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コンピュータウイルスと闘うサイバーSF小説がリアルすぎてホラー

ネットの世界に蔓延るコンピューターウイルスを主題にしている小説をまとめました。紹介する小説はどれも、コンピュータに精通しているだけではなく、物語や登場人物の面白さも充分アピールしている小説に限定しています。古い作品ほど内容が未来に的中しており現実味があります。

更新日: 2013年03月09日

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inspitonさん

致死性ソフトウェア / グレアム ワトキンス

1995年、作者は自作のOSとエディタでこの小説を書き上げました。

小説に出てくる内容は全てウイルスの仕業だが、映像の光による痙攣死、長時間ゲームによる衰弱死、マルウェアによる本人を騙して行なう不正送金。

いずれも聞いたことがある話である。

注目すべきは、この小説は1995年に書かれたこと。
そして、ここに書かれている内容で現実感があり、まだ起きていない内容もある……。

作者の公式サイト
http://www.mindspring.com/~coatl/

多数のユーザーは不眠不休、食事もとることなく、ハンドルを握り業務やゲームに熱中する。その結果、多数の発作、餓死、殺人などの事件が発生

熱中して、現実とゲームとの境が見えなくなって、PCが壊れてしまうと、続きが出来ないことに我慢ができずとうとう、ショップを襲ってしまう

銀行口座から勝手に金を引き出したり、FBIの捜査ファイルを書き換えてしまったりというペニーの犯罪行為は極めて通俗的なもの

ヒロインの恋愛を絡めたストーリー展開もテンポが良く、娯楽性は高い

翻訳書ながら、ライトノベルのような感覚で読めます。当事にこの言葉はないが、コンピュータウイルスの擬人化がすごく「萌える」(その可愛さも計略なのだが)

パワー・オフ / 井上 夢人

1994年に書かれた本です。ここで書かれたウイルスについては2000年代に猛威を振るったいくつかのウイルスと特徴が近似しています。

今となっては王道パターンの話なのですが、(でも面白いよ。)この小説が作られたのは、まだコンピュータ1台数十万円もかかる時代に作られた話なのがポイントです。

作者はコンピュータに詳しい推理作家としても知れ渡っています。

作者サイト
http://www.yumehito.com/

ほかのプログラムの機能を自動的に取り込んで自分自身をバージョンアップするプログラムが、コンピュータウイルスの機能を取り込んでしまったがために、最強のコンピュータウイルスを作り出していく

高校の実習の授業中、コンピュータ制御されたドリルの刃が生徒の掌を貫いた。モニター画面には、「おきのどくさま…」というメッセージが表示

当初は単純で比較的害の少ない「おきのどくさまウィルス」が、あたかも生物の遺伝子のように自己複製と突然変異による変化によって、とてつもない威力を持つに至る

10年前の作品とはいえ、コンピュータウィルスのことだけでなく、あの頃では最先端の技術(もちろん、今でも成し得て居ない技術も然り)が盛りだくさんです。今読んでもなお、目新しさが漂います

クラッシュ / 楡 周平

1998年12月に発売した小説です。
屈辱を味わされた女性技術者が復讐をします。
PCのデータを削除するウイルスが全世界に広まったらどうなるかと言う話。

著者の楡氏は現実問題を徹底取材し独自の観点を元に魅力的な登場人物が物語りを作りますので、他の作品もお勧めです。

デジタルなコンピューターを扱った話ながら、ストーリーの肝心なところを動かしているのは、しっかりアナログな人間の感情だったりする

“狂気染みた怨念”である女性がウィルスを製作するに至るまでが描き込まれており、それが凄い

個人のPCはもちろん、大企業や金融はじめあらゆる仕事場で面白半分に「簡単な行為」に熱中していたすべてのPCデータが一瞬にして全滅

ZERO DAY / MARK RUSSINOVICH

Windows系の専門書籍などを専門的に書いておりマイクロソフトに勤務している人が書いたSF小説。小説家よりも、その筋の人に有名です。

2011年に発売しました。

残念ながら洋書ですが、かなりの良書ですので紹介しました。

作者ブログ
http://blogs.technet.com/b/markrussinovich/

特定の攻撃対象範囲にあるコンピュータが一斉に使えなくなる。飛行機が落ちる、タンカーが陸地に突っ込む、原発が暴走する。会社や銀行も取引データがパーとなり市場は大混乱

十分すぎるほど本当に起こり得る話というか、実際に起こった話でもある。すなわち、例のイランの核兵器開発施設を標的にした Stuxnet というコンピュータ・ワームは見事に機能した

ループ / 鈴木光司

ホラーとして有名なリングシリーズの一つ。
リング・らせんはコンピュータの世界だったと設定付けて物語は始まるが。

ホラーではなく、コンピュータウイルスが現実に侵食するかどうかを描いた小説です。
設定そのものは突拍子もないですが、将来の可能性としては興味深いです。

リング、らせんがホラーだった事に対しサイエンスフィクションに変わったため、怖さが全くなくなり賛否両論です。
しかし、SF小説として考えるとレベルは高い小説です。

むしろ、この三部作の主題は“親子の情愛”である

もしかしたらこの世界は仮想現実かもしれない。なのに自分は仮想現実と現実の区別をつけることが絶対にできない

「ループプロジェクト」の元研究者のアメリカ人から、転移性ヒト
ガンウィルスの治療法が見つかったかもしれない、と教えてもらいます

内容はぶっとんでいて、絶対に有り得ないと思う事なのですが、コンピュータウイルスが人体に影響するという点は、今後注意しなければいけない部類だと思います。
ウェアラブルコンピュータ(今話題のグーグルグラスやアップルの腕時計など)が普及する事により現実味に近づきます。

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