1. まとめトップ
  2. ビジネススキル

驚きの顧客満足経営で愛される長野の中央タクシーとは

わざわざ待ってでも乗りたい客がいるという人気のタクシー会社のモットーは「お客様が先、利益が後」。他を寄せ付けない圧倒的なサービスと柔軟な発想で選ばれる同社の経営に迫ります。

更新日: 2016年12月29日

397 お気に入り 280789 view
お気に入り追加

この記事は私がまとめました

chattingcatさん

▼駅前で客待ちをしないタクシー会社が大人気だという

長野の駅前の客待ちタクシーには、中央タクシーはありません。90%が予約の客でもう当日は決まってしまうからです。

駅前のタクシープールに入ってしまえば順番待ちで何時間もとられ乗車率が下がるので、中央タクシーは原則駅での客待ちはしない。また街中を流しで走って客を拾う車もほとんどないという。通常のタクシー会社とは異なる営業形態。(このまとめは2013年9月に公開したものです)

企業プロフィール 中央タクシー
設立日:1975年7月22日
本社:長野県長野市若穂保科265
売上高:14億7千万円(2012年9月期)
従業員:206人(乗務員165人)
車両数:109台
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20130725.html

「中央タクシーじゃないと乗らない」というお客さまがいるというほど、根強いファンを持つ会社です。

30分、1時間待ってでも乗りたい客が多数いる。それだけでなく「街なかを中央タクシーが走っているのを見るとホッとする」「朝一番に中央タクシーに乗るとその日1日気持ちがいい」などという客もいるという。

▼何故それほどまでに人気があるのか?

中央タクシーのドライバーは皆、親切すぎるほど親切。高齢者にはさっと手を貸し、さりげなく買い物袋を運び、雨の日には傘も差す。そして、車内の会話を通して客の家族のことを気にかけ、300メートルという超近距離でも喜んで運行する。

通常他社では嫌がられる近距離乗車についても”病院から300mであっても健常者であれば300mだが病人や障碍をお持ちの方にとってはそれは3kmかもしれない。あるいは30kmかもしれない”と考え、お客様に必要とされているのだと解しているという。

中央タクシーの乗務員には雨の日にお客に傘を差して上げること、ドアサービスや乗車時の自己紹介が義務付けられている。この他のサービスは運転手自らが自主的に行なっていて、中央タクシーの売上高は長野でトップに君臨している。

乗務員ひとりひとりがお客のことを考えて行う心遣いが圧倒的な人気の秘訣。

▼お客に人気があるから、業績も順調に伸びている

車両数100台あまりだが、売り上げは約15億円で長野県No.1。しかも地方で経営するタクシー会社の9割が赤字といわれる中、2012年度の経常利益は過去最高益を更新した。

中央タクシーは収益力という面でも、長野県の中小企業でありながら、国内大手タクシー会社と遜色ない経営力を有している

長野市のタクシー会社は、12社ありますが、「1日当たりの運行回数」や「1台当たり月間売上」で、他社を圧倒的に引き離しての1位です。例えば、1台当たりの月間売上で、中央タクシーは平均120万円弱、他の11社の平均は60万円ほどです。2倍も違うのです。

大手をも上回る経営効率を実現。

▼常識破りな創業経営者による ユニークな経営理念・経営方針

宇都宮恒久 中央タクシー株式会社 代表取締役会長
1947年長野県生まれ。日本大学工学部中退後、宇都宮乗用自動車商会に入社。1972年、再建のため父親とともに長野タクシー株式会社へ。のちに「理想のタクシー会社をつくる」と決意し、1975年に中央タクシー株式会社をたちあげ、代表取締役社長に就任。ときには業界の常識とたたかいながら徹底した「お客様が先、利益は後」を貫き、中央タクシーを市民に愛される県下売上げ№1のタクシー会社に成長させた。2008年より現職。

同社の理念の一つが「お客様が先、利益が後」。ヤマト運輸の故小倉昌男氏が掲げた「サービスが先、利益が後」をアレンジして掲げている。

宇都宮会長「小さく損して 大きく得するという考え方」(フジテレビ 奇跡体験!アンビリバボー 2013年9月5日放送)

「タクシー業界は運輸業ではなくサービス業である」

経営再建を任されて入社したタクシー会社で態度の悪い乱れた服装の古参不良乗務員たちに悩まされた経験から、後に自らが創業した会社では業界の垢のついた経験者は採用せず、即戦力にはならないが未経験の乗務員を雇用して時間をかけて教育していく方針をとるようになった。

創業して、間もないころに雑誌で、MKタクシーの青木オーナーのことを知り、青木オーナーに弟子入りします。中央タクシーでも、MKタクシーに倣い、ドライバーはネクタイを着用し、お客様の乗車時・降車時には、車から降りてドアの開け閉めを行ないました。

その甲斐あって同業では地域で最後発ながら創業3年で長野市内トップの業績を上げる。このときお手本とした京都発祥のMKタクシーは、その後強引な経営で各方面で物議をかもしているが、中央タクシーはその轍を踏むことなく顧客と従業員を大切にする経営を続けている。

県下で初めて値下げを敢行し、 迎車料金の廃止、全車両禁煙なども実施

前例にとらわれずに当時の業界の"非常識”を次々と実行。

「タクシーの一番奥にある本質は仕事をすることでお客様の人生に触れる。仕事を通してお客様の人生を守るというのが、私どもの仕事だと思っている」

当社の仕事は、お客様をただA地点からB地点にお乗せするだけでなく、地域を楽しくするお手伝いなんです。

▼経営理念を実現するため従業員教育に力を入れている

【中央タクシー 憲章】
「我々は、長野県民・新潟県民の生活にとって必要不可欠であり、さらに交通弱者・高齢者にとってなくてはならない存在となる。
私たちが接することによって「生きる」勇気が湧き、「幸せ」を感じ、「親切」の素晴らしさを知ってくださる多くの方々がいらっしゃる。
私たちはお客様にとって、いつまでもこのうえなく、なくてはならない人としてあり続け、この人がいてくれて本当に助かりますと、思わず涙と共に喜んでいただける。
我が社はそんな人々によってのみ構成されている会社です。」

この憲章でも顧客を何よりも大事にすることを宣言している。
(注)長野・新潟に加え現在は群馬県からの空港便の運行も開始している。

「1万回、品を変え、形を変え、繰り返すことの重要性」

創業当初は従業員も言うことを聞いてくれなかったが、何度も何度も繰り返して徐々に理念を浸透させていったという。

お客様に褒められるのが最強の社員教育である

乗務員はお客からほめられて更に高いサービスを目指すようになる。

▼社内は雰囲気がよく従業員も皆仲良し

中央タクシーに、接客マニュアルは存在しない。実は、その質の高いサービスを支えているのは驚くほど仲の良い社員たちの人間関係だ。会長の宇都宮恒久は言う。「社内の良い人間関係こそが、良いサービスを生み出す」と。

2002年に長野の市街地から移転した本社は山奥にある。しかも建物は質素なプレハブ造り。600坪の本社敷地はわずか180万円で購入。洗車には井戸水を使えるため水道代は無料という山奥ならではのメリットもある。

どんなに立派な建物をつくってもタクシーの場合、本社家屋の生産性はゼロである、という考えから本社を山奥に移転したという。(TV東京:カンブリア宮殿)

「楽しい会社」を基本理念に据えているだけに、自由闊達な社風が特徴。

創業者の宇都宮 恒久氏は2008年より会長職に就任し、現在会社の経営は社長である息子の宇都宮 司氏(写真)が務めている。会長は求められればアドバイスはするものの、経営は社長に任せているという。

慢性的に人手不足が深刻なタクシー業界において、この会社の離職率はここ10年間ゼロ、もちろんリストラも一切ない。

直近でも"離職率が20〜30%といわれる業界にあって、わずか1. 5%という低い離職率(TV東京:カンブリア宮殿)"とほぼ離職率ゼロを継続している。

1 2 3