私の娘は、小さい頃から「何か」が見えるらしい。
「何か」というのは妖精、お城、お花畑等、様々なものが見えるらしい。

そんな娘も小学生になった。
娘は相変わらず「何か」が見えている。

その「何か」は学校でも見えているらしく、友達や先生を困らしていた。
私は娘を病院に連れていくことを決心した。

診察は手短に終わり、医者は簡単にこう言った。

「こういった子は世界中にたくさんいます。治療では治りません。
こういった子を集め、自然治癒を目指している特殊学校があるのでそちらをオススメします」

私は「娘が治るなら」と思い、特殊学校に入れることにした。
入学説明会に向かっている途中、ドングリのように丸い目を輝かせながら、

「お母さん、あそこに妖精さんがいるよ、お話してきて良い?」
と言ったりしている。

私は深い溜め息をつき、学校へ向かった。
学校へ着くと、先生が待っており、すぐに説明が始まった。
娘は、学校の生徒らしき子と何かを話し、学校の奥へと走り去っていった。

私は先生に「あの子も娘と一緒の症状の子なんですか?」と聞いた。

先生は「はい、そうです。」と答えた。

私はつい、「大変じゃないですか?」と聞いてしまった。

すると先生は、
「いえいえ、全然大変なんかじゃありません。
子供達の想像力には毎日頭が下がる一方です。こういった子達が将来、
有名な芸術家になったりするんですよ。
ここの職員は皆そう思って子供達と接しているのです。」

と、ドングリのように丸い目を輝かせながら言った。





【解説】
先生と子供の話している様子の描写が同じ事から、先生も同じ病気、
もしくは先生ではなくその人も生徒だった。

他人ごとだからかもしれないが、
個人的にはそういうのも個性ってことでいいんじゃないかとも思う。

こういうことを気楽に書いてしまう私も考え方によっては怖いのかもしれないが。

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