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ジブリ新作を100倍楽しむために知っておきたい小説『風立ちぬ』の魅力

宮崎駿5年ぶりの監督作『風立ちぬ』の物語のベースとなった堀辰雄の同名小説のあらすじと魅力をまとめました。

更新日: 2013年07月19日

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RX200さん

映画のベースとなった小説『風立ちぬ』

主人公の青年技師・二郎が、不景気や貧困、震災などに見舞われ、やがて戦争へと突入していく1920年代という時代をどのように生きたのか、その生きざまや薄幸の少女・菜穂子との出会いなどを描く。

実在の人物である堀越二郎をモデルに、その半生を描いた作品であるが、堀辰雄の小説『風立ちぬ』からの着想も盛り込まれている

「風立ちぬ」という題名は堀辰雄さんへのオマージュになっているようです。

小説のあらすじ

やがて節子の父親が迎えに来て節子は高原を去るが「私」は生活の目途が立ったら彼女をめとることを決意する。

重い病(結核)に冒されている婚約者に付き添う「私」が彼女の死の影におびえながらも、2人で残された時間を支え合いながら共に生きる物語。

小説と映画の主人公

主人公の名前は語られず、最初から最後まで、すべて「私」の一人称で物語は語られます。
「私」の職業は小説家らしく、明らかにモデルは堀辰雄自身と思われます。

子供のころから飛行機に憧れ、東京の大学で航空工学を学んだ。その後、ドイツへの留学を経て、航空技術者として数々の戦闘機を設計することになる。

ヒロインは実在人物がモデル

結核の少女「節子」も実在の女性…堀辰雄(ほりたつお)の事実上の妻であり、婚約した約1年後に、小説と同じく結核でこの世を去った矢野綾子がモデルでしょう。

婚約者が富士見町のサナトリウムで亡くなったあと、堀は軽井沢で作品を書き上げた。

サナトリウム・・・当時の結核療養所

ちなみに映画のヒロイン、菜穂子の名前は堀辰雄の小説『菜穂子』に由来する。

「風立ちぬ、いざ生きめやも」

作中にある「風立ちぬ、いざ生きめやも」という有名な詩句は、ポール・ヴァレリーの詩『海辺の墓地』の一節“Le vent se lève, il faut tenter de vivre”を、堀辰雄が訳したものである。

ヴァレリーの詩の直訳である「生きることを試みなければならない」という意志的なものと、その後に襲ってくる不安な状況を予覚したものが一体となっている。

堀辰雄が作品に込めた想い

迫る現実の死を前に、限られた人生の意味を必死に探した。そんな姿を見つめ、作品を読み返してきた末の結論が「生命の尊さを訴えた物語」だったのではないか。

「単なる恋愛小説ではなく、命の大切さを伝えているのです」「『一生懸命生きなさい』と訴えているのです」

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