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社会構造の犠牲か?ひとり親世帯(シングルマザー)の貧困が世界最悪な日本

3日から始まったドラマ「Woman」で改めて、ひとり親世帯の深刻な貧困問題がクローズアップされています。何せひとり親世帯の貧困は世界最悪という日本。国が管理しやすい家族4人をモデルとして様々な特権を与える一方、そこから溢れた家族構成に対しては、国も社会でも冷遇されたことがこの貧困を生んでいます。

更新日: 2018年01月02日

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egawomsieteさん

■2人の娘を育てる貧困シングルマザー「現実を見ると辛いから夢の中を生きてたい」

協議離婚の末に得た北区の一戸建てにネイルサロンを開いた君島絵里子さん(仮名・40歳)は、小学生の子供を2人抱えるシングルマザーである。自宅でネイルサロンを開いており、月収ベースで20万円弱を稼いでいたが、首を痛めてからは経営が火の車だ。確定申告の際に確認したところ、昨年は必要経費を差し引いた純利益が年間18万円しかなく、自分でも愕然としたという。

「いくら節約したところで、普通に考えたら生活できませんよね。将来のことを考えていると、気持ちが煮詰まってくる。だから真剣に考えないで、フワフワ夢の中を生きているんです(笑)。可愛いものが好きだから、ゆくゆくは可愛いカフェでも開きたいなって思っているんですけどね~」

君島さんの場合、母子家庭ということで区からの手当金が子供と合わせて月に7万円入ってくる。収入が少ないため、バスなどの交通費も免除される。だが、今年春からは上の子供が中学に入学。ここから教育費が増えるのは確実だ。

「本当に頭が痛いですよ。もちろん高校は公立以外、認めないし、高1からはアルバイトをしてお小遣いは自分で稼いでもらいます。というか、最終的には子供が玉の輿で結婚して、その旦那さんに食べさせてもらおうと考えているんです。子供には冗談めかして言ってるけど、これは真剣です」

 両親は車や自宅の購入時に援助してくれ、前夫も子供の養育費として月5万円を渡してくれるなど、環境には恵まれている。それでも生きるだけで精いっぱいというのがシングルマザーの現実なのだ。

■貧困シングルマザー、託児所目当てで風俗嬢に「時給900円のバイトでは食べていけない」

女性向けの高収入求人誌には、「託児所完備」など、貧困をサポートするような謳い文句が増えている。1年前、夫による子供へのDVに悩み離婚、2歳半の息子を育てる中川絵里さん(仮名・34歳)も、支援を目当てに風俗店で働き始めた。

「当初は子育てをしながら時給900円の病院事務のバイトをフルタイムでしてましたが、国から支給される母子家庭への手当を合わせても月15万円。母もひとり親で働いているから頼れず、月5万円の託児所代が負担でした。それが今では託児所・寮込みで月30万円近くになるから……。正直、他に道はありませんでしたね」

月の稼働日数は20日間で150人近い客をとる。客1人あたりの単価は2000円。託児所・寮込みとはいえ、風俗産業でこの額では、貧困ビジネスといっていいだろう。ギリギリの生活費を残し、収入のほとんどは貯金に回しているという。

「寮には同じ境遇のママ友ばかり。ただこの前、隣に住んでる5歳くらいの子供に『今日、ママは遅いの?』って聞いたら『ホスト。新宿のマーくんって人のとこに遊びに行っちゃった』とぶっきらぼうに言ってて。子供が大きくなる前に抜け出さなきゃって……」

 劣悪な環境下で我が子を思う母の願いは切実だ。

■平均年収181万円!将来が不安なシングルマザーの「貧困」実態

厚生労働省による平成23年度全国母子世帯等調査によると、母子世帯は約124万世帯(内、母子のみの世帯は約76万世帯)。平均年間就労収入は181万円で、アルバイト・パートになると125万円だそうです。

これは、月収にして約15万円。子どもが小さいうちならなんとか過ごせるかもしれませんが、家賃や光熱費・食費などの必要経費を差し引くとほとんど残らないのは明らかです。

この数字から、シングルマザーは常に経済的な不安と隣り合わせということが読み取れるのではないでしょうか。

(1)生活費は足りている?

「自分の仕事を増やし、足りるように生活している」

「婚姻時の生活レベルではない。今後の進学等を考えると不安」

「いまの給料を維持できれば足りるが、公的支援のなかには年々減額されるものもあり、収入を増やす努力が必要」

「元夫の養育費不払いのため、生活費や保険料、子どもの被服費などでギリギリ」

(2)なんらかの支援や助成金を受けている?

「児童手当1万5千円、母子手当4万円。これを4ヶ月まとめて受給」

「ひとり親家庭手当などの各種手当、家賃・水道代・学童費などの各種減免、保育料・病児保育料免除、母子家庭等医療費助成」

「児童扶養手当を満額」(複数回答あり)

(3)支援などを申請したときの役所の対応は?

「役所の対応に不満はなかったが、学校で申請すれば返金される制度(補助金)をあとから知った。子どもの年齢に応じて、そのような情報も伝えてほしい」

「女性相談員さんのサポートも受けていたので、さまざまな情報提供があった。選択肢が多くあったわけではないけれど、新しく生活をはじめるためていねいに導いてくれた」

「一見ていねいで仕事はこなしていると思うが、相手の事を考えた対応ではない。どこへ行っても一から十まで身の上にあったことをみんながいる前で話さなければならず、役所・裁判所・年金事務所などをたらい回しにされる日々。精神的にも体力的にも経済的にもかなり追い詰められた」

(4)世間の目は気になる?

「特に。母子家庭なんて当たり前なので全然気にならない」

「離婚したてのころは、苗字も変更したので少し気になった。でも、いまでは気にしていないし、むしろ離婚を考えて悩んでいる人の目に止まるように、あえて公表している。離婚は否定的なことではないし、なによりシングルマザーの現状をしっかりと知ってほしいから」

「やはり日本では、お父さん、お母さん、子どもが揃っているのが家族、という固定観念があるので、子どものいない夫婦や片親の家庭は、なにかしら欠けているように思われがち」

「予想していた以上にシングルマザーの存在は珍しくなく、周りから後ろ指を差されるようなこともなかった」

シングルマザーを支援している民間の団体もある

シングルマザーへの支援といえば、助成金や手当などの公的支援を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、民間でシングルマザーの支援に関わっている団体もたくさんあります。

民間団体では、公的支援制度について情報提供をしたり、ランチ会やお茶会を開いたりしてシングルの人たちがお互いに交流したり情報交換できるような企画をしているところが多いです。また、子どもの貧困についての啓発セミナーを自主的に行っている団体もあります。

■被災地のシングルマザー 9 割が手取り10万円以下の月収

東日本大震災から5年。26兆円の予算を計上した集中復興期間は3月末で終了する。ボランティアの数もめっきり減った。変わりゆく被災地で、復興から取り残された人々がいる。

「被災地のシングルマザー家庭の困窮は深刻です。震災後の3年間、ずっと1日1食だったという家庭もあります」

こう語るのはNPO法人『マザーリンク・ジャパン』代表の寝占理絵さんだ。

震災直後から被災地入りしてシングルマザー家庭への支援活動を開始。現在は陸前高田、大船渡(ともに岩手県)、気仙沼(宮城県)を拠点に、仮設住宅などで暮らすひとり親家庭200世帯へ食糧支援などのサポートを行っている。

厚生労働省が平成26年に発表した『ひとり親家庭の支援について』によると、全国の母子世帯数は123万8000。

そのうち81%が就業しているが、パート・アルバイトといった非正規雇用が47%を占め、平均年間就業収入は181万円。働いているのに貧困というワーキング・プアが大半だ。

「被災地の状況は、さらに悲惨。多くのシングルマザーが非正規で働いていて、最低賃金が全国最低レベルに近いからです」(寝占さん)

陸前高田や大船渡、気仙沼の最低賃金はそれぞれ時給695円、726円。寝占さんが支援する約200世帯の9割以上が手取り10万円以下の月収だという。被災地のシングルマザーたちは困窮と疲労、そして将来の不安の真っただ中にある。

■最貧困にあえぐ無職のシングルマザーが「役所から児童扶養手当を断られた理由」

友人からの出産祝いの品物を受け取るとき「お金を貸してほしい……」という一言を大橋早苗さん(32歳・仮名)さんは必死に飲み込んできた。都内在住の彼女は愛らしいベビーグッズに囲まれながら、日々心身の飢餓感に苦しむ。発端は昨年の夏に不倫相手の子供を身籠ったことから始まった。

「堕ろすことも考えていたら、医師から子宮頸がんだと告げられました。事実上、『生涯最後の妊娠』です。女としてやはり子供を産みたいという思いが出てきて……。結局、シングルマザーとして生きていくことを決意しました」

 お腹の子の父親から養育費援助の話も出たが、大橋さんはキッパリ断り、以降まったく連絡をとっていない。それは彼女の最後の意地だったのだが、現実問題、困窮は日に日に色を濃くしている。

「妊娠中は抗癌剤の薬のせいもあり、ほとんど寝たきりの生活。貯金を切り崩しながら、買い物だけは親しい男友達に頼んでいて……」

 今年の夏に出産。そして即・子宮頸がんの手術で、大橋さんの体に大きな負担がかかってしまった。体調はなかなか戻らず、役所に児童扶養手当を申請へ。しかし……。

「特定の異性が定期的に出入りしている場合は支給できないと言われました。ただ男友達に買い物を頼んでいただけなのにバカバカしい。区のケアワーカーが見回りするらしく、近隣住民の通報もあるそうで、諦めたんです」

 大橋さんは早くに両親を亡くし、唯一の身内である弟も15年近く連絡を取っておらず絶縁状態だとか。親にも、国にも頼れない。体に無理してでも、働くしか道はなかったが……。

「実は子供が呼吸系の病気も患っていて、生後3か月経ちましたが保育園に預けることはできないんです。だから働けず、呼吸が止まらぬよう、部屋でずっと見守っている状態が続いています。こんな状態なので、出産前から飼っていた犬も手放しました」

まさに息もできないほど八方塞がりな日々。6畳間を埋める大きなベビーベッドで寝転がる我が子を、四六時中見つめ続けている生活が続いているという。

「毎日日光浴として30分ぐらいは散歩に出掛けますが、基本的に家でずっと引きこもっています。食材を買う余裕もないので、安くて高カロリーで手軽に食べれる『チョコパイ』がここ最近の主食なんです。笑っちゃいますよね」

 頼みの綱の貯金もそろそろ底を尽きようとしている。この親子に救いの手を差し伸べようとする者は、現時点では皆無だ。

■平均年収181万円! 貧困率54.6%にのぼるひとり親家庭が直面している現実とは

認定NPO法人フローレンスなどは10月22日、「ひとり親を救え! プロジェクト」の共同記者会見を東京都・霞ヶ関で開き、児童扶養手当の増額を求める署名活動の開始を発表した。会見には同法人代表理事の駒崎弘樹氏らが出席し、ひとり親家庭における深刻な貧困状況について語った。

今回のプロジェクトは一定の所得を下回ったひとり親の困窮家庭を支援するために、国が支給する「児童扶養手当」の増額を求めるもの。同手当ては第1子に対して月額最高4万1,300円が支払われるが、第2子は5,000円、第3子は3,000円と子どもが増えるにつれて支給額が減額される仕組みになっている。

プロジェクトメンバーの1人、認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏は「明らかにおかしい制度」と主張した上で、「第2子以降の支給額をせめて1万円レベルに引き上げることが必要だ」と訴えた。

会見では母子家庭を支援しているNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長の赤石千衣子氏が、日本におけるひとり親家庭の困窮状況について説明した。赤石氏によれば、母子家庭の就労率は約81%と世界でもトップクラス。

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