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放射性炭素C14年代測定法の基本原理の簡単な説明や近年の動向などのまとめ

歴史や考古学などで使用する放射性炭素C14年代測定法の簡単な説明。物理の基礎から、C14の生成・崩壊、基本原理、宇宙線などの影響、最近の事例。

更新日: 2015年05月23日

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この記事は私がまとめました

abyzouさん

放射性炭素C14年代測定法とは

炭素の放射性同位体C14を利用した年代の測定法です。
C14は時間が経つと減っていくので(違う元素となる)、試料中のC14の量を測定することでその年代を知ることができます。

原子の構造(簡単に説明すると)

原子は原子核と電子からなっています。
さらに原子核は陽子と中性子からなっています。

この陽子の数(原子番号)によって、原子の化学的な性質が決まります。
例えば陽子の数が6個であれば、炭素となります。

C14(炭素14)とは(放射性同位体)

Cは炭素の元素記号です。
数字の14は、その炭素の陽子と中性子の合計数(質量数)です。
(この14などの質量数は元素記号の左上に書かれたりします。)

多くの炭素は安定したC12として存在しています。
陽子6個と中性子6個です。

しかし、中性子の数が異なるC13やC14も存在しています。
C14は陽子の数は6個ですが、中性子の数は8個です。

陽子の数が同じで、中性子の数が異なるものを同位体といいます。

このC14は、安定的なC12と異なり不安定な状態で、放射線を出す性質があります(放射能)。
このような同位体を放射性同位体といいます。

C14は、放射性炭素の一つになります。

C14のβ崩壊

C14は、β線(ベータ線)という放射線を出します。

β線はエネルギーをもった電子のことで、原子核の中から飛び出てきます。
(原子核の周りにある電子とは別の電子です。)
これをβ崩壊といいます。
(ここでは、かなり簡略化した説明になっています。実際は崩壊には種類があり、電子以外も飛び出ます。)

中性子は陽子と電子からできています。
β崩壊では、原子核の中の一つの中性子から電子が飛び出て、その中性子は陽子となります。

C14は陽子6個、中性子8個です。
β崩壊が起こると、中性子1個からβ線(電子)が出て行き、陽子へと変わります。
つまり、原子核の中性子が1つ減り、陽子が1つ増えることとなります。

原子核は陽子7個、中性子7個となります。
これは、陽子の数が変わっているので、炭素とは異なる元素になったということです。

陽子7個、原子番号7は窒素(N)です。
C14がβ崩壊すると、N14になります。
(陽子と中性子の合計である質量数は同じです。実際の質量も、減った電子はわずかな質量なので無視して扱います。)

C14の半減期

放射性物質(放射性同位体)は放射線を出して安定したもの(放射性物質でなくなる)になりますが、放射性物質が半分になる期間のことを半減期といいます。

例えば、100個ある放射性物質の原子が半減期になると、放射線を出して安定したもの50個、まだ放射線を出していないもの50個になります。

その次の半減期になると、安定したものは合計75個、放射線がまだ出ていない放射性物質は25個となります。

C14の場合は、半減期は約5730年です。
はじめにC14が1000個あったとすると、最初の半減期の約5730年後には500個になります。
次の半減期の約11460年後には250個、その次の半減期が経つと125個になっています。

はじめのうちは多く減っていきますが、後になるほど減る量は少なくなります。

C14の生成

空気をなす大部分は窒素ですが、C14は窒素原子(N14)から生成されます。

N14は安定しており、陽子7個・中性子7個からできています。

上空では宇宙線により中性子が発生して飛び回っています。
この中性子がN14に吸収され、かわりに陽子が1個飛び出します。

n(中性子) + N14(安定した窒素原子) → C14 + H1(水素の原子核、陽子と同じ)

これで、陽子6個・中性子8個となり、C14になります。


宇宙線による自然な生成の他にも、核実験などで人為的に生成されることもあります。

放射性炭素C14年代測定法の基本原理

大気中のC14と他の同位体(C12やC13)との比率は、ほぼ一定です。

例えば、C14は大気中で二酸化炭素(CO2)となり、光合成により植物に蓄積されています。
植物が生きている間はC14と他の同位体との比率は一定ですが、植物が死ぬとC14が増えることはなくなり、崩壊により減るだけになります。

動物も同様で、植物を食べる草食動物、草食動物を食べる肉食動物も生きている間のC14はほぼ一定ですが、死ぬとC14が減っていきます。

そこで、植物の死体(食べ残しや建材なども)や動物の死体から出るβ線を測定したり、C14と他の同位体との比率を調べたりして、どのくらいの年数がたったかがわかります。

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