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ふしぎなかたちの変化朝顔(へんかあさがお)図鑑

江戸時代に花開き、現代まで受け継がれている庶民の園芸文化、変化朝顔(へんかあさがお)。一つとして同じ形のものはないのに、種から育てる一年草のため、花が終わると枯れてしまうという儚さ。アサガオには見えないほどの不思議な形や、メンデルの法則にも通じる作り方の奥深さについてまとめます。

更新日: 2017年02月21日

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sugakさん

「変化朝顔」とは

江戸時代の2度の朝顔ブームを機に品種改良が大きく進んで観賞用植物となり、木版の図譜類も多数出版された。この時代には八重咲きや花弁が細かく切れたり、反り返ったりして本来の花型から様々に変化したものが生まれ、世間の注目を浴びた。
これを現在では「変化朝顔」と呼び、江戸、上方を問わず非常な流行を見た。特に珍しく美しいものは、オモトや菊などと同様、非常な高値で取り引きされた。

もはやアサガオには見えないほどの「変化朝顔」
花銘:黄飛龍葉紅覆輪総管弁流星獅子咲牡丹

「変化朝顔」の図鑑

花の形が、裂けて細くなっている「獅子咲」で、細い紐の先に反り返った花びらを吊しているように見えるのものを「風鈴」という。「牡丹」とは花びら(花弁)が多くなった八重咲きのこと。

「獅子咲牡丹」は特に形が珍しいので、変化朝顔の代表格といえるが、つくるのは大変難しい。

花の形が獅子咲で、多数の花びらが管状かつ先が少し反り返った形のものを「流星」という。

花びらが根元まで裂けている形のものを「采咲」(さいざき)という。

花びらに切れ込みがあるものを「車咲」という。
「車咲牡丹」は花の形が牡丹っぽい。

桔梗のように花が五角形に見えるものを「桔梗咲」という。写真のように花びらに切れ込みがあり車咲でもあるものも多い。

これがわかると、少しは知ったかぶりできる(?)

「八重」「ぼたん(牡丹)」「柳ぼたん」

ポプラ社『ぜんぶわかる!アサガオ』より

「獅子ざきぼたん」「車ざきぼたん」

ポプラ社『ぜんぶわかる!アサガオ』より

ポプラ社『ぜんぶわかる!アサガオ』より
本書の監修は、九州大学の仁田坂英二氏。
http://s-wonder.jp/nature/asagao/

「変化朝顔」の科学

アサガオの花は丸いイメージがあると思いますが、19世紀の江戸時代には、アサガオの花とは思えない奇異な「変化アサガオ」が多数作出されました。複数の異なる遺伝的変異を持つと多くの場合、種子ができません(不稔)が、元親は壊れていない優性遺伝子と破壊された劣性遺伝子を持ちます。元親の種子から、多重変異体を作出できることを当時の人たちは知っていたのでしょう。

東北大大学院生命科学研究科の渡辺正夫教授による新聞コラム。

アサガオは一年草であるが「出物」と呼ばれる変化は種子ができないか非常に結実しにくいため系統の維持ができず、変化が発現しなかった株により遺伝的に伝えて行くしかない。したがってたくさんの種をまき、小苗の内に葉の特徴から変化を有している株を選び出す必要がある。そのため江戸時代の人々は経験的にメンデルの法則を知っていたとも言われる。

出物の中でも観賞価値の高い「牡丹(度咲)」は、八重咲き、つまりおしべやめしべが花弁に変化したものである。このようなものは特に種子ができにくい。

最初から葉出物と牡丹出物が出ると分かっている株からの栽培の例。
多数の種をまき、子葉(ふたば)の形で葉出物を見分けて観賞用に栽培する。そのほかは親木として種を取るために育てる。

「変化朝顔」を見たい

「変化朝顔研究会」主催
例年7月末と8月末に、日比谷公園で開催される。

これはすごい!!「変化朝顔図鑑」

なによりも変化朝顔に必須の遺伝的な知識(連鎖とかトランスポゾンとか)をここまでわかりやすく解説した例を私は知らない。画像も見事で、例えば葉形の変異を形状、質、色で6ページにわたりサムネイル状にまとめてあり思わず唸る。 pic.twitter.com/cW82f9ZgQC

「変化朝顔図鑑」アンケート葉書で種をいただきました♪ 白い種! 来年蒔いてみます、楽しみ。ありがとうございます。 #変化朝顔 pic.twitter.com/wvTQvyDBCV

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