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IQ(知能指数)は遺伝と環境どっちが大事?

結論を言うと、「どっちも大事」です。

更新日: 2013年04月18日

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capskanaさん

IQ(Intelligence Quotient)とは知能指数のことで、知能検査の結果の表示法の一つである。知能検査の表示方法には、他にも「知能偏差値」「知能年齢」「知能段階点」「パーセンタイル」などと呼ばれるものがある。

遺伝と環境の影響について

遺伝子が同一である一卵性双生児の行動、能力を比べれば、遺伝と環境がどう影響しているかがわかる。

2005~06年に一卵性167組を含む計220組の大人の双子に実施した知能テストでは、IQは<遺伝>の影響が環境の3倍もあるという結果がでた。

一方、30年でIQが15程度上昇する現象「フリン効果」が多くの国で確認されている。遺伝子は数十年単位では大きく変化しないので、栄養状態の向上やテストへの慣れなど、人々を取り巻く<環境>の変化が原因なのは確かだ。IQは遺伝の影響を受けるが、絶対的なものではない。

双生児750組に対し、生後10カ月と2歳時の2度にわたって知能テストを受けさせた。

実験の結果、10か月の子どもの知能においては、社会経済上のあらゆる階層を通じて、家庭環境が重要な変数であることが明らかになった。

低所得家庭の子どもでは、依然として親の選択が大きな影響を及ぼしていた。低所得家庭の2歳児における知能の個人差の約80%が、家庭環境の影響によって生じた、と研究チームは概算している。遺伝子の影響はごくわずかだった。

一方、高所得家庭の2歳児は、逆の傾向を示した。高所得家庭の子どもの場合、テストの成績を決定付けたのは主に遺伝子であり、知能の個人差の50%近くが遺伝子の影響によって生じていた。

次いで影響していたのは家庭環境だが、遺伝子には遠く及ばなかった。つまり、所得が高くなるほど、「親の選択」が子供の知能を決める影響力は、より小さくなっていくということだ。

これと類似した例として分かりやすいのが、身長の遺伝子だ。身長を決定する要因として、先進国では遺伝子がはるかに大きな役割を果たすことが以前から知られている。これは主に、途上国では栄養不足によって、潜在的な成長が阻害される場合があるためだ。

これに対して例えば米国では、食事内容の違いなどほとんど問題にはならない。どんな食事でもカロリーは十分に摂取できる。そのため、遺伝子が決定的な要因となっているのだ。

3歳までに、高所得家庭の子どもは肯定的なコメントを平均で約50万回、否定的なコメントを8万回聞かされるが、低所得家庭の子どもではこの比率が逆転するという。

各教科への遺伝と環境の影響

相関係数の高い順に理科(0.532)、英語(0.520)、国語(0.501)、社会(0.470)、数学(0.457)となっており、理科が高く、数学が低いという特長がみられる。

数学の級内相関係数が他の教科に比べて低いことは、すなわち、数学の学業成績は環境要因の影響が大きいということである。

逆に、相関係数が高いと遺伝の影響が大きい。

身体への遺伝と環境の影響

表にみられるごとく、大多数の値は0.8~0.9台の高い値であり、すでに知られているように身体計測値の遺伝規定性を示すものである。

これに較べて、いままで述べてきた学業成績の相関係数値をみると、身体計測値のそれにおよぶものはすくなく、学業成績には環境要因の影響も大であることが知れよう。

数学の学業成績が最も環境の影響をうけやすいことを示唆している。保健体育、芸術、これらの学業成績に関しては、より強い遺伝規定性が働いていることを物語っている。

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