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デザイナー必須のツール、Adobe Illustratorの歴史を振り返ろう

今や、印刷、ウェブ業界で当たり前のツールになったイラストレーターだが、その歴史は25年にもなる。さまざまな業界に革命をもたらしたイラストレーターの歴史を振り返ろう。

更新日: 2013年04月13日

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iinoeijiさん

Adobe Illustratorとは何?

Adobe Illustratorは、アドビシステムズが販売するベクターイメージ編集ソフトウェアです。
イラスト制作は勿論のこと、ロゴや図面、広告、パッケージなどをデザインする描画ツールとして、印刷業界などあらゆる分野で使用されている。
特にDTP業界においては印刷物(チラシや小冊子)制作ソフトとしてはデファクトスタンダードとなっていてる。また、プラグインを追加することで、CADや3DCG機能などを拡張することもできるので、様々な分野のクリエイターが使用している。

Adobe Illustratorの歴史

【発売日:1987年3月】
1987年に発表されたバージョン1.0 はすぐにバージョンアップされたため、実際、多く市場に出まわっていたのは、バージョン1.1だ。バージョン1.1では、描画の基本となるペンツールや楕円ツールなどに加え、変形を行う拡大・縮小ツールなど、たった13のツールしかなかった。それでも当時は、自由な曲線を描くことができる画期的なプログラムとして、多くのデザイナー達に驚きをもって支持された。デジタル機器とは全く無縁であった当時のデザイン会社が、オフィスのデジタル化へと進むきっかけとなった。

【発売日:1988年3月】
大幅に機能アップされた新バージョンでは、リリース年である1988年を冠にし、Illustrator 88 としてリリースされた。日本では、"ハチハチ" と呼ばれ、多くのユーザーに親しまれたバージョンだ。

このバージョンの大きな特徴は、ブレンドツールが追加された点とCMYKによるカラー指定が可能になった点だ。パスの色と形を変形させつつ、オブジェクトのコピーが作成できるブレンドツール機能によって、グラデーションを表現できるようになり、表現の幅が大きく広がった。機能、内容ともに安定していたため、長い間愛用されたバージョンでもある。

【発売日:1990年10月】
バージョン3.0はIllustratorにとって、初と言える大型のメジャーアップデートだった。このバージョンでの特に注目すべき点は、ATM(Adobe Type Manager)のリリースだ。これまで、LaserWriterで出力されるフォントのアウトラインデーターはプリンター側に収録されていたため、ユーザーはアクセスすることができなかった。

画面上では、ビットマップフォントで表示されるため、大きな文字などではジャギーが目立ち、デザイン作業に支障をきたすほどであったが、ATMの出現によりフォントのアウトラインデーターをOS側に保持することで、画面での表示が美しくなったほか、アウトラインデーターを持たないプリンターでの出力も可能となったのである。

さらにはフォントのアウトラインをパス化させることもできるようになり、これによって、フォントにグラデーションを設定したり、変形し独自のロゴを作成することができるようになるなど、デザインの幅が大きく広がった。しかし、日本語版ATMの登場には今しばらく時間が必要だった。

【発売日:1993年6月】
Macintosh版では、3年ぶりとなるメジャーアップデート。AppleとMicrosoftが提携し、TrueTypeフォントが開発されて以来、日本語のアウトラインフォントが増え、デザインのバリエーションに幅が広がった。今では当たり前のプレビューを行いながら作業できる最初のバージョン。

このバージョンのあたりから、大手出版社などでDTP(デスクトップパブリッシング)化が進み、これまでの電算写植に変わって、デジタルでのデーター入稿が主流となってゆく。

【発売日:1994年6月】
バージョン5からのドットリリースだが、テキスト周りの機能が強化され、字体の切り換えにも対応。以降Mac Classic環境下のMacintoshで長く愛用され、その安定性からデファクトスタンダードのバージョンとなる。

また、後に効果メニューの"3D"として追加されることになるAdobe Dimensions 2.0がバンドルされていた。

【発売日:1996年2月】
バージョン5.5とは、インターフェイス面も異なり、フィルター機能が追加されるなど、メジャーアップデートとも言えるバージョンだが、日本では発売されなかった幻のバージョン。

【発売日:1997年5月】
これまで、偶数のバージョンナンバーがWindows版であり、対して奇数がMacintosh版と、それぞれ独立したバージョンとして進化し続けてきたが、それぞれのバージョンでは機能が異なっていたために、多くのプロデザイナーはMacintosh環境でIllustratorを利用していた。

しかし、このバージョン7を境にMacintosh版とWindows版が同時リリースとなり、機能面での差異がなくなると、MacintoshからWindowsへ移行するユーザーが増え始めた。そうした意味でのターニングポイントとなるバージョンだった。

【発売日:1998年9月】
それまで、Illustatorの画面プレビューはモニターの解像度に依存していたため、ジャギーが多く、仕上がりを予測することが難しかった。グラデーションなどもモニター上では、擬似的にデザリングされたドットで表現され、実際にプリンターなどで出力した時とのギャップが大きく、それらの予測をするには職人的な"勘"が必要だった。

バージョン8では、アンチエリアスが適用され、美しくレンダリングされた状態で作業を行うことができるようになり、出力時のイメージが容易に掴めるようになり、作業効率が格段に向上した。

多くのMacintoshユーザーが、このバージョンを使いたいがために、Mac OS Xを導入せず、旧機種を使い続ける結果ともなった。Illustratorを語る上で忘れてはならないバージョンのひとつ。

【発売日:2000年6月】
バージョン9では、初めて"効果"メニューが追加される。これまで"塗り"と"線"の概念しかなかったIllustratorのオブジェクトに対して、初めて"アピアランス"という概念を適用させ、ひとつのオブジェクトに複数の塗りや線の設定を与えることができるようになった。

また、設定したアピアランスを"スタイル"として保存し、ボタン一つで様々な変形を行えるようになった他、効果メニューによって変形させたオブジェクトを瞬時に元のオブジェクトへと戻すことも可能とした。

【発売日:2001年11月】
バージョン10は、Type1フォントやTrueTypeフォント、そしてOCFフォントやCIDフォントなどから、新規格であるOpenTypeフォントが出現するなど、マシン環境を含め大きな変革が訪れた時期にリリースされた。

多くのデザイナーがどのタイミングで、旧環境から新環境へ移行すべきか悩んだ時期でもあった。

【発売日:2003年10月】
この年に初の統合パッケージとなる"Creative Suite"シリーズがリリースされた。これまで単体製品として販売されていた各アプリケーションを統合化し、各アプリケーション間のデーター互換を高め、シリアルナンバーを一元管理することができるようになるなど、統合環境のメリットを追求することを目的として開発されている。

初代CSでは、StandardとPremiumの2種類のみがリリースされ、Premiumでは、IllustratorやPhotoshop、InDesign、ImageReadyなどの基本4ソフトに加え、GoLive CSとAcrobat 6 Professionalが同梱されていた。

また、CSシリーズでは、OS Xのみのサポートとなり、このシリーズの登場によって、OS 9と決別するユーザーが増えた。フォントもOpenTypeがネイティブサポートとなり異体字切り替えなども行えるようになったバージョン。

【発売日:2005年4月27日】
CSシリーズに初めてBridgeが同梱されるなど、アプリケーション間のデータ連携がより高まったバージョンだった。

Illustratorの新機能として、「ライブトレース」機能が追加され、これまで手作業で行なっていたトレース作業を自動で行えるようになり、「ライブペイント」と一緒に使うことで、作業効率が向上した。また、今では当たり前の、上段にあるコントロールパネルもこのバージョンから追加された。

【発売日:2007年6月22日】
これまで、StandardとPremiumの2種類しかなかったパッケージが刷新され、Design、Web、Production Premium、Mastar Collectionと業態ごとに利用するアプリケーションに分け、4つのシリーズとして販売された。

Macromediaの買収によって、Adobeがリリースするソフトウェアの数が増えたことと、各業界方面でのデジタル化がより進み、目的に特化したパッケージへの要望が大きくなったことを受けての刷新だった。

FlashやDreamweaverなど、旧Macromedia製品が正式にCSシリーズへ組み込まれたことで、利便性が向上し、利用者が大きく増えたバージョンでもあった。

また、MacintoshのUniversal Binary(ユニバーサルバイナリ)に対応した最初のバージョンで、PowerPCでもIntelでも、どちらでも使うことができた。

【発売日:2008年12月19日】
CS4では、Photoshop(Windowsのみ)やAfter Effects、Premiereなどが64bit環境に最適化し、大容量のメモリ環境下での作業が可能となった。

Illustratorでは、「複数アートボード」機能が登場。これまで1つのファイルに1つのアートボードだったIllustratorに複数のアートボードを設定することが可能となり、チラシのデザインで裏表を1つのファイルで完結できるようになるなど、ファイル管理の面でも役立つ機能となった。

また、グラデーションツールの強化により、対象オブジェクトに直接グラデーション情報が表示されるなど、より使い勝手が向上したバージョンとなっている。

【発売日:2010年5月28日】
CS5では、「遠近グリッド」機能が新たに追加された。これまで、遠近感のあるパーツを作成する場合には、まずガイドを利用して透視図法に法ったグリッドを作成してから図形の描画を行なっていたが、この機能によって、平面的に描いた図形を遠近グリッドへ移動するだけで、それぞれの側面に適した変形を自動的に行えるようになった。

また、線に関係する機能が数多く強化され、特に矢印の開始位置の調整や綺麗な破線が作れるなど、細かな強化点の多いバージョンだった

Adobe Illustrator CS5.1

【発売日:2011年5月20日】
パッケージとしてはCS5.5としてリリースされたが、Illustrator自体はマイナーバージョンアップに留まり、IllustratorCS5.1として同梱されている。CS5.5からサブスクリプション制が導入され、必要なアプリケーションを月額料金で利用できるようになった。

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