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【新治療法】血液がんの遺伝子治療

免疫システムを活用する血液がんの遺伝子治療の内容をまとめました。

更新日: 2013年08月12日

harugakuruさん

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重い白血病を患う5人の患者に対し、
免疫システムの細胞をがん細胞を攻撃するように遺伝子的に改変したところ、全員が急速にかつ完全に回復したという。

メモリアル·スローン·ケタリングがんセンターの
Dr. Renier J. Brentjens(左)とDr. Michel Sadelain

当時研究について説明するレニエ・ブレンチェンス博士

遺伝的に改変した免疫細胞とは?

体を守る免疫のリンパ球の一種、胸腺(thymus)でつくられるため、頭文字からT 細胞と名付けられる。

このT細胞を遺伝的に改変し、がん細胞特有のたんぱく質を持っている細胞だけを標的に攻撃できるようにした。

どうやってがん細胞だけを攻撃するのか?

この遺伝子治療では、感染や病原ウィルスなどを攻撃するリンパ球の1種であるT細胞を患者の免疫システムから取り出し、全ての急性リンパ性白血病を起こす細胞に存在する「CD19」というタンパク質を攻撃するように遺伝子的に改変する。このT細胞はその後免疫システムに戻されると、白血病細胞だけを狙い撃ちする。

同じような遺伝子治療の例

2011年8月にペンシルベニア大学の研究チームから報告された治療法

白血病の主な治療法である骨髄移植は、死亡リスクが最低でも20%あり、治癒率も50%程度でしかない。今回の方法ががんの再発をどれほどの期間抑えられるのかは不明だが、
改変T細胞ががん細胞死滅後少なくとも1年は残存すること、つまり体が防御態勢を維持することに、研究者らは興奮している。

白血病のがん細胞が持つマーカー(目印) CD19

CD19はB細胞(リンパ球の一種:抗体を作る)の成熟やシグナル伝達に関わるとタンパクで、B細胞のほか白血病の細胞もこのCD19を発現している。

CD19 の発現は正常および腫瘍性の B 細胞に限定しており、T 細胞、単球、顆粒球では発現していません。

タンパク質CD19は、B細胞の特徴であるため、
このタイプの細胞から生じる癌を診断するために使用されている

B細胞とは

末梢リンパ組織に存在し,抗体産生にあずかる小型のリンパ球。Bリンパ球B lymphocyteともいう。哺乳類では骨髄の造血細胞により分化・増殖する。胸腺thymusに由来するT細胞に対し,直接,造血幹細胞に由来するところから,骨髄bone marrow由来の意で名づけられた。細胞表面には抗体分子のレセプターがあり,これで抗原を認識して,T細胞の関与のもとで,大量に抗体を産生する形質細胞へと分化する。 (世界大百科事典 第2版参照

がん細胞と一緒に正常なB細胞も攻撃される?

B細胞も一緒に攻撃される

Although CD19 is an attractive tumor target, with expression limited to normal and malignant B cells, there is concern that persistence of the chimeric antigen receptor T cells will mediate long-term B-cell deficiency. In fact, in our patient, B cells were absent from the blood and bone marrow for at least 6 months after infusion.

CD19は、正常および悪性B細胞に限定された発現を有する魅力的な腫瘍標的であるが、キメラ抗原受容体T細胞の持続が長期B細胞欠損を媒介するであろうという懸念がある。実際、我々の患者では、B細胞は、注入後少なくとも6ヶ月間、血液および骨髄に欠けていた。 (google翻訳より

副作用は?

B細胞が減少するのでそれに対する治療が必要また、改変されたT細胞が永続すれば減少したB細胞がもとに戻るか不明

22 Patients treated with rituximab have been reported to have a return of B cells within months after discontinuation of therapy. It is not yet clear whether such recovery will occur in patients whose anti–B-cell T cells persist in vivo.

出典Chimeric Antigen Receptor–Modified T Cells in Chronic Lymphoid Leukemia ― NEJM

リツキシマブで扱われる22のPatientsは、治療の停止から数ヶ月のうちにB細胞の復活を持つことが報告されました。
anti–B細胞T細胞が生体内で持続する患者に、そのような平復が起こるかどうかは、まだ明らかでありません。

治療後2週間はほぼ何の変化もなかったが、その後吐き気、悪寒、高熱を訴えるようになった。検査の結果、改変T細胞の数が急増しており、吐き気や熱はがん細胞の死滅時に現れる腫瘍崩壊症候群の症状だと分かった

治療に反応した患者においてサイトカインストームが発生したが、抗サイトカイン治療が有効であったこと、ただし、抗サイトカイン治療がCART19細胞治療の効果を減じないかどうか評価が必要なこと、効果は24カ月維持していたこと、巨大な腫瘤は消失した

サイトカインがT細胞の増殖を誘導する
◆サイトカインとは
免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質で、特定の細胞に情報伝達をするものをいう。多くの種類があるが特に免疫、炎症に関係したものが多い。また細胞の増殖、分化、細胞死、あるいは創傷治癒などに関係するものがある。
◆サイトカインストームとは、サイトカインが過剰に生産される事、過剰なレベルになると気道閉塞や多臓器不全を引き起こす。(wikipedia参照

同博士によると、この治療法の副作用は、
病状の進行度合いと患者のこの治療法に対する反応の強さと相関し、
ステロイドの投与が有効であったという。

◆ステロイド
ステロイドにはサイトカインの産生を抑制する作用もあります

他の関連ページ

日本の遺伝子治療研究

白血病に対する新たな免疫遺伝子治療の臨床研究が厚生労働省に承認されました。

出典http://www.m.ehime-u.ac.jp/school/int.med1/contents/?p=1026

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harugakuruさん

気になることをいろいろまとめてます。よろしくお願いします。