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管理社会がもうすぐやってくる!?ディストピア小説まとめ

インターネットを始めとする科学技術の爆発的な発展により小説の中の話だけであった超管理社会の実現はますます現実味を帯びてきた。そんな社会を描いたディストピア小説のまとめです。

更新日: 2013年04月06日

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1984年さん

ディストピアってなに?

ディストピアまたはデストピア(英語: dystopia)とは、ユートピア(理想郷)の正反対の社会である。

一般的には、サイエンス・フィクションなど空想的な未来として描かれる、否定的で反ユートピアの要素を持つ社会という着想で、その内容は政治的・社会的な様々な課題を背景としている場合が多い。

ディストピアの語源は、「悪い、困難な」を意味する「古典ギリシア語: δυσ-」と、「場所、風景」を意味する「古典ギリシア語: τόπος」を組み合わせたものである。また同様に「悪い、不道徳な」を意味する「古典ギリシア語: κακόs」を組み合わせたカコトピア(英語: cacotopia)や、反ユートピア(英語: anti-utopia)、あるいは日本語では暗黒郷などと呼ばれる事もある。

ディストピア小説の主な特徴

・体制(指導者)が自らの政治体制をプロパガンダで「理想社会」に見せかけ国民を洗脳し、体制に反抗する者には治安組織が制裁を加え社会から排除する(粛清)。

・表現の自由が損なわれており、社会に有害と見なされた出版物は発禁・没収されることがある。

・社会の担い手と認められた市民階級の下に、人間扱いされない貧困階級が存在し、事実上は貧富の差が激しい社会となっている(格差社会)。

・市民社会では貧困の根絶が達成されたことになっているが、実際には社会の統制の枠から爪弾きにされた者たちが極貧層となり、それらのスラムが市民たちの目の届かぬ場所に形成されている。

・社会の枠の中で暮らす市民階級について、体制が市民階級を血統やDNAのレベルで把握・管理している。

・強制的に人口を調整ないし維持する必要があり、市民の家族計画、さらには恋愛・性行為や妊娠・出産など人類の繁殖にまつわる部分さえ社会によって管理されている(産児制限)。

・これら負の側面については、市民階級からは当然のものとして捉えられているか、市民階級の立場からは完全に隠蔽された社会となっている(愚民政策)。

古典的なディストピア小説

時間旅行者が到達した紀元802701年の未来世界は、エロイと自称する単一の人種が幸福に暮らす、平和で牧歌的な桃源郷の様相を呈していた。エロイは身の丈約4フィート(約120センチ)に、ピンク色の肌と華奢な体躯、巻き毛と小さな耳と口、大きな目を持つ種族で、男女共に非常によく似た女性的な穏やかな姿をしている。エロイは高く穏やかな声で、未知の言語をしゃべるが、知能的には退化して幼児のようであり、その生活にはいさかいも争いもないように見える。時間旅行者は、川でおぼれかけたエロイの女性ウィーナを助けて仲良くなり、彼女を通して、あるいは自分自身の様々な体験から、次第にこの未来世界の真実を知る。

人間は受精卵の段階から培養ビンの中で「製造」され「選別」され、階級ごとに体格も知能も決定される。ビンから出た(生まれた)後も、睡眠時教育で自らの「階級」と「環境」に全く疑問を持たないように教え込まれ、人々は生活に完全に満足している。不快な気分になったときは「ソーマ」と呼ばれる薬で「楽しい気分」になる。ビンから出てくるので、家族はなく、結婚は否定されてフリーセックスが推奨され、つねに人々は一緒に過ごして孤独を感じることはない。隠し事もなく、嫉妬もなく、だれもが他のみんなのために働いている。一見したところではまさに楽園であり、「すばらしい世界」である。

1950年代に発生した核戦争を経て、1984年現在、世界はオセアニア、ユーラシア、イースタシアの3つの超大国によって分割統治されている。さらに、間にある紛争地域をめぐって絶えず戦争が繰り返されている。作品の舞台となるオセアニアでは、思想・言語・結婚などあらゆる市民生活に統制が加えられ、物資は欠乏し、市民は常に「テレスクリーン」と呼ばれる双方向テレビジョンによって屋内・屋外を問わず、ほぼすべての行動が当局によって監視されている。

舞台は、情報が全てテレビやラジオによる画像や音声などの感覚的なものばかりの社会。そこでは本の所持が禁止されており、発見された場合はただちに「ファイアマン」(fireman ― 本来は『消防士』の意味)と呼ばれる機関が出動して焼却し、所有者は逮捕されることになっていた。(表向きの)理由は、本によって有害な情報が善良な市民にもたらされ、社会の秩序と安寧が損なわれることを防ぐためだとされていた。密告が奨励され、市民が相互監視する社会が形成され、表面上は穏やかな社会が築かれていた。だがその結果、人々は思考力と記憶力を失い、わずか数年前のできごとさえ曖昧な形でしか覚えることができない愚民になっていた。

暴力やセックスなど、欲望の限りを尽くす荒廃した自由放任と、管理された全体主義社会とのジレンマを描いた、サタイア(風刺)的作品。近未来を舞台設定にしているが、あくまでも普遍的な社会をモチーフにしており、映像化作品ではキューブリックの大胆さと繊細さによって、人間の持つ非人間性を悪の舞踊劇ともいうべき作品に昇華させている。

皮肉の利いた鮮烈なサタイア(風刺)だが、一部には暴力を誘発する作品であるという見解もある

ここ最近のディストピア小説

1000年後の日本。人類は「呪力」と呼ばれる超能力を身に着けていた。注連縄に囲まれた自然豊かな集落「神栖66町」では、人々はバケネズミと呼ばれる生物を使役し、平和な生活を送っていた。その町に生まれた12歳の少女・渡辺早季は、同級生たちと町の外へ出かけ、先史文明が遺した図書館の自走型端末「ミノシロモドキ」と出会う。そこから彼女たちは、1000年前の文明が崩壊した理由と、現在に至るまでの歴史を知ってしまう。禁断の知識を得て、早季たちを取り巻く仮初めの平和は少しずつ歪んでいく。

極東の全体主義国家「大東亜共和国」では、西暦1947年より、全国の中学3年生のクラスからランダムに選ばれた50クラスに対して「プログラム」と称する殺人ゲームを実施していた。

西暦1997年、七原秋也ら香川県城岩町立城岩中学3年B組の42人は修学旅行のバスで眠らされ、ゲームの舞台となる島「沖木島」へ送り込まれた。極限状態の中、クラスメイトによる究極の椅子取りゲームが始まる。

文明崩壊後の北アメリカに位置する国家パネムを舞台に、16歳の少女カットニス・エヴァディーンの一人称視点で書かれている。パネムはキャピトルと呼ばれる高度に発達した都市によって政治的に統制されている。「ハンガー・ゲーム」とは、キャピトルを囲む12の地区から、各地区ごとに男女1人ずつくじ引きで選出された12歳から18歳までの24人が、テレビ中継される中で最後の1人が残るまで殺し合いを強制される、1年に一度のイベントを指す。

舞台は20世紀末に世界大戦が起こった後の世界。白い制服を着用する主人公の男は特殊警察機構89605分署の署長。特殊警察機構は一般警察が担当する仕事には一切口出しせず、戦争(作中ではその言葉を恐ろしがって誰もが「セ」としか言わない)という概念を唱える人間を取り締まっている。盗聴はごく当たり前に行われ、密告が奨励されている。特殊警察に捕らえられた者は拷問により取り調べられた後、「人類の敵」として公開処刑される。

主人公は特殊警察機構の一員であるため、改竄される前の歴史を知っている。男は軍備を縮小すれば、あるいは心構えさえできていれば、戦争を防げるという過去の人々の考えを批判し、気ちがいと呼ぶ。

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