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この記事は私がまとめました

keioooさん

★最後の一球

母親の自殺未遂の理由が知りたい―青年の相談に、御手洗潔はそれが悪徳金融業者からの巨額の借金であることを突き止める。裁判に訴えても敗訴は必至。さすがの御手洗も頭を抱えたが、後日、奇跡のような成り行きで借金は消滅。それは一人の天才打者と、生涯二流で終わった投手との熱い絆の賜物だった。

野球というテーマでありながら、ふたりの若者が「不遇な運命」に抗いながら、ピッチャーと
バッターという繊細な心理状態を描きながら、ストーリーが展開する著者の緻密な構成には、
頭が下がる思いである。
本当に野球を愛した、ふたりの異なる運命が待ちかまえる「最後の一球」を描くラストシーン
は、強く心を揺さぶられた。

★大延長

公立の進学校・新潟海浜と、私立の強豪・恒正学園との夏の甲子園決勝戦は延長15回でも決着がつかず、再試合にもつれこんだ。両チームの監督は大学時代のバッテリー。中心選手はリトルリーグのチームメイト。互いの過去と戦術を知り尽くした者同士の壮絶な闘いのなかで、男たちの心は大きな変化を遂げていく―野球を愛するすべての人に贈る、感動の傑作長編。

高校野球がテーマですが決して単なる青春小説ではありません。主役級の選手は精神的に成熟しているが周りの後援会、学校関係者である大人がステレオタイプに描かれていて現実さを出していますね。物語の礎はゲーム展開はもとより両監督の葛藤に集約されていると思います。ドラマチックな場面がこれでもかと畳み掛けてきますが非現実的と気持ちがさめることなく先が気になります。甲子園の応援をBGMに読むことをオススメします。熱くなれる一冊です。

★1985年の奇跡

おニャン子に夢中だったあの頃。僕らの弱小高校野球部にスゴイ奴がやってきた!『夕やけニャンニャン』を見ること以外何のヤル気もない僕らが、アイツのおかげでひょっとしたら甲子園に行けるかも!ってマジ!?―山あり谷あり、笑いあり涙ありでページをめくる手が止まらなくなる青春小説の傑作だ。

規制だらけの、まるで中学校のような高校生活や、野球部員の
ダメダメぶりなど、思わず自分の高校時代を思い出してしまう。
中川という校長や、女子マネージャーの真美など、脇役のキャラ
クターも良く描けているし、ラストのトリックや、その伏線もうまく
利いている。娯楽作として文句無く楽しめる作品である。

★どまんなか

大代台高野球部に快速球の新人ピッチャー、レブンこと青居礼文が入ってきた。甲子園に行けるかも!レブン2年の夏、力をつけて臨んだ県大会だったが。セオリー無用の高校野球ストーリー。

万年県大会1回戦負けの進学校、大代台高野球部が成長していくお話。猛練習より「猛ミーティング」がお好きで、「よろしいか?」が口癖の監督、彼の指導で、チームはひとつにまとまり、死ぬ気でがんばり甲子園へ目指していく・・・監督の想いや仲間への想いが伝わってきて、何度も涙が出ました。青春っていいなぁ~。

★熱球

甲子園に憧れていた。予選を勝ち進んだ。でも、決勝戦前夜の悲劇が僕と仲間たちの夢を断ち切った。二十年後、三十八歳になった僕は一人娘を連れて故郷に帰ってきた。仲間と再会した。忘れようとしていた悲劇と向き合った。懐かしいグラウンドでは、後輩たちが、あの頃の僕らと同じように白球を追っていた。僕も、もう一度、マウンドに立てるだろうか――。おとなの再出発を描く長編。

淡く切ない高校球児だった仲間と、故郷で再会をする主人公。
高校を卒業してから20年。主人公を取り巻く環境、そして、仲間たちとの20年と言う時の流れ。
あの頃とは、何もかも変わっているようでいて、しかし彼らの高校球児だったころの共通の想い。それは【熱球】
その熱い思い出は色あせることなく、今も彼らの胸に生きている。
話の設定は、高校球児だったころの自分と、故郷、そして重松作品の特徴である家族の絆。
前向きにそして、仲間と家族。そして遠い日の素晴らしい思い出とともに、大人になっている
主人公が、原点に立ち戻り、成長をしていく姿は、素晴らしいの一言です。
感動しました!

★イレギュラー

村が水害にあい、練習もままならない蜷谷高校・通称ニナ高の野球部。剛速球投手コーキも、日々その素質をくすぶらせていた。そんなニナ高に目を付けた名門野球部K高。格下相手を練習台にしようというのだ。自分の球に絶大な自信を持つコーキは、合同練習初日に勝負を挑むが結果は特大ホームラン。プライドをボロボロにされたコーキはリベンジに向けて、猛練習を開始した。ダメダメ野球部のむやみに熱い青春ストーリー。

野球を扱ったものというと
漫画のような展開を思い浮かべるかもしれませんが、
笑いを織り交ぜながらも
「被災」という現実問題を私達に突きつけます。
物語の中であまりにもいろいろな問題が噴出し、
暗い場面もあります。
彼らが最後までどうなるか判りませんでした。

★晩夏のプレイボール

「野球っておもしろいんだ」――甲子園常連の強豪高校でなくても、自分の夢を友に託すことになっても、女の子であっても、いくつになっても、関係ない…。野球を愛する者、それぞれの夏の甲子園を描く十の傑作短編。

色んな立場から見た「野球」というもの。
強豪の野球部だったり、弱小だったり、人数が足りなかったり、女の子だったり。
彼らが見つめる「野球」は、どれも輝いている。
あさのあつこさんの代表作である「バッテリー」とはまた違い、とても静かな雰囲気のある本だ。
どちらかというとバッテリーは、とてもドキドキさせてくれる作品だった。
それに比べてこの作品は、静かで、落ち着いている。

この本を読んだ後、私は確かに「ああ、いい本を読んだな」と思った。
是非、手にとってみてほしい。

★野球の国のアリス

野球が大好きな少女アリス。彼女は、ただ野球を見て応援するだけではなく、少年野球チーム「ジャガーズ」の頼れるピッチャー、つまりエースだった。桜の花が満開となったある日のこと。半年前、野球の物語を書くために「ジャガーズ」を取材しに来た小説家が、アリスに偶然再会する。アリスは小学校卒業と同時に野球をやめてしまったようだ。しかしアリスは、顔を輝かせながら、不思議な話を語りはじめた。「作日までわたし、おかしなところで投げていたんですよ。」…。

野球少女のアリスは鏡の向こうへと迷い込む。そこは何もかもが左右逆の世界。そして中学野球にも少女が参加できる世界だった。彼女の学校は全国一の弱小チーム。アリスの参加で全国一の強豪校との試合に臨むことになるのだが…。

 北村薫の新作と聞いただけで迷うことなく手にしましたが、これは小中学生向きに書かれたファンタジー小説でした。すべての漢字にルビが振られ、おそらく小学3年生くらいから十分に楽しめるでしょう。

★ルーズヴェルト・ゲーム

中堅メーカー・青島製作所の野球部はかつては名門と呼ばれたが、ここのところすっかり成績低迷中。会社の経営が傾き、リストラの敢行、監督の交代、廃部の危機・・・・・・。野球部の存続をめぐって、社長の細川や幹部たちが苦悩するなか、青島製作所の開発力と技術力に目をつけたライバル企業・ミツワ電器が「合併」を提案してくる。
青島製作所は、そして野球部は、この難局をどう乗り切るのか?
負けられない勝負に挑む男たちの感動の物語。

技術のある中小企業と、技術に劣るが規模は大きな企業との戦いと
その中小企業が持っている野球部の再生を賭けた物語が縦軸、横軸となって
物語が展開していきます。
「空飛ぶタイヤ」、「下町ロケット」、「鉄の骨」という作品群より
骨格がやや華奢な印象ですが、その分、エンターテインメント性がある感じがして
ぐいぐいと作品の世界に引き込まれました。
強さと弱さ、闘志と悩みが同居するごく普通の人たち、だけど少し魅力的な人たちが
織りなす魅力的な物語を是非堪能してください。
野球に詳しくない方も楽しめますが、野球をご存知でお好きな方は、さらに楽しめます。

★ひゃくはち

レギュラー入りを目指してあの手この手、でも女の人にも興味津々。強豪校の補欠球児を主人公に、爽やかなだけでない煩悩だらけの普通の高校野球を描く注目の書き下ろし小説。

野球のことはなにもしらない自分がタイトルに引かれて手に取りました。
夏の高校野球はまぶしすぎて自分にとって全然興味が向かなかったのですが、この本のおかげで野球を少し身近に感じることができました。
テレビでは取り上げられることはない等身大の高校生の姿を自分自身の記憶と重ねながらゆっくりと読ませていただきました。そういった意味でこの本の価値は小説でありながら、ドキュメントとしての面白さをもったものではないでしょうか。
何よりも野球の面白さを野球を知らないものにも楽しませてくれた文章力は、テクニックどうこうよりも、説得力のあるものでした。今年の夏の1冊です。

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