披露
* 自己アピール

のような内容だ。しかしオーディションごとに内容も変化するため、一概には言えない。これらの課題についてこられなくなったり、スカウトマンがその場で無理と判断した場合は即座に帰らされるシビアな現場だ。

オーディションに晴れて合格すると、スカウトマンのお墨付きをもらえる。これを「Potencial Artist」という。世界中でこれらのPotencial Artistは数万人おり、シルクから必要な場合すぐに連絡ができるよう社内データベースに登録される。ただしこの段階では契約はなくシルクの所属ではない。

 現行Showでの欠員や新作Showの創作など、必要に応じてPotencial Artistにシルクから連絡が入る。最初はメールで来ることが多いらしく、本格的な契約の場合は直に電話が鳴る。オーディションを通過しても次に進める候補者は限られており、ポジションが生まれなければステージに立つ夢はかなわない。また一定期間以上経過した場合、技や個性の進歩を見るために再度オーディションに召集される場合もある。

 中には例外的に、オーディションの実地試験を免除されてPotencial Artistになる場合もある。それは専門分野が特殊で他にやっている人が極端に少なかったり、スカウトマンが映像を見ただけででOKを出した場合、即座にデータベースに登録される。しかし本人には登録の連絡もないため、気づかない間に登録されている場合もある。元々オーディションは、母集団の多い中から人材を選抜するもののため、特殊な技術の場合はオーディションを経過しない場合も多く、合格もしやすいらしい。

オーディションでは専門以外のテストもある

【トレーニング・Showへ】

シルクにはいくつかのトレーニングの種類がある。それぞれ、

* General Training
* Specific Training
* Creation

の大きく3つだ。

◆General Training
このトレーニングには特定のShowに欠員が出ることを予想して召集されるもので、契約が無い状態での参加となる。トレーニングの成果によってShow出演のための契約がもらえるかが決まる。トレーニング内容は専門分野ばかりではなく、ダンスや英語など多方面からステージに立つことをサポートするものとなっている。

◆Specific Training
 このトレーニングは特定のShowに欠員が出ており、すぐに交代として出演するための準備トレーニングになる。参加する時点で契約をもらっており、準備ができ次第Showに合流する。そのため衣装の採寸やヘッドキャスト、実際のShowでの振り付けなど、実践に即した形でトレーニングが進む。

◆Creation
 新しいShowを創作するときに行われるもので、トレーニングとは違いゼロからShowを作り上げる過程に参加する。

これらのトレーニングのどれに呼ばれるのは、ある程度専門分野によって分かれてくる。たとえばGeneral Trainingの場合、体操出身者やサーカスアクト経験者のアーティストが召集される場合が多い。それは体操出身者が幅広いアクトへの可能性があること、また登録されているPotencial Artistに体操出身者が多いためだ。またSpecific Trainingはジャグリングやシンクロナイズドスイミングのような出演するアクトが特定されている場合が多く、Poteincial Artistの登録数も比較的少ない。


このようなトレーニングの過程を経て、晴れてShowへ出演することになる。
実際のShowの現場についてからは徐々に慣れていく過程を踏むことが多い。特に複数のアーティストで構成される演目の場合は、比較的負担の少ない役割から入ることになる。またQueと言ってメインアクト以外の役割のみをやる場合もあり、Showの一員としてスムーズにステージに立つことができるように万全の態勢で迎えてくれる。

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nawatobiさん

先取り情報、少しだけ