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「NISA(少額投資非課税制度)」は気をつけないと損をする?

平成25年末で証券優遇税制が廃止され、配当や譲渡益に対する税率は10%から本来の20%に戻りますが、これに伴い、来年1月から導入されるのが少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」。年100万円まで非課税など個人投資家の関心が高いNISAですが…

更新日: 2017年10月05日

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egawomsieteさん

■NISA(少額投資非課税制度)

平成25年末で証券優遇税制が廃止され、配当や譲渡益に対する税率は10%から本来の20%に戻る。

 これに伴い、来年1月から導入されるのが少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」だ。英国で導入されているISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)の日本版で、10年間の時限措置。

NISAとは、年100万円までの株式や株式投信などへの投資について、売却益や配当金・分配金が非課税となる制度。平成26~35年、投資家に毎年100万円の非課税枠が与えられ、最大で同時に500万円(100万円×5年)までの非課税枠を持つことができる。

 日本国内に住む20歳以上の人なら1人1口座、非課税口座をつくることができる。既に口座開設の申し込みを受け付け始めている金融機関もあるが、勘定設定期間(26~29年、30~33年、34~35年)は金融機関の変更はできないため、慎重に選ぶ必要がありそうだ。

■非課税期間を終えると

(1)売却する
(2)課税口座に移す
(3)新しい年の非課税枠に移す
-の3つの選択肢がある。

注意すべきなのが(2)。売却せず課税口座に移す際、保有資産は改めて購入したと見なされる。口座を移した後の値上がり分は課税対象だ。例えば、買い付け価格が1千円で課税口座に移行する際の時価が500円、この資産が700円になったときに売却したとすると、当初の買い付け価格を下回っていても差額の200円は利益となり、税金を支払わなければならない。

また、非課税期間中に売却した場合、その非課税枠は再利用できないため、短期間の売買を繰り返すデイトレーダーには向かず、中長期保有者向けの制度といえそうだ。さらに、非課税枠は翌年に繰り越せない。1年目に50万円しか投資しなかったからといって、翌年150万円の非課税枠を使えるわけではなく、翌年も上限は100万円だ。非課税口座は他の口座との損益通算ができないため、別枠で考える必要がある。

■長期保有向き

対象は新規投資に限られるので、すでに保有している株式や投信をISA口座に移動させることはできない。また一度使った枠の再利用はできないため、売却してしまえばもうその非課税枠は使えなくなる。たとえば、1年目に投資した100万円が翌年に110万円になったからといって売却してしまうと、たとえ非課税期間があと4年残っていてもその枠で新しい投資はできない。要するに、ISAは売買を繰り返す投資より、長期で保有しながらじっくり増やす投資に適しているといえる。

●長期投資だけに慎重に

東京FPコンサルティング代表の紀平正幸氏
「NISAは5年という長期投資のため、リスクが低い積立型の投資信託なら安全と話す専門家もいますが、投資商品に価格変動リスクはつきもの。非課税で優遇されている以上に資産が目減りすることだって十分にあり得ます。もちろん、制度は同じでも金融機関によって取り扱う商品も違いますし、4年間は金融機関を変えることはできません。そうした仕組みをよく理解しないまま、口座開設時のサービスだけに踊らされてはいけません」

アベノミクス相場には向かない?

「いまのアベノミクス相場は乱高下していて不安定な状況。この先も曇りや雨が降っているような状態でスタートするよりは、もう少し日本も含めて世界経済が安定して投資環境がよいタイミングから始めても遅くはありませんよ」

■「塩漬け株製造装置」?

。投資が上手く行かず、評価損を抱えている状況になれば、ほとんどの投資家は損切りをせず、そのまま塩漬けをして中・長期投資を続けるでしょう。また、上手く行って評価益が出るような状態となっても、利食いをする投資家は少ないと思います。途中で利食いをしてしまうと、その後に別の投資対象に投資を行っても、非課税枠が残って無いと課税対象となってしまうからです。そうすると、どうしても、中・長期でじっくりと投資を行うことになり、結果として失敗すれば「塩漬け株製造装置」になり、上手く行っても「投資資金固定装置」になると言うことです。

金融機関としては、売買を重ねての手数料稼ぎができませんので、株式や上場投信(ETF)などより、保有しているだけで信託報酬が見込める株式投信の販売に注力すると考えられます。

■「NISA」は損したときに注意!

「儲けに一切税金がかかりません!」と声高に謳われていますが、この制度は、あくまで「儲かる」ことを前提にした仕組みで、「損した」ときのことにはまるで配慮されていないことに注意が必要です。

 NISA口座では、その他の口座(一般口座、特定口座)で認められている損失の繰越控除がありません。損失が出たら、翌年以降の3年間は損失額までの儲けに税金がかからない仕組みがないのです。
 また、NISA口座とその他の口座の損益を相殺することもできません。

■「NISA」でダメな3つの運用方法

多くの金融機関が、FP(ファイナンシャル・プランナー)の言葉などを借りてNISA向けにお勧めの運用法を紹介しているのだが、間違いが少なくない。

 よく見かける間違いを3つ挙げると、(1)積み立て投資(2)安定運用(3)バランス・ファンドだろうか。

積み立て投資は初心者向きで、全額を一時に投資するストレスを減らす面がある。NISAでも積み立てを勧める場合は多く、「毎月8万3000円なら、1年で100万円になる」などと解説している。

 しかし、適切な投資タイミングが分からない前提なら、非課税メリットを最大限の金額×期間使えるように、100万円までの投資可能額を年初にまとめて投資するのが合理的だ。一度で投資する方が手数料も割安に済む場合が多い。

NISAで「安定運用」を勧める声があると聞いて耳を疑ったが、その理由は、NISA口座のリターンがマイナスになったら運用益非課税のメリットが受けられないから、ということらしい。

 確かにそのような場合もあり得るが、低金利時代の今、安定的に得られる利回りは非常に低く、得られるメリットはあまりに小さい。運用期間が5年間あるので、リスクのある商品でも利回りがプラスになっている公算が大きいのではないか(保証はできないが…)。

振り返ってみると、過去20年以上にわたって、株価の下げをはじめとする厳しい運用環境を見てきたせいなのだろうが、今の金利で安定運用とは、いささか悲観的にすぎる。

 NISAにバランス運用を勧めるのは、NISAでの運用中の資産をいったん売却すると、その代金を非課税口座で再投資できないからだろう。これはNISAの大きな制約条件だ。

 確かに、5年の間には、現在アベノミクスで好調な株式市場が天井を打つ可能性もあるし、リスク資産を売りたいと思うときがあるかもしれない。この点、バランス・ファンドであれば、運用者の判断でうまく調節してくれる「可能性」はある。

しかし、この可能性はおおむね現実ではない。市場全体の上下を運用者が判断して資産配分を変える運用手法は大体うまくいっていない。また、問題なのは自分の運用資産の「合計」の運用状態なので、資産配分の調節はNISA口座の外で運用している資産で、自分で行うのが分かりやすい。

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