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【風立ちぬ】原作者 堀辰雄ってどんな人?【代表作まとめ】

公開がせまるスタジオジブリ最新作「風立ちぬ」。原作者の堀辰雄についてまとめました。

更新日: 2013年07月20日

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zckrさん

2013年7月20日に公開予定のジブリ映画「風立ちぬ」。
この作品の原作は、
1938年に発表された小説「風立ちぬ」。
著者は、映画の登場人物にもなっている堀辰雄氏です。

堀辰雄とは、
一体どのような小説家だったのでしょうか。
それをほんの少し知るためにこれから、
彼の代表作をいくつか見ていくことにしましょう。

***

堀辰雄 (1904-1953)
東京都生まれ。
長い闘病生活の中で、自らと向き合い、
生や死、そして純粋な愛や美を、
独特の文体で描いた。

1.「聖家族」(1930年)

その少女の眼ざしは、だんだんと古画のなかで聖母を見あげている幼児のそれに似てゆくように思われた。

堀辰雄の文壇デビュー作。
師である芥川龍之介の死から、この作品は生まれた。
主人公である扁理 (へんり) は、師である九鬼の死に大きな衝撃を受ける。
扁理は、九鬼の恋人であった細木夫人とその娘である絹子と出会い、
その関係性の中で、生と死、そして愛を見つめていくことになる。

2. 「美しい村」(1933年)

私はやっと其処に、黄いろい麦藁帽子をかぶった、背の高い、痩せぎすな、一人の少女が立っているのだということを認めることが出来た。

堀が、病気の療養の為に過ごした軽井沢をモデルに、
そこでの少女との出会いをモチーフに書いた作品。
これといったストーリーは無いが、村の様子や心情が美しく描かれている。
絵を描くことが好きな登場人物の少女は、
ジブリ映画「風立ちぬ」のポスターに描かれる女性とどこか似た印象。

3. 「風立ちぬ」 (1936-1937年)

風立ちぬ、いざ生きめやも

「美しい村」と同じく、病気の療養中の出来事を元にした作品。
重い病気に冒された婚約者に付き添う主人公の「私」が、
彼女の死の影に怯えながらも二人に残された時間を生きていく物語。
死ぬことの意味、そして、死を越えて生きることの意味を問う。
「風立ちぬ、いざ生きめやも」の意味は、
「風立ちぬ」=「風が吹いた/起こった」
「いざ生きめやも」=
「さあ、生きようじゃないか」と「生きようか、いや、そんなことはない」
という二つの意味が混在している。
死と生の間に置かれた複雑な心境を表している。

4. 「かげろうの日記」(1937年)

なほ物はかなきを思へば、あるかなきかの心地する
かげろふの日記といふべし。

平安時代に藤原道綱母によって書かれた「蜻蛉日記」を、堀が書き直したもの。
「待つことが生活の中心」という平安時代の女性の姿を描いた。
この作品ほか古典を扱うことで、堀の文体はより独特な魅力を持つようになった。

5. 「菜穂子」(1941年)

菜穂子、
 私はこの日記をお前にいつか読んで貰うために書いておこうと思う。

堀辰雄の最後の長編小説であり、唯一の本格長編物語。
堀文学の到達点といわれる晩年の代表作。
現代の既婚女性が自己と向き合い、家庭の中で自立していく姿を描いた。
菜穂子という名前は、ジブリ映画の「風立ちぬ」でヒロインの名前として使われている。

今回のスタジオジブリの映画では、
主人公のモデルは堀辰雄ではなく、
航空技師堀越二郎になっていますが、
ストーリーには
堀辰雄の「風立ちぬ」のテイストが
反映されているとのこと。

彼の作品は、いずれも青空文庫にて読むことが出来ます。

いよいよ映画公開です。
すでに映画を観た方も、
まだの方も、
堀辰雄氏の文学に触れてみてはいかがでしょうか。

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